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外貨建て資産売却」の憶測に財務省困惑-為替介入原資の調達方法で (ブルームバーグ)
http://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=09bloombergto7611952&cat=10
10月9日(ブルームバーグ):政府・日銀の大規模な外国為替市場介入が続くなか、介入資金が外国為替資金特別会計の借入限度枠を超えた際の原資調達の手法をめぐる市場の憶測に対して、財務省に困惑が広がっている。取りざたされているのは、外貨建て資産を日銀に売却して得た円資金を介入に充てる手法。同省が積極的に検討していると一部で受け取られたのが背景だ。
介入の足かせ
政府は、介入資金が必要になると円建ての政府短期証券(FB)を発行し、円資金を調達している。このFB発行などによる外為特会の借り入れには限度枠が設定されており、毎年度の予算で国会の承認が必要となる。今年度の限度枠は79兆円。今年はすでに年間最高額の約13.5兆円にのぼる円売り介入を実施しており、9月末の段階で借入残高は67.7兆円程度に達している。
限度枠まで残り11兆円程度に迫っていることから、市場では限度枠が為替政策の「足かせ」になるとの思惑も出始めた。これに対し財務省の渡辺博史国際局長は2日、「そんな切羽詰まったというほど枠が小さいわけではない」と反論。1999年度補正予算で限度枠を10兆円積み上げた例もあるが、「すぐに補正で対応しなければならない状況にない」と強調する。
衆院解散・総選挙などの政治日程を考えると、年内の補正予算編成の可能性は低い。来年早々の補正編成・成立となれば2004年度本予算との時間差はない。借入枠の残高を見ながら、年末の来年度予算編成に向けて検討するというのが財務省の基本姿勢だ。
既存の手法
外為特会の借入限度枠は、2002年度、03年度にも本予算で10兆円ずつ増額されているが、仮に年内に限度枠に達したらどうなるのか。そこで浮上するのが、外貨建て資産の日銀への売却だ。政府は、円売り介入で買ったドルを米国債などの外貨建て資産で運用している。限度枠を突破した場合には、これらの資産の一部を日銀に売却して円資金を調達、新たな介入資金に充てることができる。
1971年のニクソン・ショック以前には利用されていた手段だが、急激な円高を受けて損失が出たため、その後はほとんど使われていない。財務省幹部の1人は、特会の限度枠を突破する可能性はほぼゼロに近いとの前提で、「シンプルな手法」として今でもあり得るとの見方だが、事態がそこまで切迫しているとの危機感は薄い。
「制約なし」アピールの見方も
しかしその後、財務省が緊急時の介入資金の新調達方法として日銀への売却を検討・決定したとか、林正和財務事務次官が記者会見で緊急事態になれば保有する外貨建て資産を売却するなどして調達した介入資金で再び介入できると発言した、などの憶測が流 れ、財務省内に困惑が広がった。林次官は2日の記者会見で、実際には「(枠の拡大は)来年度の話。これから予算編成に向けて機動的、弾力的な運用ができるよう対応する」と述べただけで、具体的な手法には触れていない。
財務省内では、外貨建て資産の売却は全く新しい調達方法でもなく、介入原資の調達方法などは、財務省側から積極的に手の内を明らかにすべき性質のものでもないとの声が強い。たとえ借入限度枠を超えて別の資金調達方法に切り替えたとしても、表に出すほどの話ではないとの指摘もある。一方では、特別会計からの借り入れとは別の手段があることが広く知られたことで、万一の場合も介入時の資金調達に制約はないことがアピールできたと、一連の騒ぎを前向きに受け取る見方も出ている。
東京 下土井 京子 Kyoko Shimodoi
[ 2003年10月9日8時22分 ]