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米経済コラム:通貨政策に公正さを求めてはいけない  [ブルームバーグ]
http://www.asyura2.com/2us0310/hasan30/msg/183.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 08 日 19:23:46:Mo7ApAlflbQ6s


10月5日(ブルームバーグ):ブッシュ米大統領は先週、中国は「公正な通貨政策」を採用すべきだと訴えたが、これは忘れた方がいい。通貨政策は思慮深く慎重で、信頼できるものとは限らないのだ。公正である必要がいつから生じたのだろうか?そもそも、公正という言葉は、中央銀行の辞書にはないはずだ。

  ブッシュ大統領が言わんとしたのは、中国が人民元の米ドル・ペッグ(連動)制を緩和すべきだということだ。そうすれば、為替市場は人民元を上昇させ、その結果として、中国が輸出ブームで得た為替差益の一部が還元されることになる。

  輸出産業に有利になるよう中国は人民元相場の操作を容認されていると主張してきた人々にとっては、これは公正に映るかもしれない。米議会では中国の為替政策に操作という言葉が当てはめられているけれども、こんな主張は常識に反するだろう。中国の政策は、人民元を米ドルに事実上固定した政策であるにすぎない。

政治的な調整

  固定相場制は通貨危機を生み出す土壌となりがちなため、変動相場制の方が中国には好ましいという意見も議論されてきた。一方で経済専門家の中には、固定相場制の支持者もいる。そうしたなかで、エコノミストから最も支持を得られないのは、為替相場制度が政治的な動機で調整される状況だ。昨今の中国の通貨政策をめぐる論議がまさにこれだ。中国の輸出拡大を政治的に不都合とみる外国から、中国は為替制度制度の放棄または少なくとも調整を迫られている。

  留意してほしいのは、1997年と1998年のアジア通貨危機の際には、中国はペッグ制撤廃を拒絶し、人民元を切り下げないよう嘆願した諸外国から賞賛されたことだ。しかしドルが下落した今、人民元も結果的に値下がりした。以前と違うのは、ペッグ制を放棄しない中国が欧米など世界の主要国から非難されている点だ。

  こうした人民元切り上げ要請を中国政府は無視しているものの、海外からの圧力は根強い。スノー米財務長官は、ドバイで開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を利用して、日本と中国を意図しながら、アジア諸国により柔軟な為替政策の採用を求める声明を採択させた。

              公正な相場

  「公正な」為替政策という概念に立ち返ろう。仮に中国が「公正に」行動して、人民元を切り上げたとしよう。どうすれば公正だと言えるのだろうか?中国が輸出を平等に分かち合えば公正だというのだろうか?輸出で得た富を分配すれば公正だというのだろうか?もし大統領がこう考えたのなら、これはまさに経済に関する外交上のレトリックの勝利だ。

  エコノミストたちが中国に薦める方法はこうだ。多くのエコノミストはアジア通貨危機の直後、途上国に対する賢明な唯一の助言は「両極型」のアプローチかもしれないと認識し始めた。「両極型」とは、変動相場制とペッグ制の両方を指したものだ。

  ペッグ制を採用した中国政府当局者以外は、変動相場制の方が中国にとって好ましいと言うだろう。だが、政治に敏感な為替相場制度などという政策は、積極的な経済目標の達成を目指す中国の願望とは相いれないのだ。(デービッド・デローザ)

(注:デービッド・デローザ氏は、米デローザ・リサーチ・アンド・トレーディング社長で、エール大学経営学部助教授を務めています。コラムの内容は同氏自身の見解です)

ニューカナーン(米コネティカット州) David DeRosa 東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo

Last Updated: October 8, 2003 03:08 EDT

http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=axeLgF0WX8fY&refer=top_kaigai

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