現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ30 > 158.html ★阿修羅♪ |
|
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20031009/K0008151911029.html
大阪府の民間総合病院で9月下旬、手術後の女性患者(56)が赤血球製剤の輸血を受けた直後に容体が急変し、敗血症で死亡したことがわかった。患者の血液からは緑膿(りょくのう)菌が検出され、この菌が原因で敗血症になったとみられる。製剤を出荷した日本赤十字社は、製剤が緑膿菌に汚染されていたかどうか検査している。
厚生労働省安全対策課の担当者は「点滴など輸血以外の医療行為での感染や、患者の体内にいた緑膿菌が原因になった可能性もある。日赤の検査結果を待って対応を考えたい」と話している。
緑膿菌は抗生剤が効かない多剤耐性緑膿菌が問題化しており、01年に新潟県と神奈川県で患者が死亡した。この2例は院内感染か患者自身の菌が原因になった可能性が高く、輸血用血液が原因となった死亡例は国内では確認されていない。
日赤などによると、患者は9月19日、この病院で解離性大動脈瘤(りゅう)の手術を受けた。22日午前、貧血気味だったことから病院は赤血球製剤560ミリリットルを輸血した。その直後に容体が悪化し、23日午後3時に死亡した。
病院の説明によると、患者は22日、輸血中に血圧が下がり、敗血症とみられるショック症状に陥った。敗血症は細菌が血液中に入って増殖し、全身に広がる重篤な感染症。死亡直前には血液中の緑膿菌が急激に増加していた。担当医は赤血球製剤が緑膿菌で汚染されていた疑いがあると判断。24日、手術前と後の患者の血液と、製剤が入っていた血液バッグのチューブを日赤に提出した。
病院の副院長は「手術後は集中治療室で処置しており、院内感染の可能性はないと思う。患者が保菌していた菌の可能性は否定できないが、菌が多い腸の手術ではないので、急にショック症状になるほど菌が増えることは考えにくい」と話している。
患者に輸血された赤血球製剤は9月9日に4人が行った献血からつくられ、手術当日の19日に病院に納品したと日赤は説明している。赤血球を除いた血漿(けっしょう)は日赤側が保管しており、日赤は細菌の検出調査を公的機関に依頼した。病院が提出した患者の血液、血液バッグのチューブも今後調べる。
輸血用血液の細菌汚染では00年3月、千葉県柏市の病院で肺炎球菌が混入した血小板製剤を投与された50代の男性が死亡している。先月には大阪府吹田市の病院で食中毒菌エルシニア・エンテロコリチカが混入した赤血球製剤を輸血された女性(65)が死亡し、日赤が献血血液の細菌対策を検討している。
◇
<緑膿菌> 自然界に広く存在し、感染力は比較的弱い。健康な人には害がないが、病気で抵抗力が落ちた患者や高齢者が、敗血症などを起こして死亡することもある。抗生剤が効かない多剤耐性菌が各地で院内感染を近年引き起こしているといわれる。