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http://www.asahi.com/health/medical/TKY200310040244.html
インフルエンザの特効薬として知られる「タミフル」を輸入販売している中外製薬が、同薬を予防にも使えるよう厚生労働省に承認申請をしていることが分かった。国内では治療用として01年2月に発売され、インフルエンザ脳症などが目立った昨シーズン、在庫が不足する「パニック」に陥った。予防薬として認められれば希望者が殺到することが予想され、どこで歯止めをかけるかなど薬の適正使用をめぐって議論になりそうだ。
同社は6月末、これまでの治療用に加えて予防効果を追加する申請をした。臨床試験ではインフルエンザの流行期に、健康な人に治療用の半分の量を6週間服用してもらったところ、発症抑制率85%の有効性が確認された、としている。
ワクチンと違い、ウイルスの型に関係なく効果があり、香港などで見つかったトリインフルエンザにも効くという。
米国では00年秋、欧州連合(EU)も02年秋に予防薬として承認している。日本では承認申請当初、治療用と一緒に予防用としても申請したが、審査期間が長びくため、いったん予防薬の申請を取り下げた経緯がある。
審査を担当する厚労省医薬食品局は「有効性、安全性に問題がなければ承認される」としている。審査は約1年かかるとみられ、今シーズンには間に合いそうにない。ただし承認されても、自己負担になる見通しだ。
実際に予防使用が認められれば、家族が感染した人や抵抗力の弱い幼い子やお年寄り、受験生など、服用を希望する人が相次ぐ可能性がある。
同社は、インフルエンザ患者と接触した人に、医師が1日1カプセル5日分を処方するなど限定的な用法を考えているが、どのような人を対象に処方すべきかの議論はこれからだ。
厚労省内にも予防用に使うことについて「薬がいくらあっても足りなくなる」「急性腎不全などの副作用もあるので、処方する患者を限定すべきだ」などの声もある。
インフルエンザ研究で知られる菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「予防の基本はワクチンだ。院内感染対策で、お年寄りや小児などの命にかかわる入院患者がタミフルを予防的に服用するのはいいが、使い方にルールが必要」と話す。
一方、抗生物質の乱用でどんな抗生物質も効かない耐性菌が現れて問題化したが、抗ウイルス剤のタミフルについて、同社は「臨床試験での出現率は1.4%と低く、耐性ができても動物実験では感染力が低かった」とする。これに対し、菅谷氏は「予防で飲み出すと新たな耐性や副作用の問題が出る可能性はある」と指摘している。
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<タミフル> スイスの製薬会社「ロシュ」が製造する抗インフルエンザウイルス剤。現在は成人の場合、発症後48時間以内に飲み始め、朝夕1カプセルずつを5日間服用することになっている。ウイルスの拡散を防ぐことによって増殖を抑え、症状を早く回復させる効果がある。市販後調査での副作用は1.8%で下痢、吐き気など。昨シーズンは生産量の半分以上を日本が輸入。計538万人分が国内で出荷された。
(2003/10/05)