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盗まれた古医学書巡り「日英大学摩擦」に?
約10年前に英オックスフォード大学から盗まれた16世紀の医学書が日本歯科大学の「医の博物館」(新潟市)に所蔵されていたことがわかり、オ大日本事務所(東京都港区)が返還を求めている。しかし、博物館側は「オ大にあった本か分からないし、入手に落ち度はない」と反発。事態は「日英大学摩擦」にもなりそうな気配だ。
この医学書は、近代解剖学の基礎を築いたベルギーの解剖学者ベサリウスの「人体の構造について」携帯版(1552年、2冊組)。世界に十数組しかないとも言われている希少な本だ。
同事務所によると、92〜95年にオ大クライストチャーチ校の図書館から盗まれた74タイトルのうちの一つ。95年に窃盗容疑者が捕まり、転売先の英米の古書店や競売会社などから回収したが、1組だけ残っていた。
オ大の調査では、本は94年12月、英国の競売会社からアメリカの古書商が7千ポンド(約110万円)で落札した後、東京の古書店が購入。95年に博物館に売ったことが最近判明したという。
しかし、博物館は「世界に複数あるのに、なぜオ大から盗まれた本と断定できるのか」と反発。 盗品だとしても国内法上は盗難から2年経過すれば返還義務はなくなる。樋口輝雄事務長は「正当な手続きで入手し、法的には全く問題ない」と話す。
同事務所のデイビッド・モリス代表(51)は「盗まれたものは元の所有者に返すのが常識。これは法律の問題でなく、道徳の問題だ。返さなければ、日本の大学全体の名誉にかかわる」といら立ちを隠さない。
九州大学法学研究院の河野俊行教授(国際私法・国際文化財保護法)は「仲介した古書店の役割によっては、日本の民法が適用されない可能性もでてくる。世界中で美術品などをめぐって同様の争いが続いている。トラブルを防ぐには、希少な物品ほど購入する側も過去の所有者などの出自をきちんとチェックすべきだろう」と話す。
(10/05 09:39)