http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/794.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2025年3月17日 日刊ゲンダイ2面
「石破降ろし」の笑止千万…必要なのは退陣だけではない、自民党の下野なのだ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/369139
2025/03/17 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
ハッキリしたのは自民党金権政治の宿痾(C)日刊ゲンダイ
石破首相の商品券10万円問題でハッキリしたのは自民党金権政治の宿痾だろう。何十年も議論を続け、小手先でゴマカし続けてもどうにもならない腐敗体質。これを断ち切るには政治の舞台から姿を消してもらうしかない。
◇ ◇ ◇
石破首相の商品券10万円問題は一気に政局化しているが、驚くのはよくぞ、このタイミングで、こんなバカげたことをしたものだということだ。世間は呆れ、そして、「なぜ?」と目を白黒させているが、それに答えていたのが15日付の毎日新聞だ。「商品券 自民で慣例化か、複数関係者が証言」という記事である。
<第2次安倍政権時にベテラン議員が首相公邸で会食した前日、首相周辺がこの議員のもとを訪れ、「お土産です」と紙袋を渡してきたという。開けると数十万円分の商品券だった>なんて、話がいくつも出ている。世間は石破の非常識と金銭感覚に驚いているが、自民党の中では「当たり前」だったということだ。だから、石破も平気で配る。なるほど、だとすれば、合点もいく。
選挙の際にはカネを配る。当選すれば、お祝い金。仲間にしようと会食すれば、当然、お土産。中身はもちろん、カネである。現ナマの時もあれば、今回のような商品券、背広のお仕立券、はたまた靴券なんて時もあるそうだ。これじゃあ、カネがいくらあっても足りやしない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏はこのほど、「撃破」(学習の友社)という本を上梓した。そこにこんなくだりがある。
<自民党には、治療不可能な宿痾(持病)ともいうべき3つの病があります。右傾化・金権化・世襲化という病気です>
<これらの長く続く病は自民党の体質となり、もはや自らの力で直すことは不可能なほど全身を蝕んでいます>
石破がこのタイミングで金を配った理由はここにある。彼らはビョーキなのである。
不治の病の病人に政治のカジ取りは任せられない。当たり前のことだ。
金権腐敗は自民党が抱える宿痾
それなのに、この病をひた隠しにし、ゴマカし、認めてこなかったのが歴代自民党なのである。それは何十年にもわたる「政治とカネ」の不毛な議論を振り返れば一目瞭然で、それが脈々と続いている。
裏金事件が発覚した際、時の首相、岸田文雄は「火の玉になって改革する」などと啖呵を切った。石破は「ルールを守る」「倫理観の確立に全力をあげる」と大見えを切った。
病を認めず、「私は違う、健全です」というハッタリである。国民もクリーンイメージの石破だけに「ひょっとしたら」と期待したが甘かった。
首相就任直後の衆院選ではあろうことか、裏金非公認議員にも陰で2000万円を配り、選挙で惨敗。その結果を突きつけられても裏金事件の真相に迫ろうとせず、この期に及んで、企業・団体献金禁止を認めない。有権者もさすがに「おかしいな」と思い始めていたところ、今度の10万円商品券の配布であり、「政治活動ではない」という方便、居直りなのである。
「石破をしてこのザマ」という現実は、まさしく、金権腐敗が自民党の宿痾であることの証左だろう。
「人を動かすのはカネ」が自民党の文化
西田昌司参院議員も裏金世襲議員、笑止の至りだ(C)日刊ゲンダイ
それにしてもなぜ、自民党はこの病から治癒できないのか。政治記者歴50年の野上忠興氏に聞いてみた。
「自民党の文化そのものなんですよ。その文化とは何かといえば、カネがすべての拝金主義です。
選挙運動もカネ、仲間を増やすのもカネ、総裁選もカネ、ポストを得るのもカネ。当選するのにカネを使い、当選したら、あいさつ回りでカネを配る。新人国会議員は先輩議員から“県議会もケアしておけよ”などと言われ、ヒーヒー言っている。ある総理秘書官は政治ジャーナリストにもカネを配って“これで大丈夫”とうそぶいていましたね。政治というのは人を動かすことで、人を動かすにはカネがいる。これが自民党の考え方で、文化になってしまっているんです」
ふつうの世の中では、人を動かすのは信念、説得力だが、自民党だけ違うらしい。だから、政治にはカネがかかる、などと平然とうそぶく。企業・団体献金にすがる。首相から末端までカネ、カネ、カネになるのである。河井克行元法相は妻の当選のために地方議員や首長らに2870万円を配った。柿沢未途元法務副大臣も区議らに現金を配って捕まった。安倍元首相は「桜を見る会」前夜祭で後援者に差額を補填し、嘘答弁を重ねた。これらは氷山の一角ということだ。
そして、こうした文化が世襲によって受け継がれているのが自民党なのである。石破は商品券購入代金150万円に関し、本当にポケットマネーかと突っ込まれて「遺産がある」みたいなことを漏らしていたが、国民は唖然だ。官房機密費をゴマカす方便だとしても、この金銭感覚が自民党なのである。評論家の佐高信氏もこう言った。
「先日、田中真紀子さんと週刊誌で対談した際、息子が政治家になっていないことを褒めたんです。そうしたら、自分が政治家になるときに父親(角栄)に怒られた、という秘話を教えてくれた。角栄は真紀子さんの世襲に反対だったんですね。角栄は金権政治家と言われたけど、その辺のことは逆にわかっていた。カネの大切さ、怖さでしょう。石橋湛山も世襲をさせていませんね。マトモな議員は世襲をさせなかったのに、今の自民党は世襲だらけ。裏金文化がDNAで染みついているのです」
世にもおぞましい腐敗堕落政党に自浄を求めても無理なのだ。
参院選は与党過半数割れに現実味
それなのに、自民党内からはここぞとばかりに「石破降ろし」の声が上がっている。いつもの「目くらまし」で、シャッポを替えて、自分たちだけ「生き残る」算段だ。まだ、そんなことをやっているのか、と呆れてしまう。
しかも、イの一番に名乗りを上げた西田昌司参院議員は、安倍派から411万円の還流を受けた裏金世襲議員だ。笑止千万とはこのことだ。
「石破降ろし」の声は地方議員からも上がっていて、16日の読売新聞には大阪府連、石川県連、静岡県連、栃木県連などからの「言語道断」「幻滅」などの声を載せていたが、県連だって、同じ穴のムジナである。前出の佐高氏は「半グレがヤクザを批判しているようなものだ」とバッサリだ。
金権腐敗が自民党の宿痾である以上、石破を降ろして、替えたところで何も変わらない。自民党を下野させる以外に、この国の政治をマトモに戻す術はないのだが、果たしてどうなるか。前出の野上忠興氏の分析はこうだ。
「自民下野は現実になってきましたね。今度の参院選は、非改選議席が与党で75議席。過半数は125議席ですから、与党は50議席取ればいい。まさか、それを割ることはないだろうとみられていましたが、わからなくなってきた。先の衆院選の結果を当てはめれば、32ある1人区で、与党は15勝17敗。私のもとにはさらに悪化したという数字が入っていたところに、今度の商品券です。自民党は今さら、企業・団体献金を廃止するわけにもいかないし、後ろ向きな法案で野党と対峙すれば、ますます、国民不信は増していく。京都選出で今回改選の西田参院議員が声を上げているのは、複数区の京都でさえ、危ういからでしょう」
32ある1人区で安泰なのは、中国地方など数選挙区だけという情報もあるほどだ。公明党もボロボロで1桁の予想もある。
それだけに野党もイケイケだ。衆院に差し戻される予算案も人質に取られているので、参院選前の石破退陣も現実味を帯びる。
ただし、自民は誰が首相になっても変わらない。国民はこれ以上、だまされてはいけない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK296掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK296掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。