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※2025年3月13日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年3月13日 日刊ゲンダイ2面
やることなすこと全て裏目(C)日刊ゲンダイ
予算の衆院差し戻し、年金法案は先送りなど、いよいよ、選挙前に右往左往の石破政権。身内からも「退陣要求」が突き付けられ、支持率下落、経済低迷のガンジガラメ。野党はこの機に政権交代まで突き進まなければウソだが、また裏切りが出る懸念。
◇ ◇ ◇
13日午後、石破首相が出席して衆院予算委員会が開かれる。参院で2025年度予算案を審議する最中に、衆院で質疑を行うのは異例だ。
衆院事務局によると、参院で予算案審議中に証人喚問などで衆院予算委を開いた例は過去にあるが、政策をテーマにした開催は例がないという。
つまり現憲法下で初の珍事。極めてイレギュラーな事態を招いた要因は、石破の迷走だ。例の高額療養費制度の負担上限引き上げの先送りである。
当初は今年8月から27年8月にかけて3段階で患者負担の上限額を上げる計画だったが、野党や患者団体らの反発を受け、石破の対応は二転三転。「多数回該当」の患者負担額の据え置きや、26~27年分の引き上げの再検討など悪あがきを重ねた挙げ句、ついには与党内からも批判の声が噴出し、先送りに追い込まれた。
それもそのはず。審議会での議論は昨年11月から計4回のみ。命にダイレクトに関わる問題なのに、がん患者らのヒアリングを一度も実施してこなかった。
今月4日に予算案が衆院を通過し、この問題は決着したかに見えたが、翌日の参院予算委での審議で一変した。野党側の求めで参考人として出席した全国がん患者団体連合会の轟浩美理事が、当事者らの切実な声をとうとうと紹介すると、石破は患者団体と面会する場を設けると約束。7日の面会の場で“全面凍結”を伝えたのだ。
君子豹変と言えば聞こえはいいが、すべて後手後手のその場しのぎ。夏の参院選での逆風を恐れる自民の改選組の突き上げに抗しきれなくなった末の判断で、自業自得としか言いようがない。結局、国民の命よりも選挙が大事に過ぎないのだ。
「今の体制では参院選を戦えない」
石破の日和見のせいで、衆院で修正・可決した予算案に約100億円の穴があき、与党は対応を迫られるハメに。早期成立を優先し、参院で再修正せずに成立させて予備費などをやりくりする案も検討されたが、当然、野党は反発。与党も折れて参院で予算案を再修正する方針となった。
衆院可決後の再修正のため、もう一度衆院に送ることになる。いったん衆院を通った予算案が参院で再修正され、衆院に戻されるのは極めて異例だ。こちらも現憲法下では初めてだという。
石破政権は選挙を意識して右往左往。文字通り迷走し、与党は混乱状態だ。
直近のNHK世論調査で内閣支持率は36%と前月44%から8ポイントダウン。不支持率は45%で前月35%から逆に10ポイントも跳ね上がった。
自民党内からも「ブレすぎて支持率が下がっている」との不満が高まっており、きのうの自民の参院議員総会では、公然と首相交代を求める声が上がった。西田昌司議員が「今の体制では参院選を戦えない。もう一度総裁選で新たなリーダーを選び直さないといけない」と訴えたのだ。
最近まで石破は「『辞めろ』と言っても、代わりを務めるのが誰かいるのか」と周囲に余裕をかましていたそうだが、西田は昨年の総裁選で次点だった高市前経済安保相が、新総裁の有力候補になるとの認識も示した。いつ「石破降ろし」に火がついても、おかしくない展開となりつつある。
現憲法下で初めての前言撤回でブレまくり首相
一度も指導力発揮できず(C)日刊ゲンダイ
参院選を意識した石破政権の「ブレ」はまだあって、5年に1度の年金制度改革をめぐっても先送りを模索している。年金制度改革の関連法案は、与党が今国会で特に重要と位置づける「重要広範議案」のひとつ。法案提出の期限はあすまでだったが、今さら先送りを探っているのは負担増への懸念からだ。
法案の柱は、パートら短時間労働者の厚生年金加入の賃金条件である「年収106万円の壁」の撤廃や、厚生年金の積立金を活用した基礎年金の底上げ策など。いずれも負担増を伴うが、将来、受け取る年金額が増えるのも事実である。
それでも忌避されるのは、年金問題は自民にとって選挙の「鬼門」だからだ。「消えた年金」問題で揺れた07年の参院選で惨敗したトラウマが、いまだ拭えないのだろう。せめて選挙の争点化を回避するため、野党を事前協議の場に引きずり出し、責任を負わせようと躍起だったが、立憲民主、日本維新の会、国民民主の3党は断固拒否。とことん、悪あがきを重ねるセコイ政権だが、重要広範議案の先送りも現憲法下では例がないという。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「まるで『先送り』の大安売りですが、高額療養費制度の負担引き上げも、年金制度の負担増も、参院選さえしのげれば、秋にも議論を再開するに違いない。それを国民に見透かされ、支持率が下がっているのに、石破首相も自民党も目先のことしか考えられない。かつての首相は『正直、公正』を掲げていたのに、今や不誠実な対応ばかり。いくら少数与党政権で党内基盤が弱いとはいえ、ここまで言っていたこととやっていることが食い違う首相もまた、現憲法下では初めてです」
この先も石破は上がり目なし。まず後半国会の焦点は、自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革の議論だ。立憲、維新、共産など野党が「禁止」で足並みをそろえる企業・団体献金をめぐり、石破自民は「禁止より公開」の姿勢を崩さない。後ろ向きの姿勢が顕著になるほど世論は離れる。
自民党内で賛否が割れる選択的夫婦別姓の議論も待ち構える。導入に前向きだった石破が党内保守派に配慮して、またブレれば支持率は下落の一途だ。退職金課税の見直しに意欲を示したことも足かせとなる。有権者に増税と受け止められると、参院選の一大争点に浮上するのは必至だ。
野党は大きな志のために一丸となれ
加えて物価高で実質賃金がちっとも伸びない中、トランプ不況の経済低迷も忍び寄る。もはやガンジガラメで普通なら政権はもう持たない。これで参院選で勝てなかったら野党もオシマイだ。
「昨秋の衆院選で与党が大敗した直後は、自民党内からも予算成立と引き換えに首相退陣論まで持ち上がったほどでした。ところが、今日まで石破政権が生き永らえているのは、維新や国民民主の助けがあればこそ。両てんびんにかけた石破自民の分断工作に、まんまと引っかかった形です」(金子勝氏=前出)
企業・団体献金について、国民民主の玉木代表は「我々の考えは『企業・団体献金が悪で個人献金が善』ではない」と自民がよく使うフレーズを繰り返し、野党で唯一、禁止への慎重姿勢を崩さない。一方、立憲と国民民主はガソリン税の暫定税率を今年4月に廃止する法案を国会に共同提出したが、維新は廃止時期が拙速すぎるとして反対。来年4月の廃止を目指す法案を単独で提出するなど、てんでバラバラだ。
特に国民民主と維新の確執は激しく、かつて連携を模索したのは今や昔。参院選に向け「改革保守」の政党色が重なるだけに、支持層を奪われまいとライバル関係をむき出しにしている。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「参院選で野党が勝つためには、32ある1人区での候補者調整は不可欠。しかし、今の調子だと自己本位で抜け駆けを狙う裏切り野党が出かねません。本来なら野党第1党の立憲民主がまとめ役に徹するべきなのに、一度も指導力を発揮していません。石破自民の国民への挑発は、野党の足元の乱れをみくびったものでしょう。昨秋の衆院選で与党が過半数割れに陥っている以上、次の参院選は事実上の政権選択選挙となる。野党は自分さえ良ければという小さな志を捨て、新しい政治の枠組みと日本のビジョンを示すという大きな志のために、一丸となって汗をかく必要がある」
石破政権はいよいよ自滅へ。野党はこの機に政権交代まで突き進まなければウソだ。
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