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※2025年3月4日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年3月4日 日刊ゲンダイ2面
党利党略「ゆ党」と結託、まんまと合意で生き延び(C)日刊ゲンダイ
予算審議は大詰めだが、自民党デタラメ政権に終止符を打つという有権者の審判はものの見事に裏切られた。ゆ党の政策のいいとこどりで、漂流、生き延びる政権ではマトモな景気対策も絶望だ。狂乱物価高、トランプインフレ、医療費までむしり取られ、庶民の生活はどん底へ。
◇ ◇ ◇
自民党の裏金事件、ひいては連中の宿痾と言っていい金権腐敗に心底うんざりした有権者は石破政権に鉄槌を下したはずだった。この間の国会の動きを見ていると、それが全く意味をなさなかったことがよく分かる。石破自民は臭いものにフタ、公明党は世論をナメて議席を減らしても下駄の雪。大同団結すれば政権を奪取できるはずの野党は党利党略しか頭にない。あれから4カ月。主権者国民は蚊帳の外だ。
政権の浮沈を左右する2025年度予算案の審議は、いよいよ大詰め。自公与党と日本維新の会が3日、予算案や所得税が生じる「年収103万円の壁」を見直す税制改正関連法案の早期成立で合意。4日の衆院本会議で自公維3党などの賛成多数で可決され、衆院を通過し、与党が過半数を握る参院へ送付される運びだ。よほどのハプニングが起きない限り、予算案の年度内成立は確実となった。
結果、デタラメ自民党政権に終止符を打つという有権者の審判は、ものの見事に裏切られた。“ゆ党”が容易に抱き込まれたからだ。24年度補正予算案に賛成した維新と国民民主党に石破政権がかけた二股は奏功。予算案の自然成立をパーにしたのは、自民が実態解明から逃げ回る裏金事件が足を引っ張ったためだ。旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏(政治資金規正法違反で有罪確定)の参考人招致をめぐって野党とやり合い、本人がいったんは「身体的、精神的負担が多い」と拒んだり、出席決定後は質問内容を制限するなどしたことから、あっという間に1カ月が経過。衆院予算委員会での審議日程がずるずるズレ込んだ上、松本聴取を受け、野党が旧安倍派4幹部を参考人として呼ぶ集中審議を要求したため、3日もドタバタだった。
無償化も「壁」の見直しも低評価
それでも、“ゆ党”最大勢力の維新は石破政権とガッチリ握った。大阪都構想がポシャって以降、「一丁目一番地」に掲げる高校授業料の無償化にメドをつけ、社会保険料の負担軽減についても与党との協議入りで格好がついた。悪評ふんぷんで赤字必至の大阪・関西万博への財政支援も言うがままということなのだろう。
「103万円の壁」の178万円への引き上げを求める国民民主は終盤でヘソを曲げたが、160万円までは実現できた。裏を返せば、夏の参院選で訴える余地を残したとも言える。元グラドルとの不倫発覚で役職停止処分を食らった「一枚看板」の玉木代表は、4日復帰。それに先立ち、先月末に「玉木雄一郎を総理にする会」が発足し、10日に都内で設立総会が開催されるという。メディア露出も展開するというから、「喪が明けた」と言わんばかり。令和の浮かれポンチに付ける薬はないようだ。
ゆ党の“手柄”に対する世間の目が冷ややかになるわけである。JNNの世論調査(1、2日実施)を見る限り、支持はイマイチ。高校授業料の無償化をめぐり、▽公立は今年4月から実質無償化▽私立は来年4月から所得制限を外し、支援金を年間45万7000円に引き上げる──とする自公維の3党合意について「評価できる」としたのは52%で、「評価できない」は34%。維新の「一丁目一番地」をよしとしたのは2人に1人にとどまった。
国民民主が大立ち回りを演じる「103万円の壁」をめぐっても似たり寄ったり。年収に応じて所得税の非課税枠を上乗せする自公与党案を前提に年収制限の是非について聞いたところ、「一定の年収で制限すべき」が48%で、「年収の制限をするべきではない」と回答した44%を上回った。拮抗ではあるものの、比較多数が国民民主の要求を過大と見ていることが分かる。
患者の命より、予算成立を優先するのか
喪が明けて意気揚々(C)日刊ゲンダイ
医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の自己負担限度額引き上げへの反応は、よりハッキリしている。制度維持を理由に今年8月から段階的に引き上げられる方針について「納得できる」は42%、「納得できない」は56%に上った。野党第1党の立憲民主党は「200億円の財源で凍結できる」と見直しを求めているものの、石破政権は一蹴。来年8月以降の引き上げは患者団体などの意見も聞いて改めて検討し、今秋までに決めるとして、時間稼ぎに転じた。野田代表は先月末の党大会で「(がん患者らの)命がかかることを決断しないなら、私は一度、『武装解除』と言ったが、『戦闘モード』に入りますよ」と吹かしていたが、効果なし。それより何より、緩慢過ぎる。
ジャーナリストの青木理氏はこう言う。
「高額療養費制度の自己負担増は、明らかに筋が悪い。立憲だけでなく、維新もセーフティーネットの改悪に反対している。自民党支持層は高齢者が少なくない。参院選が迫る中、なぜ石破首相はかたくなに突っぱねるのか。真意を測りかねます。巷間言われているように、予算案の年度内成立を優先したのであれば、血も涙もない。もっとも、凍結を勝ち取れない野党第1党は情けないし、ゆ党はハナから話にならない」
少数与党にのっかる石破政権は行き詰まる流れだったのに、フタを開けてみれば“ゆ党”の政策をいいとこ取りし、ほどよく「数合わせ」。前半国会の最大の関門をパスしようとしている。
しかし、漂流して生き延びる政権では、マトモな景気対策は絶望的。そこに少数与党の限界と倒錯、「国民の不幸」が見える。
防衛費にメス、消費減税の熟議を
2月の東京都区部(23区)の消費者物価指数(中旬速報値)は、値動きの大きい生鮮食品を除いた総合指数が前年同月と比べて2.2%上がった。全国の物価動向の先行指標で、上昇は3年6カ月連続。生鮮食品を含めた伸び率は2.9%だった。狂乱物価高に収束の気配は見えず、米国発の世界的なインフレ加速への懸念も高まる。「タリフマン(関税男)」を自称するトランプ大統領は4日にもカナダやメキシコ、さらに中国にも追加関税を発動。来月には「非関税障壁」も根拠にできる「相互関税」を導入すると息巻いている。そうなれば、日本経済を支える自動車産業は狙い撃ちだ。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう話す。
「野党はあれこれ喧伝していますが、一般会計の総額は過去最大の115兆円超。全体から見れば動かしたのはちんまりした額にすぎない。やってる感の演出もいいかげんにしてほしい。国民の方を向いていると言うのなら、消費税の減税について熟議すべきでしょう。その逆進性は低所得者ばかりでなく、中間層も苦しめている。インフレ課税も大問題です。財源は8.7兆円に膨れ上がった防衛費に切り込めばいい。なぜそこへメスを入れようとしないのか」
都区部の消費者物価指数によると、主食のコメ類は品薄で77.5%も上がり、過去最大の伸び率を5カ月連続で更新した。石破政権は凶作や災害時に限っていた政府備蓄米の放出に舵を切ったが、効果は期待できない。原則1年以内に放出分と同量を買い戻す前提の上、元凶である減反政策を維持。予算案にも水田を利用した作物転換の支援金として約2870億円を計上している。第2次安倍政権以降の円安政策と需要喚起でインバウンドは急増し、外食需要は高まる一方だ。このままではエンドユーザーの食卓までコメが行き渡らない可能性だってある。
エンゲル係数は3割突破が目前。医療費までむしり取られる庶民の生活はどん底へ向かっている。
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