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フェイク飛び交うトランプ米国は「対岸の火事」ではない 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/368523
2025/03/04 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
これはもはや米国主導による民族浄化に他ならない(C)ロイター
トランプ政権誕生から1カ月が過ぎた。トランプ大統領の打ち出す政策は国際秩序の破壊そのものだ。米国にはヨーロッパ諸国との不干渉を是とするモンロー主義という伝統思想があるが、トランプのそれは全く違う。「米国を再び偉大に」の名のもとに、領土問題も紛争もトランプが思うままに動かしているかのように見せることが目的で、政策は支離滅裂だ。
本来、強い者が譲ることによって、国際秩序は保たれる。ところが、「力を誇示」するために米国がやりたい放題になれば、それは米国主導の秩序の崩壊を意味する。
象徴的なのは、トランプが思うがままに領土を拡張できるかのような主張を始めていることだ。デンマーク自治領のグリーンランド、あるいはパナマ運河をよこせと言う。ネタニヤフ首相との会談では、イスラエルのジェノサイドを非難せず、米国がガザ地区を所有し、180万人の住民を追い出して「開発する」とも言った。これはもはや米国主導の民族浄化に他ならない。さらに国連安保理ではロシアのウクライナ侵略を批判しない停戦決議を出した。
経済政策では次々と関税強化を打ち出す中、国内では2034年度までで4兆5000億ドル(約670兆円)という大規模な減税を出す一方、低所得者向けの医療保険を削減する。ひどい格差拡大をもたらす。
さらに、米国のIT大手GAFAMが保守化し、トランプを支持して富の独占を狙い始めている。「表現の自由」を盾にフェイク(虚偽)情報の流布も認め始め、バンス副大統領と実業家のイーロン・マスクがドイツの極右政党の支持を表明し、総選挙に介入した。
日本人もこうした動きを無視してはならない。兵庫県知事のパワハラ疑惑ではフェイク情報が行き交い、自殺者を生んだ。トランプは前回大統領選で敗北した際、「ディープ・ステート(影の政府)が不正を働いた」などと陰謀論を振りまいたが、日本でも同じ現象が起きている。アベノミクスを支えてきたリフレ派やMMTが理論的に破綻したあげく、減税論を正当化するために「ザイム真理教」という陰謀論がSNSでまかり通りつつある。
フェイク情報が行き交う中で、ドイツの総選挙で極右政党が躍進したが、とくに経済的困難を抱えるドイツ東部の州で極右が台頭した。トランプもラストベルトで支持を広げた。日本でも、かつて小泉・竹中改革で正規と非正規の格差を生み出したにもかかわらず、支持したのは非正規労働者である。今の減税ポピュリズムもそうで、実は金持ち減税なのに、それを弱者が支持する。これはファシズム特有の現象だ。決して軽視してはいけない。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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