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※2025年2月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年2月28日 日刊ゲンダイ2面
鼻つまみ者(C)日刊ゲンダイ
よくもまあ、あまたある政党の中で、この3党がくっついたものだ。裏金腐敗堕落政党に口だけ平和の補完政党、政治家以前のフダ付き集団と、この組み合わせは悪事を糊塗する権力亡者ばかりじゃないか、という国民の目。予算が通っても参院選が見ものである。
◇ ◇ ◇
まんまと「維新の会」を抱き込んだ石破首相は、「うまくいき過ぎて困るくらいだ」──と漏らしているという。
「高校授業料の無償化」で維新と合意した石破政権は、28日にも2025年度予算案の「修正案」を衆院予算委に提出する予定だ。
24年度中に自然成立する期限となる3月2日までの衆院通過は難しい状況だが、来週中には自民、公明、維新の圧倒的多数の賛成によって衆院を通過する可能性が高い。参院にさえ送ってしまえば、自公が多数を握っているため、スピーディーに審議が進められ、予算案は年度内に成立するとみられている。
自民、公明、維新の3党が結んだ合意文書には、「25年度予算案および、25年度税制改正法について、所要の修正を行った上で、年度内の早期に成立させる」と記されているから、参院でも「3党」仲良く賛成するに違いない。
予算案に賛成してしまえば、維新は「内閣不信任案」に賛成することも難しくなるだろう。もはや、この状況は「3党連立政権」も同然なのではないか。
3党が合意した「高校授業料の無償化」の中身は、25年度から、親の年収を問わず、子どもが高校に通う全世帯に年11万8800円を支給し、26年度からは私立に通う世帯には年45万7000円を支給するというもの。こちらも所得制限はない。45万7000円の支給額は、全国の私立授業料の平均額が基準となっている。
高校授業料が無償化されれば、子育て世帯が恩恵を受けるのは確かだろう。
しかし、3党の合意内容には、はやくも異論が噴出している。日経新聞の調査によると、なんと経済学者の70%が、私立高校向けの支援額引き上げに「反対」しているとうのだ。
多くの経済学者が、「私立高校向けの支援額を引き上げると、私立が学費を上げる」と指摘し、「私立高への集中が起こり、ただでさえ疲弊している公立高の教育環境の悪化を招くのではないか」と懸念しているという。
実際、24年度から実質無償とした大阪府では、私立希望者が増え、府内公立高145校のうち70校が定員割れしてしまった。無償化に乗じて私立高が授業料を上げる可能性も高く、そうなれば、教育費の負担が軽くなったという実感も持てなくなってしまうのではないか。
それもこれも、中身を議論しないまま3党が合意したためだ。
「本来、教育は国家百年の計というべき一大事業です。教育の質をどう向上させるか、高校教育をどう位置づけるか……など、侃々諤々議論して決めるものでしょう。ところが、本質的な議論はほとんどなかった。結局、予算案を成立させたい自公と、手柄をあげたい維新が『取引』しただけの話でしょう。これでは理想的な仕組みにはなりませんよ」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
物価高対策はどうしたのか
最悪なのは、自民、公明、維新の3党が利害と打算で手を握ったために、このままでは欠陥だらけの予算案がほぼ無傷で成立してしまうことだ。
多少、減額修正されるが、それでも総額115兆円と過去最大に膨れ上がった予算案は、ムダのオンパレードだ。立憲民主党は、予備費や基金を見直すだけで3兆8000億円もの財源を捻出できると訴えている。
信じられないのは、がん患者などのセーフティーネットになっている「高額療養費制度」の見直しまで盛り込んでいることだ。「高額療養費制度」は、医療費が高額になった患者の負担を抑えるための制度だ。自己負担に「上限額」を設けることで、負担が大きくならないようにしている。
ところが、石破政権は、昨年末、この「上限額」の引き上げを決定してしまった。東大特任准教授の五十嵐中氏(医療経済学)の試算によると、患者の7割以上で自己負担が増えるという。
前出の五十嵐仁氏がこう言う。
「たしかに高校授業料の無償化は、悪い話ではないでしょう。喜ぶ人もいるでしょう。でも、25年度、新規の歳出は1000億円程度です。総額115兆円の予算規模からしたら、ほんの僅かです。はたして維新の会は、115兆円の予算案全体を評価して賛成するのでしょうか。それに高校授業料の無償化は、受益者も限られています。多くの国民に恩恵があるのは、やはり『物価高対策』だと思う。3年もつづく物価高に国民は疲弊している。なのに、自公維の3党が成立させようとしている予算案には、物価高対策につながる政策が見られない。自公維の3党は、本気で国民生活のことを考えているのでしょうか」
高額療養費制度の「見直し凍結」に必要な金額は200億円程度だ。無駄な予算を見直せば、カンタンに捻出できるのではないか。
浮かれていられるのもいまのうち
裏金集団…(C)日刊ゲンダイ
それにしても、よくもまあ、あまたある政党のなかで、よりによって自民、公明、維新の3党がくっついたものだ。共通点は「鼻つまみ者」ということなのではないか。
改めてわかったのは、あれだけ組織的な「裏金づくり」が批判されたのに、自民党はまったく反省していないということだ。安倍派会計責任者の参考人招致を散々拒否し、やっと国会外での参考人聴取に応じると思ったら、「日時と場所は非公開にしろ」「質問内容は制限する」などと要求する始末だった。
27日、ようやく参考人聴取が実現し、会計責任者だった松本淳一郎氏が「(裏金づくり)の再開を決めたのは、2022年8月の幹部会だった」と証言しても、会合に出席していた幹部の西村康稔と、世耕弘成は、「認識が異なる」「還流が決まった認識はない」と、相変わらず、知らぬ存ぜぬだった。
「清潔」「福祉」「平和」を党是に掲げている公明党も、自民党と連立を組んで「権力のうまみ」を知ったためか、すっかり変質している。
エースといわれた遠山清彦元財務副大臣は、東京地検特捜部に在宅起訴され、昨年の衆院選では、自民党さえ公認しなかった「裏金議員」2人を、党利党略から推薦している。看板だった「平和」も、いまや口先だけだ。
維新の会が「札付き集団」ということは、もはや説明もいらないのではないか。兵庫県知事の内部告発問題では、県議3人が、非公開である百条委員会の録音データを「NHKから国民を守る党」の立花党首にリークするなど、デタラメの限りをつくしていた。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「自民、公明、維新の3党を見ていて思うのは、『彼らは国民生活をわかっていない』ということです。先日、総務省が発表した2024年のエンゲル係数は、ついに28.3%に達し、1981年以来、43年ぶりの高水準でした。食費に使った割合であるエンゲル係数は、大きいほど生活が苦しい。食費以外にカネを使う余裕がない裏返しだからです。エンゲル係数の上昇に国民生活の苦しさが表れていると思う。なのに、自民も公明も維新も、国民生活に目を向けず、どうでもいい駆け引きに明け暮れている。国民は支持しませんよ」
「うまくいき過ぎて困るくらいだ」と浮かれていられるのも、いまのうちだ。夏の参院選が見ものである。
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