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兵庫県選管が立花孝志氏の“斎藤元彦アシスト”を問題視…「2馬力選挙」規制は実現するのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/366337
2025/01/17 日刊ゲンダイ
斎藤元彦知事(右)の当選をアシストした立花孝志氏の「2馬力選挙」/(C)日刊ゲンダイ
ついにメスが入るのか。
兵庫県の選挙管理委員会は15日、昨年11月の兵庫県知事選で「公職選挙法の趣旨を損ないかねない事案が発生した」として、当選を目的としない立候補に対する法整備を総務省に要望すると明らかにした。
県の選管は「ある候補者が他の候補者の支援をすること自体、公職選挙法が想定するところではなく、実際に行われると公平性の観点から問題があると考える」と話した。要望書は17日に、総務省の選挙部長に手渡す予定だという。
公選法では、候補者1人あたりの選挙カーや配布ビラの数など、数量制限が定められている。しかし、先の兵庫県知事選で、無所属で立候補したN国党党首の立花孝志氏は「自分は当選を目指さない」として、選挙期間中に斎藤元彦知事の“応援演説”を展開。単純計算で発信力が2倍になり、不公平だとの声が上がっていた。
この「2馬力選挙」は、国会でも問題視された。昨年12月3日の参院本会議で、立憲民主党の辻元清美参院議員が「(他候補の応援が許されれば)誰かを当選、または落選させる狙いで複数人が立候補する選挙運動が可能になってしまう」と指摘。村上誠一郎総務相は「一般論」と断ったうえで、「候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、その態様によっては公選法上の数量制限などに違反する恐れがある」と答弁した。
憲法違反の懸念も
果たして、法整備は進むのか。政治学者で公選法に詳しい日大名誉教授の岩井奉信氏はこう話す。
「立候補の自由や選挙運動の自由は憲法で保障されており、最大限認められるべきものです。今回のような法整備をすれば、そうした自由を制限してしまいかねません。また、『他の候補者を応援』するという行為の定義は、議論が分かれるところ。法整備は難しいでしょう」
拙速な法改正の危険性も指摘する。
「最近の選挙では想定外のことが次々に起こり、公選法について改めて考える必要が出てきている。しかし、それらの問題が一時的な現象なのか、過渡期に起こる現象なのかの議論も十分ではありません。法整備を急ぎすぎると制度に欠陥が生じ、思わぬ形で悪用されるといった問題も起こりうる。時間をかけて議論していく必要があります」(岩井奉信氏)
病める日本の選挙は、熟議で改善していくしかなさそうだ。
◇ ◇ ◇
今や新聞、TVメディアでは、すっかり“キワモノ”扱いのN国党党首の立花孝志氏だが、かつては正義感にあふれた人物だった。【関連記事】『立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い』で詳しく報じている。。
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