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※2024年12月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2024年12月26日 日刊ゲンダイ2面
前代未聞の「その場しのぎ」…石破首相は『熟議』などと格好つけているが、ただの漂流だ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/365544
2024/12/26 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
小手先国会、弥縫策ばかり繰り出す歪み政権が日本を覆う(C)日刊ゲンダイ
臨時国会が終わって、中途半端な政治改革法が成立したが、それまでの答弁をあっさり変えるその場しのぎが果たして、マトモな政治の姿なのか。選挙結果を受け入れず、権力にしがみついた結果の歪みは今後、どんどん拡大していくだろう。
◇ ◇ ◇
少数与党に転落した石破政権にとって初の本格論戦となった臨時国会は、あっと言う間に閉会した。総合経済対策の裏付けとなる総額13.9兆円の2024年度補正予算、政治資金規正法の再改正を含む政治改革関連3法、国会議員の「第2の財布」と呼ばれる調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開と残金返納を義務づける改正歳費法などが成立。閉会を受けて会見した石破首相は、「言いっぱなしや聞きっぱなしではない熟議の国会となった。一歩でも前に進むことが大事であり、それが政治のあるべき姿だ」と胸を張っていたが、呆れ返る自画自賛だ。
27日間の国会審議は、振り返ってみれば前代未聞の「その場しのぎ」のオンパレード。補正予算は政権存続と天秤にかけて28年ぶりとなる修正に応じ、「政治とカネ」をめぐる法改正にしても防衛線をずるずると後退させただけ。過半数に足りない「穴」を埋めるべく、一部の野党を与党の事前協議に引き込んで乗り切ったのが実情だ。「熟議」などと格好つけているが、平たく言えばただの漂流である。
プロレスじみた「小手先国会」
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)は、こう指摘する。
「どのあたりが『熟議の国会』と言えるのでしょうか。実態は『小手先の国会』だったと言っていい。補正予算への賛成を引き出すため、いわゆる『103万円の壁』の解消を訴える国民民主党を抱き込み、こじれたら日本維新の会に秋波を送って教育無償化に向けた協議開始で合意。立憲民主党にも配慮して、要求通りに能登半島の復旧・復興予算の1000億円増額に応じた。独哲学者のユルゲン・ハーバーマスが概念を再興した『熟議民主主義』とはかけ離れています。共通認識のもと、互いに譲歩しながら結論を導き出すというプロセスとは程遠い。自公与党は譲ったふりをする一方、野党は丸のみさせたとアピール。しかし、現実はどちらでもない。政治改革関連3法についても同様で、『政治とカネ』の決着を求める民意は全く反映されていない。臨時国会は一種のプロレスでした。石破首相の言う『熟議』はレトリックであり、目くらましです」
自民党派閥の裏金事件によって再燃した「政治とカネ」をめぐる問題の幕引きを狙い、超スピード解散で挑んだ総選挙は大惨敗。それで石破が渋々言い出した政治資金規正法の再改正は、案の定の中途半端だ。
政党から政治家個人に支出され、使途公開義務のない掴み金だった政策活動費は最終的に廃止となったが、自民は姑息に「抜け穴」をこしらえようと画策。外交秘密や企業秘密に関わる一部の支出を非公開とする「要配慮支出」を新設しようとし、野党から「新たなブラックボックスを生む」と猛批判されると、「公開方法工夫支出」に名称変更してねじ込もうとした。石破も「政党が仕切っていて、政府では交渉にならない国もある。議員外交が必要で、誰にいくらどこで払ったかが分かれば国益を害する」と熱弁をふるっていた。自民幹部が年間に億単位を手にしてきた事実上の裏金だから、何としても死守したかったのだろう。
終わってみれば痛みなしの与党ペース
妥協しないで来年は本気を出すか(C)日刊ゲンダイ
それまでの答弁をあっさり変えるような弥縫策が、果たしてマトモな政治の姿なのか。政治改革特別委員会での審議時間は、衆参合わせて約28時間半。若き日の石破も熱を上げた30年前の「平成の政治改革」では160時間超を費やしたのに対し、6分の1ほどに過ぎない。
政治資金全般を監視する第三者機関の国会設置、外国人・外国法人の政治資金パーティー券の購入禁止や、政治資金収支報告書のデータベース化も決まったが、どれも自民にとってさほどの痛みはない。一方、野党が「政治改革の本丸」と位置付ける「30年来の宿題」の企業・団体献金の禁止は先送り。与野党は今年度が終わる3月末までに「結論を得る」と申し合わせているが、見通しは真っ暗だ。憲法の「表現の自由」を盾に違憲性にまで言及した石破は、会見でも「『禁止よりも公開』との方針のもと、透明化に向けた取り組みが必要だ」と言い張っていた。政治資金の世襲禁止や政党交付金の減額・停止も見送られた。
「少数与党にもかかわらず、臨時国会は終わってみれば与党ペースで幕を閉じました。衆参両院の政治倫理審査会での弁明から逃げ回っていた裏金議員は一部を除いて応じましたが、『派閥が』『秘書が』などと異口同音。いつ、誰が、どうして裏金づくりを始めたのか。旧安倍派については、いったん廃止を決めたキックバックをなぜ再開したのか。真相究明に近づくこともできなかった」(白鳥浩氏=前出)
前門の予算案、後門の参院選
通常国会は年明けの1月24日召集が想定されている。国民の期待が高い「103万円の壁」の引き上げ幅は決着がつかずに持ち越し。石破政権は来年度予算案や関連する税制改正法案の修正も視野に入れているという。大局観のない政治はどこへ向かうのか。有権者の審判を受け入れず、権力にしがみついた結果の歪みは今後、どんどん拡大していくだろう。
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「補正予算には物価高対策のほか、能登の復興経費なども計上されたため、野党だって潰せません。ですが、来年度の本予算をまとめる通常国会はそうはいかない。予算案審議は政局に発展し、政変を招き、首相退陣につながることもある。立憲民主党は衆院予算委員会の委員長ポストも取っていますし、妥協はしないでしょう。石破首相にしてみれば、前門の予算案審議、後門の参院選といったところ。党内基盤は脆弱で、霞が関にソッポを向かれ、内閣支持率が反転する要素もない。まさに四面楚歌です。追い詰められて退陣した菅元首相の二の舞いだけは避けたい。その一心で石破首相はああでもない、こうでもないと、頭の中をこねくり回しているようです」
党内野党と揶揄されていた頃の石破は正論吐きで存在感を放っていたが、いまや何を言っても「ええかっこしい」にしか聞こえない。来る年も課題山積。のらりくらりやられたら、たまったもんじゃない。
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