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https://www.tokyo-np.co.jp/article/375421?rct=politics
YouTubeで拡げられる「薄っぺらい情報」。
東京新聞の記者がその危険性に警鐘を鳴らす。
今や、SNS上では怪しげな情報でも、その真偽も分からないまま、短時間で拡散してしまう。
多くのYouTuberの発信する情報は「真実」である必要はない。
所詮は、所謂「報道の自由」とは無縁の世界なのだ。
この辺りを誤解しているのではないか。
閲覧数稼ぎの「炎上商法」というほうが妥当なものも、数多ある。
そんないかがわし情報が公選挙で溢れかえってしまえば、有権者は、正しい選択の条件を失うことになる。
それは国民の「知る権利」に対しての冒涜であり、民主主義を否定することになり、国家権力が悪用すれば全体主義への道に繋がる。
SNSが無批判に持て囃される現下の風潮に対しての東京新聞の警鐘は当然の帰結だ
以下に記事の全文を転載する。
〈藤川晋之助氏インタビュー:前編〉
7月の東京都知事選で、当選した小池百合子氏に次ぐ約166万票を獲得して注目された石丸伸二・前広島県安芸高田市長が選挙後、米国のトランプ前大統領と会談する可能性があった…。
石丸氏の選挙対策本部で事務局長を務めた選挙プランナーの藤川晋之助氏が東京新聞のインタビューで、そんな裏話を明かした。トランプ氏はその後、11月の大統領選で再選。年明け1月に2期目の任期が始まる。
インタビューは12月20日に都内で行った。
石丸氏が選挙戦で駆使したSNSは、10月の衆院選や11月の兵庫県知事選でも選挙結果を左右するほどの影響力を見せた。藤川氏は、「SNS選挙」の課題や、2025年夏の都議選に向けて取り沙汰されている「石丸新党」結成の見通しなどについても語った。(佐藤裕介)
◇
詳しいやりとりは以下の通り。
◆「パクれるものは、みんなパクる」と玉木雄一郎氏
―衆院選では、SNSを中心に「手取りを増やす」という政策を広めるのに成功した国民民主党が躍進した。これには藤川さんのアドバイスもあったと聞く。
「玉木雄一郎代表=現在は役職停止中=とは2回、メシを食った。石丸の選挙について聞かれた。玉木氏は『パクれる(盗める)ものは、みんなパクリます』と言っていた」
「まず、事務所。都知事選で石丸事務所だった物件を、国民民主党は事務所に使った。東京駅前で(選挙戦の)最後に支援者を集めたのも、石丸のやり方と全く同じだ。玉木さん自身がSNSに対する関心が強く、所得税が生じる『103万円の壁』など分かりやすい政策をSNSでボールとして投げたのはうまかった」
◆「SNSは誰がやっても成功するわけではない」
―兵庫県知事選で出直し選挙に臨んだ斎藤元彦氏が劇的な逆転勝利を果たした原動力も、やはりネットだったとみられている。藤川さんは斎藤氏の選挙にも関わったのか。
「共通の友人の大学教授がいて、斎藤氏から『その紹介で電話してます』と(選挙戦直前に)私に電話があった。『もう明日から一人ぼっちで駅に立とうと思っています』と言うから、『一人ぼっちで?』と聞いたら、『スタッフは数人しかいません。手伝ってくれませんか』ということだった。その時は『できるだけ応援したいと思ってます』と答えたが、その後、私の友人で元参院議員の清水貴之さんも出馬することになり、(最終的には)お断りをした」
「都知事選では、自然発生的に(石丸氏を支援するフリーのYouTuberが集まり)YouTube部隊が生まれた。この人たちの半分くらいにお願いをして、9月の自民党総裁選では(藤川氏が支援していた)高市早苗さんのところに行ってもらった。彼らは衆院選では国民民主党、兵庫県知事選では斎藤元彦氏のところにも行った。知事選期間中に兵庫に様子を見に行ったら、(都知事選の時に)東京で活動していたYouTuberが何人もいた」
―SNSが選挙に与えるインパクトは拡大している。
「その通りだが、SNSは誰がやっても成功するというわけではない。衆議院では実験的に、無所属も含めいろんな候補にYouTube部隊の一部を付けてみたが、日常の政治活動をちゃんとやっていて存在感のある人と、そうではない人とでは、全く違う結果が出た。やはり日頃の政治活動が非常に重要だ」
◆「SNSの使い方、政治家も有権者も深掘りが必要」
―SNS上では真偽のあやふやな情報も一気に広まってしまうリスクがある。
「SNSでは、どうしても短時間での情報発信になる。それで(有権者は)信じちゃうわけだから、ある意味で薄っぺらい」
―「薄っぺらい情報」を信じて投じた一票も「民意」なのかもしれないが、そうやって選ばれた議員が増えた時に議会や政府を健全に運営できるのか、疑問だ。
「真実に近いものをきちっと提供する、そういうものに変わっていかないといけない。(都知事選以降)まだ半年の経験だから、そこは反省しないと。SNSの価値が高まってくるにしたがって、危うさが増しては困るわけで、そうならないように持っていかなきゃだめだろうなと思う」
―変わるべきは政治家か有権者か。
「両方だろう。今の人たちは長い本を最初から最後まで読めなくなっている。昔の人は没頭して本を読んでいた。私たちの時代は、共産主義と資本主義、どっちが大事なんだって考える時にも『資本論』を読んで勉強したりしていた。個々の有権者がそれぞれの政治哲学を持たないと、本物のリーダーは生まれてこない」
◆「石丸氏には『国政に出ろ』と言っているが…」
「都知事選が終わった後、石丸氏に、1ヶ月ぐらいアメリカに行って大統領選を見て勉強してきたらどうかと(提案した)。9月の何日か、トランプ氏の秘書から『いいですよ』って言われて、(ニューヨークの)トランプタワーに来てくれたら、石丸氏と会って、握手して、5分程度時間を取って写真を撮りましょうというところまで(段取りが)出来たのに行かなかった」
「(石丸氏は)『忙しいです』と。これがダメだったから、がっくりきちゃって(笑)」
「石丸が1ヶ月くらい前にここ(藤川氏の事務所)に来た。『新党をつくる』という話だったので、『政党をつくるのと選挙をやるのは違う』と伝えた。選挙は3ヵ月くらいやれば何とかなるが、政党は、今までたくさんの小さな政党がみんな5年以内に滅びてる、それだけ大変なんだと(言った)。だが、やる以上は成功してほしい。年が明けて1月中には発表があるのではないか」
「都議選では、1人区も含めて全ての選挙区に(候補者を)立てることになるだろう。一定の成果は出るとみている」
―石丸氏は、なぜ国政選挙ではなく都議選なのか。
「彼の王道は都知事。『一国会議員』になったって何もできないと考えている。総理大臣になるまでには時間がかかる。日本は10年後、20年後にはもう駄目になっちゃう。やっぱり一番財力のある東京都の頂点に立つ。地方の自治体と連携しながら、地方分権連合で日本を変えていくというのが一番手っ取り早い。そういう考えだ」
「本人は(都議選には)出ない。自分の仲間を都議会にどんどん送り込んで、暴れ回る。私は(石丸氏に)国政に出ろと言ってるが、うんともすんとも言わない(笑)」
(27日公開の後編に続く)
おそらくSNS上で受け手となった大半の人は、その情報がいい加減なものであることを薄々感じているのではないか。
拡散した情報がデマであったとしても、元情報の発信源は自分でないという意識があるのだろう。
こんな情報が公選挙で巷にあふれたとしたら・・・。
堅苦しい言い方をすれば「国民主権の根幹をなす選挙権が棄損される」。
言うまでもないが、公選挙では、本人が経歴詐称をすれば法に違反する。
要するに、「嘘」はいけないということなのだ。
なぜなら、誤った情報に基づいて投票することになり、主権者国民に与えられた選挙権の行使に損害を与えることになるからだ。
とすれば、選挙関連で選挙応援を目的にしようとしまいと、いい加減な情報を垂れ流すことも、厳格に規制し、違反に対しては厳しく罰することが必要ではないか。
その事は「国民の主権」を守るという憲法の趣旨にも沿うものではないかと思うところだ。
「表現の自由」も、国民の主権を棄損するものは許されないのは道理だろう。
SNSの台頭を背景に、オールドメディアと揶揄されるようになった既存の報道機関。
そんなオールドメディアは、「報道の自由」を憲法で保障されていることになっている。
「報道の自由」が保障されているのは、報道される情報が「真実」であり、国民の知る権利に奉仕するものとされているからだ。
第4のメディアとされているSNSには「発信される情報が真実である」ことが担保されていない。
SNS上に流される情報の最大の問題はここにある。
大量に流される真偽不明の情報を一つ一つ裏取りすることは不可能と言える。
しかも、YouTube等で拡げられる「薄っぺらい情報」がここまで溢れる要因に、閲覧数稼ぎという「金目」があるとすれば、当然規制されなければならない。
公選挙が、限られたYouTuberの「金づる」であってはならないと思うのだが・・・。。
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