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斎藤元彦知事「ワンチーム」訴えるも議場は反応冷ややか…再選後初の所信表明でも拭えない“Wの疑惑”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/364407
2024/12/03 日刊ゲンダイ
騒動は続く(C)日刊ゲンダイ
「知事選挙において、県民の皆様から大きなご負託をいただき、兵庫県知事として再び県政を担うことになった。重責に身が引き締まる思いであり、兵庫の躍動を止めないという強い志を胸に県政を前に進めていく」
兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事(47)が3日午前、県議会12月定例会に出席し、再選後初の所信表明演説を行った。
「文書問題を通じて多くの県民の皆様にご心配をおかけしていることを改めて心よりお詫び申し上げます」と頭を下げた斎藤知事。「県議会、市長、県職員、そして県民の皆様と広く信頼関係を構築」「議会と知事が車の両輪として、ともに歩みを進めていけるよう、真摯に議論・対話を積み重ねる」とも語っていたが、「もしトラ」ならぬ「もしサイ」に対する衝撃の余韻が残る県議らの反応は冷ややかなものだった。
もっとも議場内が重い空気に包まれていたのも無理はないだろう。
知事選後から今も続く同県内の広告会社「merchu(メルチュ)」(折田楓代表)と斎藤氏をめぐる公職選挙法違反疑惑の先行きが不透明なことに加え、2日には神戸学院大学の上脇博之教授(66)らが斎藤、折田両氏を公選法違反の疑いがあるとして、兵庫県警や神戸地検に対して告発状を提出したことが報道されたからだ。
果たして司直のメスは入るのか。「Xデー」はいつなのか。今後も悶々とした状況が続くわけで、県議や職員ももやもや感が晴れないのだろう。
結局、大事なのは自分だけ…
「ワンチームで、オール兵庫で坂をのぼり、未来の扉を開いていきたい」
斎藤知事はこれまでの態度を改め、信頼関係の構築に向けて決意を新たにしたかのようにも見えたが、県民などから《知事選前と全く変わっていない》《結局、大事なのは自分だけ》などといった投稿がみられるのが、自身に対するパワハラ疑惑の告発文書を作成し、自死した県幹部の男性職員の私的情報とされるデータがSNS上で広がっていることについて対応を問われた時の返答だ。
データは「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が男性の公用パソコンに入っていたものとしてX(旧ツイッター)上に掲載して拡散されたものだ。データが本物であれば、県の内部情報が漏洩したことになるわけで、県のトップとして早急に警察などに捜査を要請するのが筋だろう。
ところが斎藤知事は「流れている情報が本物かどうか分からない。事実関係を確認することが大事だ」と言い、弁護士を含めた第三者機関の調査を検討する――というのだ。自身に対するパワハラ疑惑の告発文書については、「不満があるからと言って業務時間中に嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員失格」と断言し、電光石火のごとく告発者の“あぶり出し”に組織を挙げて動いていた。
しかし、今回は亡くなった職員の名誉に関する重大案件にもかかわらず、どこか腰が重いのだ。
《再選の立役者が立花氏だから動きが鈍い》《漏洩がバレると自分の責任も追及されるから動きたくないのでは》
斎藤氏をめぐる疑惑は終わりが見えない。
◇ ◇ ◇
先が見えない斎藤元彦兵庫県知事の公選法違反疑惑。●関連記事【もっと読む】で《斎藤元彦知事は“無双”から絶体絶命に…公選法違反疑惑で刑事告発した上脇教授と郷原弁護士に聞いた》、【さらに読む】で《斎藤元彦氏に女帝・小池都知事と酷似する“盛り癖”…兵庫県知事選で「公約達成98%」のガセ情報拡散》を取り上げている。
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