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https://www.fnn.jp/articles/-/795188#goog_rewarded
一つの間違いが、全体の論理性を棄損するの好例。
橋下氏は、やたらと知事職にあった斎藤氏を「権力者」と連呼する。
自身が大阪府知事の職にあったときにも、同じ認識だったことを自白しているようなものだ。
さぞかし、我が世の春を謳歌したことだろう。「王様」気分で。「独裁者」気分で。
しかし、ちょっと待て。
知事は「権力者」か?
橋下氏定番の「思い違い」ではないか?
以下に記事の全文を転載する。
兵庫県の斎藤元彦知事を巡る一連の問題について、11月29日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏が見解を示した。
橋下氏は、代理人弁護士による単独会見や、PR会社の選定、契約書の不備など、斎藤知事の対応に、「権力者として失格」だと指摘した。
■代理人弁護士の単独会見は「権力者として不適切」
PR会社の代表が兵庫県知事選挙で斎藤知事の「広報全般を請け負った」とネット上のコラムに公開した問題で、斎藤知事が代理人弁護士による単独会見を行ったことについて、権力者として不適切だと橋下氏は指摘した。
橋下徹氏:僕が知事なら自分で説明すべきだと思っています。一般の人が代理人弁護士を立てて対応するのとは違います。これは権力者だからというところなんです。
橋下氏は、法律の問題については弁護士の意見が分かれることがあるため、知事自身が説明責任を果たすべきだという。
橋下徹氏:自分の政治活動について疑惑が生じて、議会で追及受けた時に『弁護士から説明させます』なんて通らない。斎藤さんが法律的な見解に専門家の力を借りたいって言うんだったら、斎藤さんが説明しながら、横に弁護士をつけて、原則は自分で説明して、その都度弁護士に確認しながらやればいい。
橋下徹氏:たった1つの問題点を斎藤さんがしっかり説明すれば解決する。PR会社にどんな頼み方をしたか説明すればいいんです。『こういう頼み方をしたんです』と斎藤さんが一言説明すればいいんですけれど、全部代理人弁護士に任せるっていうのは、権力者としてはこれは良くない。失格だと思いますよ。
■PR会社との契約は「自分なら避ける」と橋下氏
また、斎藤知事がPR会社に選挙関連の業務を依頼したことについて、橋下氏は「自分なら避ける」と述べ、利益相反の可能性を指摘した。
橋下徹氏:PR会社の社長は、兵庫県庁の重要な会議の委員を務めているんですよ。兵庫県庁の委員は、行政の仕事をやっているということで、党派性、政党色、政治色を帯びちゃいけないんです。県庁の仕事をやっている人は、原則選挙運動やってはいけないという建前なんです。なぜかというと、知事はいくらでも委員を任命できるわけですから。『委員を任命する代わりに、俺の選挙手伝ってね』ということも言えるじゃないですか。
橋下徹氏:行政の仕事、しかも重要な会議の委員、斎藤さんとも直接面識を持つような委員を務めてる人のところに、自分の選挙のことをお金を払って頼むっていうのは、僕はやっぱり権力者としてはやっちゃいけないと思う。
橋下徹氏:かつて大阪市役所で近いことをやっていて、市役所組織全体が現職の市長を当選させるって活動をやっていたんですよ。政治と行政をしっかり分けなきゃいけないということで、僕は大号令をかけた。委員が選挙運動にもし携わるようになったら、僕は『やめろ』って言います。
橋下徹氏:一部の委員が僕らを応援してくれようとしていたから、『委員を務めている以上は、僕らを応援するのはやめてください』と言った。選挙の時は、委員の人の仕事を全部止めさせました。契約を解消しています。法令上問題なくても、誤解を受けるから。
■契約書をPR会社と交わさなかったことは「危機管理能力の欠如」
斎藤知事とPR会社との間で正式な契約書が交わされていなかったことについて、絶対に契約書を残し、公職選挙法の知識が薄い人に頼むことはないと橋下氏は批判した。
橋下徹氏:僕は今回(のケース)は絶対に署名を残す。じゃあ『お前は全部契約書を交わしているのか』って言われるんですが、問題が起きないようなところでは契約書なんか交わしませんよ。
橋下氏は、公職選挙法の領域ではルールが複雑で、違反するとペナルティが大きいことから、契約書を作成しないことは危機管理能力の欠如を示していると指摘した。
橋下徹氏:相手方が公職選挙法を知らない。知識が薄い人に頼むことはまずない。今回ボランティアかどうか法律家も議論している。どちらの捉え方もある。それぐらい微妙なものであるならば、明確に契約書にしておかないと。
橋下徹氏:問題が生じた場合にはやっぱり契約書を作っておかなかったことが失敗だってなる。今回、大問題が起きているわけです。権力者としてこういう時には契約書を作っておくという危機管理能力がないと。兵庫県政でいろんな利害関係者が出てくるときに、これは契約書を作らなきゃいけない、これはいらないっていう選別の能力が権力者に問われるところなんですよ。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」 2024年11月29日放送)
記事の転載はここまで。
知事の地位と職務について、ウィキペディアで調べると次のように出てくる。
以下、ウィキペディアから一部引用。
都道府県知事は、都道府県を統括し、これを代表する(第147条)独任制の執行機関であり、地方公務員法の適用がない特別職の地方公務員である。
日本国憲法下では「地方公共団体の長」であるが、議決機関である地方議会の議員と同様に、住民の直接選挙によって公選される。それゆえ、知事と議会は対等の関係にある。
主な権限について
地方自治法は二元代表制を採用しており、知事と都道府県議会との関係についても大統領制下における大統領に類似しているが、議会による知事の不信任決議(178条)、知事による議会の解散権(同条1項)や議案提案権(149条1号)等、一部議院内閣制的な要素もみられる。
特徴的な権限(人事権以外の説明は省略)は以下のとおりである。
議会を解散する権限について
条例案に対する拒否権について
予算の調製と執行について
人事権について
政委員会職員などを除く知事部局職員の人事権を自由に行使する権限を有する。一部の行政委員会については委員の任命権を持ち、政治的影響力の行使が可能。
などなど・・・。
引用はここまで。
そもそも、住民の直接選挙によって公選される知事は、主権者から権限の一部を信託されている(に過ぎない)という認識に立たねばならない。
そして大切なことは、「知事と議会は対等の関係にある」ということだ。
地方公共団体の予算と人事権を与えられたことで「絶大な権限」を信託されるわけだが、あくまでも、主権者である住民から信託を受けているという事であり、それを忘れて「権力者」の振舞いをすることは、単に「権力を私物化」しているということであって、決してやってはいけないことだ。
非難すべきは、権力者としての資質に対してではなく、「権力の私物化」に対してだろう。
橋下氏も斎藤氏と同様、地方公共団体の長はおろか、政治家として最も相応しくない資質の人物と言えるのではないか。
蛇足だが・・・。
契約書の不存在について。
斎藤氏は当初「契約書はある」と言っていた。
私も、契約書は当然ある筈だと思っている。
公開するには不都合であることが判明し、不存在として、公開を免れようとしているだけではないのか。
霞が関の官僚の常套手段に習ったのだろう。
公的選挙においては「公費負担制度」によって、選挙運動に要した経費の一部について一定の限度額の範囲までを公費で負担する。
公費負担の対象経費は、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ポスターの作成等複数あるが、公費負担を受けようとすれば、いずれも、候補者と契約業者間で有償契約を締結し、候補者は、「契約書」の写し(ただし契約書というタイトルである必要はない)を添えて、選管に対して契約締結の届出を義務付けられている。
従って、斎藤氏が、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ポスターの作成等の費用を公費負担してもらおうとしているならば、少なくとも「契約書」の写しは選管にあることになる。
本件では、当然PR会社にも「契約書」は存在する。
それが社会の常識というものだし、本件では「公費負担制度」も要求している。
その書類は、「契約書」というタイトルである必要はない。
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