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斎藤元彦知事“火に油”の言い逃れ…知事選でのPR会社「400人分の仕事はボランティア」の怪しさ不自然さ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/364055
2024/11/27 日刊ゲンダイ
斎藤元彦知事当選確実後の様子も熱心に撮影する折田楓氏(右下)/(C)日刊ゲンダイ
寝食を惜しんだ「400人分の仕事」は無償だったのか──。斎藤元彦・兵庫県知事の公職選挙法違反(買収)疑惑を巡り、主要メディアも追及を始めた。斎藤知事は渦中のPR会社に「ポスター制作などを依頼した」と説明した上で、約70万円の報酬は公選法で認められた対価と主張。PR会社の社長は「ボランティアとして個人で参加した」と言うが、この弁明は極めて不自然すぎる。
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問題のPR会社は兵庫県西宮市の「merchu」。一躍注目を集めたのは20日、同社の折田楓代表が「広報全般を任せていただいた」などと斎藤陣営のSNS戦略を投稿サイトに告白したこと。撮影やライブ配信も行い、「食べる暇も寝る暇もない程だった」とも記した。SNS戦略を主体的に企画立案したことへの見返りに報酬が支払われていれば、買収に問われかねない。
自治体の「SNS運営」を次々受注
一方、斎藤知事サイドは「広報戦略の監修を担ってもらった認識はない」と説明。折田氏が嘘をついたような態度だが、2017年創業のmerchu社は決してポスター制作が本業ではない。
今年度は▼高知県広報広聴課「SNS公式アカウント分析等委託業務」(246万2000円)▼徳島県県民ふれあい課「SNSを主軸とした徳島新時代情報発信業務」(799万7000円)▼広島市観光政策部「SNS活用プロモーション業務」(807万4000円)──など必ず「SNS」の付く事業を次々と落札。広島市の業務は19年度から連続でコンペを勝ち抜き、契約総額は3212万円に上る。完全にSNS運営に特化した企業なのだ。
23年2月には兵庫県の「ひょうごe−県民アプリ」事業の元請け企業から「デザインリニューアル」など単発の仕事を再委託されたことも。20年に折田氏は投稿サイトで「行政の発信や広報が圧倒的にダサい」「日本のすべてのダサいをなくしたい」と豪語していた。
折田氏が兵庫県の複数の有識者会議で委員に選ばれているのもSNSを使った情報発信の知見を期待されているのだろう。これらの会議には斎藤知事も出席し、折田氏とは何度も顔を合わせているのに「今回は支援者を通じて紹介していただいた」とは、しらじらしい。
斎藤知事は9月末にmerchuのオフィスに来訪したのは認めている。わざわざポスター制作などの発注に出向くのは不自然。折田氏が〈私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました〉(現在は削除)と記した通り、SNS戦略をプロ集団に依頼したとみるのが自然ではないか。プロの仕事を無償でお願いしたのなら、壮絶な「おねだり」である。
政治資金規正法違反の疑いも
「これだけの業務実績があれば、斎藤氏サイドが『無償のボランティア』と訴えても労務の無償提供、すなわち寄付行為とみなされます。折田氏は投稿サイトに〈私の働きは400人分の仕事にみえたんや〉〈そのような仕事を、東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたい〉などと記し、会社単位で仕事を受けたことをにおわせています。政治資金規正法で、企業が寄付できるのは『政党』のみ。それ以外は禁じられており、寄付をした側、寄付を受けた側は共に刑事罰の対象となり得ます」(政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏)
merchuは今月5日、「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」に選出されたが、29日の表彰式を急きょ欠席。表彰者も斎藤知事から副知事対応に変わった。コソコソ逃げ回るのは「相当にダサい」。
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斎藤知事側は大炎上中の公職選挙法違反疑惑の否定に躍起だが、図らずもヤバい体質を露呈。●関連記事『【もっと読む】斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑』で詳報している。
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