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新時代情報戦争と兵庫知事選
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2024年11月18日 植草一秀の『知られざる真実』
10月27日の衆院総選挙、11月7日の米国大統領選、11月17日の兵庫県知事選が実施された。
衆院総選挙では国民民主党が議席を4倍増させた。
米大統領選ではトランプ前大統領が圧勝。
兵家県知事選では斎藤前知事が勝利した。
また、7月7日には東京都知事選があり、石丸伸二氏が第2位の票を得た。
四つの選挙に三つの共通点を見出すことができる。
第一は既存メディアの影響力低下。
第二はSNS等の新規インターネットメディアの影響力拡大。
第三は低年齢層の選挙への影響力拡大。
日本の選挙の最大特徴は投票率の低さ。
主権者の5割が参政権を放棄してきた。
自治体首長選挙では投票率が3割台も珍しくない。
眠れる主権者が大量に存在する。
眠れる主権者の投票を取り込むことができれば選挙結果が激変する。
この点に目を付けた陣営が得票を大幅に伸ばした。
インターネットメディアの特徴は情報流布の幅の広さ。
マスメディアが否定的に取り扱う情報も拡散できる。
同時に、政治に関心を持たなかった有権者がインターネット上の情報に引き寄せられて選挙に新規参入する現象が広がり始めた。
これを誘導する戦術を採用した陣営が得票を大幅に伸ばした。
「マスメディアが支配する選挙」が崩壊し始めている。
米国大統領選では大半のマスメディアがハリス支援体制を敷いた。
トランプとハリスの最大差異は
戦争・ワクチン・CO2に対するスタンスの相違として捉えることができる。
ハリスは戦争推進、ワクチン推進、CO2対策推進に基本的に全面賛成である。
戦争・ワクチン・CO2は米国を支配する巨大資本が重視する戦略分野。
ハリスはこの路線に異論を差し挟まない。
マスメディアは戦争・ワクチン・CO2対策を全面的に支援する。
トランプは真逆の対応を示した。
戦争の早期終結、ワクチン懐疑、CO2起源説懐疑を前面に押し立てた。
米国の主権者多数がマスメディアの誘導に従わずにトランプを支持。
マスメディアの人心支配力が低下。
米国有権者のメディアリテラシーが格段に向上している。
SNSやYOUTUBE情報の特徴は情報発信に対する規制=コードが緩いこと。
ワクチンなどではこの用語を用いただけで「監視対象」に組み入れられるなど、インターネットメディアでも情報統制が存在するが、「ワクチン」を「ちくわ」などの言葉に置き換えて対応すれば規制を免れる道は存在し、利用者の側での創意工夫も観察される。
インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。
問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。
事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。
兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。
「目的のためには手段を問わない」とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。
この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。
この問題は別途十分な検証が必要だが、選挙における情報戦のあり方が激変し始めている点に注目することが必要だ。
今後の日本政局を左右する最大の分岐点になるのが25年参院選。
参院選に向けて各陣営は選挙戦術を根本から見直さねばならない。
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