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世にも怪しい自公国協議 年収の壁 諸悪の根源は歴代自民党政権と財務省(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/120.html
投稿者 赤かぶ 日時 2024 年 11 月 15 日 05:00:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


※2024年11月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し


※紙面抜粋


※2024年11月14日 日刊ゲンダイ2面


いくつもの壁を放置してきた歴代政権の大罪(C)日刊ゲンダイ

 玉木国民の要求に自公政権は慌てて協議を始めているが、庶民いじめ、金持ち優遇の不公平税制を押し付けてきたのは誰なのか。彼らに庶民に金を回す税制改正ができるのか。玉木も人気取りだが、いくつもの壁を放置してきた歴代政権の大罪と改革の限界。

  ◇  ◇  ◇

 少数与党に陥落し、自分たちだけでは法案も予算案も通すことができなくなった自公が、国民民主党を取り込もうと「年収の壁」をめぐる政策協議を慌てて始めている。

「手取りを増やす」を衆院選公約に掲げて躍進した国民民主が要求しているのは、所得税がかかる課税最低限である「年収103万円の壁」の178万円への引き上げ。これをやるとしても税制改正に合わせて来年度以降の実施だが、国民民主は「(補正予算を組む)経済対策にも何らかの形で反映してほしい」(浜口政調会長)と主張。玉木代表も「103万円の壁の引き上げを経済対策の中に書いてもらわないと困る」と、ハードルを上げてきている。

 惨めな与党を手玉に取るように、玉木は強気一辺倒。「ゼロ回答なら来年度予算案に賛成することにならない」と与党を揺さぶるが、一方で玉木の不倫問題が尾を引いている。国民民主は13日、党の倫理委員会に調査を委任したことを明らかにした。早々に代表続投を決めたが、これまでみたいに大口を叩いてはいられないだろう。

消費税減税の方が効果的

 国民民主の「103万円の壁」引き上げという公約は人気取りの類いで、財源を考えて真剣に練られた政策とは到底思えない。

「178万円」という金額は、課税最低限が1995年から103万円に据え置かれてきたことから、その間の最低賃金の上昇率1.73倍に合わせて算出した数字だという。政府が7兆〜8兆円の税収減になると試算すると、玉木は税収の上振れや予算の使い残しなど、一時的な剰余金を充てると説明。1回こっきりの「定額減税」じゃあるまいし、恒久財源なしに恒久的な減税は無責任のそしりを免れない。

「壁」にしたっていくつもあって、103万円だけじゃないのだ。

 社会保険料の支払いが生じる「106万円の壁」と「130万円の壁」。配偶者特別控除が段階的に減り始める「150万円の壁」。配偶者控除の対象外になる「201万円の壁」もある。

 103万円の壁は、学生の場合、特定扶養控除がなくなって親の税負担が増えるラインでもある。また、103万円の壁が配偶者手当を打ち切る目安になっている企業も多く、世帯収入という観点では「手当」という手取りも減ってしまう。

 103万円の壁を178万円に引き上げれば、万々歳という単純な話ではないのだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

「国民民主党のやっていることはポピュリズムですよ。わかりやすいスローガンで問題を簡略化し、財源を放置して、有権者の支持を集めた。『手取りを増やす』と言っても、いろんな壁があるし、実際『103万円の壁』で大きく手取りが減るわけではなく、誤解ではないかという見方もある。『手取りを増やす』と言うのなら、一番簡単なのは消費税の税率を下げることですよ。これなら全国民が対象になりますし、よっぽど効果的です。国民民主も時限的な消費税減税を公約に掲げていたのだから、こちらを強く押し出すべきでしょう」

アベノミクス10年のしわ寄せが家計を直撃


12日から始まった自公国協議(C)日刊ゲンダイ

 玉木らの主張がうさんくさいのは間違いないのだが、衆院選で議席4倍増という結果は、世間が国民民主の「手取りを増やす」に喝采を送ったということだ。

 読売新聞が11〜12日に実施した世論調査でも「103万円の壁」の引き上げについて、「賛成」が78%、「反対」は13%だった。国民のこうした反応は、裏を返せば、歴代の自民党政権が財務省と一緒になって、庶民からむしり取ってばかりだったことへの怒り。諸悪の根源は自民党と財務省なのである。

 消費税と法人税の関係性がいい例で、第2次安倍政権は酷いものだった。消費税については、2014年4月に税率を5%から8%に引き上げ、19年10月に10%へとさらに引き上げた。一方で、法人税については、14年6月に安倍首相(当時)が「今後数年間で実効税率を30%未満に引き下げる」と宣言。全国平均で34.62%だったものが毎年のように段階的に引き下げられ、18年度以降、29.74%と宣言通り、30%を切っている。まるで法人税の減税分を消費税増税でカバーしたかのようだと批判されたものだ。

 富裕層への金融所得課税の強化だって、さっさとやるべきなのに、岸田前首相も現首相の石破も株価が暴落すると狼狽し、引っ込めてしまった。結局、歴代の自民党政権が庶民いじめと金持ち優遇の不公平税制を押し付けてきたから「手取りが増えない」わけで、そんな彼らに庶民に金を回す税制改正などできるのか。

 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

「アベノミクス以来のこの10年、米国、財界、株式市場が喜ぶ政策ばかりやってきました。その裏で個人が犠牲になり搾取され、しわ寄せは家計に。増税や社会保障費などの負担増により、可処分所得は圧迫され、円安物価高により実質賃金は低下しました。それが個人消費を直撃し、直近の5年間で個人消費は実質ベースで減っています。つまり、国民には苦しさが鬱積しているのです。石破首相は総裁選時に『低所得の人の負担を減らし、法人税や金融所得課税を増やす。弱った人たちに還元する』と言ってたじゃないですか。所得再配分としては望ましい政策です。これを実行すべきなのに、国民民主党の要求に沿うだけでは、何の改革にもなりません」

「モデル世帯」はとうに幻

 要は、自民党と財務省が長年、国民生活の豊かさより財源確保を優先してきたということでもある。

 所得税がかかる課税最低限は、高度成長期には物価上昇に合わせて引き上げられていたが、95年に103万円に引き上げられて以来、29年間も据え置かれていることがその象徴である。

 そうした姿勢は今現在も続いていて、厚労省が来年の通常国会に提出しようとしている106万円の壁の撤廃も、医療や年金など社会保障財源の不足を補うために保険料を負担してくれる人を増やそうとしているのが真相。つまり、泥縄なのだ。

 そもそも「年収の壁」は、本当はもっと前に引き上げたり、撤廃すべきだった。

 政府が年金支給額の基準で使う「モデル世帯」は、相変わらず「夫は40年間平均的な収入を得たサラリーマン、妻は40年間専業主婦」という昔ながらの家族の姿である。「年収の壁」を設けているのは、税制にしても社会保険にしても、いずれも専業主婦に対する優遇制度である。

 しかし、時代は変わった。共働きが増えたり、リストラや転職など「40年間平均的な収入を得たサラリーマン」は当たり前ではなくなっている。非正規同士の夫婦だっている。「モデル世帯」はとうに幻になっているのに、抜本的な改革がなされないまま、失われた30年がまだ続いているのである。

「税制も社会保障制度も、働き方や家族の形など社会の変化に全く対応できていません。LGBTや同性婚、選択的夫婦別姓制度の導入に対応できないこともそうですが、すべては自民党が時代遅れの政党だということです。積み残した宿題がたまってしまっている。衆院選に大敗し、政権を失いそうになって慌てて、その宿題に取り組んでいるのが現状で、先送りしてきた問題に対し、野党に対応を迫られる局面がこれから次々と出てくるでしょう。対応できなければ、内閣不信任ですから」(五十嵐仁氏=前出)

 そう考えてくると、自公国協議は怪しい。目先の人気取りと政権維持のための保身に、国民は騙されてはいけない。
 

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コメント
1. 赤かぶ[230087] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:02:54 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3671] 報告
<△23行くらい>

2. 赤かぶ[230090] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:07:12 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3674] 報告

3. 赤かぶ[230091] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:08:31 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3675] 報告

4. 赤かぶ[230092] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:09:33 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3676] 報告

5. 赤かぶ[230093] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:16:16 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3677] 報告
<△24行くらい>

“秋の味覚”にも「103万円の壁」 国民民主と自民・公明が協議スタート 玉木代表「必死の交渉が始まる」【news23】

2024/11/15 TBS NEWS DIG

「年収103万円の壁」の引き上げなどめぐって、国民民主党と自民・公明の各党は、税制に関する協議をスタートさせました。国民民主党の玉木代表が「必死の交渉が始まる」と意気込むなか、大幅な減収が見込まれる地方自治体からは反発の声があがっています。

※動画内で紹介したアンケートは15日午前8時で終了します。

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/

6. 氷島[1737] lViThw 2024年11月15日 05:18:42 : 2qkaDpwxjf :TOR TU56NlV2bVlPYWM=[4] 報告
大和総研
https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20241111_024732.html
⇒《学生が直面する「103万円の壁」と「130万円の壁」の引上げは政府の税・社会保険料の収入にほぼ影響を与えない。》
⇒《配偶者手当の「103万円の壁」の緩和は可能だが、「106万円の壁」と「130万円の壁」は、企業の社会保険料負担や将来の低年金者を増やす懸念などから、その見直しは難しい。》
⇒《61万人の学生が希望通り働けるようになり》
⇒《学生の税・社会保険の扶養基準引上げは政府の減収をほぼ生じさせずに学生のいる世帯の所得を増やし、企業の人手不足を緩和し、消費も活性化するメリットの多い施策》

子どもはOK。お母さんのパートはNGだってさ。
お母さんのパートもなんとかしないとねぇ…

7. 赤かぶ[230094] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:27:01 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3678] 報告
<▽40行くらい>

https://x.com/ssomurice_local/status/1857019031011610912

弓月恵太
@ssomurice_local

[「年収の壁」解消、3党協議へ 自公国税調、上げ幅が焦点(#共同通信)]

共同通信は「上げ幅が焦点」と財務省に助け船を出しているが、仮に178万円満額でなかった場合、来年の参議院選挙で議席を減らすのは国民民主党ではなく、むしろ自公側だろう。

さらに国民民主党は財源として、予算余剰金6.9兆円と税収上振れ分を2.5兆円を提示しているため、仮に自民税調が予算が足りないと言うのであれば、予算余剰金と税収上振れ分を何に使うのか、用途を明確にしなければ国民は納得しないだろう。

また、自民党の税調会長 #宮沢洋一 氏と、政調会長 #小野寺五典 氏は、次の選挙を覚悟する必要もあると思われる。

国民の80%が支持する政策を無視したり修正するということは、国民無視と受け取られても仕方がないだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9023

8. 赤かぶ[230095] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:28:29 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3679] 報告

9. 赤かぶ[230096] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:31:34 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3680] 報告

10. 赤かぶ[230097] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:34:10 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3681] 報告

11. 赤かぶ[230098] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:37:55 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3682] 報告

12. 赤かぶ[230099] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:39:41 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3683] 報告

13. 赤かぶ[230100] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:41:23 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3684] 報告

14. 氷島[1738] lViThw 2024年11月15日 05:42:06 : z8qOKzb2BA :TOR a3VVVEpiUEgxUVk=[10] 報告
「130万円の壁」撤廃にチャレンジする立憲民主党。

立憲民主党「130万円の壁」対策 社会保険料で減少した手取りを給付で補填する法案を提出
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1550173?display=1
⇒《上限は年収200万円までとし、財源はおよそ7800億円》

この「給付で」が肝なんだよねぇ…
いわゆる「大きな政府」財務省小役人が好きなやり方。自分たちが差配する権限を残す形。「たくさん取って、たくさん分配する」という…
野田立憲は、相変わらず財務省パペットであることがバレバレだ。
財務省小役人も、既得権益保守に必死だな。

でも「年収200万円までは、最初から取らない」のほうがスッキリするんじゃないの?

15. 赤かぶ[230101] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:42:16 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3685] 報告

16. 赤かぶ[230102] kNSCqYLU 2024年11月15日 05:43:50 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3686] 報告

17. 赤かぶ[230104] kNSCqYLU 2024年11月15日 06:03:54 : CutLBtY9sk : eU9hdXRrYnRWZTI=[3688] 報告
<△21行くらい>

18. 麗子像[111] l@2OcZGc 2024年11月15日 07:08:07 : o0JaD10emg : YmgudGRiZ0JIdDI=[1] 報告
政府が今3万円の給付を考えているというニュースがでた。
まるでホームレスにパンを一切れ投げつけるような、そんな光景が頭に浮かんだ。
貧乏人は乞食扱いだ。

年を越すのに10万円の給付にすべき。
国民は2千万円をくれと言っているわけではない。

選挙後すぐに103という数字が喧伝され
消費税減税に幕を張った。
国民民主は結局何もやらないと思う。

19. 秘密のアッコちゃん[1019] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月15日 08:01:52 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[584] 報告
<■1281行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
[社説]危険運転を根絶する法律に
社説
2024年11月14日 19:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD144HR0U4A111C2000000/
飲酒や猛スピードの走行など悪質な運転による事故の刑事責任を問う危険運転致死傷罪について、見直しを議論してきた法務省の検討会が報告書案をまとめた。
現行法は要件が曖昧で立証のハードルが高いとの批判があり、適用基準を明確にするなどの方針を示した。
更に議論を深め、悲惨な事故の撲滅に繋げなければならない。
危険運転致死傷罪は2001年に新設された。
東名高速道路で飲酒運転の大型トラックが乗用車に追突し、女児2人が死亡した事故がきっかけだ。
飲酒や高速走行、信号無視、煽り運転などによる事故が対象で、法定刑の上限は懲役20年と過失運転致死傷罪(同7年)より重い。
だが同罪に問うには
「進行を制御することが困難な高速度」

「アルコールの影響で正常な運転が困難」
だったことを立証しなくてはならない。
「事故を起こす前まで正常に運転していた」
などの反論が認められる可能性があった。
2024年5月に群馬県伊勢崎市で家族3人が死亡した事故では、飲酒運転で事故を起こしたトラック運転手が過失致死傷罪で起訴された後、遺族らが要望して危険運転致死傷罪に訴因変更された。
飲酒を
「過失」
とするのは市民感覚からかけ離れ、立法趣旨にも反しよう。
遺族らが納得できなかったのは当然だ。
報告書案では、速度や呼気中のアルコール濃度などの数値基準を定め、超えた場合に一律で同罪を適用することとした。
具体的数値はこれからの検討課題になる。
数値だけが適用の物差しになれば、
「基準以下だから危険運転には当たらない」
という発想を誘発しかねない。
法体系全体のバランスを踏まえつつ、適切な刑事罰を科せられるような制度にしなければならない。
厳罰化だけで事故を根絶することはできない。
ドライバー1人1人の安全意識を高めるため、交通教育や啓発を充実させる必要がある。

194キロ死亡事故「加速感楽しんでいた」 裁判員裁判で男性被告
2024/11/12 17:07
https://www.sankei.com/article/20241112-2UE5FVEWWVKTBHMWZG47XXHZHI/
大分市の一般道で令和3年、時速約194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性会社員=当時(50)=を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた男性被告(23)は2024年11月12日、大分地裁の裁判員裁判の被告人質問で、スピードを出す理由を
「エンジンやマフラー音、加速する感覚を楽しんでいた」
と述べた。
被告は死亡事故を起こすまで、高速道路で時速200〜210キロ、事故現場の県道で170〜180キロ出した経験があると説明。
弁護側からの質問に、事故時は
「150キロくらい出ている感覚だった」
と供述した。
一方、供述調書には、事故直前に感覚では200キロ近く出ていたと述べていたことを検察側から問われると
「覚えていない」
と答えた。

時速194キロ事故「過失のわけがない」 危険運転罪認めず、遺族が批判
2024/11/6 0:01
https://www.sankei.com/article/20241106-RV6O2PJRMRJ7FILIB3YCGVK3WU/
大分市で令和3年、時速約194キロの乗用車で死亡事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた男性被告(23)の裁判員裁判初公判で、検察側は2024年11月5日、事故時の様子が写った映像や損傷した被害車両の写真などを示した。
遺族は記者会見で
「一体どんな高速度だったのか」
「過失のわけがない」
と憤った。
弁護側は危険運転罪は成立せず、同法違反(過失致死)罪にとどまると主張している。
死亡した会社員、小柳憲さん=当時(50)=の姉、長(おさ)文恵さん(58)は閉廷後、ドライブレコーダーの映像や小柳さんの着衣の写真を法廷で見て、弟の痛みを想像して涙が溢れたと明かし、
「うっかり起きた過失と一緒にされたら困る」
と語気を強めた。
被告は罪状認否で危険運転罪に関して
「よく分かりません」
と述べる一方、
「小柳憲さんとご遺族に心より謝罪します」
とも口にした。
長さんは、謝罪時に遺族を見ようとしなかったとし、
「誰に向けて謝っているのだろうと感じた」
と非難した。

194キロ危険運転争う姿勢 50歳男性死亡事故で弁護側 大分地裁
2024/11/5 10:58
https://www.sankei.com/article/20241105-ETIDIULAWVIZFCIPXIZSFYQJZE/
大分市で令和3年、時速約194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性=当時(50)=を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた男性被告(23)は2024年11月5日、大分地裁の裁判員裁判初公判で起訴内容について
「よく分かりません」
と述べ、弁護側は
「危険運転致死は成立しない」
と主張した。
令和4年12月に、同法違反(過失致死)罪から訴因変更されていた。
判決は2024年11月28日。
起訴状によると、令和3年2月9日午後11時頃、上限が法定速度の時速60キロと定められた県道交差点を、対向から右折する車を妨害する目的で、制御困難な時速約194キロで進入。
会社員、小柳憲さんの車に衝突して死亡させたとしている。
大分県警は危険運転致死容疑で書類送検したが、大分地検は令和4年7月、一旦同法違反の過失致死罪で在宅起訴。
より法定刑の重い危険運転罪適用を求める署名提出を遺族から受けた後、地裁に訴因変更を請求し認められた。

時速194キロで走行、危険運転致死に問われた元少年は初公判で「そのようなこと分かりません」
2024/11/5 13:07
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241105-OYT1T50067/
大分市で2021年、法定速度の60キロを大幅に上回る時速194キロで乗用車を走行して事故を起こし、男性を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判の初公判が2024年11月5日午前、大分地裁(辛島靖崇裁判長)で始まった。
元少年は罪状認否で
「そのようなことは分かりません」
と述べた。
事故で大破した小柳さんの車(遺族提供)
起訴状では、元少年は2021年2月9日深夜、大分市の県道交差点で、制御困難な時速194キロで走行。
右折中だった同市の会社員小柳憲さん(当時50歳)の車の通行を妨害する目的で交差点に進入して事故を起こし、小柳さんを死亡させたとしている。
公判では、元少年の運転が、危険運転の適用要件である
〈1〉制御が困難な高速度
〈2〉妨害する目的で通行中の車に接近
に該当するかどうかが主な争点となる。
弁護側はこの日、危険運転致死について否認し、検察側が予備的な訴因として加えている同法の過失運転致死については争わない姿勢を示した。
検察側は冒頭陳述で、小柳さんは事故で締めていたシートベルトがちぎれて路上に飛び出し、骨盤を骨折するなどして死亡したと主張。
〈1〉については、路面の状況から車体に揺れが生じ、ハンドルやブレーキの操作を誤る恐れや、夜間に194キロで運転することで視野や視力に大きな影響を与え、操作を誤る恐れがあったなどとした。
また、右折車が来ることが想定されたとして、
〈2〉の要件も満たすと主張。
「常軌を逸した高速度で、動機は極めて身勝手」
と指摘した。
事故を巡っては、大分地検は2022年7月、法定刑の上限が懲役7年の過失運転致死で在宅起訴。
遺族らは法定刑の上限が懲役20年の危険運転致死への訴因変更を求めて約2万8000筆の署名を地検に提出。
地検は補充捜査の上、変更を地裁に請求し、認められた。

<主張>危険運転致死傷罪 国民常識との乖離埋めよ
2024/2/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240207-V6KMS75HSZNLZB4I5Z5XJLQDXU/
法務省は、危険運転致死傷罪の要件を見直す検討を始めた。
現行要件の基準が分かりにくく、事故遺族らが
「危険で悪質な事案を取りこぼさないようにしてほしい」
と要望していた。
令和3年2月、大分市内の県道交差点を右折する会社員の乗用車に、当時19歳の少年が運転する直進車が衝突した。
会社員は死亡した。
直進車は法定速度60キロの3倍を超える時速194キロで走行し、少年は
「何キロ出るか試したかった」
と供述したのだという。
大分県警は危険運転致死罪の要件である
「制御困難な高速度」
に当たるとして同容疑で送検したが、大分地検は
「直線道路で走行を制御できていた」
などとして過失運転致死罪で在宅起訴した。
危険運転の法定刑の上限は懲役20年、過失運転の上限は7年で、大きな開きがある。
遺族は納得いかない。
そもそも制御できないから衝突したのではないのか。
遺族は署名を集めて訴因変更を求める上申書を提出し、これを受けた補充捜査を経て危険運転致死罪に訴因は変更された。
遺族の声を受けての訴因変更は、要件のあいまいさを物語る。
平成30年12月、法定速度60キロの一般道を146キロで走行してタクシーに突っ込み、乗客ら4人が死亡した事故でも、危険運転致死傷罪で起訴された被告に津地裁、名古屋高裁は
「制御困難な高速度が証明されていない」
として過失運転と判断し、懲役7年の判決が確定した。
現行法では、無免許であっても一定の運転技能ありと判断されれば、危険運転の要件を満たさない。
信号無視による事故は
「殊更に」
無視した場合に限られ、
「殊更」
の証明、解釈に振り回される。
法曹界には他罪種や過去事件の刑罰とのバランスを重視するあまり、危険運転の適用を躊躇する傾向があり、要件の曖昧さがこれを助長しているとの指摘もある。
被害者や家族は、この構図に憤っている。
危険運転致死傷罪は、東名高速道で飲酒運転のトラックが女児2人を死亡させた事故をきっかけに平成13年に創設された。
強い被害感情に応えるための法律が、その運用をめぐって被害者の怒りを倍加させている。
要件の整理と明確化で国民常識との乖離を埋めてほしい。

再考・犯罪被害者
<特報>時速194キロ、危険運転ではないのか 遺族が動かした異例の訴因変更
2023/1/23 8:50
https://www.sankei.com/article/20230123-NBCPUZLDCVJIJAQRRGGPI2ZWXM/
憲ちゃんが亡くなった−。
訃報は突然やってきた。
令和3年2月9日午後11時頃、大分市内の県道交差点。
右折する車に、対向車線を直進してきた1台の乗用車が衝突した。
いわゆる「右直事故」。
右折車を運転していた会社員、小柳憲さん=当時(50)=がこの事故で死亡した。
衝突直前の直進車の走行速度は時速194キロ。
法定速度(60キロ)の3倍を超えていた。
「なんで弟が…」。
事故から半日後、小柳さんの姉は、棺に横たわる弟と対面した。
顔にはほとんど傷がなく、
「事故に遭ったとは思えないほど、いつもの穏やかな表情だった」。
ただ頭部以外は全て包帯でくるまれていた。
「辛い思い出が残るから見ない方がいい」。
受傷の程度が書かれた死亡診断書でさえ、見るのを制された。
大分県警から受けた説明によると、小柳さんは事故当時、シートベルトをしていたが、衝撃でベルトが切れて車外にほうり出され、後続車の近くに倒れているところを発見された。
肋骨や骨盤など全身に多数の骨折があった。
死亡確認は約2時間半後。
「最期を迎えるまで、どれほど苦しかったことか…」。
想像を絶したであろう弟の痛みや苦しみを思い、姉はただ涙を流すことしかできなかった。
直進車を運転していた当時19歳の元少年は調べに
「何キロ出るか試したかった」
と供述したという。
大分県警はこうした事情も踏まえ、元少年の運転が、自動車運転処罰法が定める危険運転致死罪の適用要件である
「制御困難な高速度」
に当たると判断。
事故から2カ月後に元少年を同容疑で書類送検した。
姉も当然、同罪で起訴されるものと期待した。
だが大分地検は翌年令和4年7月、過失運転致死罪で元少年を在宅起訴した。
遺族には
「直線道路で走行を制御できていた」
などと説明し、
「制御困難」
に当たらないとの見解を示した。
《高速度走行(自動車運転処罰法2条2号)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為》
「一般道を時速194キロで走るのが危険運転でないのなら、一体どんな運転が危険運転になるのか」。
姉は思わず本音をぶつけた。
だが、担当検事は
「捜査の結果、危険運転の立証には至らなかった」
と答えるのみだった。
「前代未聞の高速度」
「家族にも見せることができない身体の損傷」
「原形をとどめないほど大破した車」
「危険運転致死傷罪は生命の尊厳を守るために創設されたはずなのに、こんな理不尽なことがあってもいいのでしょうか」
姉はそれ以降、地検に翻意を促そうと奔走した。
令和4年8月には記者会見を開いて危険運転致死罪の適用が見送られた理不尽さを訴え、同罪への訴因変更を求める上申書を地検に提出。
翌月令和4年9月には犯罪被害者の自助グループ「ピアサポート大分絆の会」(大分県国東市)の支援も受けながら、地検に補充捜査を求める署名活動を行い、全国の賛同者から集まった約2万8000筆を令和4年10月に提出した。
「弟の無念を晴らしたい」。
その一心で続けた地道な訴えは令和4年11月、ようやく実を結ぶ。
地検と県警が当時の事故状況を再現する補充捜査を実施。
僅か2週間後の令和4年12月1日には地検が危険運転致死罪への訴因変更を大分地裁に請求し、同月令和4年12月20日に認められた。
「声を上げなければ過失運転で終わっていた」
「ほっとしました」。
姉は訴因変更の知らせに安堵の言葉を口にした。
事故は今後、裁判員裁判で審理される。
「裁判をしたからといって弟の命は決して戻りません」。
それでもようやく、スタートラインに立てた気がする。
「真っ当な判決が言い渡されてほしい」
「望むことはそれだけです」。
初公判の日を静かに待っている。
■「常識」と乖離する司法
「被告人の運転が常識的にみて『危険な運転』であることは言うまでもない」
小柳さんの事故から間もない令和3年2月中旬。
名古屋高裁は、三重県津市の国道で時速146キロの自動車がタクシーに衝突し、乗客ら4人が死亡、1人が負傷した事故で、被告に判決を言い渡した。
制限速度の2.5倍近い異常なスピードで高級車を駆り、車の間隙を縫うように車線変更を繰り返していた被告。
「あたかも自分1人のための道路であるかのごとき感覚」。
高裁判決はこんな非難の言葉を並べながら、それでも1審津地裁と同様、危険運転致死傷罪の成立を否定した。
市民感覚と司法判断がここまで乖離するのは何故か。
それは同罪が不注意を罰する過失犯ではなく、故意犯であるところに大きな要因がある。
同罪の故意とは、自分の運転行為が法の定める
「危険運転」
の類型に当たることを認識しながら、敢えてそのような運転をしたということ。
条文の文言を知っている必要はないが、
「制御困難」
の要件の場合は、高速度走行の一般的な危険性の認識では足りない。
津市のケースでは、僅かなミスで自分の車を進路から逸脱させるような状況を
「具体的な可能性として現実に頭に思い浮かべていたことが最低限必要」(津地裁判決)
と判示され、被告にこの認識がなかったとして故意が否定された。
事故前に百数十キロで走行しながら複数台の車両を追い抜いたことを
「特段の支障なく進行した」
と被告に有利な事情とみた。
大分の事故現場は、その幅員から
「40メートル道路」
と呼ばれる直線道路。
スピードを出しても比較的コントロールしやすい場所といえ、大分地検が当初、危険運転致死罪の適用を見送る一因になったとみられる。
もっとも同罪の適用を巡っては、司法判断も揺れている。
大分地検が補充捜査で訴因を切り替えたことも、要件解釈が定まっていないことの表れとみることもできる。

過失では済まされないような危険な運転を厳しく罰するため、世論の後押しを受けて制定された危険運転致死傷罪。
しかし厳罰ゆえに検察や司法が適用に慎重になるケースが相次ぎ、被害者遺族の無念は宙をさまよう。
同罪を取り巻く課題を検証する。

再考・犯罪被害者
危険運転致死傷罪、揺れる司法の判断 被害者・遺族の思いをすくい上げるには
2023/1/31 7:00
https://www.sankei.com/article/20230131-UNNJ7SBNRVLLTDM7ARQI5K6YSI/
■危険運転、問われる意義
危険運転致死傷罪の創設から20年以上が経過したが、適用のハードルは高く検察や司法の判断も揺れている。拡大解釈による厳罰化の危険を避けつつ、被害者・遺族の思いをすくい上げるにはどうすればいいのか。有識者2人に聞いた。
時速194キロ、危険運転ではないのか 
■高い起訴のハードル 大嶋実弦弁護士
危険運転致死傷罪は
「悪質な運転による死傷事故を重く処罰してほしい」
「『過失』で済まされるのはおかしい」
という事故の被害者や遺族の思いから出発し、創設された法律だ。
その一方で、実際に同罪が規定する危険運転行為と、一般の人が罪名から想像する行為との間には乖離があり、そのギャップが
「市民感覚を反映していない」
と指摘される要因にもなっている。
率直に
「危険運転ではないのか」
と思えるような行為も、同罪が厳格に定める要件や類型に当てはまらない限り処罰の対象とはならず、それゆえ遺族が不満の声を上げるケースが少なくない。
特に警察が危険運転致死罪で送検するような死亡事故は、遺族にしてみれば理不尽に家族を殺されたという思いが強い。
同罪はそんな遺族の拠り所でもあるはずだが、
「公判が維持できないから」
と検察に門前払いされると、
「なぜ」
というわだかまりと、やり場のない無念さだけが募ることになる。
遺族が声を上げる背景には、同じような境遇に遭う人をなくしたいという強い気持ちがある。
こうした声に世間が共感し、課題が社会に認知され、法改正で是正されてきた経緯がある。
厳罰ゆえに慎重になるのも十分理解できるが、公判の舞台に乗せないと、解釈や適用範囲を巡る司法判断が積み重ならない。
起訴のハードルを下げつつ、市民感覚との懸隔を埋めていくことが求められる。

おおしま・みつる
大阪弁護士会所属。
長年に渡り交通事故遺族らで作る自助団体「TAV交通死被害者の会」(大阪市)の活動を支援している。
処罰範囲の拡大はアンフェア 井田良・中大大学院教授
死傷者を伴う交通事故が起きた時、過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪のどちらが適用されるか、その判断が注目を集めることがある。
そして危険運転の適用が見送られた時、報道で批判的に取り上げられることも少なくない。
危険運転致死傷罪について規定された刑は相当に重いものとなっている。
特に危険な運転を故意に行い、人を死傷させた場合に、傷害罪(上限懲役15年)や傷害致死罪(同20年)と同じように重く処罰するよう制定された経緯がある。
その際、誰もが犯しうるような不注意で重い処罰の対象とするのは適当ではないとして、危険運転に該当する行為を類型化し、その要件を限定した。
いくら危険な暴走行為であっても、この類型化された危険行為に当たらない限り、同罪を適用できないと考えるのが、法律で犯罪と刑罰を規定する
「罪刑法定主義」
の原則だ。
確かに同罪の条文を素直に読むと、問題とされる行為が危険運転に該当しそうに思える事例もあり、被害者側もそこに批判の根拠を持っていることは理解できる。
しかし、規定の解釈に当たっては、元々の立法趣旨や、これまでの判例が積み重ねてきた解釈を無視することはできないし、何より、軽い類型である過失運転致死傷罪との区別が曖昧にされてはならない。
立法趣旨や従来の裁判所による解釈を無視して処罰範囲を拡大することは、不意打ちでアンフェアな処罰である。
解釈による対応が難しければ再び立法が求められることになるが、過失運転致死傷罪との合理的な区別を可能とする新たな危険運転行為の要件を定立することは、相当に難しいことも事実であろう。

いだ・まこと
専門は刑法。
平成13年に危険運転致死傷罪が創設される際の法制審議会の議論に幹事として加わった。
平成28年から現職。

東名あおり運転、懲役18年判決の被告が控訴
2022/6/7 16:30
https://www.sankei.com/article/20220607-C52BGMECVZNEJIMMPDC3SIE5RM/
神奈川県大井町の東名高速道路あおり運転死傷事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われ、懲役18年の判決を受けた石橋和歩被告(30)が、判決を不服として控訴したことが2022年6月7日、横浜地裁への取材で分かった。
控訴は2022年6月6日付。
地裁は2022年6月6日の判決で、被害車両の直前で急減速する妨害運転を4回繰り返し、後続車による追突事故を起こしたとして、危険運転致死傷罪が成立すると認定。
弁護側は被告の運転と事故に因果関係はないとして同罪の成立を争っていた。
判決によると、平成29年6月5日、パーキングエリアで静岡市の萩山嘉久さん=当時(45)=に駐車位置を非難され、逆上して追走。
あおり運転で停止させ、後続トラックの追突で萩山さんと妻の友香さん=当時(39)=を死亡させた他、娘2人に怪我をさせた。

東名あおり事故、被告に懲役18年 横浜地裁差し戻し審
2022/6/6 13:47
https://www.sankei.com/article/20220606-J3GO52HEXJNTPKOFEFN2NJ4GLI/
神奈川県大井町の東名高速道路で平成29年、あおり運転で一家4人のワゴン車を停止させ、後続車の追突事故で死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(30)の差し戻し裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は2022年6月6日、求刑通り懲役18年の判決を言い渡した。
判決は、危険運転致死傷罪の成立を認めた。
公判では危険運転致死傷罪の成否が最大の争点となった。
検察側は、危険な速度で移動しながらワゴン車の前で減速を繰り返したとして、同罪が成立すると指摘。
弁護側は、被告の運転と事故の因果関係はないとして無罪を主張した。
起訴状によると、平成29年6月5日、パーキングエリアで静岡市の萩山嘉久さん=当時(45)=に駐車位置を非難され、逆上して追走。
ワゴン車にあおり運転を繰り返して停止させ、後続トラックの追突で萩山さんと妻、友香さん=同(39)=を死亡させるなどしたとしている。

東名あおり運転 判決要旨
2018年12月15日 産経新聞
【主文】
石橋和歩(かずほ)被告を懲役18年とする。
【危険運転致死傷罪の構成要件】
自動車運転処罰法が定める
「重大な交通の危険を生じさせる速度」
とは、通行を妨害する目的で相手方に著しく接近した場合に、自車が相手方と衝突して大きな事故を生じさせたり、事故の回避が困難になったりすると一般的に認められる速度と解される。
被告が直前に自車を停車させた時速ゼロの状態が一般的にそのような速度と認められないのは明らかだ。
法律の文言上、自動車を進行させることが前提になると解され、停止まで含まれるというのは解釈上無理があり、被告による停車が罪の実行行為に当たるとする検察官の主張は採用できない。
以上により、被告の4度にわたる妨害運転は危険運転致死傷罪の実行行為に該当するが、停車は該当しないと判断した。
【因果関係の有無】
被告はパーキングエリアで被害者から非難されたことに憤慨し、停車させて文句を言いたいとの一貫した意思の下で4度の妨害運転に及び、その後に減速して自車を停車させた。
被告が被害者の車両直前で自車を停車させたのは、妨害運転と密接に関連する行為だ。
被害者の車は短時間で繰り返された妨害運転に対し、車線変更などで逃れようとしても逃れられなかった。
被告の車の進入、接近、減速状況や当時の交通量からすると、被害者の車は停車せざるを得なかったというべきだ。
双方の車の停車後、被告が被害者の車に近づいて暴行などに及んだことも、文句を言いたいとの妨害運転開始当初からの一貫した意思に基づくものと認められ、やはり妨害運転と密接に関連する行為だ。
現場は高速道路の追い越し車線であり、夜間で相応の交通量があったことも踏まえれば、後続車の衝突回避措置が遅れて追突する可能性は高く、被害者の生命、身体に対する危険性は極めて高かった。
事故は停車から2分後、被害者への暴行後に起きており、追突の可能性が何ら解消していない状況だった。
以上により、今回の事故は被告の4度の妨害運転と、密接に関連した双方の車両の停車、被害者への暴行などに誘発されて生じたといえる。
被害者らが死傷した結果は、被告の妨害運転によって生じた事故発生の危険性が現実化したもので、因果関係が認められる。
従って、危険運転致死傷罪が成立する。
【量刑の理由】
被告は夜間で相応の交通量がある高速道路で短時間に4回もの妨害運転をしており、それ自体が危険な態度だ。
何度も止められたにもかかわらず、妨害運転や暴行に及んでおり、強固な犯意に基づく執拗な犯行だ。
複数人が死傷した結果は重大で、家族旅行の帰りに突然命を奪われた被害者夫婦の無念さは察するに余りある。
両親を1度に失った遺族の悲しみは深く、被告に厳罰を求めるのも当然だ。
身勝手で自己中心的な動機から短絡的に犯行に及び、酌むべき余地はない。
犯行は被害者からの非難がきっかけになっているが、そもそも被告が通路に自車を駐車したのが問題で、非難されたからといって今回の犯行に及ぶのは常軌を逸している。
同種事案の中でも重い部類に属する。
他の事件を含め、約3カ月半で4件の犯行を行ったのは強い非難に値する。
被告は2度と運転しないなどと反省の弁を述べているが、真摯な反省とまでは評価できない。
刑事責任は重大で、保険による相当額の損害賠償が見込まれることなどの事情を考慮しても、懲役18年の刑は免れない。

東京高裁の破棄・審理差し戻しの判断や朝山裁判長の言い分はおかしい。
公判前整理手続きと審理したあとの公判後で判断が変わっても全くおかしくない。
公判前整理手続きの判断が変わってはいけない前提であれば、審理する意味がない。
1審横浜地裁の裁判員裁判の
「危険運転致死傷の罪を適用した」
との判断は支持する。
ただし、量刑は
「死刑」
にすべきだった。
1審横浜地裁の裁判員裁判の判決で
「危険運転致死傷の罪を適用できると判断した」
ことは評価できる。
ただし、1審横浜地裁の裁判員裁判の判決で
「被告が走行車線に車を止めたこと自体は危険運転には当たらないとした」
との判断はおかしい。
車を停車させたことで他の車に追突されて死亡したことは明らかだ。
そもそも萩山夫妻が死亡した直接の原因は、石橋被告の車が停車し、その場から動けなくなった状態で後続のトラックが衝突したからで、夜間の高速道路で相応の交通量があったことも踏まえれば、停車することが危険であることは明白なのだから、
「停車行為まで含めて危険運転」
と判断すべきだ。
夜間の高速道路で相応の交通量があれば、その状況で停車することが危険であることぐらい常識で分かるだろ。
それを危険ではないと主張するなら、やれるもんならやってみろ、と言いたい。
被告は犯行動機も異常で情状酌量の余地は全くない。
懲役18年は短すぎる。
死刑にするべきだ。
被告に罪を償わせる妥当な量刑は死刑以外にない。
そもそも危険運転致死傷罪の最高刑が懲役20年というのは軽すぎるし、適用範囲も狭すぎて法律自体に不備がありがおかしい。
被害者や遺族、被害者の友人らが可哀想すぎる。
きっかけを作ったのは被害者などと被告を擁護する意見もあるようだが、被告の
「あおり運転=危険運転」
「危険な高速道路上に停止させた」
行為を正当化する理由などには全くならず、被告に情状酌量の余地は全くない。
犯行は被害者からの非難がきっかけになっているが、そもそも被告が通路に自車を駐車したのが問題で、非難されたからといって今回の犯行に及ぶのは常軌を逸している。
同種事案の中でも重い部類に属する。
他の事件を含め、約3カ月半で4件の犯行を行ったのは強い非難に値する。
被告は2度と運転しないなどと反省の弁を述べているが、真摯な反省とまでは評価できない。
刑事責任は重大で、保険による相当額の損害賠償が見込まれることなどの事情を考慮しても、被告の責任は免れない。
どうせなら被告が死んでいればよかったのに。
なお、後続車の責任云々などというのは論外。
現場は高速道路の追い越し車線であり、夜間で相応の交通量があったことも踏まえれば、後続車の衝突回避措置が遅れて追突する可能性は高く、被害者の生命、身体に対する危険性は極めて高かった。
事故は停車から2分後、被害者への暴行後に起きており、追突の可能性が何ら解消していない状況だった。
あくまで責任は被告にある。
それにしても、日本の法律・判決・量刑は犯罪者に甘すぎる。
殺人でさえなかなか死刑にならない。

●2020/03/19 11:00
元トラック運転手が教える「あおり運転」をする人の4大特徴
「高級車に乗った凡人」には要注意
PRESIDENT Online
あおり運転をする人には特徴と原因がある。
元トラックドライバーでライターの橋本愛喜氏は
「悪質なドライバーだけでなく、時間的余裕がない人、高級車に乗った凡人、行き過ぎた正義感を振りかざす人も煽り運転をしやすい傾向がある」
という――。
※本稿は、橋本愛喜『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)の一部を再編集したものです。
■悪質な煽り運転を受け、夫婦が死亡
2017年6月、神奈川県の東名高速道路で悪質な煽り運転を受けた末、夫婦が死亡、娘2人が負傷した事故は、ハンドルを握るほぼ全てのドライバーにとって、自身や周囲の運転マナーを見直す大きなきっかけになったはずだ。
事の発端は、事故現場から数キロ手前の中井パーキングエリアで、被害者の男性が被告に駐車位置を注意したこと。それに逆上した被告はその後、一家4人が乗ったワゴン車を執拗に追いかけ、煽りなどの妨害運転を繰り返したうえ、停車が原則禁止されている高速道路の追越車線にクルマを停めさせ、一家を死傷させる結果に追いやった。
追越車線にクルマを停めさせることは、殺人行為と断言できる。
同車線を走るクルマの平均時速は約100キロ。
このスピードでクルマが障害物に衝突すると、高さ39メートル(ビルの14階相当)から落下した際と同じ衝撃が生じるのだ。
しかも、この事故でワゴン車に追突したのは、
「殺傷力」
の高い大型トラックだ。
本来、大型車は追越車線の走行を禁じられており、このトラックドライバーは道路交通法違反となる。
■「本当に複雑な気持ちになる」
しかし、夜の追越車線上に、まさかクルマを停車させた生身の人間が車外に立っているとは、誰も想像しない。
また、今回の場合、追突したのがトラックではなく乗用車だったとしても、危険を察知してブレーキを踏み、クルマが完全停止するまでの
「停止距離」
は相当必要となり、彼らを避け切るのは非常に難しく、夫婦はいずれにしても助からなかった可能性が極めて高い。
さらに言うと、皮肉なことだが今回のケースは、衝突したのがトラックでまだマシだったとさえ考えられる。
車高が高く、車体も強いトラックだったからこそ、トラックドライバーの命は助かったが、これがもし乗用車だった場合、追突したほうのドライバーも死亡していた可能性があるからだ。
こうしたことから、追越車線を走行していたという落ち度はあれど、今回追突してしまったトラックドライバーは巻き添えを食った感が否めず、検察の下した不起訴処分も、道路環境からして妥当だったと言えるだろう。
被告の裁判で、
「両親を奪い申し訳ない」
と遺族に反省の意を表したトラックドライバーの心情を考えると、本当に複雑な気持ちになる。
■煽り運転は「する側」「される側」に特徴と原因がある
こうした危険運転は、この東名事故のように第三者をも巻き込みかねない
「悪しき行為」
だ。
しかし、煽り運転そのものは、ハンドルを日々握るドライバーにとって、それほど珍しいものではない。
この事故のような悪質なケースは稀としても、普段、日常的に運転しているドライバーならば、誰しもが煽られた、または煽ってしまった経験があるはずだ。
現役当時、アイポイントが高いトラックの車窓から周囲の運転事情を観察していた筆者は、実に様々な光景を目の当たりにした。
その中でも多く遭遇したのは、やはり煽り運転などの危険運転だ。
煽り運転には、する側にもされる側にも、それぞれ特徴と原因がある。
■煽られやすい「運転弱者」「大型トラックと軽自動車」
まず、煽られる側の2つのタイプと原因を紹介しよう。
一つは、「運転弱者」だ。
初心者や女性、高齢者の中には、運転が得意ではない
「運転弱者」
が比較的多く存在する。
彼らの場合、無意識のうちに無駄なブレーキを頻繁に踏んだり、車間が上手く取れず詰めすぎたり、スピードが安定しなかったりすることで、周囲のドライバーをイライラさせてしまうことがあるが、そんな彼らの運転が、
「煽る側」
の引き金になることがある。
中には、運転弱者ばかりを狙う悪質な煽りドライバーもおり、初心者や高齢者が理解を得るために貼っているマーク(ステッカー)がむしろ、彼らに向けた
「目印」
になっているのも事実だ。
そして、煽られやすいもう一つのタイプは、
「大型トラックと軽自動車」。
トラックがノロノロ運転せざるを得ない事情は、第1回で説明した通りだが、遅いトラックは、高速道路でも一般道でも、とにかく乗用車などからよく煽られる。
中には
「トラックは左車線だけ走ってろ」
という声もあるが、これまで述べてきた通り現在の日本の道路事情と、時間との戦いを強いられる物流の現状からすると、そんなわけにもいかないのだ。
一方、こうしたトラックに匹敵するほど煽られている光景を目にするのが、
「軽自動車」。
軽自動車が煽られるのは、ドライバーに前出の
「運転弱者」
が比較的多いというのが一因になっていると思われるが、このクルマは構造上、どうしても他車より衝撃に弱いため、事故を起こすと被害が大きくなりやすい。
ゆえに、軽自動車のドライバーは、後述する
「煽られないための対策」

「煽られた時の対処法」
をより強く検討したほうがいいかもしれない。

●危険運転に「停車」追加 通常国会に改正法提出へ
2020.1.15 19:22
https://www.sankei.com/affairs/news/200115/afr2001150030-n1.html
森雅子法相は15日、自動車運転処罰法に規定する危険運転の構成要件の拡大を法制審議会に諮問した。
他人の車の前に急に割り込み、自分の車を停止させる行為を罰せるよう法制化したい考えだ。
答申を受け、改正案を20日召集の通常国会に提出する方針。
自動車運転処罰法2条は、危険運転を六つに類型化。
その一つとして、妨害目的で走行中の車の直前に進入したり、人や車に著しく接近したりする行為を定めており、あおり運転の摘発は、この規定を適用することが多い。
ただ、加害者側の車が、衝突すれば重大事故となる速度で走行していたことが成立要件となっており、停止した車によって起きた事故には、適用できないとの司法判断が出ていた。
今回の諮問では、追加する類型として
(1)衝突すれば重大事故となる速度で走行している被害者側の車の前に、割り込むなどして停止する
(2)高速道路や自動車専用道路上で、被害者側の車の前で停止したり、接近したりし、被害者側を停止・徐行させる−行為を提案した。

●「危険運転」の規定見直しを法制審議会に諮問
2020年1月15日 19時17分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200115/k10012246841000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002
危険なあおり運転が相次いでいることを受けて、森法務大臣は法制審議会に対し、高速道路で通行を妨害する目的で、走行中の車の前方で停止したり著しく接近したりして停止させる行為などを、自動車運転処罰法の
「危険運転」
の規定に加えるよう諮問しました。
平成29年に、神奈川県の東名高速道路で、あおり運転を受けて停車したワゴン車が後続のトラックに追突され、一家4人が死傷した事故など、危険なあおり運転が相次いでいることを受けて、法務省は、自動車運転処罰法の
「危険運転」
の規定の見直しを検討してきました。
15日午後、法務大臣の諮問機関である法制審議会の臨時の総会が開かれ、森法務大臣は
「危険運転」
の規定に2つの類型を追加するよう諮問しました。
■新たな類型は
▽通行を妨害する目的で、重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中の車の前方で停止したり、著しく接近したりする行為
▽高速道路や自動車専用道路で、通行を妨害する目的で走行中の車の前方で停止したり著しく接近したりして、停止や徐行をさせる行為です。
法務省は、法制審議会からの答申を経て、自動車運転処罰法の改正案を来週20日に召集される通常国会に提出したいとしています。

法改正して構成要件見直した上で厳罰化し、ビシビシ取り締まれば、必ず危険運転は減る。
あおり運転の罰則新設や危険運転の構成要件見直しは当然だ。
さっさと法改正して、ビシビシ取り締まれ。
どんどん厳罰化して、悪い奴らはビシビシ取り締まれ。

●「停車行為」も危険運転に 森法相、1月に法制審諮問
共同通信社 2019/12/23 11:10
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/「停車行為」も危険運転に-森法相、1月に法制審諮問/ar-BBYfGnz?ocid=spartanntp
森雅子法相は23日、自動車運転処罰法に規定する危険運転の構成要件の見直しを、来年1月に開く法制審議会の臨時総会で諮問する方針を明らかにした。
他人の車の前に割り込み、自分の車を停車させるような行為は、現行法では危険運転に当たるかどうかで法的に争いがあるため、構成要件として明文化させる。
法務省は法制審の答申を受け、改正案を早ければ来年の通常国会にも提出したい考えだ。
自動車運転処罰法は
「通行妨害の目的で、走行中の車の直前に進入、人や車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転する」
行為などを危険運転と規定している。

●【主張】危険な運転 「厳罰化」を根絶の契機に
2019.12.8 05:00
https://www.sankei.com/column/news/191208/clm1912080003-n1.html
スマートフォンなどを使用しながら車を走行させる
「ながら運転」
について、違反点数と反則金を引き上げ、懲役刑も重くするなど厳罰化した改正道交法が今月、施行された。
警察庁は
「あおり運転」
についても新たに罰則を創設する方針だ。
これを危険な運転を根絶する契機としたい。
改正法は運転中の携帯電話の通話や画面などを注視する違反
「携帯電話使用等(保持)」
の点数を1点から3点に、反則金は普通車で6千円から1万8千円に引き上げた。
違反を繰り返すと
「6月以下の懲役」
などの罰則が適用される可能性がある。
通話や注視により交通の危険を生じさせる
「携帯電話使用等(交通の危険)」
は免許停止となる6点となり、直ちに刑事手続きの対象となる。
罰則は
「1年以下の懲役」
などに引き上げられた。
ながら運転による重大事故が相次ぎ、遺族らが罰則強化を求めていた。
平成28年には愛知県一宮市で小学4年の9歳男児がスマホのゲームをしながら運転していたトラックにはねられて死亡した。
父親は
「ながら運転は殺人行為だ」
と訴えていた。
重大事故を受けての法改正はいかにも泥縄式だが、厳罰化は十分に社会変革の契機として期待できる。
飲酒運転事故件数の減少がその好例である。
30年の交通事故死亡者数は3532人で統計の残る昭和23年以降最少となった。
飲酒運転事故の犠牲者が平成12年の1276人から198人に減少したことが大きな要因だ。
この間、危険運転致死傷罪の新設や道交法の改正で飲酒運転の厳罰化が進められてきた。
後押ししたのは、東名高速道路で飲酒運転のトラックとの衝突で幼児2人が死亡した事故や、福岡市内で飲酒運転の車の追突で海中に転落、幼児3人が死亡した事故などに対する遺族と社会の怒りである。
厳罰化だけの効果ではない。
厳罰化を契機に、飲酒運転への目が厳しくなった社会の変革が事故を減らしたのだといえる。
ながら運転や、あおり行為の厳罰化にも同じ効果を求めたい。
危険は
「歩きスマホ」
や、イヤホンで大音量を聴きながらの自転車運転や歩行も同様である。
あおり運転については法務省も自動車運転処罰法の改正を検討している。
道路の安全を守るため、あらゆる手を尽くしたい。

●あおり運転を道交法に新設、厳罰化へ 警察庁検討
2019.12.6 09:20
https://www.sankei.com/politics/news/191206/plt1912060004-n1.html
社会問題化している
「あおり運転」
対策で、警察庁は6日、道路交通法を改正して罰則を創設する方向で検討していることを明らかにした。
あおり運転を
「通行妨害目的の一定の違反で交通の危険を生じさせる恐れのある行為」
などと新たに定義づけ、厳罰化する。
法定刑などの検討を進め、改正案を来年の通常国会に提出する方針。
あおり運転は他の車両への激しい接近や幅寄せ、追い抜いた後の急ブレーキなどを繰り返す行為をいうが、道交法上で明確な定義はなかった。
個別の行為に関して、警察は道交法の車間距離保持義務違反や進路変更の禁止違反などの容疑を適用してきた。
これらの行為で死傷事故を起こした場合には、
「通行妨害の目的で、走行中の車の直前に進入、人や車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転する」
と定めた自動車運転処罰法(危険運転致死傷)の適用が可能だが、あおり運転自体を直接取り締まる規定はなかった。
警察庁は今回、道交法にあおり運転の違反類型を創設し、
「通行妨害目的で、一定の違反で道路における交通の危険を生じさせる恐れのあるもの」
などと規定する方向で検討している。
「一定の違反」
には車間距離不保持、急ブレーキや進路変更の禁止などを含める見通しだという。
さらに、あおり運転の結果、事故発生の危険を生じさせることも想定し、
「高速道路上で他の自動車を停止させるなど、著しく道路における交通の危険を生じさせた」
場合にはより重い刑罰を科せるようにする。
今後、条文の書きぶりや法定刑の調整を進める。
法定刑は、これまでのあおり運転事件で適用したことがある暴行罪(2年以下の懲役、30万円以下の罰金など)や強要罪(3年以下の懲役)などを踏まえるといい、道交法の個別の違反項目よりも厳しくなるとみられる。
行政処分についても、違反点数を15点以上にして、現行の無免許運転や酒気帯び運転(呼気1リットル中0.25ミリグラム以上)、共同危険行為、過労運転などと同様に、過去に処分歴がなくても欠格期間1年以上の免許取り消しの対象になるよう強化する。
道交法が改正されれば、取り締まりでは、あおり行為が執拗だった場合などに通行妨害の意図を認定。
現場の警察はスマートフォンやドライブレコーダーで撮影された動画、目撃証言などを収集して捜査に当たる。
あおり運転は平成29年に神奈川県の東名高速道路で発生した死亡事故を契機に問題化。
警察庁は翌30年1月にあらゆる法令を駆使した捜査や徹底的な取り締まりを全国の警察に指示。
だが、今年8月に茨城県の常磐自動車道であおり運転殴打事件が起きるなどし、厳罰化を求める声が高まっている。
■煽り運転
相手の運転者を威嚇する目的の危険な運転。
異常接近や蛇行運転の他、急な車線変更、クラクションやハイビームでの挑発などが含まれる。
2017年6月に神奈川県の東名高速道路で、無理やり停止させられた車の夫婦がトラックの追突で死亡した事故を契機に社会問題化した。
警察庁は翌2018年1月にあらゆる法令を駆使した捜査や徹底的な取り締まりを全国の警察に指示。
だが、2019年8月に茨城県の常磐自動車道で煽り運転殴打事件が起きるなどし、厳罰化を求める声が高まっている。
■煽り運転厳罰化のポイント
・道交法の条文を改正し、煽り運転を定義
・違反1回で15点以上、免許即取り消し
・再取得までの欠格期間は1年以上
・罰則は2〜3年以下の懲役や30万円以下の罰金を軸に検討
・摘発対象は「運行の妨害目的」で「交通の危険を生じさせる恐れ」を引き起こした場合など

●自民、あおり運転厳罰化要望相次ぐ 免許「永久剥奪」も
2019.12.6 18:30
https://www.sankei.com/politics/news/191206/plt1912060023-n1.html
自民党が6日、党本部で開いた交通安全対策特別委員会(平沢勝栄委員長)では、あおり運転の厳罰化を求める意見が相次いだ。
警察庁はこれを踏まえ、あおり運転を定義した上で罰則を創設する道交法改正案の検討を急ぎ、来年の通常国会での成立を目指す。
抑止力を高める狙いがある。
会合後に記者会見した平沢氏によると、出席議員からは
「罰則の強化を早くしてほしい」
といった声が最も多かった。
「一度あおり運転をした人は運転に適していない」
「免許を永久剥奪してはどうか」
との意見もあったが、警察庁は
「かえって無免許運転が増える」
などと難色を示し、一定期間の免許取り消しを検討すると説明した。
平沢氏は
「今、あおり運転が野放しになっている」
「あまり軽い罰則なら了解できない」
「暴行罪や酒酔い運転などより軽いことはないと思う」
と強調した。

<参考>
日産新型デイズ
■SOSコール
日産コネクトナビと連携し、ルーフのボタンでオペレーターを呼んで、事故や緊急事態に素早く対応できる
「SOSコール」
も設定。
■SOSコール
ヘルプネットのSOSコールもオプションで選べる。
運転席/助手席の天井部分にSOSコールスイッチが装着され、緊急時に押すと専門のオペレーターが対応する。
煽り運転など周囲の車両から危害を加えられた時にも使える。
またエアバッグが展開して乗員が応答しない時でも、警察や消防への通報も可能で、車両のデータから重症と判断された時は、状況に応じて、消防がドクターヘリの出動手配をする場合もある。

「日産コネクトナビ」、「SOSコール」、前後に「ドライブレコーダー」をオプションで付ければ、あおられたら
「ドライブレコーダー」
で記録し、走行しながら
「SOSコール」
でオペレーターを呼んで警察へ通報する。
自車位置もGPSで分かる。

同乗者がいる場合はビデオカメラで撮影する。
停止させられたら自分でもビデオカメラ撮影も可能。
付近の防犯カメラや付近の車両のドライブレコーダーに写っている可能性もある。
第3者の証言者がいる可能性もある。

あおり、免許取り消しへ 警察庁検討 違反累積なしで適用
2019年11月8日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019110802000132.html
社会問題化している
「あおり運転」
対策として、悪質で危険な運転には免許取り消しができるよう、警察庁が制度を改正する方向で検討していることが分かった。
行政処分では最も重い免許取り消しを適用することで、悪質なドライバーを道路交通の場から排除して事故を未然に防ぐ狙いがある。
年明けの通常国会に関連法案を提出する見通し。
現行では悪質で危険な運転でも事故を起こして危険運転致死傷容疑などで摘発されない限り、違反の累積がない運転者は免許取り消しにはならず、政府、与党内からも関連法改正による罰則強化を求める声が上がっている。
あおり運転を巡っては、車間距離を詰め過ぎる道交法の車間距離保持義務違反の昨年1年間の摘発が前年比倍増の1万3025五件(うち高速道路上1万1793件)に上った。
悪質運転が横行し、警察が摘発を強化している実態がうかがえる。
道交法は、車を使って暴行事件を起こすなどした運転者について、交通違反の点数の累積がなくても、運転により交通の危険を著しく生じさせる恐れがある
「危険性帯有者(きけんせいたいゆうしゃ)」
として、最長180日間の免許停止にできると規定している。
免許取り消しは、道交法施行令の危険性帯有者に関する処分の基準を改正して適用する案や、道交法であおり運転に関する新たな罰則を設けるなどして点数制度により適用する案が考えられているという。
取り消し後に再取得が可能になるまでの
「欠格期間」
も検討中。
現行では速度超過など一般的な違反による取り消しは1〜5年、酒酔いや危険運転致死傷など特定の違反は3〜10年と規定されている。
あおり運転は2017年に神奈川県の東名高速道路で、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故を契機に問題化。
警察庁は2018年1月、あおり運転対策として、
▽危険運転致死傷罪や暴行罪などあらゆる法令を駆使した捜査
▽車間距離保持義務違反など道交法違反による徹底取り締まり
▽危険性帯有者の積極的適用−などを全国の警察に指示した。
◆恣意的運用防ぐ必要
<横浜国立大教授(刑事法)の工藤昇弁護士の話>
現行の道交法などにはあおり運転を正面から取り締まる規定はない。
警察はさまざまな法令を駆使して摘発の努力をしているが、やはり限界があり、免許取り消しを含めて新たな規制をかける方向性は必要だ。
事故防止の効果も期待できるだろう。
ただ、一概にあおり運転と言ってもさまざまな態様があり、法令などで抽象的に定義してしまうと、何でも罰則適用ということになりかねない。
恣意的に運用される余地がないよう、適正な定義を定めることが重要になる。
<危険性帯有者>
車などを運転することで、道路上の交通に著しい危険を生じさせる恐れがある状態の者を意味する用語で、道交法103条で規定されている。
都道府県の公安委員会は、最長180日間の運転免許停止処分を科することができる。
運転者が危険性帯有者と判断される主な行為は
(1)覚醒剤・麻薬の使用
(2)車を使って著しく交通の危険を生じさせる恐れがある犯罪
(3)無免許や飲酒運転など違反行為の命令や容認
(4)暴走行為の同乗
などとされている。

●あおり運転、免許取り消しへ 悪質ドライバー排除狙い、警察庁
共同通信社 2019/11/08 06:28
© KYODONEWS あおり運転をして、エアガンを発射したワゴン車=9月8日、愛知県内の東名高速道路(被害者男性提供)
社会問題化している
「あおり運転」
対策として、悪質で危険な運転には免許取り消しができるよう、警察庁が制度を改正する方向で検討していることが7日、分かった。
行政処分では最も重い免許取り消しを適用することで、悪質なドライバーを道路交通の場から排除して事故を未然に防ぐ狙いがある。年明けの通常国会に関連法案を提出する見通し。
現行では悪質で危険な運転でも事故を起こして危険運転致死傷容疑などで摘発されない限り、違反の累積がない運転者は免許取り消しにはならず、政府、与党内からも関連法改正による罰則強化を求める声が上がっている。
「産経新聞」
あおり運転をめぐっては、車間距離を詰め過ぎる道交法の車間距離保持義務違反の昨年1年間の摘発が前年比倍増の1万3025件(うち高速道路上1万1793件)に上った。
悪質運転が横行し、警察が摘発を強化している実態がうかがえる。

●あおり運転で免許取り消し検討 警察庁
社会・くらし
2019/11/7 18:37
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51914050X01C19A1CR8000/
社会問題になっている
「あおり運転」
を含めた悪質な危険運転行為について、警察庁が免許取り消しの対象となるよう制度改正を検討していることが7日、分かった。
事故を起こさない場合でも、重い行政処分の対象とすることによって悪質なドライバーを排除する狙い。
今後詳細な制度設計を議論する。
画像の拡大
2017年6月、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故で、移動される車両(神奈川県大井町の東名高速道路)=共同
制度改正の方法として、道路交通法にあおり運転に関する規定を設けて免許の違反点数を取り消しに達するまで引き上げることや、違反点数の累積がなくても最長180日間の免許停止ができる道交法の
「危険性帯有者」
の処分基準を見直すことなどが想定される。
あおり運転は前方の車に急接近したり、不必要な急ブレーキをかけたりする行為。
現状は主に道交法上の
「車間距離保持義務違反」
にあたり、高速道路の場合では、罰則が3月以下の懲役または5万円以下の罰金で、違反点数は2点となっている。
死亡事故に発展する重大事故が相次ぎ発生し、警察はより罰則が重い暴行罪など刑法の積極適用に加え、最長180日間の免許停止とする処分を進めている。
ただ、現行制度での取り締まりに限界があるとの指摘もあり、警察庁はあおり運転の厳罰化を検討。
道交法にあおり運転を禁止する規定を新設する案や、車間距離保持義務違反の罰則を重くする案などが浮上しており、2020年の通常国会での道交法改正を視野に入れている。

●あおり運転、免許取り消し検討…現行の道交法に違反定義なし
2019/11/8 8:56
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191108-OYT1T50054/
悪質な
「あおり運転」
による死亡事故などが相次いでいることを受け、警察庁が道路交通法に禁止行為を定義し、違反者の運転免許を取り消す処分を検討していることがわかった。
あおり運転は周囲の車両に急接近したり、進路を妨害したりする危険行為だが、現行法には定義されていない。
道交法の車間距離保持義務違反で摘発した場合も、違反点数は高速道路で2点、一般道で1点にとどまる。
警察庁では道交法と施行令を改正して懲役などの罰則を強化するとともに、あおり運転をした場合の行政処分も、違反点数を即座に免許取り消し(15点以上)になるまで引き上げることを検討している。
道路交通法の改正案については、来年の通常国会への提出を目指している。
あおり運転を巡っては、全国の警察が道交法より罰則が重い刑法で摘発しているほか、著しく交通の危険を生じさせる恐れがある
「危険性帯有者」
と認定し、累積点数にかかわらず、最長180日間の免許停止にするなどしている。

東京高裁の破棄・審理差し戻しの判断や朝山裁判長の言い分はおかしい。
公判前整理手続きと審理した後の公判後で判断が変わっても全くおかしくない。
公判前整理手続きの判断が変わってはいけない前提であれば、審理する意味がない。

1審横浜地裁の裁判員裁判の
「危険運転致死傷の罪を適用した」
との判断は支持する。
ただし、量刑は
「死刑」
にすべきだった。
1審横浜地裁の裁判員裁判の判決で
「危険運転致死傷の罪を適用できると判断した」
ことは評価できる。
ただし、1審横浜地裁の裁判員裁判の判決で
「被告が走行車線に車を止めたこと自体は危険運転には当たらないとした」
との判断はおかしい。
車を停車させたことで他の車に追突されて死亡したことは明らかだ。
そもそも萩山夫妻が死亡した直接の原因は、石橋被告の車が停車し、その場から動けなくなった状態で後続のトラックが衝突したからで、夜間の高速道路で相応の交通量があったことも踏まえれば、停車することが危険であることは明白なのだから、
「停車行為まで含めて危険運転」
と判断すべきだ。
犯行動機も異常で情状酌量の余地は全くない。
懲役18年は短すぎる。
死刑にするべきだ。
被告に罪を償わせる妥当な量刑は死刑以外にない。
そもそも危険運転致死傷罪の最高刑が懲役20年というのは軽すぎるし、適用範囲も狭すぎて法律自体に不備がありがおかしい。
被害者や遺族、被害者の友人らが可哀想すぎる。
きっかけを作ったのは被害者などと被告を擁護する意見もあるようだが、被告の
「あおり運転=危険運転」
「危険な高速道路上に停止させた」
行為を正当化する理由などには全くならず、被告に情状酌量の余地は全くない。
犯行は被害者からの非難がきっかけになっているが、そもそも被告が通路に自車を駐車したのが問題で、非難されたからといって今回の犯行に及ぶのは常軌を逸している。
同種事案の中でも重い部類に属する。
他の事件を含め、約3カ月半で4件の犯行を行ったのは強い非難に値する。
被告は2度と運転しないなどと反省の弁を述べているが、真摯な反省とまでは評価できない。
刑事責任は重大で、保険による相当額の損害賠償が見込まれることなどの事情を考慮しても、被告の責任は免れない。
どうせなら被告が死んでいればよかったのに。
なお、後続車の責任云々などというのは論外。
現場は高速道路の追い越し車線であり、夜間で相応の交通量があったことも踏まえれば、後続車の衝突回避措置が遅れて追突する可能性は高く、被害者の生命、身体に対する危険性は極めて高かった。
事故は停車から2分後、被害者への暴行後に起きており、追突の可能性が何ら解消していない状況だった。
あくまで責任は被告にある。
それにしても、日本の法律・判決・量刑は犯罪者に甘すぎる。
殺人でさえなかなか死刑にならない。

東名あおり運転、一審判決を破棄 「訴訟手続きに違法」
朝日新聞社 2019/12/06 11:49
神奈川県の東名高速で2017年6月、あおり運転の末に夫妻を事故で死亡させたなどとして、危険運転致死傷などの罪に問われた石橋和歩(かずほ)被告(27)の控訴審判決で、東京高裁(朝山芳史裁判長)は6日、同罪の成立を認めて懲役18年(求刑懲役23年)とした一審判決を破棄し、審理を横浜地裁に差し戻した。
朝山裁判長は同罪の成立を認めつつも、一審の公判前整理手続きで裁判官が
「同罪は認められない」
と表明しておきながら、判決で認めたのは弁護側に対する不意打ちにあたると指摘。
手続きに違法があると判断した。
この事件では、警察が過失運転致死傷(懲役年以下)の疑いで石橋被告を逮捕したが、検察は法定刑がより重く適用ハードルの高い危険運転致死傷罪(懲役1〜20年)で起訴。
事故は石橋被告が車を停車させた時に起きており、危険運転に問えるのかが大きな争点になっていた。
裁判員裁判で審理された昨年12月の一審判決は、
「車を止めた時点で危険運転は途切れた」
と検察側の主張を退けつつ、パーキングエリアでトラブルになった萩山嘉久さん(当時45)に文句を言うために停車させたいという
「一貫した意思」
であおったのだから、停車後の暴行までが密接に関連する一体の危険運転だと解釈。
夜の高速で車を止めれば重大事故が起きるのは当たり前だとし、追突との因果関係も認めた。
控訴した弁護側は、停車後の行為まで
「危険運転」
に含めるのは法の想定を超えていると反論した。
また停車後2分間に多くの後続車がよけるなか、追い越し車線の走行を禁じられた大型トラックが突っ込んでいると指摘。
安全な車間距離をとっていないトラック運転手の過失まで被告に負わせるのは不当だとし、同罪の成立を否定していた。

東名あおり運転 判決要旨
2018年12月15日 産経新聞
【主文】
石橋和歩(かずほ)被告を懲役18年とする。
【危険運転致死傷罪の構成要件】
自動車運転処罰法が定める
「重大な交通の危険を生じさせる速度」
とは、通行を妨害する目的で相手方に著しく接近した場合に、自車が相手方と衝突して大きな事故を生じさせたり、事故の回避が困難になったりすると一般的に認められる速度と解される。
被告が直前に自車を停車させた時速ゼロの状態が一般的にそのような速度と認められないのは明らかだ。
法律の文言上、自動車を進行させることが前提になると解され、停止まで含まれるというのは解釈上無理があり、被告による停車が罪の実行行為に当たるとする検察官の主張は採用できない。
以上により、被告の4度にわたる妨害運転は危険運転致死傷罪の実行行為に該当するが、停車は該当しないと判断した。
【因果関係の有無】
被告はパーキングエリアで被害者から非難されたことに憤慨し、停車させて文句を言いたいとの一貫した意思の下で4度の妨害運転に及び、その後に減速して自車を停車させた。
被告が被害者の車両直前で自車を停車させたのは、妨害運転と密接に関連する行為だ。
被害者の車は短時間で繰り返された妨害運転に対し、車線変更などで逃れようとしても逃れられなかった。
被告の車の進入、接近、減速状況や当時の交通量からすると、被害者の車は停車せざるを得なかったというべきだ。
双方の車の停車後、被告が被害者の車に近づいて暴行などに及んだことも、文句を言いたいとの妨害運転開始当初からの一貫した意思に基づくものと認められ、やはり妨害運転と密接に関連する行為だ。
現場は高速道路の追い越し車線であり、夜間で相応の交通量があったことも踏まえれば、後続車の衝突回避措置が遅れて追突する可能性は高く、被害者の生命、身体に対する危険性は極めて高かった。
事故は停車から2分後、被害者への暴行後に起きており、追突の可能性が何ら解消していない状況だった。
以上により、今回の事故は被告の4度の妨害運転と、密接に関連した双方の車両の停車、被害者への暴行などに誘発されて生じたといえる。
被害者らが死傷した結果は、被告の妨害運転によって生じた事故発生の危険性が現実化したもので、因果関係が認められる。
従って、危険運転致死傷罪が成立する。
【量刑の理由】
被告は夜間で相応の交通量がある高速道路で短時間に4回もの妨害運転をしており、それ自体が危険な態度だ。
何度も止められたにもかかわらず、妨害運転や暴行に及んでおり、強固な犯意に基づく執拗な犯行だ。
複数人が死傷した結果は重大で、家族旅行の帰りに突然命を奪われた被害者夫婦の無念さは察するに余りある。
両親を1度に失った遺族の悲しみは深く、被告に厳罰を求めるのも当然だ。
身勝手で自己中心的な動機から短絡的に犯行に及び、酌むべき余地はない。
犯行は被害者からの非難がきっかけになっているが、そもそも被告が通路に自車を駐車したのが問題で、非難されたからといって今回の犯行に及ぶのは常軌を逸している。
同種事案の中でも重い部類に属する。
他の事件を含め、約3カ月半で4件の犯行を行ったのは強い非難に値する。
被告は2度と運転しないなどと反省の弁を述べているが、真摯な反省とまでは評価できない。
刑事責任は重大で、保険による相当額の損害賠償が見込まれることなどの事情を考慮しても、懲役18年の刑は免れない。

【主張】危険運転致死傷罪 「あおり」根絶へ法整備を
2018.12.15 05:00 産経新聞
法は、善良な人々を守るために存在すべきである。
条文に不備があるなら、改正を躊躇すべきではない。
東名高速道路で昨年6月、執拗なあおり運転を受けて停車させられた夫婦がトラックに追突されて死亡した事故で、横浜地裁の裁判員裁判は石橋和歩被告に危険運転致死傷罪を適用し、懲役18年の判決を言い渡した。
判決は、被告のあおり運転と夫婦の死亡に因果関係があると認定して同罪を適用した。
一方で、高速道路上に停止させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件である
「重大な危険を生じさせる速度」
とするのは、解釈上無理があるとも指摘した。
同罪があくまで
「走行中」
の行為を対象とし、停車中の事故を想定していない以上、妥当な指摘といえるだろう。
だがそれは条文の不備であり、被告の悪質な運転を何ら正当化するものではない。
高速道路上で強制的に停車させる行為が
「危険な運転でない」
はずがない。
危険運転の罪は平成11年に東名高速道路で飲酒運転のトラックに追突された乗用車が炎上し、女児2人が焼死した事故をきっかけに新設された。
だが、当初は立証のハードルが高く、条文が想定しない悪質運転による事故が頻発し、適用条件を拡大する法改正を重ねてきた。
まだ足りなかったということだ。
(中略)
裁判では、亡くなった夫婦の長女が証人として出廷し、
「世の中のあおり運転を少しでも減らすために重い刑罰にしてほしい」
と訴えた。
涙の訴えを、立法府もわがことと受け止めるべきだ。

東名あおり2審も「危険運転」認定 手続きに違法、審理は差し戻し 東京高裁判決
2019.12.6 18:37
https://www.sankei.com/affairs/news/191206/afr1912060041-n1.html
神奈川県大井町の東名高速道路で平成29年6月、あおり運転により停車させられた夫婦が後続の大型トラックに追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職、石橋和歩(かずほ)被告(27)の控訴審判決公判が6日、東京高裁で開かれた。
朝山芳史裁判長は、懲役18年とした1審横浜地裁の裁判員裁判判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。
危険運転致死傷罪の成立を認めた1審の判断に誤りはないとしたが、訴訟手続きに違法があったとした。
朝山裁判長は公判前整理手続きで裁判官が
「同罪の成立は認めない」
と検察官や弁護人に表明しながら、成立を認めて有罪判決を出したと指摘。
弁護側に対する
「不意打ち」
に当たり、同罪が成立する見通しで反論していれば
「因果関係や量刑に影響した可能性がある」
として、改めて裁判員裁判で審理を尽くすことが相当だとした。
弁護側は控訴審で、妨害運転と死亡事故の因果関係はないとして改めて無罪を主張。
訴訟手続きについても
「公正な審理を受ける権利を侵害された」
として違法性を訴えていた。
検察側は控訴棄却を求めていた。
判決によると、石橋被告は29年6月5日夜、走行中だった静岡市の萩山嘉久さん=当時(45)=一家のワゴン車にあおり運転を繰り返し、追い越し車線上で停車させ、大型トラックによる追突で、萩山さんと妻の友香さん=同(39)=を死亡させ、同乗の娘2人にけがをさせた。

「危険運転」2審も認定、法曹界で割れる見解
2019.12.6 20:19
https://www.sankei.com/affairs/news/191206/afr1912060049-n1.html
平成29年に萩山嘉久さん=当時(45)=夫婦が死亡した東名高速道路のあおり運転事故の控訴審は、
「運転行為」
に対する処罰を定める危険運転致死傷罪が、停車後の事故に適用できるかが最大の焦点だった。
東京高裁は6日、無職の石橋和歩(かずほ)被告(27)を懲役18年とした1審横浜地裁の裁判員裁判判決を破棄し、審理を差し戻した。
石橋被告は、4回にわたり夫婦の車の前に車線変更するなどのあおり運転(妨害運転)を実施。
その後、夫婦の車の前に停車した。
夫婦の車も停車し、そこに大型トラックが追突した。
東京高裁判決は、一般的に低速度の運転では事故の危険が高いといえず、速度ゼロの停車状態も、同罪の構成要件である
「危険を生じさせる速度での運転」
には該当しないと判断。
一方で妨害運転の影響で夫婦の車が停車したとして事故との因果関係を認めた。
1審判決でも、停車状態を同罪に当たるとみるのは
「解釈上無理がある」
と指摘。
ただ、被告の妨害運転と停止行為は
「密接に関連する行為」
として同罪の成立を認めた。
あおり運転が社会問題化する契機となった今回の事故の公判では
「停車後の事故」
という法が明文化していない態様について、法曹界でも見解が分かれた。
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は高速道路上で被害者家族の車の前に割り込んで停車させた被告の危険な行為について
「危険運転致死傷罪の想定外だった」
と指摘。
その上で同罪の成立を認めた1、2審判決は
「犯罪行為と刑罰の対象をあらかじめ定める
『罪刑法定主義』
に照らせば法の拡大解釈と言わざるを得ない」
と疑問視する。
これに対し、元検事の高井康行弁護士は
「事故が起きた瞬間は停車中だが、車を無理やり停車させる行為が追突事故を招いたのは明らかだ」
と述べ、1、2審判決に理解を示す。
横浜地裁に審理を差し戻した高裁判決は
「1審が認定した事実関係の下であれば」
同罪が成立すると判断した。
検察、弁護側双方が高裁判決を受け入れれば、別の裁判員による裁判員裁判差し戻し審が開かれ、改めて検察側と弁護側の主張立証の機会が設けられる。
ベテラン裁判官によると、差し戻し審では
「法律上、高裁が示した法律判断には縛られない」
ため、結論が変わることもあり得るが、停止行為に関する法解釈や因果関係で2度、同様の見解が示されたことは、今後の審理にも影響がありそうだ。
石橋被告の代理人の高野隆弁護士は、判決後に記者会見し
「差し戻しは承服できる」
と述べた。
東京高検の久木元伸次席検事は
「判決を検討し適切に対処する」
としている。

「結論までに時間、歯がゆい」東名あおり控訴審判決に遺族落胆
2019.12.6 20:06
https://www.sankei.com/affairs/news/191206/afr1912060048-n1.html
平成29年に萩山嘉久さん=当時(45)=夫婦が死亡した東名高速道路のあおり運転事故で、東京高裁は6日、無職の石橋和歩(かずほ)被告(27)を懲役18年とした1審判決を破棄し、審理を差し戻した。
萩山さんの母、文子さん(79)は判決後に東京都内で記者会見し、
「前進ではなく後退」
「裁判がさらに長引き、結論が出るまで時間がかかると思うと歯がゆい」
と語った。
「(1審の)懲役18年の判決より軽くなってほしくない」。
文子さんはそう願って法廷に赴いたが、高裁判決は1審判決を破棄し、審理を横浜地裁に差し戻す内容に。
「まさかこんな判決が出るとは思わなかった」
「逆戻りした感じで、まだ頭がまとまっていない」
と話し、嘉久さんの墓前に
「早くいい結果を報告しなければならないのに」
と言葉を詰まらせた。
法廷で見た石橋和歩被告は無表情で
「反省しているようには見えなかった」
という。
事故はあおり運転が社会問題化する契機となった。
文子さんは
「早くしっかりとした法律を作ってほしい」
と期待を寄せた。

2018年12月15日 産経新聞
◆判例に沿って適切な結論
法政大学法科学院の今井猛嘉教授(刑法)の話
追突事故の直前に被告が停車した行為が危険運転にあたらない、とした横浜地裁の判断は、自動車運転処罰法の条文の文言に沿うものだ。
「止まっている車に危険運転が適用できない」
というのは、常識的な考え方。
また、停車するために被告が行った危険な運転と、被害者の車を妨害するために被告が行った危険な運転と、被害者の死亡との間に因果関係があると判断した点も、従来の判例に沿っており、いずれも適切な結論といえる。
懲役18年という量刑は、2人が死亡したという結果に照らせば、重すぎるということはないだろう。
危険運転が適用されるような死亡事故を抑止するため、道交法を活用し、あおり運転を未然に検挙していくことが必要だ。
◆法改正も検討すべきだ
首都大学東京の星周一郎教授(交通犯罪論)の話
今まで判決が出されたことのないケースに、踏み込んだ判断をしたという印象だ。
被告は4度の妨害運転をした後、追突事故までの間に、車を止めて社外に出た上で、被害者の胸ぐらをつかむなどしている。
妨害運転と死亡の因果関係は薄い事案だが、横浜地裁は危険運転致死傷罪を広く解釈して因果関係を認めた。
仮に控訴審へ行った場合、どう評価されるかは不透明だ。
危険運転致死傷罪が適用されずに過失運転致死傷罪となった場合、法定刑の上限は懲役20年から7年となり、落差が大きい。
危険運転への社会の目が厳しくなる中、法律も変わるべきで、故意か過失かにかかわらず生命を脅かす運転を罰する刑罰を科すべきだ。

東名あおり事故、石橋和歩被告に懲役18年判決 横浜地裁 危険運転致死傷罪認める
2018.12.14 11:14
https://www.sankei.com/affairs/news/181214/afr1812140006-n1.html
神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、あおり運転を受けて停車させられた夫婦がトラックに追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた建設作業員、石橋和歩被告(26)の裁判員裁判の判決公判が14日、横浜地裁で開かれ、深沢茂之裁判長は懲役18年(求刑懲役23年)を言い渡した。
深沢裁判長は
「4度の妨害運転後に停止させたのは密接に関連した行為といえる」
「死傷の結果は妨害運転によって現実化した」
と述べ、被告のあおり運転と夫婦の死亡に因果関係があると認定し、危険運転致死傷罪が成立すると判断した。
あおり運転は事故現場前のパーキングエリアで乗用車の駐車方法を注意されて逆上したことが発端。
判決は
「常軌を逸しており、強固な意志に基づく執拗な犯行で結果は重大」
「家族旅行の帰りに突然命を奪われた無念は察するに余りある」
として、被告について
「真摯に反省しているとまでは言えない」
とした。
一方で、高速道路上で停車させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件の
「重大な危険を生じさせる速度」
とするのは解釈上無理があると指摘。
停車状態で大きな事故が生じたり、事故の回避が困難になったりするとは認められないとした。
判決によると、石橋被告は昨年6月5日夜、走行中の萩山嘉久さん=当時(45)=一家のワゴン車に妨害行為を繰り返して追い越し車線上で停止させ、大型トラックによる追突で、萩山さんと妻の友香さん=同(39)=を死亡させ、同乗の娘2人にけがをさせたなどとしている。

4度の妨害運転を「危険運転」と認定 東名あおり事故、前例ない類型、難しさも
2018年12月14日
https://special.sankei.com/a/society/article/20181214/0004.html?_ga=2.22279859.983795351.1544682656-599924853.1544492342
2人の命が失われた悪質な運転に、裁判員裁判は危険運転致死傷罪を適用した。
石橋和歩被告(26)に懲役18年を言い渡した14日の横浜地裁判決は、被告が事故前に繰り返し行った執拗な妨害運転が死亡事故に結びついたと判断、
「死傷事故の中でも重い部類」
と断じた。
一方、判決後に会見した裁判員は、法律に規定されていない類型を判断する難しさをにじませた。
あおり運転を受けて停車させられた萩山(はぎやま)嘉久(よしひさ)さん=当時(45)=夫妻がトラックに追突され死亡した事故。
「運転行為」に対する処罰を定める危険運転致死傷罪が停車後の事故に適用できるかどうかが最大の争点となった。
同罪は、
@妨害目的で他の車に接近するなどし
A重大な危険が生じる速度で運転する行為
を処罰対象としているが、今回の事故は、被告が萩山さんの車の前で停車した際に発生した。
検察側は、停車も
「重大な危険が生じる速度」
に含まれ
「停車行為まで含めて危険運転」
と主張したが、
判決は
「文言の解釈上、無理がある」
と退けた。
では、どうやって危険運転致死傷罪を適用したのか。
地裁が注目したのは、被告の停車行為よりも前に行われた妨害運転だ。
地裁は、萩山さんから駐車方法を注意された被告が
「停車させて文句を言おうと考えた」
と指摘。
進路を妨害する目的で、4度にわたり萩山さんの車の直前に進路変更し、減速するなどの運転を繰り返した。
これによって、萩山さんの車は高速道路の追い越し車線上で停車することを余儀なくされた。
地裁は、4度の妨害運転、停車、萩山さんの胸ぐらをつかむ暴行ーという
「密接に関連した行為」
が事故を誘発したと判断。
停車行為を含まなくとも、妨害運転そのものが危険運転にあたるとした。
検察側は初公判前に、法定刑の上限が懲役20年の監禁致死傷罪を予備的訴因として追加。
危険運転致死傷罪の同20年だが、過失運転致死傷罪は同7年のため、前例のない類型で危険運転が認められなかった場合に備えた措置とみられる。
判決では、予備的訴因については判断しなかった。
◆遺族と目合わせず
「被告人を懲役18年の刑に処す」。
判決の瞬間、石橋和歩被告は立ち上がって前を向き、深沢茂之裁判長の判決言い渡しを聞いていた。
その後、判決理由が読み上げられると、うつむいたまま証言台の椅子に座り、時折腕を組んだりするなど落ち着かない様子を見せ、検察側後方に座る遺族に目を向けることはなかった。
判決言い渡しに先立ち、深沢裁判長から
「何か言いたいことは」
と問われると
「ない・・・」
と返答。
判決理由読み上げ後、
「分かりましたか」
と問われた際には
「はい」
と小さな声で答えた。
◆裁判員「毎日葛藤」
危険運転致死傷罪が認定されるかが最大の争点となっていた今回の裁判員裁判。
裁判員を務めた6人のうち女性1人が14日、記者会見し、
「(公判会期中)責任を感じ、毎日葛藤していた」
と心情を吐露した。
会見で相模原市の女性会社員(45)はこれまでの公判について
「被害者側の気持ちになることが多く、公平に判断するという点で悩んだ」
と話した。
女性は
「前例のない事件」
「基にする資料がなかったが、みんなで話す中で冷静に判断できるようになった」
と述べた。
量刑は類似事件の過去の判例などを踏まえた上で
「いろんな意見が出たが、最終的にみんなで納得した」
とし、裁判員として参加したことについては
「(あおり運転は)日常起こり得ること」
「関われてよかった」
と述べた。
◆長女「気持ち考慮してくれた」
判決を受け遺族3人がコメントを発表した。
・萩山嘉久さん、友香さん夫妻の長女(17)
「私たちの気持ちを考慮してくれた判決でよかったです」
「ありがとうほざいます」
・友香さんの父(73)
「危険運転致死傷罪で認定してくださったことに感謝します」
「判決についてはそのまま受け止めたいと思います」
・嘉久さんお母、文子さん(78)
「全面的に納得できるものではありませんが危険運転と認められたことはよかったと思います」
「あおり運転がなくなることを切に願います」

東名あおり 懲役18年 控訴審ならどうなる 専門家「やや強引な判決」
2018年12月15日 夕刊フジ
あおり運転を社会問題化させた事件に1つの決着が付いた。
東名高速道路での夫婦死亡事故の裁判員裁判で、横浜地裁は14日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪の適用を認め、石橋和歩被告(26)に懲役18年(求刑懲役23年)の判決を言い渡した。
被害者側の処罰感情に配慮した判決といえるが、法曹関係者は
「やや強引な判決ではないか」
と指摘する。
弁護側が控訴した場合、量刑は変わるのか。
「私たちの気持ちを考慮してくれた判決で良かったです」。
死亡した萩山嘉久さん=当時(45)=と妻の友香さん=同(39)=の長女はこうコメントを出した。
遺族をサポートする中江美則さん(55)も
「(嘉久さんらも)ちょっとほっとしているのではないか」
と述べた。
裁判員の女性は報道陣の取材に応じ
「被害者側の気持ちになることが多く、公平に判断するという点で悩んだ」
と複雑な心境を吐露した。
判決で裁判所が危険運転に当たると判断したのは、事故発生当時の停車状態ではなく、事故直前までの妨害運転だった。
これについて弁護士の高橋裕樹氏は
「そもそも萩山夫妻が死亡した直接の原因は、石橋被告の車が停車し、その場から動けなくなった状態で後続のトラックが衝突したことだ」
「しかし裁判所は、停止行為自体を危険運転ではないと判断しつつ、直前のあおり運転とその後の一連の行為を一括りにして同罪を適用してしまった」
と指摘した。
「これでは類似の事件の裁判でも、
『事故の直接の原因が何か』
ということを脇に置いて、直前までにあおり運転があったのなら、同罪が適用できるようになってしまう」
「それはやや強引ではないか」
と危惧する。
弁護側が控訴した場合、判決がひっくり返る可能性はあるのか。
前出の高橋氏は
「検察側は、最高刑が懲役20年の監禁致死罪を予備的訴因としている」
「仮に控訴したしても危険運転致死傷罪が覆っても、石橋被告の量刑には変動が生じない可能性も考えられる」
とみる。
判決を聞いた後、これまでの公判と変わらない様子で遺族を見ることもなく法廷を後にした石橋被告は何を思うのか。

あおり運転事故裁判 懲役18年の判決 危険運転の罪認める
2018年12月14日 14時07分 NHK
神奈川県の東名高速道路であおり運転をきっかけに家族4人が死傷した事故の裁判で、横浜地方裁判所は、被害者の車の進路をしつこく妨害したり走行車線に停車したりした被告の行為が追突事故を誘発したとして、危険運転の罪を適用しました。
そのうえで、
「常軌を逸した犯行であり、刑事責任は重大だ」
として、懲役18年を言い渡しました。
去年6月、神奈川県の東名高速道路で、あおり運転を受けて停車したワゴン車が後続のトラックに追突され、萩山嘉久さん(45)と妻の友香さん(39)が死亡し、娘2人がけがをしました。
福岡県中間市の無職、石橋和歩被告(26)が、あおり運転の末に事故を引き起こしたとして、危険運転致死傷などの罪に問われました。
これまでの裁判員裁判で、検察が懲役23年を求刑したのに対し、弁護士は、被告が車を止めたあとに起きた事故に危険運転の罪は適用できないとして、この罪について無罪を主張していました。
14日の判決で、横浜地方裁判所の深沢茂之裁判長は、被告が走行車線に車を止めたこと自体は危険運転には当たらないとしたものの、それ以前に4回にわたって萩山さんの車の進路を妨害した行為などとは密接に関連し、追突事故を誘発する原因になったとして、危険運転致死傷の罪を適用できると判断しました。
そのうえで、
「パーキングエリアで駐車のしかたを注意されたからといって一連の犯行に及んだのは、常軌を逸していて、くむべき事情はない」
「強固な意思に基づく犯行で、刑事責任は重大だ」
「家族旅行の帰りに、突如、命を奪われた被害者の無念さは察するにあまりある」
と指摘し、石橋被告に懲役18年を言い渡しました。
判決の言い渡しのあと、石橋被告は、裁判長から
「内容はわかりましたか」
と尋ねられると
「はい」
と答え、遺族のほうに目を向けることなく法廷をあとにしました。
◆傍聴希望者 約700人
石橋被告に対する判決の言い渡しを傍聴しようと、横浜地方裁判所には大勢の人が訪れました。
裁判所によりますと、41の傍聴席に対し682人の希望者が並んだということで、抽せんの倍率は16倍を超えました。
◆萩山さん夫婦の長女「気持ち考慮してくれた判決 よかった」
判決について、萩山さん夫婦の17歳の長女は
「私たちの気持ちを考慮してくれた判決でよかったです」
というコメントを弁護士を通じて出しました。
また、亡くなった萩山友香さんの73歳の父親もコメントを発表し、
「危険運転致死傷罪を認定して下さったことに感謝します」
「懲役18年についてはいろいろな考え方もあると思いますが、ここに至るまでの皆さまのご尽力によるものなので、私としてはそのまま受け止めたいです」
と心境をつづっています。
萩山嘉久さんの母親の文子さんは
「量刑について全面的に納得できるものではありませんが、被告の行為が危険運転と認められたことは良かったと思います」
「今回の裁判で自分の気持ちに1つの区切りをつけたいと思います」
「これからあおり運転などの危険な運転がなくなってくれることを切に願います」
というコメントを弁護士を通じて出しました。
◆友香さんの友人「短すぎて理解できない」
言い渡しのあと、亡くなった萩山友香さんの高校時代の友人だという女性は、懲役18年の量刑について
「あのような危険な運転を繰り返しているのに、懲役18年というのは短すぎて理解できません」
「ただ、2人はもう戻ってはこないので、被告は決められた刑で罪を償ってほしいです」
と話しました。
また、
「被告は裁判中ずっと腕を組んだり顔を触ったりしていて、ちゃんと聞いているのかなと思いました」
「『本当に反省していますか』と直接尋ねたいです」
と話していました。
そのうえで、友香さんと最後に会ったときのことを振り返り、
「『またね』と言って別れたのでもう1度会いたいです」
と涙ながらに話していました。
◆過去の事故の遺族も傍聴に
全国的に注目を集めた今回の裁判には、過去に交通事故で家族を失った当事者たちも傍聴に訪れました。
このうち中江美則さん(55)は、6年前、京都府亀岡市で小学生の列に無免許で居眠り運転の車が突っ込んだ事故で、児童に付き添っていた、当時妊娠中の娘を失いました。
中江さんは14日の判決について、
「危険運転が認められてよかったですが、懲役18年と求刑23年との5年の差の意味が明らかになっていないことに、ちょっと疑問が残っています」
と話していました。
また、中江さんは、萩山さん夫婦の残された娘たちと交流があるということで、
「証人尋問で娘さんが一生懸命戦っておられ、娘さんたちはよく頑張ったなと思います」
「しかし、この子たちがこれからも長い月日、苦しみ続けていくことを想像すると苦しすぎます」
と話していました。
◆国家公安委員長「悪質運転抑止の取り組み効果的に推進」
今回の判決に関連し、あおり運転の抑止に向けた警察の今後の施策について、山本国家公安委員長は閣議のあとの記者会見で、
「あおり運転などの悪質危険な運転に対しては、道路交通法だけでなく、刑法などでの立件も視野に取締まりを行い、的確な行政処分も実施している」
「その結果、取締まりや免許の処分件数は大きく増加していて、引き続き、こうした取り組みを効果的に推進していきたい」
と述べました。
◆元検事「一定の抑止効果ある判決」
判決について、元検事の高井康行弁護士は
「あおり運転の末に車を前に回り込ませて停止させたあとに起きた事故について、危険運転致死傷の罪を認めたのは初めてのケースと思われ、同じような行為について、社会に対して一定の抑止効果がある判決だと思う」
と話しています。
一方で、
「車を止めた行為、つまり時速0キロの状態を危険な運転行為と認めなかった点は問題があると思う」
「車の停止も運転に含まれることは明らかで、高速道路の追い越し車線で相手の直前で車を停止させた状況を踏まえると、この行為をそのまま危険運転と認定するほうが法律を作った趣旨にも合っているのではないか」
と指摘しています。
◆裁判員の女性「みんなが納得して結論出した」
裁判員を務めた45歳女性が判決の後で記者会見に臨み、被告に危険運転の罪を適用した点について
「法律にはすごく縛りがあるなと感じました」
「評議では、法律論や感情論などさまざまな意見が出ましたが、最終的には裁判員みんなが納得して冷静に結論を出しました」
と振り返りました。
また、懲役18年という量刑の判断については
「刑の重さは被告や被害者側の人生を決めてしまうことでもあり、難しい判断でした」
「正直、今でも気持ちの整理がついていません」
と話しました。
このほか、あおり運転が後を絶たない現状に対し
「自分が意識していなくても事故に巻き込まれることがあると思いました」
「あおり運転はしてほしくないです」
とも話していました。
◆弁護側「処罰の範囲拡大している」
判決について、石橋和歩被告(26)の弁護士は
「車線上に車を止めたことが危険運転致死傷罪の実行行為に該当しないという主張が認められた点は評価できる」
と述べました。
そのうえで、一連の行為に対し危険運転の罪が適用されたことについては
「走行中の車を前提にした法の趣旨を骨抜きにするもので処罰の範囲を拡大している」
と批判する一方で、
「高速道路上に車を強制的に停車させる運転が、生命・身体に大きな危険を生じさせることは明らかであり、被害者感情などと法制度の間に大きな隔たりがあることも事実で、立法による解決を図るほかないのではないか」
と指摘しました。
また、今後、控訴するかどうかについては
「判決文をよく精査し、法律の解釈や量刑などが妥当かどうか被告と協議していきたい」
と述べるにとどめ、
「被告にはしっかり更生することを望みます」
と話しました。
◆横浜地検「量刑については判決内容を精査したい」
判決について、横浜地方検察庁の山口英幸次席検事は
「危険運転致死傷罪が適用された点については、検察の主張が認められたものと受け止めている」
「量刑については判決内容を精査したい」
とするコメントを出しました。


[18初期非表示理由]:担当:スレと関係が薄い長文多数のため全部処理。自分でスレを建てて好きな事を投稿してください

20. カレー王子[210] g0qDjIFbiaSOcQ 2024年11月15日 08:18:07 : 28pbaAZL06 : R1QySjJhV3gvQmM=[3] 報告
旧文通費が毎月100万円なのに対して
単発の住民税非課税世帯のみに3万円。
国民はどこまでもバカにされている。

3万円を配るのに人件費など事務手数料、
役所の負担と経費がかかるかというのも。

どんだけ消費税減税をやりたくないんだよ。
玉木はザイム省が悪事をするための実行部隊。
嘘つき、詐欺師の顔が政治でも下半身でも出た。

地方の役所で真面目に働いている人さえいれば
中央に巣食う利権天下り官僚、裏金政治屋なんて
ハッキリいって必要ないんだよ。

国民民主は原発政策からしてアウトだったが。

21. ノーサイド[3011] g22BW4NUg0ODaA 2024年11月15日 09:26:18 : vUDLogO1BK : bTBzVG1iMFYyWC4=[57] 報告

>諸悪の根源は歴代自民党政権と財務省

財務省は財政法を忠実に守ってるだけなので諸悪の根源というなら財政法及び日本国憲法ということになるでしょうね。(大笑)

22. 赤勘兵衛![110] kNSKqJW6iXGBSQ 2024年11月15日 09:27:55 : BGjsbMEjWA : ZzVVZE9IYTNQOGM=[1] 報告
>全国平均で34.62%だったものが毎年のように段階的に引き下げられ、18年度以降、29.74%と宣言通り、30%を切っている。まるで法人税の減税分を消費税増税でカバーしたかのようだと批判されたものだ。
………

まるでも何も、法人税の減税分を消費税増税でカバーしてきたのは事実。それによって裏金を貯め込んできたのもレッキとした事実。恥王子がなんと言おうと誤魔化しようがない事実。
 

23. 2024年11月15日 09:44:11 : fKkQda7Cxw : a01WR1RYQWZoY00=[3052] 報告
相変わらずのドロ縄ぶり、際限のない円安でさすがに低所得者の生活が心配になってきたのだろう。対策のアリバイ作りだろうと思う。全てが後手で無効。

非課税世帯でなく、住民税も健康保険税も高い世帯は、子供2人もあれば年300万円では苦しかろう、というかどうやって生活するんだ。オマケに生活必需品に限れば物価は控えめにみても1.5倍を超えている。どうすんだこれ。

もう共産党かれいわで日本は赤化するしかない、革命じゃ。国民民主の玉ちゃんは粛清だ。

24. 2024年11月15日 09:59:32 : xutrAnH8Uc : RTEwU1BmR3dDMEU=[5611] 報告
世界の国会議員の報酬を比較してもダントツ凄い日本の議員は717人で4500万、アメリカは535人で1570万、4500万の中には秘書の給与は入っていない、国会議員一人に年間1億数千万の税金が支払われている、その中に勿論裏金は含まれない、議員定数削減、歳費の引き下げ、議員待遇をもっと他国並みにすべき、自分達の身は何一つ削らず、この30年給料はわずかしか上がらず物価は上昇して生活は苦しくアベノミクスで貧富の差は開くばかりだ。
25. Mrサタン[16] TYKSg1SDXoOT 2024年11月15日 10:42:01 : f2SoJWzhmw : TXRNQ2NhSnpzWkU=[316] 報告
国家公務員の報酬額は世界第3位、1位と2位は資源国。
26. 申し入れ[1] kFyCtZP8guo 2024年11月15日 11:47:34 : WrMJqjurSU : S2prTFpVS0kxckk=[154] 報告

103万円「年収の壁」の基礎控除の引き上げや
ガソリン価格のトリガー条項解除を巡って
総務省側から全国各地の首長などに
「反対をするように申し入れ」をしていたらしい

なんなのこいつら?
政府も省庁も自治体も納税者を馬鹿にしてるよな
まるで国民を納税奴隷にくらいしか考えてないということが
これではっきりしたようだ

総務大臣:村上誠一郎(自民党)

総務副大臣:冨樫 博之(自民党)
総務副大臣:阿達 雅志(自民党)

総務大臣政務官:古川 直季(自民党)
総務大臣政務官:川崎 ひでと(自民党)
総務大臣政務官:長谷川 英晴(自民党)

なんとみんな自民党!!!!!
次のバッシングターゲットはこいつらだ!!!!!
ボコボコにしてやれ!!!!!

27. ボタンクサギ[239] g3uDXoOTg06DVINN 2024年11月15日 17:49:25 : 4WUf3IUh9E : V0k5NUdQVWszRzI=[439] 報告
<△29行くらい>
国会なんてほとんど猿芝居で重要事項は日米合同委員会で決めるのだから
もったいないよね。本当に必要なところにそのお金だけでも使えるのなら
かなり日本は違った国になっていたのにね。失われた30年は戻らない。

国会議員の歳費、手当と国会のコスト(1)
― 国会議員1人当たりのコスト
国会運営に関わるコスト
2019年度の予算ベースで、衆議院では約736億円、参議院では約489億円、
合計で1,225億円の経費が国会を動かすために使われる。1日当たり
3億3600万円ほどである。

国会議員1人当たりにかかる歳費、手当等の概要
議員1人あたりにかかる経費は、歳費、文書交通通信滞在費(文通費)、
立法事務費、鉄道パス等とそれぞれの議員が3人まで雇用できる秘書
経費の総額であり、金額は約7,500万円となっている。
https://national-diet.com/cost1

国会議員が得る「お金」がどれほどか知ってますか
https://toyokeizai.net/articles/-/604812

日本を蝕む「プロ自民議員」国民に寄生しヒモ生活、
タダチケ帰省で世襲根回し…金金金とウルサイ害虫 国会に376匹も
https://www.mag2.com/p/news/595231

元国税が暴露。相続税も払わぬ世襲政治家に搾取されるニッポンの異常
税務の世界には、十五三一(とおごおさんぴん)という俗語があります。
これは、各業界が税務当局に収入を正確に把握されている割合を示すもの
です。サラリーマンは10割、自営業者は5割、農業は3割、政治家は1割の
収入を税務当局が把握しているという意味です。
https://www.mag2.com/p/news/559784
サラリーマンはマッタク逃れられない。
社会保険料を上げたうえ、○○支援金とか上乗せされる。

28. 阿部史郎[1199] iKKVlI5qmFk 2024年11月15日 18:05:26 : cYRAeWjdps : aURIWUFBRGptV1E=[261] 報告
z李の子分だったコロアキが
創価学会池田大作にそっくりです。

悪人の手先であるコロアキ達は
中国共産党やz李の命令で
バイトテロを煽り
創価企業のくら寿司やスシローの監視カメラ導入に一役買った。
rapt-plusalpha.com/68562/

29. 秘密のアッコちゃん[1027] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月15日 19:19:38 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[592] 報告
<■302行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「103万円の壁」引き上げで消費喚起も…「供給力強化が必要」と専門家 7〜9月GDP
2024/11/15 18:45
https://www.sankei.com/article/20241115-2E7YJECHCJLDFG3CA547UWVIII/
内閣府が2024年11月15日発表した2024年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)で、個人消費の伸びが加速した。
ただ、定額減税の実施など一時的な要因が大きく、今後は再び低調になる恐れがある。
個人消費が力強さを取り戻すには、賃上げの定着が最も重要だが、それまでの間は家計支援策で凌ぐ必要がある。
与党と国民民主党による
「年収103万円の壁」
の見直しに向けた協議の行方も注目される。
2024年7〜9月は所得環境改善の動きが目立った。
賃上げの広がりやボーナス支給に加え、2024年6月から始まった1人当たり4万円の定額減税、2024年8月に再開した電気・ガス料金の抑制など政策による押し上げが効いた。
それでも物価変動を考慮した実質賃金は2024年8〜9月とマイナスで、家計はまだ厳しい状況が続く。
2024年10月の景気ウオッチャー調査でも、街角の景気実感を示す現状判断指数は2カ月連続で悪化。
「コメや様々な食品が値上がりする中、客が購入数や来店回数を減らし生活防衛している」(九州のスーパー)
などの声が上がる。
定額減税の効果も既に消えつつある。
円相場が2024年11月15日に一時、1ドル=156円台後半に下落するなど、円安の進行も物価の先高観に拍車をかける。
「我が国経済は成長型経済に移行する重大な局面にある」。
赤沢亮正経済再生担当相は2024年11月15日の閣議後記者会見で強調した。
近く策定する総合経済対策で、政府は
「物価高の克服」
を柱の1つに据える。
住民税非課税世帯向けの給付や電気・ガス料金の補助の延長を盛り込む方向だ。
だが今、世間がそれ以上に関心を寄せるのは、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の引き上げだ。
国民民主の主張通り、非課税枠を恒久的に178万円に引き上げた場合、政府は国・地方の税収が毎年約7兆〜8兆円減ると試算する。
ただ、空前の人手不足に直面する日本がこれだけの規模の減税を行って消費を喚起しても、輸入が増えるだけでGDPに反映されない可能性がある。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは
「減税の恩恵を満額で受け取るには、供給能力の強化との両輪で取り組む必要がある」
と話している。

高橋洋一「日本の解き方」
財務省の思うつぼ「年収の壁」議論 本筋は29年放置の「ステルス増税」停止だ 代表の不倫報道も国民民主党に公約実行の責務
2024.11/14 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241114-3GMN53KK3ZOH5O6YREWTRWILAA/
自民党と国民民主党は所得税が発生する
「年収103万円の壁」
を引き上げる政策協議を始めた。
マスコミでは
「年収の壁」
と説明されているが、筆者から見ると、問題を複雑化させ過ぎている。
103万円だけでなく、
「106万円」
など社会保険料を含めれば色々な
「壁」
があり、ある意味で財務省の思う壺になる。
問題の本質は、所得税における
「基礎控除48万円」

「給与所得控除55万円」
で合計103万円という額の大きさである。
筆者は、財務省がいつもやるように主要各国の国際比較の資料を出した。
正直に言えば、色々な条件を合わせないと国際比較は出来ないのだが、各国の最低所得に近い所で見てみる。
直近の為替レートで米国の基礎控除が61万円、給与所得控除が219万円で合計280万円。
英国は基礎控除214万円、給与所得控除はなしで合計214万円。
ドイツは基礎控除143万円、給与所得控除は20万円で合計163万円。
フランスは基礎控除160万円、給与所得控除8万円で合計168万円だ。
欧米に比べて日本の控除額が少ないことが分かるが、日本は税率を上げているわけではないので、
「ステルス増税」
だったということだ。
日本の控除額は1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きされている。
ステルス増税を29年も放置していいはずがない。
「ステルス増税をやめろ」
というスタンスでいい。
減収になるとの反論があるが、今の時点で減税政策をすれば、名目成長4〜5%が達成でき自然増収で賄える。
それまで増収がなくても外国為替資金特別会計(外為特会)や国債費などでも捻出できるので、財源問題はない。
減税してうまくいったら、財務省が30年間ついていたウソがバレるのが怖いのかもしれない。
案の定、
「106万円の壁」
が出てきて、厚労省が所得なしでも原則として社会保険料を負担させると言い出した。
問題を複雑化させるだけなので、基礎控除などの引き上げが終わってから検討すべき問題だ。
筆者の穿った見方だが、このように控除引き上げの足を引っ張る動きがあるのは、石破茂政権と野田佳彦代表の立憲民主党との間で
「大連立」
の匂いがある。
正式な大連立にはいかないまでも、東日本大震災後の自民党と民主党のように、財政政策で協調関係が作られるのはまずい。
国民民主党の提案にも自民党がなぜか強気であることにも一抹の不安がある。
立民が衆院の予算委員長を取ったことも筆者の懸念を助長させる。
この人事で石破政権は来年2025年度予算成立まで延命が保証されているという噂も出ている。

高橋洋一「日本の解き方」
なぜか「減税」を嫌がる財務省 「歳出権の拡大」で各省に恩売り…天下りへ 官僚主導の財政支出、民間に任せた方がうまくいく
2024.11/7 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-RILEXQW3RZIV5EFHHP3WBES5WE/
国民民主党が掲げている
「年収103万円の壁」
撤廃について、基礎控除を75万円引き上げた場合、
「7.6兆円の減税になる」
「高所得者の減税額が大きい」
などと報じられた。
筆者は先日の本コラムでは
「仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる」
「もっとも、この程度であれば、名目5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える」
と書いた。
少し財政をかじったことがある人であれば、この程度の減収の試算をするのは簡単だが、マスコミが記事にする際には財務省に聞くことが多いのだろう。
2023年度の税収は72兆761億円だった。
名目国内総生産(GDP)が1%変化した時に税収が何%変化するかを示す
「税収弾性値」
は一般的には
「2〜3」
なので、名目成長率が5%だと、税収は10〜15%、つまり7兆〜10兆円程度増加することになる。
また、名目5%成長を実現するには、インフレ率を2〜4%にすればいい。
このためには2%のインフレ目標について、日銀が利上げを遅らせる
「ビハインド・ザ・カーブ」
の運営を行う。
その上で、GDPギャップ(潜在的な供給力と実際の需要の差)をなくすような積極財政をするだけだ。
それにしても、財務省がなぜ減税を嫌がるのか、一般の人には理解できないだろう。
その一方で財政支出はそれほど抵抗なく行う。
減税も
「租税歳出」
と言われ、財政の理論では財政支出と同じことなのに、この態度の差は何か。
実はここに理由がある。
財務省は増税を好むが、増税すると歳出を膨らますことができる。
これを財政用語では
「歳出権の拡大」
という。
これこそが、財務省の権限の源であり、各省に対して売れる恩でもある。
歳出権を各省にばらまいて、そのご褒美として、各省の団体に天下りできるというのが望ましい。
一例を挙げれば、経団連が
「コンテンツ省」
設置を提言し、予算2000億円を増やすように提言したという。
これは、財務省的には受け入れ可能なものだ。
しかし、役人がコンテンツ業界をリードできるはずなく、こうした省庁は間違いなく失敗する。
新しい省庁ができれば、その関連団体もできて、天下りの巣窟になりやすいが、そこで新産業が生まれるはずはない。
これまで官僚主導でうまくいった試しはほとんどないからだ。
筆者は、役人が財政支出するくらいなら、減税して民間に任せた方が遥かにマシだと思っている。
財政の理論では、財政支出と減税は同じであっても、経済効果では政府が主体になるか民間が主体になるかで異なっており、減税の方が経済効果が大きいと思っている。
国民民主党はガソリン税の減税も主張している。
補助金支出でガソリン価格を抑えるより、減税で抑える方がまともな経済政策だと言える。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1.73倍から、103万円を1.73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民・玉木氏「総務省が自治体工作」、村上総務相は「してない」103万円壁見直しで攻防
2024/11/15 16:06
https://www.sankei.com/article/20241115-A6SPP4N2PNGQFLOQDMEDSBJVXQ/
村上誠一郎総務相は2024年11月15日の記者会見で、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の見直し論を巡って、総務省が自治体に反対を呼び掛けているとの一部の見方について、
「そういうことはしていないと思う」
と否定した。
年収の壁の見直しを巡っては、国民民主党が推進を掲げる一方、全国知事会の村井嘉浩会長(宮城県知事)らは地方の税収減に繋がるとして反対を表明している。
国民民主の玉木雄一郎代表は2024年11月13日、東京MXテレビの番組で、
「今一生懸命、総務省が全国知事会や自治体の首長に工作を行っている」
と述べた上で、
「『こういう発言をしてくれ』
『こういう減収があるからやめてくれ』
と、村上総務相が村井知事会会長らに連絡して、発言要領まで作って(いる)」
「如何なものか」
と語っていた。
村上氏は2024年11月15日の会見で
「村井会長に発言の依頼をした事実は全くない」
と否定し、
「発言要領について見たこともない」
「依頼したことも全然ない」
「なぜ玉木氏がこういう事を言ったのか、理解できない」
と強調した。
「全国知事会とは税制などについて日頃から意見交換している」
「事務方から基礎控除の制度概要などについて説明を行った」
とも語った。

「103万円の壁」解消は財源確保が最大の焦点 国民民主、主張崩さず自民と平行線か
2024/11/14 20:27
https://www.sankei.com/article/20241114-PQHUVBMCXVMSBBLERXARLNK3QQ/
2024年11月14日に本格的にスタートした自民、公明両党と国民民主党の税制協議の最大の焦点は、国民民主が主張している年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消のための財源の確保だ。
国民民主は所得税が発生する基準を現行の103万円から178万円に引き上げる主張を崩していない。
税収減を懸念する自民との議論は平行線が続く可能性がある。
■財源は「与党の責任」
「我々としてはちゃんと試算をした上で根拠があって出している」
国民民主の古川元久税調会長は国会内での自民との協議後、非課税枠の178万円への引き上げを譲らない考えを改めて強調した。
政府は国民民主の主張通りに非課税枠を拡大した場合、国と地方で7兆〜8兆円の税収減になると試算。
全国知事会も影響が大きいとして政府や与党に慎重な検討を求めている。
非課税枠の引き上げを実施する場合は代わりの財源が必要となるが、国民民主側はあくまで税収減への手当ては
「基本的には与党の責任」(古川氏)
との立場だ。
■赤字国債で税収減カバーか
国民民主の姿勢に自民は頭を抱える。
小野寺五典政調会長は2024年11月12日夜のBSフジ番組で
「『出る』と『入る』があって初めて政策になる」
「セットで提示して頂くことが大事だ」
と述べた。
もっとも、自民、公明両党は衆院で過半数の議席に届いておらず、令和6年度補正予算案や7年度予算案の成立に国民民主の協力が欠かせない。
国民民主幹部は
「うちが賛成しなければ何も通らない」
と強気だ。
国民民主にとって103万円の壁の解消は看板政策であり、実現の可否は来夏2025年夏の参院選を含めた今後の党勢も左右するため、容易に妥協できない事情もある。
2024年11月14日の税制協議に出席した自民の宮沢洋一税調会長は、記者団に非課税枠を178万円に引き上げる可能性を問われ、
「それは今後の議論次第だろう」
と含みを持たせた。
石破茂政権に影響力を持つ自民重鎮は、こう話す。
「国民民主も譲らないだろう」
「最終的には赤字国債で税収減を補うことになるのではないか」

村井嘉浩・全国知事会長が国民民主の年収の壁見直しに苦言 「夢ごとでなく具体策を」
2024/11/13 16:45
https://www.sankei.com/article/20241113-SZLBZWQ3R5PFBOFCOQXZPU4J3U/
全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は2024年11月13日の記者会見で、国民民主党が主張する
「年収の壁」
見直しを巡り
「(個人の)収入が増えれば消費が喚起され、税収も増えるといった夢ごとではなく、地に足がついた具体的な方策を示して議論してほしい」
「少なくとも私が首相なら首を縦に振らない」
と苦言を呈した。
総務省は、
「年収の壁」
見直しに伴う個人住民税の減収が4兆円程度に上ると試算。
村井氏は、宮城県と県内市町村の減収額が、地方交付税分も含め計約800億円に上ると明らかにし
「たちどころに財政破綻するだろう」
と述べた。
自治体が減収となることで住民サービスの低下を招くとの懸念も表明。
減収分を国債で充てれば
「恒常的に大きなつけを後世に回すことになる」
「賛成とは到底言えない」
と批判した。

年収の壁、ゼロ回答認めず 国民玉木雄一郎代表、自民に要求
2024/11/3 12:52
https://www.sankei.com/article/20241103-SN3SD5CPUVM5DP5JCK3ASPLKLE/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月3日放送のBSテレビ東京番組で、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の引き上げに自民党が応じない場合、政権運営に協力しない考えを示した。
「有権者との約束だ」
「(引き上げなければ)国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
と述べた。
立憲民主党など他の野党と連携する課題として政治改革を例示。
「案件ごとに協力する」
「対象は自民、公明両党に限定されない」
と語った。
玉木氏は、石破茂首相(自民総裁)との党首会談が実現した場合、年収の壁の引き上げは
「国民が求めている」
として、協力を要請する意向を記者団に表明。
立民の野田佳彦代表との会談では、政治資金規正法の再改正に加え、安全保障やエネルギー政策といった基本政策の一致に向けた協議の本格化を求める考えを示した。

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。


[18初期非表示理由]:担当:スレと関係が薄い長文多数のため全部処理。自分でスレを建てて好きな事を投稿してください

30. ちばどの[407] gr@CzoLHgsw 2024年11月16日 02:55:25 : 7LT6VRNeYw : eG1YcVJGN2J6ZWs=[551] 報告
<■51行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
   島国日本の閉鎖的な環境は、寄らば大樹の陰、長いものには巻かれろ、の同調圧力が強固だ。よって属性が非常に大切で、先ず属性を見て物を言う風土がある。例えば企業内に於いて会計課や人事課に配属によりエリート意識を持ち、社員間で会計課や人事課には頭が上がらない奇妙なヒエラルキーにより、労働上の不満を酒席でしか打ち明けられない悪しき構造がある。
   財務省の言動に関しても、国民個々が労働収奪後の所得の中から出し合い経理を委任している行政機構たる公僕の方が公金の采配に関して上から目線である。本来立法府は国権の最高機関である筈が、何故か公金資金提供者たる納税者国民の代表たる議員が財務省に法案提出の是非を伺う恰好で、曰く財源がないと言われれば法案を引っ込める仰天だ。反面天下り先企業に有利な法案は行政立法案として閣僚レクチャーし閣議決定の権威を利用し党議拘束による可決を促す積極性が顕著で、非常に矛盾しているのが日本の立法行政の仕組みだ。
  いずれにしても財務省は公金を預かるだけの行政機関で主権者国民納税者の判断に従うべき公僕だ。彼らは戦後復興期に主体的に日本をリードした気概が残っている故の上から目線だが、本来は行政による公金采配は違憲との認識が必要だ。
  つまり議会にて代表議員が議論した結果に忠実に公金の財布を開けるのが財務省の義務だ。無論最高法規たる憲法に忠実な国会決議に従う義務である。例えば財源がないと言いたくとも財務省は情報を全て開示し国会審議の材料として提出すべきだ。墨塗改竄破棄などは違法行為と認識し、省内における会議録をメモに至るまで国会審議の資料として出す公僕としての義務を果たすべきだ。それによって財源をどうするかの判断は議会が行い、立法化する。
  遠慮がちに財務省に伺い飴と鞭の使い分けに諦観する、これまでの誤った議会人の言動が主従転倒の原因で、行政機構の法治主義ならぬ恣意的な人治主義を許してはならない。議会の決定が誤っているか否かを行政官が慮る必要はなく、国民代表議会制民主主義である以上憲法に即した国会審議と決議が国の方針となる。故に財務省を始めとする行政機関は従うのが任務である。
  リーダーがダブっては国は舵が取れない。そのために最高法規を掲げ議会を設え国民から徴税した公金資金の使途の優先順位を決めるシステムがある。ところが国権の最高機関であるべき議会と行政が覇権争いをしているのが現状で、結局のところ公金の財布を握った行政に頭を下げざるを得ない議会という構造が問題だ。
  国の最高法規を嫌う自民財官の談合システムは、自民は党是と党益優先、官僚は省益優先で公金を扱う。よって与党の党利党略と行政の省益優先の同床異夢で、舟が山に登っているのが現状だ。
  自民党政治の根源は贈収賄型である所、省庁の飴と鞭行政とは親和性がある。
  結果的に最高法規という共通指針を無視し国会決議を違憲審査もせず強行可決することで公金の丼勘定を謳歌しているのが自民と官僚集団である。
  国会は通年とし、公金の財布を開け閉めする立場の行政官による作為不作為は公聴会によって国会が牽制する事が大事だ。例えば官起案の法案しか飲まないような財務官僚では天下り役人天国となり、ひいては自立した企業が育たず国そのものが衰退する。
  少しばかりの収入アップさえ議員による提案とばかりに否定する財務省と忖度する自治体首長という醜悪な構図が見えた。若者や女性の活躍を建前では推進するも本音は所得の低い層に留め置きたい、護憲を忌避する無法者集団の結託が今回の件でも明らかとなった。
31. 秘密のアッコちゃん[1029] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月16日 06:57:56 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[594] 報告
<■110行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>年収の壁 首相は議論整理し説明を
社説
2024/11/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241116-DOPGVECZCVKUHNAOUPQ3XWSA6I/
手取りを増やすのか増やさないのか。
議論を整理し、はっきりさせねばならない。
その上で石破茂首相が説明すべきだ。
「103万円の壁」

「106万円の壁」
などの見直しのことである。
自民、公明両党の与党と国民民主党が、年収103万円を超えると所得税が発生する103万円の壁の解消を巡り協議を始めた。
国民民主は非課税枠を178万円に引き上げることを要求している。
一方、厚生労働省は社会保険料の負担が生じる106万円の壁を撤廃する方向で調整している。
パートら短時間労働者が厚生年金に加入する要件のうち、106万円以上としている賃金要件を撤廃する内容だ。
いずれの壁も働く時間を抑制する要因とされる点では同じであり、人手不足解消や働き方改革を進める上で制度の見直しは必要だろう。
ただし103万円の壁見直しは手取り増のための減税だ。
逆に106万円の壁撤廃は老後の年金給付を手厚くするため、まず保険料を払ってもらう措置である。
長い目で見れば給付増となる。
だが、当面の手取りは減る方向に働く。
これらの制度は全く別の話だが、議論のタイミングが重なり、悩ましいことになっている。
政府や国会は問題を整理する必要がある。
国民の財布は1つだ。
制度の見直しで手取りが増えるのか増えないのか、石破首相は国民に丁寧かつ分かりやすく説明せねばならない。
実質賃金の低迷が消費や経済成長の隘路となっており、国民民主が手取り増を目指すのは頷ける。
ただ、103万円を178万円まで一気に引き上げることが妥当なのか。
政府試算では、国と地方の税収が年7兆〜8兆円減るとされる。
「178万円」
は最低賃金の伸びを根拠にした数字だが、物価上昇率に基づけば、それほど大きな引き上げ幅とはならないと自民側は指摘している。
看過できないのは、国民民主が減収財源について
「基本的には与党の責任」
としていることだ。
主張を反映させたいなら財源確保策についても説得力ある提案をする責務がある。
低所得者よりも中高所得者の方が減税額も大きい。
その点も踏まえて、政策の費用対効果を見極めるべきだ。

石破政権「103万円の壁」撤廃も増税画策≠ノ警戒 手取り増と逆行、厚生年金106万円の壁撤廃へ 浮上財源論≠フ裏に財務省の影
2024.11/10 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241110-C7CIUVCNGBOYNMCXZGWC3VE6SI/
石破茂首相(自民党総裁)と、国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月11日に党首会談を開く予定だ。
自民、公明与党と、国民民主党の政策協議で最大の焦点となるのが
「年収103万円の壁」
の撤廃だ。
幅広い層に
「減税の恩恵」
があり、労働人口を増やす効果も期待できるが、冷や水を浴びせるように
「7兆6000億円の税収減となる」
といった財源論≠ェ指摘され始めた。
財務省や財政緊縮派らが減収分を取り戻そうと
「増税・負担増」
を画策することが懸念される。
現に、厚労省はパートなどの短時間労働者が厚生年金に加入する年収要件
「106万円の壁」
を撤廃する方向で最終調整に入ったが、新たに保険料負担が生じる人もいる。
衆院選で大惨敗しながら
「政権居座り」
を決め込む石破首相の
「増税・負担増」
路線に要警戒だ。

自民党の小野寺五典、国民民主党の浜口誠両政調会長は2024年11月8日、国会内で政策協議の初会合を開き、
「年収の壁」
の見直しへ向け、来週に両党の税調会長を交えて協議することを確認した。
現行制度では年収が基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超えると所得税が発生する。
このためパート労働者らが103万円を超えないように労働時間を抑制する現象が問題視されてきた。
1995年から最低賃金が1.73倍上昇したのを踏まえ、国民民主党は178万円への引き上げを要求している。
玉木氏は
「有権者との約束だ」
「(引き上げなければ)国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
と述べ、自民党が応じない場合は、政権運営にも協力しない考えを示した。
産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査では、年収の壁について
「引き上げるべきだ」
とする回答が77・2%に上った。
物価高対策で最優先で取り組むべきことでも
「減税」
が32・7%と最も多かった。
一方でネガティブキャンペーンまがいの論調もある。
その1つが、基礎控除を75万円引き上げた場合、国と地方を合わせて7兆6000億円の税収減になるという
「政府試算」
だ。
上武大学の田中秀臣教授(日本経済論、経済思想史)は
「財源論が浮上したのは、財務省側の焦りの表れだろう」
「だが、財務省の省益よりも国民のために実施すべきだ」
「恒久的な減税になるように今年2024年の補正予算の1回に留めずに来年2025年以降の本予算に組み込んで効果を持続する方が望ましい」
と語る。
■「手取り増」と逆行
もう一のネガキャンが、
「高所得者に恩恵」
というものだ。
年収210万円の人の減税額が所得税と住民税を合わせて約9万円なのに対し、年収500万円で約13万円、年収2300万円で約38万円という試算もある。
加藤勝信財務相は
「国と地方において減収が見込まれ、高所得者ほど減税の影響額が大きくなる傾向がある」
と述べた。
しかし、
「手取りの増加率」
で見ると年収210万円で4.3%、500万円で2.6%、2300万円で1.7%となっている。
田中氏は
「金額で見れば高所得者層が有利に見えるが、所得との比率で見れば、低所得者の方が恩恵を受けることは明らかだ」
「『年収の壁』撤廃は国民民主党の看板政策で妥協はあり得ない」
「拒否すれば自民党も補正予算も通せず、政権の存立が危うくなるので飲まざるを得ないだろう」
との見方を示す。
国民民主党はガソリン税の
「トリガー条項」
の凍結解除や消費税率の時限的な5%引き下げなども掲げている。
加藤財務相は前出の会見で、トリガー条項の凍結解除で国と地方の減収が生じるとして、
「脱炭素に向けた潮流なども勘案しながら対応していく必要がある」
と言及した。
財務省側がクギを刺した形にも見える。
田中氏は
「財務省は1度得た財源を失いたくない」
「財務省や自民党内の緊縮派は、論点を『年収の壁』に持っていき、消費税やトリガー条項の議論から目を逸らそうとする思惑もあるのかもしれない」
と推測する。
こうした中、厚労省は、会社員に扶養されるパートら短時間労働者が厚生年金に加入する年収要件(106万円以上)を撤廃する方向で最終調整に入った。
年収要件をなくせば保険料負担が新たに生じ、手取り収入が減る人も出てくる。
「手取りを増やす」
政策とは逆行する動きだ。
また、税制を巡っては、石破首相も防衛力強化の財源を確保する所得、法人、たばこの3税の増税の開始時期について、2024年年末の税制改正の議論で決着させる考えを示した。
石破首相は金融所得課税の強化に言及し、その後撤回する一幕もあった。
来年2025年夏には参院選も控えるが、前出の田中氏は
「現在は増税を言い出すのは難しいだろうが、7兆6000億円を取り戻しに動くため、将来的に『増税・負担増』路線になるだろう」
「防衛増税の開始はもちろん、石破政権が続けば、首相が掲げる防災省設置構想に関連して、インフラ整備のための『防災増税』を掲げるかもしれない」
と警鐘を鳴らした。


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32. 秘密のアッコちゃん[1030] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月16日 07:00:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[595] 報告
<■77行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「106万円の壁」撤廃で負担増も老後の年金はアップ 残る「週20時間の壁」
2024/11/15 21:47
https://www.sankei.com/article/20241115-JSVA2YM7O5NUBMQ5B64LURJOBA/
厚生労働省が厚生年金に加入する要件のうち、
「年収106万円以上」
の賃金要件と
「従業員51人以上」
の企業要件を撤廃する方向に舵を切ったのは、厚生年金加入者を増やし、老後保障を手厚くするためだ。
ただ、厚生年金に加入すれば社会保険料が発生し、雇用する企業側の負担も増える。
一方で
「週20時間以上の勤務」
という労働時間の要件は残るため、負担増を避けようとすれば
「週20時間の壁」
に直面することになる。
■もはや無意味な「106万円の壁」
現在、厚生年金に加入しなければならないのは、
@月額賃金が約8万8千円(年収にすると約106万円)以上
A従業員が51人以上の企業などに勤務
B勤務時間が週20時間以上
C学生ではない
などの全てを満たした場合だ。
@の要件は、最低賃金が上昇傾向にあり、今年2024年は全国平均1055円となったことで、都市部を中心に週20時間程度働いた時点で自動的に要件を満たすケースが増えた。
そのため、週20時間以上働いても月収が8万8千円未満になる人は少なくなっており、
「@の要件は意味がなくなっている」(厚労省の担当者)
と見る向きもあった。
最低賃金が低い傾向にある地方でも今後、最低賃金は上昇するとみられることから、撤廃の影響は限定的とみられる。
日本総研研究員の藤本一輝氏は
「制度が簡素化され、企業と労働者の労務管理が分かりやすく楽になるメリットもある」
と見る。
■厚生年金加入のメリット説明を
一方、影響が大きいのはAの要件の撤廃だ。
現状、従業員50人以下の企業で働いている人は年収130万円まで社会保険料を支払う必要がない。
Aの要件が撤廃されれば、年収約106万〜130万円の人は、厚生年金へ加入するか、労働時間を抑制して厚生年金加入を回避するかの選択を迫られることになる。
また、厚生年金に加入すれば、企業側も社会保険料の半額を負担することになる。
経営体力に乏しい50人以下の企業は、負担増を避けるため、従業員に労働時間を週20時間以内に抑えるよう要請するケースが出てくる懸念もある。
「年収の壁」
を巡っては、先の衆院選で国民民主党が、所得税が発生する
「103万円の壁」
の撤廃を主張して注目を集めた。
国民民主は基礎控除を178万円まで引き上げることを主張しており、国民民主の政策が実現すれば
「社会保険料の壁」
を超えた後も手取りは増えやすくなる。
そのため、壁を超えて厚生年金に加入しようと判断する労働者も出てくる可能性がある。
藤本氏は
「厚生年金に加入すると将来の給付が増える」
「基礎控除の引き上げ効果も踏まえて、政府は厚生年金加入の利点を丁寧に説明する必要がある」
「労働者側も将来の給付と現在の収入のどちらを選択するか慎重に検討すべきだ」
と話している。

厚労省「106万円の壁」見直し、保険料の会社負担増やす特例案…「従業員51人以上」も撤廃へ
2024/11/15 23:47
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20241115-OYT1T50222/
厚生労働省は2024年11月15日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会で、パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入した際に支払う保険料について、会社側の負担割合を増やせる特例制度の導入案を示した。
年収が106万円を超えるなどして保険料支払い義務が生じた場合の手取りの減少を緩和し、労働時間の抑制を避ける狙いがある。
現行制度では、保険料は加入者と会社側が半分ずつ負担している。
会社員や公務員の扶養に入っている配偶者は、保険料を払わなくても国民年金などを受け取れるが、パートなどで従業員51人以上の企業に勤め、週20時間以上働く月額賃金8万8000円(年収換算約106万円)以上の人は、厚生年金への加入が義務付けられる。
加入すれば、将来受け取れる年金は増えるが、年収が106万円を超えると、保険料の支払いで手取りが年10万円程度減るため、働く時間を抑制する問題が生じていた。
会社側の負担割合を増やす制度は、労使の合意を前提とする。
例えば、週20時間働いて保険料が新たに発生する人の場合は、会社側が9割を負担し、年収が上がるごとに会社側の負担割合を減らし、一定水準で半分ずつの負担に戻す制度を想定する。
手取り減を緩和することで働き控えを防ぎ、人手不足の解消を図りたい考えだ。
ただ、2024年11月15日の部会では、
「大企業しか負担を増やせない」
などと否定的な意見が相次いだ。
同省はこの日の部会で、厚生年金の加入要件のうち、企業規模と賃金の要件は撤廃し、
「週20時間以上」
の労働時間の要件は維持する方向性や、従業員5人以上の飲食サービス業や理美容業などの個人事業所を加入対象に加える案を提示した。
概ね了承されたが、106万円の賃金要件の撤廃については一部の委員から異論もあり、議論を続ける。
同省によると、これらの見直しが実現すれば、新たに200万人が加入対象になる。
2024年年末までに改革案を取りまとめ、来年2025年の通常国会に年金改革関連法案を提出することを目指す。


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33. だむ[36] gr6C3g 2024年11月16日 08:00:40 : 5YNx4DmLAw : eU5DWjQzWnlUb0E=[37] 報告
<△21行くらい>
>>27
何でもかんでも日米合同委員会で決めているならば、アメリカ側にアプローチすれば相当緩和するが、実態は違うからこうまで酷くなる。アメリカ側にすれば、トヨタなんて保護なんかしたくないんだし。

>トヨタ首脳陣よ、どう責任をとるのか?庶民を貧困に追いやって儲けたカネを社会に還元せぬ大企業が自ら首を絞める日

https://www.mag2.com/p/news/612404

>トヨタ栄えて民滅ぶ「日本のヤバい数字」なぜ外国人を優遇しサラリーマンをいじめるのか?国税OBが怒りの告発

https://www.mag2.com/p/news/603187

>日本を滅ぼす「トヨタの大罪」を国税OBが告発。輸出戻し税はトヨタへの補助金、嘘でもデマでもない税逃れ国富収奪30年

https://www.mag2.com/p/news/600636

>竹中平蔵が日本経済にトドメを刺す。トヨタら大企業を支える中小企業の「淘汰」を叫ぶ売国奴の恐ろしさ

https://www.mag2.com/p/news/616758

>大企業優遇で中小企業は切り捨て。進次郎がブレーンに迎える竹中平蔵に完全破壊される日本経済のお先真っ暗

https://www.mag2.com/p/news/619612

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