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※2024年10月30日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年10月30日 日刊ゲンダイ2面
ご満悦(国民民主の玉木代表)/(C)日刊ゲンダイ
自公大敗後の混迷政局はキャスチングボートを握った少数政党に翻弄されているが、さながらコウモリ政党の卑しさを有権者はどう見ているのか。
そんな国民民主に振り回され、それでも権力にしがみつく石破自民の鉄面皮。
立憲中心の真の政権交代以外に道はなし。
◇ ◇ ◇
衆院選で自民・公明が大敗し、政権の枠組みをめぐる攻防が激しくなっている。
過半数割れした自公与党にとって、まずは11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙に向けた多数派工作が喫緊の課題だ。自民191議席、公明24議席を合わせて215議席。過半数の233には18議席足りない。
首相指名選挙は、1回目の投票で過半数に達した者がいなければ上位2人による決選投票になり、決選では過半数に満たなくても得票が多いほうが選ばれる。野党は自党の党首名など無効票を投じることも多く、過去にも大平正芳がたった138票で決選投票を制し、衆院で首相指名されたケースがある。
今のところ、野党がまとまって「野田佳彦」の名を書く機運は高まっていない。石破首相はなんとか首相指名選挙を乗り切るだろうが、問題は、その後の政権運営だ。
総選挙後の議会勢力は、野党や無所属などが250議席。立憲民主党(148議席)、日本維新の会(38議席)、国民民主党(28議席)を足しただけで214議席と、自公の215議席と拮抗するのだ。少数与党が予算案や法案を通すためには、野党の協力が欠かせなくなる。仮に全野党が反対すれば、法案は1本も通らない。
「とりあえず、裏金問題で非公認となり、無所属で勝ち上がってきた萩生田光一議員や西村康稔議員、平沢勝栄議員の3人を追加公認して自民党に戻せば218議席になる。それ以外にも、元立憲民主党の松原仁議員などの保守系無所属議員を引き入れる。場合によっては野党に手を突っ込んでめぼしい議員を一本釣りする。それでも過半数には全然足りない。政権安定のためには、連立の枠組み拡大しかないのが実情です」(自民党ベテラン議員)
そこで熱視線を向けられているのが、選挙前の7議席から4倍増の28議席に躍進した国民民主党なのである。
もともとどっちつかずの「ゆ党」
自民党からも、野党勢力の結集で政権奪取を狙う立憲民主党からもラブコールを送られ、国民民主の玉木代表はウッキウキだ。つい最近まで衆院わずか7人の少数政党だったのに、永田町での存在感はかつてないほど高まっている。玉木はテレビにも出ずっぱりで一躍、時の人扱いである。
29日の定例会見でも、玉木は「キャスチングボートを握る計画を少し前倒しする形にできた」とご満悦だった。自公連立政権への参加について聞かれると、「連立はありません」と否定したが、政策ごとに連携する「部分(パーシャル)連合」や、閣僚を出さずに協力する「閣外協力」の可能性については、「定義による」と含みを持たせた。「政策ごとにいいものには協力するし、ダメなものはダメを貫く」というのだ。
その一方で、立憲の野田代表は首相指名選挙などでの協力を求めるために党首会談開催を呼びかけていたが、玉木は断ったという。幹事長や国対委員長レベルの会談ならば応じるというのだが、ずいぶん強気だ。
「与野党を天秤にかけて、自分を高く売ろうとする狡猾な立ち回りは、やり過ぎると双方から信用を失うし、有権者からも嫌われる。衆院選では『自民にNO』の票の受け皿になって躍進したのに、選挙後に自民と手を組むのでは、有権者に対する裏切りと言われても仕方ありません。国民民主はもともと、与党でも野党でもない『ゆ党』とみられていた。自民党の裏金問題を契機に批判色を強めて野党的な立ち位置を取るようになりましたが、それも衆院選向けのポーズに過ぎなかったのでしょうか。憲法改正や外交安保など政策的には自民党とほとんど変わらないし、企業・団体献金の禁止も言っていない。自民党からしたら最も組みやすい相手であることは確かです」(政治評論家・本澤二郎氏)
悪魔にひれ伏してでも、政策を丸のみしてでも
「居直りメガネ」と呼ばれ始めた(C)日刊ゲンダイ
「対決より解決」を掲げてきた国民民主は「手取りを増やす」をスローガンに衆院選を戦った。
具体的には、いわゆる「年収の壁」を計103万円から計178万円に引き上げて、年少扶養控除を復活させる所得税減税策。トリガー条項の凍結を解除してガソリン代を値下げする燃料費高騰対策。実質賃金が持続的にプラスになるまで一律5%減税してインボイス制度を廃止する消費税減税策などだ。
これらの政策を実現できるなら、与党にも協力するというのだが、果たしてそんなにうまくいくのか? 「年収の壁」やトリガー条項はなんとかなっても、消費税5%減税なんて到底、自民はのめないだろう。
似たようなことは岸田政権下でもあった。国民民主が求めるトリガー条項の凍結解除を首相が「検討する」と発言したことを理由に予算案に賛成したものの、結局は反故にされた。
どっちつかずの態度は、さながら「コウモリ政党」で、与野党どちらからも信頼されなかった。
「自分たちの政策を実現するためには、自公と組むことも立憲と協力することもあるというのは正論でしょう。国会で議論を尽くした上で、いい法案には賛成し、ダメなものは反対するというのは、政党の本来のあり方とも言える。有権者の考え方が多様化し、今後は選挙で過半数を大きく超える政党が出てこないことも考えられます。欧州のように、政策ごとに少数政党が連携する政権運営の形が常態化するかもしれない。そういう意味で国民民主の手法は興味深いものではある。ただし、政策本位を貫ければいいですが、戦略的な手練手管に走れば必ず失敗するでしょう。老獪な自民に取り込まれ、いいように使われるだけです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
「パーシャル連合」の欺瞞
自民の権力への執着は凄まじい。政権を維持するためには、戦後の「55年体制」で敵対してきた社会党と手を結んで「自社さ政権」を発足させたし、「悪魔にひれ伏してでも」と自自連立、自自公連立に持ち込んだ歴史もある。
今の自民からすれば、28議席を有する国民民主は喉から手が出るほど欲しい存在だ。自公と保守系無所属議員に国民民主を加えれば、過半数のみならず安定多数(244議席)を確保できる。同時に野党の結集を阻止することもできて一石二鳥。なんとか歓心を買って味方に引き入れたい。それが分かっているから、国民民主の玉木は強気なのだ。
さっそく、石破政権は首相が策定を指示し、来月中旬に閣議決定する総合経済対策について、国民民主の政策も盛り込む方針を固めたという。予算にも手を突っ込めるなんて、国民民主が連立入りするに等しい話である。
しかし、選挙直後の連立入りはさすがに体裁が悪い。来夏には参院選を控え、不人気与党に手を貸したという批判は避けたい。また、衆院選では、国民民主が埼玉14区で公明の石井代表を破って落選させたしこりもある。
そこで、連立ではないと言い訳するために、自公にも国民民主にも都合がいい「パーシャル連合」などという言葉を持ち出してきたわけだ。
「衆院選で自公が過半数割れして、政権交代の道筋が見えてきたかと思ったら、国民民主が議席を大幅に増やして、自民の補完勢力が影響力を高めただけでした。石破首相は国民民主の政策を丸のみしてでも権力を維持しようとするでしょう。せっかく手にした総理の座です。少数政党に振り回され、自分がやりたいようにできなくても政権にしがみつきたい。一時は国民が期待した石破首相もやはり自民党の政治家であり、権力亡者に過ぎなかったのです」(本澤二郎氏=前出)
本物の野党が過半数を取らないと、この国の政治は変わらない。立憲中心の野党による政権交代以外に道はないのだ。
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