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※2024年10月19日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
トップに必要な胆力がない(C)日刊ゲンダイ
ご祝儀相場で選挙突入、逃げ切り戦略はこの数字を見れば、もはや完全破綻だろう。読売も3割そこそこという前代未聞の不人気は裏金対応だけではない。化けの皮が剥がれた「口だけ正論」、岸田継承の経済無策など、この政権は自公過半数でも、もう短命。
◇ ◇ ◇
いま頃、本人は真っ青になっているのではないか。選挙戦を戦っている自民党内にも動揺が広がっている。
石破首相の就任後、「時事通信」が初めて実施した世論調査(10月)の結果は、なんと内閣支持率28.0%だった。発足時としては、2000年以降の歴代内閣のなかで最低である。政権の発足直後は「ご祝儀」もあり、通常、支持率は高く出るものだ。それが、いきなり政権維持の「危険水域」とされる2割台でのスタートである。
政権発足時、岸田内閣の支持率は40.3%、菅内閣は51.2%だった。石破内閣は、2000年以降、最低だった森内閣の33.3%も下回ってしまった。選挙中の自民党内に激震が走るのも当然である。
首相側近は「誰がやってもいまは難しい」と、支持率低迷の原因を「裏金事件」に押しつけているが、ここまで支持率が低いのは、裏金事件だけが理由じゃないだろう。発言を次々に変える、石破の「変節」が嫌われたのは間違いない。
なにしろ、総裁選に出馬した時、あれほど「日米地位協定の改定」や「アジア版NATO創設」を訴えていたのに、党内やメディアから批判されると、所信表明演説で一言も触れず、「やらない理由が分からない」と主張していた「選択的夫婦別姓の導入」も、党内右派の反発を恐れ、衆院選の公約に入れなかった。
衆院の解散時期にしても「予算委員会を開いて野党の方々と論戦を交わした上で国民に判断いただく」と約束していたのに、「選挙に有利」だからと、内閣発足の8日後、予算委員会を開くこともなく解散してしまった。
これでは、支持率28%も「必然」というものだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「国民はよく観察していますよ。『期待』が『失望』に変わったということでしょう。石破さんの国民人気が高かったのは、たとえ党内で冷遇されても国民の立場に立って『正論』を吐きつづけたからです。ところが、権力を握った途端、百八十度、違うことを口にしはじめた。発言も右に左にぶれている。たとえば、『政策活動費』を衆院選で使うかどうかについて、党首討論では『使うことはある』と明言していたのに、批判されると、一転『選挙に使うことはない』と、テレビ番組で表明している。これでは国民の支持は離れますよ」
政権発足から、わずか20日。「ハネムーン期間」もなく、いきなり政権末期のような状況となっている。
もはや「選挙の顔」にはならない
総裁選を大々的に開催して「選挙の顔」を選び、内閣支持率が高いうちに解散総選挙になだれ込めば負けない──という自民党の“逃げ切り戦略”も、内閣支持率が28%と低迷し、もはや破綻寸前である。自民党候補は、各地で苦戦を強いられている状況だ。
読売新聞の情勢調査によると、自民党は、野党系が強い都市部などでは多くの選挙区で劣勢や接戦となっているという。比例区も、前回獲得した72議席を下回り、60議席台にとどまりそうとのことだ。無党派層からの支持は、1割に達していないという。
自民党議員は「国民人気の高い石破なら無党派層からも票を取れる」と計算し、新総裁に選んだのだろうが、完全に当てが外れた形だろう。
1日に4、5カ所の街頭演説をこなしている石破は、まず「テレビで見るより怖くない、と言われる石破茂であります」と挨拶して軽く笑いを取り、演説の中盤に、ご当地のラーメン店の名前を列挙して「私、ラーメン議連の会長なんです」と、つなげるのが毎度のパターンだ。以前のように国民人気が高かったら喜ばれたろうが、支持率28%の不人気首相では、もはや「選挙の顔」にならないのではないか。
時事通信の調査でも、内閣不支持の理由は「期待が持てない」17.5%、「首相を信頼できない」が10.1%だった。
「首相就任後、よく分かったのは、石破首相には、一国のトップに必要な胆力がない、ということです。常に右顧左眄している。もし、最初から裏金議員12人を非公認とし、34人は比例名簿に載せない、と毅然とした態度で決断していれば、国民も『少しはやるじゃないか』と、拍手喝采し、支持したはずです。ところが、当初、裏金議員を『原則公認』とする方向で動き、国民からの批判が強いと分かると、慌てて『12人は非公認』『34人は比例重複を認めない』と軌道修正している。要するに、トップとして裏金事件にどう対応すべきか確固たる強い信念もなく、安倍派からの反発を引き受ける胆力もない、ということです。恐らく、与党内野党として正論を吐いていたのも、その程度の軽い話だったのでしょう。さもないと、『選択的夫婦別姓』にしろ、『金融所得課税の強化』にしろ、持論を次々に封印したりしないはずです」(政治評論家・本澤二郎氏)
化けの皮が剥がれるのに、1カ月もかからなかった、ということだ。
「石破降ろし」が始まる
「石破降ろし」が勃発する(C)日刊ゲンダイ
10.27「総選挙」は、どんな結果になりそうなのか。現時点では、自民党は単独過半数割れ、自公でギリギリ過半数確保──という予測が多い。
自公で過半数を確保すれば、不人気の石破内閣も、とりあえず政権を維持するとみられている。
しかし、たとえ政権を維持できても、自民党の単独過半数割れとなったら、いずれ「石破降ろし」が勃発するに違いない。公認を得られなかった裏金議員や、比例重複を認められなかった裏金議員は「石破だけは許さない」と怒り狂っている。
「反主流派になった安倍派、麻生派、茂木派の候補のもとには、すでに『反石破』の旗印として高市早苗が応援に駆けつけています。高市事務所には、9月下旬から応援依頼が殺到し、120件以上、寄せられているといいます。選挙後、彼らが『石破降ろし』を画策し、党内抗争が勃発する可能性は十分に考えられます」(自民党関係者)
来年夏には参院選が行われるから、選挙を控えた参院議員が「石破首相では選挙の顔にならない」と、騒ぎ立ててもおかしくない。ただでさえ、党内基盤が弱い石破内閣の足元は、大揺れとなるだろう。
「党内基盤の弱い石破内閣にとって、頼れるのは国民の支持しかありません。かつて、同じように党内基盤が弱かった三木内閣は、国民世論を命綱として『三木降ろし』をしのいでいます。問題は、党内の顔色をうかがい、政権の発足直後から国民の支持を失っている石破首相に、いまから国民世論を頼りとする政権運営ができるのかどうか、ということです。せめて、国民生活を豊かにするような経済政策を打ち出せればいいが、石破首相は、岸田政権がやってきた経済政策を全面的に継承する意向です。岸田政権の経済政策は、アベノミクスの拡充でしかなく、大衆には恩恵がなかった、ということが分かっていないのでしょうか。このままでは石破内閣は短命に終わる可能性が高いですよ」(本澤二郎氏=前出)
対面で行われる時事通信の世論調査は、国民世論のトレンドを正確に表すとされている。支持率28%は、国民を裏切った自業自得だ。
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