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原発推進する者のおぞましさ
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2024年10月17日 植草一秀の『知られざる真実』
総選挙での投票先を決める際に考える最重要の点は政策。
私たちの暮らしに直結するのが政策。
誰が政治をやろうと、そんなことはどうでもいい。
しかし、良い政策を実行してもらわねば困る。
政策から影響を受ける意味で私たちは政治と無関係でいられない。
各政治勢力、各政党の政策公約を吟味することが重要だ。
しかし、提示されている政策は多岐にわたっている。
すべてを精査することは難しい。
そこで、根幹となる政策を決めて、その政策を比較することが重要になる。
「ガーベラの風」では基本重要政策テーマとして
原発
消費税
安保法制
を上げている。
全体を貫く最重要テーマは
対米自立と対米隷属
である。
消費税についてはすでに考察した。
もう一つの大きなテーマが「原発」だ。
私たちは2011年に歴史的惨事に直面した。
フクシマ原発事故。
実はいくつもの奇跡が重なって最悪の事態を免れた。
いくつもの奇跡の重なりがなければ東日本は消滅していた。
それほどの惨事が生じたのである。
「のど元過ぎれば熱さ忘れる」の言葉があるが、この言葉がそのまま当てはまるのが日本の政権だ。
事実を知り、この問題を考えるのに最適の教科書がある。
福井地方裁判所裁判長を務めた樋口英明氏による
『保守のための原発入門』
(2024年、岩波書店)
である。
正確な書名は
『原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門』。
第2章 原発の本質
2 東日本は壊滅しかけた
にフクシマ原発事故の実相が詳しく記されている。
見出しに「奇跡が起きた2号機」、「信じられないような奇跡の連続」とある。
この奇跡の連続がなければ東日本は消滅していたと考えられる。
本書に、ある講演録の一部が紹介されている。
1983年1月26日に、石川県志賀町で進められていた原発建設計画の一環として当時の敦賀市長だった高木孝一氏が志賀町で講演したものの抜粋。
出典は内橋克人著『日本の原発、どこで間違えたのか』(朝日新聞出版)
高木市長(当時)は講演の最後にこう述べた。
「これで皆さん、3億円、すでにできた。
こんなのつくるの、わけないなあ、こういうふうに思っとる(再び会場に笑い)。
まあそんなわけで短大は建つわ、高校はできるわ、50億円で運動公園はできるわねえ。
火葬場はボツボツ私も歳になってきたから、これもいま、あのカネで計画いたしておる、といったようなことで、そりゃあもうまったくタナボタ式の町づくりができるんじゃなかろうか、と、そういうことで私はみなさんに(原発を)おすすめしたい。
これは(私は)信念をもっとる、信念!・・・えー、その代わり100年たって片輪(原文ママ)が生まれてくるやら、50年後に生まれた子どもが全部、片輪になるやら、それはわかりませんよ。
わかりませんけど、いまの段階では(原発を:樋口氏注)おやりになったほうがよいのではなかろうか・・・。
こういうふうに思っております。
どうもありがとうございました。(会場に大拍手)」
この高木元市長の長男が、今回、裏金事件で自民党公認を受けられなかった自民党衆議院議員の高木毅氏である。
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