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日本被団協がノーベル平和賞を受賞…核保有国フランスから来た筆者の思い 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/362091
2024/10/17 17:00 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
広島に原爆を投下した爆撃機エノラ・ゲイから投下直後に撮影されたきのこ雲(米国立公文書館所蔵・共同)
15年以上前から、日本の被爆者(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞するのではないかと思って毎年の発表を注目していた。正直いえば、最近の3〜4年は「もうないかも」と絶望していた。今月11日、帰宅途中にラジオ・フランスのパリ本社から電話。「日本被団協が受賞したよ。すぐ生中継をお願い」と言われて、なんとうれしかったことか。同じ週に、袴田巌さん「無罪確定」と被団協ノーベル平和賞。長年の2つの夢が現実になった。
私は毎年8月に広島か長崎に行く。被爆者の取材目的だけでなく、息子たちに戦争と原爆の酷さを教えたいのだ。必ず原爆資料館にも行く。私はフランス人だ。母国フランスは1960年代から核保有国だ。「戦争の武器ではなく、あくまで防衛専用の核抑止の手法」と歴代の全大統領が強調する。私はそんな言葉を信じていない。むしろ非常に危険性のある言葉だと思っている。
核兵器は国の存立への脅威がない限り使わないと大統領が約束をしても、使う可能性がある。使うかどうかは結局、相手国の首脳次第だ。残念なことに自国の存立を重視しない相手国の首脳もいる。そういった相手に対して、何が抑止力なのか。
死刑の抑止力と同じだ。死んでも構わないテロリストに対して、死刑の抑止力はゼロだ。自国の国民が死んでも構わない独裁者に対して、核兵器の抑止力は無意味だ。
私は自分の国が核抑止力を持っているから安心・安全だと全く思っていない。むしろ、核兵器を持っているからこそエスカレーションしてしまうし、より高いリスクにつながる。
母国では核兵器についての議論があまりない。多くのフランス人にとって、核兵器を持つのは当たり前のことになったようだ。広島や長崎の被爆者の話を聞いたことのあるフランス人が少なすぎると思う。もちろん、毎年8月にフランスの新聞でも被爆者の証言が掲載されるけれど、実際に被爆者に会って、生で話を聞くのとは大違いだ。
被爆者の平均年齢は85歳を超えている。日本の若い人たちが、彼らの活動を引き継いでほしいが、これは日本人だけの問題ではない。いつか被爆者がいなくなる日が来る。どうすれば彼らの経験を同様の説得力で引き続き伝えられるかが核兵器に反対する全ての人にとっての問題であり、引き継ぐのは全員の役割だ。
西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
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