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最重要経済政策は消費税減税
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2024年9月 6日 植草一秀の『知られざる真実』
9月4日に開催された「ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)」主催の国会イベント
「災害・食料・消費税 総選挙で日本をアップデート」
には多数の国会議員が駆けつけ、迫る衆院総選挙に向けての熱い思いを話された。
国会議員の出席者が公務のために退席しなければならない時刻が重なり、大変なご不便とご迷惑をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げたい。
れいわ新選組国会対策院長を務めているたがや亮衆議院議員は消費税問題を中心にお話しくださった。
消費税には「逆進性」という重大な問題が存在する。
敗戦後日本の税制の基本を定めるに際して最大の影響を与えたのが「シャウプ勧告」。
1949年にGHQの要請でカール・シャウプを団長とする日本税制使節団(シャウプ使節団)による日本の租税に関する報告書が提出された。
正式名称は「シャウプ使節団日本税制報告書」。
1949年8月27日付報告書と1950年9月21日付報告書の二つの報告書からなっている。
その骨格は直接税中心主義であり、直接税のなかでも所得税が中心に位置づけられた。
法人税については法人擬制説の立場に立って35%の比例税のみとした。
法人は単に法的に擬制された存在であって、所得は株主や出資者のもの。
法人税はこれらの者に対する所得税の前取りであると位置付けた。
所得税においては「総合所得課税」が基礎に置かれ、累進税率構造が採用された。
すべての所得を総合し、その所得に応じて課税額が決定される。
所得が増えるに連れて適用される税率は高くなる。
所得の少ない者に対する税率は低く、一定水準以下の所得に対する課税は免除される。
納税が発生する所得水準を課税最低限と呼ぶ。
所得の少ない者は納税を免除される。
つまり、日本の税制の基本は所得分配の不平等を是正する側面を重視したものになった。
所得の多い者は高い税率で高額の税金を徴収される一方、所得の少ない者に対する税率は低く、一定水準以下の所得水準では納税が発生しない。
貧富の格差を是正する機能を重視した税制が採用されたのである。
現在でも所得税制度においては、この機能が残存している。
例えば夫婦子二人で片働きの世帯では世帯主の収入が年間350万円程度までは納税額がゼロになる。
日本国憲法は生存権を保障している。
所得の少ない世帯から高率の税率で税金をむしり取れば生存が脅かされる。
所得税中心主義、累進税率構造による「能力に応じた課税」は生存権を保障する日本国憲法の原理に沿う税制であると言える。
しかし、この課税原則が大きく歪められている。
歪めている根幹が二つある。
一つは金持ち優遇税制。
金融所得を総合課税の外に置き、金融所得に対する税率を例えば2割に定めると、金融所得が所得の太宗を占める富裕層の税負担率が著しく低下する。
もう一つが消費税。
消費税の税率は所得がない者も所得が年間10億円の者も同じ。
税金は消費金額にだけかかる。
年収200万円の個人がすべてを消費に充てると年収の10%が税金でむしり取られる。
年収10億円の人が年間に1億円だけ消費すると年収に対する消費税負担率は1%にとどまる。
金持ちに限りなく優しく、所得の少ない人には生存権を奪う憲法違反とも言える税制である。
日本の社会保障が十分に高ければ財源を消費税で賄うことも選択のひとつ。
しかし、日本の社会保障の水準は極めて低い。
政府は血税で放漫財政の限りを尽くしているが、社会保障に振り向ける財政資金は1円でも減らそうとしている。
このために、日本の社会保障制度は極めて貧困な水準に押し込められている。
この状況下で消費税率を大幅に引き上げて日本はおかしくなった。
たがや議員は消費税の理不尽さを切々と訴えられた。
下請け企業は消費税増税が行われても増税分を価格に転嫁できない。
そのために赤字企業が巨額の消費税納税者になり、零細企業の存続が立ち行かない事例が多発している。
インボイス導入も零細事業者の死活問題に発展している。
れいわ新選組は明確に消費税廃止の方針を打ち出している。
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