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日本は近代国家としてすでに崩壊している。腐り果てた土壌からは腐ったものしか出てこない 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/360206
2024/09/06 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
誰がなっても問題の解決にはならない(C)日刊ゲンダイ
先日、田原総一朗がテレビの討論番組で「岸田さんからおかしくなった、日本の総理大臣が」「安倍(晋三)さんまではね……小泉(純一郎)さんも安倍さんも僕はしょっちゅう話をして、日本のやるべきことをガンガンやって。ところが岸田さんからはそれをやると逃げるんだよ」「安倍さんは逃げなかったよ」と発言。
この判断に限っては岸田は正しい。公共の電波で妄想を垂れ流す田原は、プロパガンダにすら使えないと見切られただけだろう。
もちろん、自民党は岸田政権のはるか前からおかしい。特に平成元年以降、自民党は政治制度、選挙制度の改悪により、構造的に腐敗し、その流れは腐敗の極致とでも呼べる安倍政権に行き着く。そこでは国家の根幹が完全に破壊された。デタラメな手続きで安保法制は通され、憲法は空洞化した。公文書改ざん、日報隠蔽、データ捏造、基幹統計の書き換えなど、省庁をまたがる大規模な不正も発生。反日カルト教団との密接なつながり、官房機密費の私的流用問題などを抱える自民党は“反社会組織”と言っても過言ではない。
裏金問題に関する法の恣意的運用を見てもわかるように、日本は近代国家としてはすでに崩壊している。腐り果てた土壌からは腐ったものしか出てこない。よって自民党総裁に誰がなっても、問題の解決にはならない。だったら、総選挙で自民党を下野させればいいのだが、野党第1党の立憲民主党は政権交代を全力で拒絶しているように見える。
7月23日、泉健太と日本維新の会の馬場伸幸は会食。泉は連携を呼びかけた。さらには民主党政権が崩壊する引き金を引いた野田佳彦が党代表選に立候補を表明。党内の若手・中堅議員からの要請を踏まえたとのこと。8月23日には維新が企画した勉強会に講師として参加。連携を深めるという。なお、維新の正体については本連載で繰り返し述べてきたとおりである。この絶望的な政治センスのなさに、SNSでは絶望の声があがった。
安倍晋三は「民主党政権は悪夢だった」と国会で何度も言い、その後「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」とすぐにバレる嘘をついた。悪夢から目を覚ましたと思っても実は悪夢の中にいたという悪夢を見ているのが、現在のわれわれ日本人の状況だ。
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中。6月28日には第2弾「続 それでもバカとは戦え」が発売予定。
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