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「茶番劇」の自民党総裁選 裏金議員が「国家ビジョン」を語る危うさ 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/360019
2024/09/03 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
裏金を罪とも思わない金権腐敗集団の、まさに芸能ニュース(C)共同通信社
自民党総裁選を巡るテレビの報道がひどい。裏金問題にはほとんど触れず、小泉進次郎元環境相をもてはやすような報じ方はまるで芸能ニュースレベル。
進次郎の後ろ盾は森元首相と安倍派の中堅・若手だとされるが、安倍派に気を使っているせいか裏金問題について、ほぼ言及しなくなった。出馬表明も遅らせて表で話す機会を減らし、イメージだけで乗り切ろうという戦略のようだが、テレビはそのお先棒を担いでいる状態だ。しかし、進次郎が空っぽであることはすでに明らかである。
他の候補者にも期待できない。石破茂元幹事長は一度は裏金議員の非公認に踏み込んだが、あっという間にトーンダウン。河野太郎デジタル相は裏金の国庫返納に言及したが、泥棒した犯人が盗んだものを返せば許されるのか。
野田聖子元総務相は政倫審への出席が党公認の基準のひとつだと言った。しかし、政倫審に出席した安倍派幹部の発言は、同派の元会計責任者の法廷での証言から嘘であることは明らか。事実解明の方が先決だろう。小林鷹之前経済安保相に至っては、安倍派議員がバックについているからだろう、裏金問題は終わったと言わんばかりである。
二階派の武田良太元総務相は1926万円の裏金が発覚し、1年間の「党の役職停止」処分が下されたにもかかわらず、「総裁選では党改革より国家ビジョンを競うべき」などと発言している。恥知らずにもほどがある。法を犯し、脱税までした議員たちが憲法を変え、国家ビジョンを議論するなど、もはや民主主義国家の体をなしていない。
そもそも、裏金問題というのは単なる不正や汚職といったレベルの話ではない。日本を破滅に導きかねない宿痾である。
中選挙区の時は同じ選挙区内で自民党候補同士が政策論争をしていたのだが、小選挙区になって、地盤、看板、カバンを持った世襲議員が地元選挙区内でカネを配り、公明党や旧統一協会の支援がもらえれば、楽々当選できるようになった。政治の質が著しく劣化した。世襲議員は縁故主義で動き、政治献金することで優遇された一部の企業ばかりが潤う。いわゆる利益共同体がつくられ“仲間内資本主義”が蔓延するのだ。原発回帰に円安インフレ、防衛費倍増もマイナ保険証強行も全て政治資金企業のためだ。
つまり、裏金問題に切り込むということは、今の自民党の腐敗政治と経済衰退を正すこととイコールなのである。ところが、残念ながら総裁選を見る限り、自民党に自浄能力はなく、自民党の常識は世間の非常識である。この茶番劇をしっかり見届けて、国民の手で政治を転換していかなければなるまい。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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