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※2024年8月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クイック拡大 文字起こし
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※2024年8月28日 日刊ゲンダイ2面
裏金議員に気を遣ってどうする(C)日刊ゲンダイ
まだ始まっていないのに、そのバカバカしさが見えてきた自民党のボス選び。「改革」「刷新」「実行」「実績」なと言っているが、中身のなさと内向き、身内の論理に国民は「やっぱりね」と呆れている。五月雨で候補者が出てきても、倒錯の喜劇の構図に変わりなし。
◇ ◇ ◇
五月雨式に候補者が出てきても、中身のなさや歯切れの悪さに鼻白むばかりで百花繚乱には程遠い。自民党総裁選は9月12日の告示まで2週間、27日の投開票までは1カ月もあるのに、内向きの茶番劇でしかないことが露呈して、早くもドッチラケになってきた。
小林鷹之前経済安保相、石破茂元幹事長に続いて名乗りを上げた“第三の男”、河野太郎デジタル相のバカバカしさも救いがたいレベルだ。
26日の出馬会見では「改革」を連発し、「改革と言うのは簡単。大事なのは、傷だらけになりながらも改革をとことん進めていく、そういう強い意志があるのか。やるべき改革をやった実績があるのか」と威勢だけはよかったが、それこそ河野は胸に手を当てて、自分自身に問いかけてみた方がいい。
改革派を気取りながら、総裁選での支援を当て込んで麻生派を抜けることすらできない時点でお笑いなのだ。たしかに「改革」と口で言うのは簡単だ。河野の場合、問題は中身がまったく伴っていないことである。総裁選のためには、持論だったはずの「脱原発」も封印し、「原発リプレース(建て替え)も選択肢」と言い出す変節漢。すっかり守旧派の代表みたいになっていることに自分で気づいていないとしたら、独り善がりにも程がある。
そんなだから、マイナンバーカード問題で大混乱を起こして国民の不信を招いた反省もなく、実績として自画自賛していられるのだろう。出馬会見でも「マイナンバーカードの普及であったり、あるいはスマートフォンへのマイナンバーカードの機能の搭載であったり、かなり当初見込みよりもうまくいった」とアピールして悦に入っていた。
自民党派閥の裏金事件についても、河野は「不記載になってしまった金額を返還することで、けじめとして前へ進んでいきたい」「けじめがつけば、自由民主党の候補として国民の審判を総選挙で仰ぐ」と言い、政治資金収支報告書に記載しなかった“裏金”を返金すれば自民党の公認候補にするという認識を示した。
安倍派に配慮でトーンダウン
これまで国会議員による寄付は公職選挙法で規制されていたが、裏金事件を受けた今年6月の政治資金規正法改正で、収支報告書に「不記載・虚偽記入」があった場合に収入を国庫に納付できる特例が新設された。
だが、河野の「返金すればチャラ」論については、自民党内でも異論が多い。茂木幹事長も27日の会見で「過去に遡及することはなかなか難しい」と否定的。先に出馬宣言した石破も、河野の案に対して「どこに返還するのか」「いい加減なことを言ってはいけない」と疑問を呈した。
もっとも、それでは石破は裏金問題に厳しく対応するのかといえば、そういうわけでもない。24日の出馬会見では「裏金事件に厳しく臨む」と言い、「国民の審判を受けるにふさわしい候補者か、党として責任を持つ」と、次の国政選挙で裏金事件で処分された議員を公認しない可能性に踏み込んだが、裏金議員の反発にビビって「(公認については)新体制になって決める」「一義的には選挙管理委員会などで判断」と徐々にトーンダウン。きのうは「1回決めたものを覆すのはあるべきだと思わない」と、裏金議員に新たな処分は行わない方針を強調していた。
党内には旧安倍派を中心とする裏金議員が80人以上も残っている。総裁選を勝ち抜くためには、国会議員票367票(27日時点)のうち4分の1近くを占める彼らを敵に回したくない。真っ先に総裁選に名乗りを上げた小林にいたっては、裏金事件で役職を外された安倍派議員の登用を訴える始末だ。
裏金議員の非公認を言い出せる候補者はいるのか
覚悟を見せられるか(C)日刊ゲンダイ
「総裁選の立候補者は『刷新』だの『実行』だのかっこいいフレーズを口にしますが、党改革の具体策となると、旧安倍派に気を使って当たり障りのないことしか言えない。あくまで目的は党の刷新ではなく“刷新感”の演出だからです。この総裁選は、裏金問題や旧統一教会の問題にフタをして、自民党が生まれ変わったことにするセレモニーでしかない。若くても女性でも、結局は同じ穴のムジナが新しいボスを選ぶだけの話です。だから、総裁選の候補者は、そろいもそろって改憲を口にする。改憲、軍拡、腐敗の安倍政治を踏襲するということです。政治資金規正法も守れず、脱税違法議員たちを野放しにしておいて憲法改正を訴えるなんて、倒錯の喜劇以外の何物でもありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
総裁選をショーアップして盛り上げ、数々の不祥事をチャラにしたいという自民党の総意。それに応えるべく歯の浮くような美辞麗句を並べ立て、嘘もいとわない候補者たち。こうした身内の論理を見せつけられる国民は「やっぱりね」と呆れているのではないか。
「裏金問題に対しては今なお国民の厳しい目が向けられています。総裁選で新しい顔が選ばれればチャラになると考えているなら甘すぎるし、党内の論理で表紙を取り換えるだけの総裁選になれば、次の国政選挙で自民党は大敗するでしょう。本気で改革する姿勢を見せなければ、国民の信頼は取り戻せません。そもそも、岸田首相が裏金問題にきっちりケジメをつけられず、中途半端な対応に終わったことが国民の信頼を損ねて支持率低迷につながった。それで再選断念に追い込まれた結果の総裁選です。ここで自民党がケジメをつけられなかったら、次の政権もすぐに行き詰まりますよ」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
保身延命のための総裁選
近く立候補を表明する小泉進次郎元環境相が、裏金議員を次の国政選挙で非公認にする方針をブチ上げるという噂がある。親父の純一郎元首相が圧勝した狂気の郵政選挙を真似て、裏金議員を非公認にした上に刺客を立てでもすれば、そりゃあ国民世論は盛り上がるだろう。大メディアは自民党内の対決を面白おかしく取り上げ、野党の出る幕はなくなる。総選挙で自民党が勝つ確率は大幅にアップする。
それに、マトモな自民党議員がいると仮定して、彼らにしてみたら裏金議員と同類だとひとくくりにされるのは迷惑なはずだ。80人程度の裏金議員を追い出して、イチから出直しするのは分かりやすい。
「もし、本気で自民党を変えるというのなら、それくらい毅然とした態度で臨んでほしいですが、進次郎氏にそこまでやる覚悟があるのかどうか。郵政選挙で党を追われても自力で勝ち上がってきた人はいるし、復党した人も少なくない。裏金議員は、党の公認を得られなくても自力で勝ち上がってくればいいじゃないですか。自民党が生まれ変わり、日本を立て直すために大ナタを振るうチャンスなのに、総裁選の立候補者が誰ひとり裏金議員の非公認を言い出せないようでは、自民党は終わっています」(山田厚俊氏=前出)
本気で改革を進めようとすれば国民の支持を得られるが、自民党内の反発必至で総裁には選ばれないというパラドックス。
裏金議員にとやかく言う資格があるのかという気がするが、この難しい方程式の障壁はやはり身内の論理だ。
進次郎に対しても、党内の重鎮たちが「あまり過激なことを言うとハレーションが起きるから裏金議員の扱いは慎重に」とクギを刺しているという。
組織のトップとして裏金事件の責任を取るという名目で退陣を決めた岸田首相にしても、不出馬表明会見で国民に対する謝罪の言葉は最後までなかった。裏金問題をウヤムヤに終わらせて禍根を残しておきながら、「私が身を引くことでケジメをつけ、総裁選に向かっていきたい」と、内向きの話に終始していた。
自民党総裁選は、候補者乱立でにぎやかに見せても、しょせんは自分たちの保身延命のための選挙でしかない。誰が選ばれようと、次の国政選挙で有権者が鉄槌を下さなければ何も変わらないのだ。
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