http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/321.html
Tweet |
https://www.sankei.com/article/20240818-LVJDFYE2UROGJPF2UM52PIDVNE/
これは、産経新聞の「社説」として書かれた記事だ。
社説は、時事のさまざまな問題に対し、社としての意見や主張が書かれる。
すなわち、社説は「社論の中核を成すもの」といえるのだそうだ。
新聞社は多数の論説委員を擁しており、論説会議を経て担当の論説委員が社説を執筆するのが一般的ということのようだ。
その社のエースが書いた論説記事ということになる。
「社説」を読めば、その社のレベルが分かる。
以下に記事の全文を転載する。
立憲民主党は任期満了に伴う代表選を9月7日告示、23日投開票の日程で行うことを決めた。
枝野幸男前代表が立候補する意向を表明したほか、泉健太代表は再選への意欲をにじませている。野田佳彦元首相の出馬を求める声もある。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件に端を発した「政治とカネ」問題が響き、国民から厳しい目で見られている。それにもかかわらず立民に対する世論の期待は高まっていない。
原因の一つに、外交・安全保障政策で現実的な政策を示していないことがある。いまだに集団的自衛権の限定行使に反対し、反撃能力の保有には後ろ向きだ。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事にも反対している。
この政策のまま立民が政権を取れば日米同盟は空洞化する。日本の平和と安全を確保することはできない。旧民主党政権では普天間移設を巡って迷走し、日米関係を弱体化させた。同じ過ちを繰り返すつもりか。
その一方で、「政策集2022」には「健全な日米同盟の一層の強化」と矛盾したことを記し、平然としている。中国と北朝鮮は核ミサイル戦力の強化に走り、ロシアは核の恫喝(どうかつ)を繰り返している。国民を守るため、緊迫した安保環境にどう臨むのか。候補者は明確にしてもらいたい。
立民が抱える問題はほかにもある。国の根幹をなす憲法の改正を妨げていることだ。先の通常国会では、改憲と無関係な不記載事件に対する首相や自民の対応の不十分さを理由に、衆参の憲法審査会に積極的に応じなかった。閉会中審査も拒んでいる。「論憲」とは名ばかりで、改憲を阻むために議論を避けていると言わざるを得ない。
代表選は各種選挙における野党共闘の在り方も争点になる。日米安保条約の廃棄を訴え、自衛隊違憲の立場を崩していない共産党と共闘していては、国民の信頼は得られまい。共産との共闘路線から決別できるかが問われる。
泉代表も、泉氏の党運営に批判的な小沢一郎衆院議員も次期衆院選での政権交代を訴えている。だが現実路線の政党に生まれ変わらなければ、政権は担えない。候補者のみならず立民の全議員は銘記すべきだ。
記事の転載はここまで。
記事によれば、
産経新聞の「社論の中核」は、自民党の、かの「裏金事件」も、「派閥パーティー収入不記載事件」という形式犯罪に矮小化して報じる。
自民党が組織的に、しかも長期間、繰り返し、犯行を重ねてきた悪質事件。
自民党が犯した犯罪なるがゆえの、矮小化なのか・・・。
産経新聞社の「姿勢」は、既に「派閥パーティー収入不記載事件」と呼ぶ、この一点に歴然と現れている。
記事は、
「・・・立民に対する世論の期待は高まっていない」
として、その原因を「・・・外交・安全保障政策で現実的な政策を示していないことがある。」とし、
「・・・いまだに集団的自衛権の限定行使に反対し、反撃能力の保有には後ろ向きだ。」
ということを、現実的ではないとしている理由に掲げる。
はて?
集団的自衛権の限定行使は現実的なのか?・・・実際に行使できるのか?
反撃能力の保有は現実的なのか?・・・実際にトマホークを使用できるのか?
これらの「自衛隊の行為」「自衛隊を使った政府の行為」は、明かに憲法9条に違反しているのだが・・・。
2023年版の防衛白書に、改定した国家安全保障戦略に盛り込んだ敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を初めて明記している。
防衛白書では、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を次の文章で説明している。
「反撃能力」
わが国への侵攻を抑止するうえでの鍵
ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からのさらなる武力攻撃を防ぐため、有効な反撃を加える能力。
これにより、相手に攻撃を思い止まらせ、武力攻撃そのものを抑止。
政府は、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換え、それでも「専守防衛」の理念から逸脱する「攻撃性」を払拭しきれずに、今度は、「自衛の為」を印象操作するために、「抑止力」だと言い出した。
「懲罰的抑止」は攻撃されたら相手に耐えがたい打撃を与えると「威嚇」し、そのための報復能力を保持し、相手に対する報復意思を明示することで、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)という「武力の行使」を表明するものだ。
明らかに、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という憲法9条に違反するものであることは説明を待たない。
日本政府は、国民に対して何の説明も無いまま、唐突に
「相手が攻撃に着手した(と日本が主観的に判断した)段階で、保有する敵基地攻撃能力を行使できる」
と世界に向けて発信している。
まるで言外に、近隣諸国に対して、
「なので、あんた方もそうしたらいいよ。」
と言っているような口振りで・・・。
にも拘らず、未だに、安全保障関連3文書改定により保有を決めた「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の検討過程は不透明なままだ。
憲法9条の理念は、簡単に言えば、日本は他国に対して「永久に・・軍事的脅威とはならない」というものであり、それが「専守防衛」の理念でもある。
専守防衛の理念は、自衛隊の武力の行使は、日本の主権の及ぶ範囲、すなわち日本の領土、領海、領空内でしか認めていない。
そもそも、国家公務員でしかない自衛隊員に、トマホークの発射ボタンを押せるだろうか。
自衛隊員は押すだろうか。
上司の業務命令に従ってトマホークの発射ボタンを押せば、その自衛官は、無差別大量殺人鬼として、歴史に名を刻み、自らは、日本の公開された裁判員裁判で裁かれ、刑法に従って「絞首」による死刑を宣告される。
命令に従えば刑法に従って「死刑」、命令に違反すれば公務員規定に従って「懲戒処分」。
あなたならどうする?
「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を行使できる、と考えることの方が「妄想」であり、「非現実的」なのだ。
「集団的自衛権の限定行使」についても同じことだ。
仮に「台湾有事」が発生し、米国が軍事介入を決断して、台湾近海に米軍を展開したとして、そこで米軍が危機的状況に陥ったとしても、日米安保条約は発動されない。
何故ならば、日米安保条約では、発動の第一要件は、共通の危険が日本の施政下において発生した場合、となっているからだ。
そもそも、「日本の存立危機事態」とは、日本の施政下「以外の領域」で発生した米軍等への武力攻撃を対象としたものだ。
この際に「集団的自衛権の限定使用」を可能とすると言ったところで、集団的自衛権行使の根拠となる日米安保条約は、日本の施政下における危機を対象にしている以上、その法的根拠は何処にも無い。
つまるところ、「集団的自衛権の限定行使」も妄想であり、虚勢でしかないのだ。
法治国家を自認する日本においては、法的根拠のない行為、行動は行えない道理だ。
産経新聞が抱える問題はほかにもある。
「国の根幹をなす憲法の改正」をしなければならないと、硬直した考えを捨てきれない事だ。
自民党が憲法改正を「党是」として、どんな改正をも「正当化」しようとしていることに盲目的に同調しているということなのだろう。
この社説での「主張」は、政府・自民党の「自衛隊を使った政府の行為」の違憲性を、後付けで、憲法を書き直し、憲法違反を隠蔽しようとするものでしかない。
しかし、憲法の条文を書き変えようとも、憲法の理念は書き変えることは出来ない。
その憲法の理念は、次のように国民に教えている。
「・・・われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」
総選挙が近づいてきた今、産経新聞がこのような記事を書いた真の目的は、
「・・・共産党と共闘していては、国民の信頼は得られまい。共産との共闘路線から決別できるかが問われる。」
このことを新聞紙上に載せたいが為なのだろう。
体制側は、かように「野党共闘」の成就を恐れていることの証左だ。
産経新聞に言われたからではないだろうが、泉立憲民主党の行動はおかしい。
未だに、共産党、れいわ新選組との「意見交換」すら実施できていない。
別のスレでも書いたが、
上川外相が、「拡大抑止」の強化の重要性を述べている。
「拡大抑止」とは、アメリカ産の核兵器に頼る「核抑止論」だ。
時を同じくして、立憲民主党の泉代表までもが、「拡大抑止」について、強化する必要があるとの認識を示している。
我も我もと、盲目的に「核の傘」に頼る風潮は、恐ろしい結果を招いた戦前の「大政翼賛」のそれだ。
今、日本国民は、ロシアのウクライナ武力侵攻、台湾有事などなど、戦争の脅威を煽られ、恐怖による集団催眠にかかったように「核抑止論」に惑わされている。
「核抑止論」とは、「核兵器を使うと宣言すること」であることを忘れていまいか。
「非核三原則」は何処へ仕舞い込んだのか。
そんな中、ひとり共産党の田村智子委員長は、
「核抑止論の見直しに向けた議論を国会で求める」と訴える。
もし、「歴史は繰り返す」という格言が真実だとすれば、戦前、「共産党」のみが反対しても侵略戦争を止められなかった史実に照らせば、ひとり共産党だけが「核抑止論」の誤りを指摘しても、「核兵器の使用」を止めることが出来ないのは必定。
真の意味での「野党共闘」が必要な所以だ。
「核兵器の使用」、それはそのまま「人類の滅亡」を意味する。
それでも「「拡大抑止」の強化」と言う。
ただ、「虚勢」を張っているだけなのか?
戦前の日本も、「虚勢」を張って無謀な戦争を始め、2発の「核兵器」の洗礼を浴びて、己の愚かさを知った。
歴史は繰り返すのか。
日米安保条約は、日本国民を守らない。
アメリカの「核の傘」は日本国民を守らない。
なぜなら、「どうせ死ぬのは日本国民だから」と。
私達は、日本国民を守っているのは日本の「平和憲法」だということを自覚しなければならないのだろう。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK295掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK295掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。