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無名の自民党参院議員だった広瀬めぐみを“主役”に押し上げた性欲と金銭欲 週刊誌からみた「ニッポンの後退」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/358970
2024/08/11 日刊ゲンダイ
広瀬めぐみ参院議員(C)日刊ゲンダイ
このところ週刊文春の後塵を拝してきた週刊誌の“老舗”週刊新潮が報じた、広瀬めぐみ自民党参院議員(58)の連続スキャンダルが、東京地検特捜部を動かす事態になった。同慶の至りである。
永田町でもほとんど無名だった広瀬が話題になったのは、自民党女性局のパリ視察で、松川るい参院議員たちがエッフェル塔を模したポーズをSNSに投稿した時だった。
この写真は、視察ではなく物見遊山ではないかと批判されたが、広瀬もフランス料理のフルコースをSNSに載せて批判された。
この時はその他大勢だったが、次に新潮(3月7日号)が報じた「赤ベンツ不倫」では堂々たる主役を張ったのである。新潮はこう報じた。
「23年10月30日。議員会館を出た広瀬氏は、目立つ赤色のベンツを自ら運転して東京・青山に向かっていた。到着したのは午後7時半過ぎ。そこで彼女がピックアップしたのは一人の男性である。相貌が明らかに外国人で、彼女のHPに写真が載っている夫と別人なのは間違いない。その後、赤いベンツで移動した二人は渋谷区神宮前のレストランに入った。向かい合って座った二人は、注文した料理を待つ間、お互いの手を触り合う」
食事の後、2人は慣れた様子で歌舞伎町のラブホに入って行った。相手の男は有名なサックス奏者。翌朝、“色ボケオバちゃん”は大胆な行動に出る。ラブホから堂々と予算委員会に“直行”したというのである。
報道後、広瀬は「深く反省しております。信頼回復に努めてまいります」と謝罪したが、議員辞職はしなかった。次に新潮(3月28日号)が報じたのが秘書の給与詐取疑惑であった。
新潮によれば、「2022年7月の参院選に当選した後、岩手県遠野市で不動産業を営むA氏が広瀬事務所に採用されている。当初は公設第二秘書だったA氏が公設第一秘書に採用されたのは22年11月。その直後に空席となった第二秘書に採用されたのがA氏の妻だった」という。しかし、この第二秘書には勤務実態がないだけではなく、国費から支払われる給与は広瀬に上納させていたというのである。
広瀬は新潮に対して、幽霊秘書ではないと否定したが、その弁明を覆す、政策秘書がAにかけた通話記録や、広瀬が政策秘書とやりとりしているLINEのスクリーンショットを新潮は入手していた。そこで広瀬は、「やっぱり違法なことだから、もうやらない」と、違法性をはっきり認識しているのである。
そして7月30日、特捜部が広瀬の自宅や議員会館をガサ入れしたのだ。
2002年には辻元清美参院議員の事務所で秘書給与流用が発覚し、辻元本人と秘書らが詐欺容疑で逮捕、有罪となっている。広瀬は弁護士資格も持っているから、自分の犯した罪の重さがどれほどのものか分かっているはずだ。万が一、逮捕は免れても議員辞職は必至だろう。
性欲と金銭欲を金バッジで隠している議員は広瀬だけではない。政治を金儲けの手段と考えている不心得なやからも多くいる。
この国をダメにしているのは岸田文雄首相だけではない。国費にたかるシロアリ議員を一掃しなければ、地に堕(お)ちた政治への信頼を取り戻すことなどできるはずはない。 (文中一部敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)
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