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※2024年8月7日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字起こし
※紙面抜粋
※2024年8月7日 日刊ゲンダイ2面
「拡大抑止」軍事同盟を勝手に結びながら、この日は広島で口だけ核排除(C)共同通信社
先月の2プラス2で合意した「拡大抑止」の軍事同盟は日本がやられそうになったら米国の核報復を明言するものだ。それなのに、原爆の日には口だけ核排除の二枚舌
この首相は裏金対応の国民愚弄、経済無策だけではなく、保身のために平気で広島市民を裏切るのだ。
◇ ◇ ◇
「非核三原則を堅持して、『核兵器のない世界』の実現に向けて努力を着実に積み重ねていくことは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命です」
「核軍縮を巡る国際社会の分断の深まりやロシアによる核の威嚇等により、核軍縮を巡る情勢は一層厳しさを増しています。しかし、『核兵器のない世界』への道のりがいかに厳しいものであったとしても、我々はその歩みを止めるわけにはいきません」
6日、79回目の「原爆の日」を迎えた広島の平和記念公園で営まれた市主催の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)。
被爆者や遺族、松井市長のほか、109カ国と欧州連合(EU)の代表ら約5万人が参列する中、あいさつに立った岸田首相が繰り返していたのが「核兵器のない世界」という言葉だった。
岸田はさらに「核軍縮に向けた機運を高めるべく、国際社会を主導してまいります」と断言していたが、この「国際主導」の発言に対して一体どれだけの人が心の底から「その通り」と受け止めたであろうか。むしろ「よくもまあ言えるものだ」と鼻白んで聞いていたのではないか。
なぜなら、岸田は「核兵器廃絶はライフワーク」と言うばかりで、具体的な取り組みはほぼ皆無に近いからだ。
核軍縮に関するG7広島ビジョンの酷い中身
「先進7カ国首脳会議(G7サミット)において、世界中の指導者や若者が、被爆地広島及び長崎を訪問することを促しました。被爆の実相を正確に理解していただくことは、核軍縮に向けたあらゆる取り組みの原点として重要です」
岸田があいさつで、誇らしげに振り返っていた昨年5月のG7広島サミット。米英仏などの核保有国らの首脳が集まり、広島から核軍縮を訴える「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」が発表されたのだが、肝心の中身といえば酷いものだった。
ロシアや中国の核戦力、北朝鮮の核開発などを強く非難する一方で、西側諸国が保有する核兵器の維持についてはなぜか特別扱い。「核兵器はそれが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争及び威圧を防止すべき」とする文書を取りまとめていたからだ。
安全保障を核抑止力に依存しているG7の現実があるとはいえ、よりによって30万人を超える犠牲者を出した被爆地・広島で、核兵器を一部容認、正当化するような文言を発信するのは言語道断だろう。被爆者や遺族、日本国民からみれば到底、受け入れられるはずがなく、それなのに岸田はまるで“成果”のように語っていたから何をかいわんや、だ。
日本は国連加盟の半数近い93カ国が署名している核兵器禁止条約に署名せず、それどころか被爆者も参加した締約国会議のオブザーバー参加さえしない。「核なき世界」と繰り返すものの、やっていることは広島を冒涜するようなことばかり。それが日本政府や岸田の姿ではないか。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「被災地広島選出の国会議員であり、広島サミットを主導した首相でありながら、その言動の薄っぺらいこと。とりわけ核兵器を巡る発言は罪深いと言わざるを得ません」
核兵器廃絶を訴えている日本が核兵器を「利用」する立場になる
どんどん戦う国になっていく…(C)共同通信社
そもそも平和記念式典のあいさつ自体、昨年とほぼ同じ“コピペ”だから唖然呆然なのだが、岸田の「核なき世界」を巡る「二枚舌」「三枚舌」のデタラメはこれだけではない。
2022年11月にインドネシア・バリで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議。岸田は首脳宣言に「核兵器の使用、威嚇は許されない」とする文言を盛り込むよう強く求めていたはず。ところが、その旗振り役を担った日本は今、「核兵器の使用、威嚇する国」へと軸足を移しつつあるから驚きではないか。
日米両政府は7月28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を東京都内で開催し、米側は在日米軍に指揮や作戦立案などの部隊運用権限を付与する方針を表明。日本が今年度末に創設する、陸海空3自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」を「重要なカウンターパート」と位置付けたほか、「核の傘」提供を含む米国の拡大抑止のための連携強化に踏み込んだ。
拡大抑止とは、同盟国への攻撃を自国に対する攻撃と見なし、報復する意図を示すことで、第三国の攻撃を未然に防ぐ安保政策だ。核戦力を増強する中国や核・ミサイル開発を進める北朝鮮などを念頭に置いた対応とはいうものの、簡単に言えば日本がやられそうになったら米国が核報復すると明言したに等しい。
つまり、核兵器廃絶を訴えている日本が核兵器を「利用」する立場になるわけで、これは事実上の「核保有国」になったのも同然の動きではないのか。
核抑止論では戦争を防げず対立を激化させる
「ロシアによる核の威嚇は、核抑止論に基づく安全保障の脆弱性を示している。核兵器は戦争を防ぐどころか、核武装国による戦争開始を後押ししている」「新しい技術の発展は、核抑止が核戦争を防ぐという理論に疑問を投げかけている」「核抑止に基づく安全保障は持続可能でない」「核兵器の非人道的影響やそのリスクに鑑みて、核兵器の有用性や核抑止の真実性を、事実に基づき再検討すべきである」
2022年6月にオーストリアの首都ウィーンで行われた「核兵器の非人道性に関する国際会議」。議長総括で示された指摘は注目すべき内容だった。いずれも、核抑止論では戦争を防ぐことができず、むしろ対立を激化させる懸念すらある、と言っていたからだ。
この総括通りであれば、日米両政府が「2プラス2」で合意した、「核の傘」の提供を含む米国の拡大抑止のための連携強化は、かえって中国や北朝鮮、ロシアなど周辺国の核武装をエスカレートさせる恐れがあるということ。「核なき世界」はますます遠のくということであり、これもまた広島市民を裏切る行為と言っていいだろう。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「『拡大抑止』といえば、米国が今以上に日本の安全保障に力を入れるかのような印象ですが、ロシアのウクライナ侵攻を見ても分かる通り、米国は日本防衛のために核兵器を使う可能性は低い。今回の『2プラス2』の米国側の狙いは自衛隊を自由に使えるようにすること。そのため、日本にもさもメリットがあるかのように『拡大抑止』と言っているだけであり、米国はほくそ笑んでいるでしょう」
「国民の信頼回復のため」「火の玉になって」……。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件について、こう意気込んだものの、全容解明する気はサラサラなく、注目された政治資金規正法の改正もザル法決着で済ませる国民愚弄。「令和の所得倍増」を掲げながら経済政策も無策の極み。要するに岸田という男は一事が万事、口先だけのやっているフリ。
保身のためなら、ごまかしも平気の平左。まさに亡国首相の名にふさわしいだろう。
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