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悪玉扱いの「小選挙区制」は、まだまだいくらでも面白くできる 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/358411
2024/07/31 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
超党派の有志議員による衆院選挙制度改革を目指す議員連盟設立総会(C)共同通信社
自民党も立憲民主党も、9月の総裁選・代表選を目前にして、いまだに何を争点にして誰と誰が競うのかの構図が見えてこない。与党と野党それぞれの第1党が共にそんなありさまであることが、日本政治の劣化の深刻さを象徴している。こういう状況になると、必ず浮上してくるのが「小選挙区制=悪玉」論で、去る6月には自民から共産までを含む「衆議院選挙制度の抜本改革を実現する超党派議員連盟」が約100人を集めて結成され、近着の「月刊日本」8月号の特集「政治劣化の元凶・小選挙区制」ではその共同代表の一人である国民民主党の古川元久代議士と政治学者の白鳥浩氏が登場して、その趣旨を語っている。
私は、どんな選挙制度にもプラス面とマイナス面があり、これがベストだというものはあり得ないので、やってみてうまくいかなければ大いに議論して変えるべきは変えていけばいいと思っている。が、日本の場合、93年政治改革国会の大激動から生まれ、96年から実施されている小選挙区比例代表並立制は、政党・政治家も民主主義の主役としての有権者も「まだ上手に使いこなしていない」というのが実情で、そのことを十分に検討することなく、すぐに制度をいじくりまわそうという発想には賛成でない。
例えばイタリアの場合、日本とほぼ同じ時期に似たような制度に切り替え、保守陣営もリベラル・左翼陣営も選挙の度に多党間で政策協定を結び、連立政権を実現して次の数年のうちに何を達成するかのビジョンをはっきりと示し、場合によってはそれを担う首相・閣僚候補も目に見えるようにして争うなど、小選挙区制を主とする選挙制度をうまく活用して「政権交代のある政治風土」を耕してきた。そうしているうちに、次第に群小政党も整理統合されて、おのずと2大政党制に近い形ができてきた。
また小選挙区制の下では党執行部に候補者の公認権が集中するので組織として活性が失われるというのも、よく言われる議論だが、これも選挙区ごとの公募や予備選、あるいは選挙戦が始まってからの全候補者の「朝まで政策激論大会」など、制度を生かすためのインフラを作り上げていけばいくらでも面白くできるはずだ。せっかくの議連が「制度さえ変えればきっとうまくいく」という貧しい議論に終わらないよう切に願うものである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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