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安倍派会計責任者から不記載中止の進言を受けた幹部は誰か…マスコミは真相解明を諦めるな 特別寄稿
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/358250
2024/07/28 日刊ゲンダイ
堀井学議員も元安倍派(C)日刊ゲンダイ
事件は「生もの」。とはいえ、昨今の事件の「足の早さ」は驚くばかりだ。ついこの間まで世間を騒がせていた自民党の裏金事件である。18日には、安倍派の裏金議員のひとり、堀井学衆院議員が裏金捜査の中で判明した公職選挙法違反(有権者への違法な香典提供など)容疑で東京地検特捜部から議員事務所の捜索を受け、大々的に報道されたが、本筋の裏金事件報道はすでに「過去のできごと」扱い。都議選で自民党が2勝6敗と惨敗したように、裏金問題に対する市民の怒りは深い。簡単に終わらせていいはずがない。
安倍派の幹部政治家が不起訴となり一身に罪を背負う形となった同派の「金庫番」、松本淳一郎被告の5月10日の初公判。検察側が冒頭陳述で真相の一端を明らかにするのではないかとの期待は見事に裏切られた。
起訴状を補足説明するだけの木で鼻をくくった内容。関与した政治家名や事件の構造的な背景、誰がいつ、何のために始めたのか、22年8月の還流復活の経緯などは一切、明らかにしなかった。
もっとも、起訴事実の立証に不必要な捜査情報の開示をしないのは検察の伝統。まして国会開会中なら一層、不訴追議員のスキャンダル情報で審議を止めてはならないという忖度が働く。金丸信・元自民党副総裁の5憶円闇献金事件など過去の政治家事件でも同様の検察側の忖度があったことは、上梓したばかりの『自民党と裏金 捜査秘話』(日刊現代/講談社)の中でも指摘した通りだ。
さすがに、初公判を受けて読売新聞の社説(11日)は「被告は法廷の場で真相を語らねばならない」と求めた。
それが背中を押したか、自民提出の政治資金法改正案の強行採決が行われた6月18日に開かれた第2回公判で、松本氏は弁護団の質問に対し、22年8月の還流再開は「ある幹部から求められ、8月の幹部会議で継続が決まった」と証言した。
政治倫理審査会や会見で同様の説明をしたのは安倍派座長だった塩谷立・元文部科学相だけ。下村博文・元文科相、西村康稔・前経済産業相、世耕弘成・前党参院幹事長の3議員は「8月の会議では結論が出なかった」と答えており、説明の食い違いが浮き彫りになった。
各紙は地味な扱い、フォロー報道もなし
安倍派の「金庫番」だった松本淳一郎被告(C)日刊ゲンダイ
しかし、規正法改正案の強行採決で予定通り国会閉会の流れとなったためか、各社の扱いは概して地味。裏金事件をリードしてきた朝日の扱いは社会面2段だった。
読売はその幹部は下村氏と実名で報じ、共同通信はこれに先立つ6月はじめに下村氏が松本氏に再開を要求したと派閥関係者が特捜部に供述していたと報じていたが、下村氏は否定した。
エポックは国会閉会後の7月9日の第3回公判の証言だった。
松本被告は、検察側から政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載しない運用をやめようと提案したことはなかったかと問われ「19年以降の派閥幹部に(やめた方いいと)何度か話したことがある」と述べたのだ。
安倍派の幹部政治家が、松本被告から進言を受け同派が政治資金規正法違反を犯しているとの認識を持った可能性を示す重要証言だった。しかし、検察側はその幹部の氏名や反応を尋ねることはなく、詳しい経緯は明らかにならなかった。
立件対象にならなくても重大な政治スキャンダルだ。しかし、各紙の扱いは朝日が社会面2段など総じて地味な扱い。フォローの報道もいまのところない。
検察側はどういう意図でその質問をし、松本証言を引き出したのか――。国会閉幕で審議に影響がなくなったため、真相の一端を明かすヒントを提供した、と考えるのはうがちすぎか。
松本証言を素直に受け取れば、状況から見て安倍派会長だった細田博之、安倍晋三両氏のいずれかとの見方もできるではないか、ということになるが、いかんせん2人とも故人。検察も追及のしようがない。
ただ、いきさつはどうあれ、国民が知りたい事実のひとつであることは間違いない。マスコミ各紙は是非とも真相を掘り起こしてほしい。
村山治 ジャーナリスト
1950年、徳島県生まれ。1973年に早稲田大学政治経済学部を卒業し毎日新聞社入社。1989年の新聞協会賞を受賞した連載企画「政治家とカネ」取材班。1991年に朝日新聞社入社。東京社会部記者として金丸事件、ゼネコン汚職事件、大蔵省接待汚職事件などの大型経済事件報道に携わる。2017年からフリー。著書に『特捜検察vs.金融権力』(朝日新聞社)、『検察 破綻した捜査モデル』(新潮新書)、『安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル』(文藝春秋)『工藤會事件』(新潮社)など。最新刊は『自民党と裏金 捜査秘話』(日刊現代/講談社)
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