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予測ズレまくる「財政検証」の不可解…年金は減る一方「20年前は夫婦で49.1万円⇒最新試算21.4万円」 人生100年時代の歩き方
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/357930
2024/07/28 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
将来の年金見込みは激減…(C)日刊ゲンダイ
検証を重ねるたびに年金額が減っていく。現役世代が将来受け取る年金の見込みを示す「財政検証」の結果が公表された。2004年の検証では49.1万円(夫婦2人分)とされていた金額が、今回の検証では21.4万円にまで激減。そもそも20年でこんなにコロコロ変わる試算に意味はあるのか。
◇ ◇ ◇
財政検証は法律に基づき5年ごとに行われるもので、将来の年金見込み額は現役世代の人生設計において重要な意味を持つ。だからこそ委員会メンバー10人の責任は重い。今回は植田和男氏(日銀総裁就任で退任)をはじめ、有名大学の教授やシンクタンク研究員ら日本を代表する経済学、金融学、数理研究のスペシャリストたちが揃った。また、審議の継続性の観点から前回19年の検証で委員を務めた人が5人も残っている。
もちろん、数十年後の予測は誰だって難しい。だが、それを加味してもこれほど金額が変化してしまうことはあるのだろうか。
実際に出た金額を見てみよう。財政検証から「将来受け取る年金」の見込み額を過去にさかのぼって比較してみた。
年金額は将来的な経済状況、物価や賃金の上昇率、出生数などで複数のシミュレーションがあるため、今回はより現実に即した中間の予測を採用している。
20年前の04年検証では、会社員の夫と専業主婦のモデル世帯(夫が平均賃金で40年働き、妻が40年間第3号被保険者)が2050年に受け取る年金の見込み月額は「49.1万円」(基本ケース)。09年検証は同じく「48.2万円」(基本ケース)となっていた。
ところが、14年検証になると「28.9万円」(ケースD)へとガタ減り。さらに19年検証では「27.6万円」(ケースV=ここからは2060年の予測)にまで下がり、そして今回の検証では「21.4万円」(過去30年投影ケース)となった。
所得代替率50%維持のつじつま合わせ
むしろ、掛け値なしの数字を出してくれた方が…?
物価上昇の前提が違うため一概には言えないが、20年前に出された金額に比べおよそ28万円もの減額。現役男子の手取り収入に対する割合である所得代替率は、04年50.3%→09年50.1%→14年50.8%→19年50.8%↓24年50.4%となっている。どれも現役男子の半分の収入を維持する格好だが、名目の手取りが減る分、老後に海外旅行にでも行こうとすれば、如実に減額幅を実感するはずだ。
現在のモデル世帯の給付額は22.6万円。現役男子の平均約37万円と比べた所得代替率は61.2%となっている。独身高齢者や国民年金加入者はこうはいかないが、夫婦なら6割の生活水準は維持できるというわけだ。
繰り返すが、将来受け取る年金額は現役世代にとって消費や投資をする上で重要なファクター。むしろ、掛け値なしの現実に即した数字を出してくれた方が生活費を切り詰めるなどの対策が練られる。
「今回の『過去30年投影ケース』でも、夫婦2人のモデル世帯の所得代替率は5割(50.4%)をかろうじて維持する見通しです。実は財政検証のたびに発表される基本ケースの見込み額は、所得代替率50%を維持するライン。最初に50%という数字ありきで、そのつじつま合わせで物価や賃金上昇率など都合のいい数字を当てはめているとしか思えません。むしろ、所得代替率50%という下駄をはかせた数字より、『年金は減る』『最低保証はいくら』などと注意喚起してくれた方がよほどいい。若い人はそれで生活設計を組み立てられますから」(特定社会保険労務士・稲毛由佳氏)
分かりやすく言うと、将来の経済がこうなるから21.4万円もらえるというのではなく、21.4万円もらうにはこういう経済にならなくてはいけないという考え方だ。
もちろん、委員会のメンバーにしてみれば、「少子化が思った以上に進んでしまった」など言い分はあるだろうが、優秀な人が集まった割に5年ごとに予測がズレまくっている。政府への忖度なのか、いずれにせよ天気予報なら失格レベルだ。
今後は厚生年金の上限を増やす案も
一方、財政検証の結果は「オプション試算」の項目を見るのも重要。オプション試算とは、現在の年金制度を「こう変えたら、これだけ受け取る金額が増えますよ」という想定。国による今後の年金制度改革の“予告”とも言える。
「今回のオプション試算では、週10時間以上働くすべての人に厚生年金加入を義務付けるとか、厚生年金の標準報酬月額の上限(65万円)を見直すなどのシミュレーションを行っています。厚生年金加入の試算では、過去30年投影ケースで現行50.4%の所得代替率が56.3%にアップするとしています」(稲毛氏)
よその国の年金はどうなっているのか?
アメリカの年金制度は会社員や自営業者などが加入する「社会保障年金」があり、日本で言うところの国民年金(基礎年金)と厚生年金に該当する。保険料率は所得の12.4%(労使折半、自営業者は全額)で、日本の18.3%に比べてかなり低めの設定。加入率は自営業者も税金として徴収されるため高く、20年時点で男性が91%、女性は87%だ。
一方、気になる受給月額は20年時点で平均1544ドル(約24万7000円)。さらに配偶者が専業主婦なら797ドル(約12万7000円)が加算され、合計2341ドル(約37万5000円)となる。日本の現在のモデル世帯の受給額22.6万円と比べると、円安もあるが、1.6倍超だ。
もっとも、静岡県立大学の藤本健太郎教授の試算によれば、アメリカの金額はざっくりと退職前給与の4割程度の所得代替率で、老後の医療・介護費を考えれば十分とは言えない。
アメリカは現役世代の7割の収入が目安
アメリカは現役世代の7割の収入(C)Jimin Kim/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同イメージズ
だが、アメリカの会社員は別途、企業から確定給付や確定拠出の企業年金を受け取っており、これを合わせると現役世代の7割程度の収入となる。アメリカ人の高齢者が裕福なのはこれが理由で、公務員も幹部で退職すると、年金は1500万円超(最高となる3年間の平均給与の76.25%=上限)になる。
アメリカの社会保障年金は基本的に将来もらう年金を自分で貯める積み立て方式で、現役世代が高齢者を支える日本の賦課方式と違いがある。ただ、アメリカもベビーブーマー世代の大量退職や平均寿命の延びで年金財政は厳しい状況にあり、米国社会保障庁は「現在の保険料収入のみでは2034年からは予定給付額の77%しか支払えなくなる」と報告している。
とはいえ、日本人からしたらうらやましい。
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