http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/171.html
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/343212?rct=national
今回の規制委員会の判断は、先の能登半島地震のメカニズムが明らかになりつつあることと無関係ではないのだろう。
そんな気がする。
規制委員会のアリバイ作りで終わらないことを祈るばかりだ。
福島の原発事故の反省に立ち、「政府から独立」した原子力運用の規制役として誕生したのが、原子力規制委委員会だった。・・・はずだ。
その原子力規制委委員会の使命は、
「不確かさがあれば、安全側に立って判断する」
だった。・・・はずだ。
以下に記事の全文を転載する。
原子力規制委員会の審査チームの会合で26日、再稼働できない公算が大きくなった日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県)。原電は審査に必要な資料を用意する初歩からつまずき、ようやく始められた審査では、科学的に根拠ある説明ができなかった。再稼働に向けた申請からまもなく9年。各地で原発推進の圧力が高まる中、なし崩しの再稼働に一定の歯止めがかかった。(渡辺聖子)
◆審査に関する「検査」までする事態に
「審査に関する『検査』までしなければならない事態に陥った異常な審査」
規制委の山中伸介委員長は、24日の会見で原電とのやりとりを振り返った。
原電は2015年、再稼働に向けた審査を規制委に申請し、すぐに迷走を始める。審査資料の誤記が千カ所以上見つかった上、20年には地質データの書き換えが80カ所発覚した。
◆本店に立ち入り検査も
活断層かどうかを判断する重要な地点のボーリングで取り出した地層の状態を活断層の可能性につながる「未固結」から、可能性の否定になる「固結」に書き換えるなどしていた。
規制委は原電本店(東京都台東区)に対し異例の検査にも入った。山中委員長が言及した「検査」とは、この一連の確認作業のことだ。書き換えは、原電に有利になると捉えられたが、故意はないとの結論になった。ただ、その後も資料の誤りが相次ぎ見つかった。
◆「これが最後」通告突き付けられても
23年4月には、原電の村松衛社長が規制委の会合に出席し「重く受け止めている。申し訳ない」と陳謝。山中委員長は「これが最後というつもりで、しっかり臨んでいただきたい」と最後通告を突き付けた。不祥事の背景には人材不足が指摘され、審査途中で関西電力や中部電力などから幹部の派遣を受けた。
それにもかかわらず、26日の会合で新規制基準に適合しないと結論付けられた。原電は追加調査を求め、徹底抗戦の構えを見せた。
最後通告を受けていた審査の焦点は、2号機から約300メートル先にある「K断層」の評価だった。論点はK断層が(1)活断層なのか(活動性)(2)原子炉直下まで延びているのか(連続性)―に絞られた。
◆活断層につながるうっかり説明
活断層は、断層が動いた時期がポイント。新規制基準では、活断層の定義は12万〜13万年前の後期更新世以降の新しい時代に動いた可能性があるものだ。
原電は、K断層を覆う地層の堆積年代を火山灰や花粉の分析から特定することで、活断層ではないと主張。だが、堆積状況が複雑すぎたため曖昧な説明に終始し、根拠とならなかった。
しかも、かつて動いた形跡があるK断層を含む地層の堆積年代を「12万4000〜14万2000年前より古い」と説明したことが墓穴を掘った。この堆積年代は後期更新世にかかっている。後期更新世以降に動いた活断層の可能性もある。審査チームは「活動性は否定できない」との結論を導いた。
◆断層の特徴見逃さず
K断層が原子炉方向へ延びているのかを調べるため、原電はK断層と建屋間で14カ所を掘削し調査。その結果、「K断層と同じ性状の断層はなく、切れている」と説明した。原電は自ら作った判断基準に沿い評価し、連続性を否定できると主張した。
これに、審査チームは、調査結果の一部にK断層の特徴と似た断層があることを見逃さなかった。さらに、原電の判断基準について「K断層の特徴を踏まえておらず、判断に使えるか分からない」と指摘し、原電のストーリーを崩した。
記事の転載はここまで。
記事では、「原電側の出鱈目な対応」が、るる書かれている。
「原電の出鱈目さ」は言語道断としても、そんな「原電」を相手に、果たして審査に9年も要するものなのか。
そのことに疑問と疑念を持たざるを得ない。
記事によれば、
「・・・審査資料の誤記が千カ所以上見つかった上、20年には地質データの書き換えが80カ所発覚した。・・・」
ということだが、
常識的に考えると、「原電」の出す資料も、言葉も一切「信じられない」ことになる。
それで、何を審査しようというのか。
その時点で、審査の継続どころか、「原電」には原子力を扱う「資格が無い」と、原発事業から退場してもらうべきだったのではないか。
何故、こんなことが9年も続けられてきたのか。
しかも、この期に及んでも、「・・・原電は追加調査を求め、徹底抗戦の構えを見せた。・・・」
という。
「徹底抗戦・・・」
何が「原電」をここまで増長させているのか。
「原電」ばかりではなく、「東電」をはじめ、他の電力会社も、増長が目に余ることに変わりはないが・・・。
新基準では、「活断層上に原子炉など、安全上の重要施設を設置することを認めていない。」
そして、活断層かどうかを確認することは、9年の歳月をかけても、「・・・らしい」と評価するのが精一杯の現在の科学的知見のレベルなのだ。
日本には、分かっている活断層が至る所にある。
未発見の活断層を考えたら、活断層の無いところを探すことの方が難しいといわれるくらいだ。
そんな日本で、「・・・活断層上に原子炉など、安全上の重要施設を設置することを認めていない。」新基準に従い、
「不確かさがあれば、安全側に立って判断する」
となれば、日本には原発を建設できる立地条件の場所は存在し得ないというのが当然の論理的帰結だろう。
今回の判断を契機に、原発の寿命を超えての稼働についても謙虚に「その誤り」を認め、撤回を求めたい。
敦賀原発2号機が廃炉となれば、「原電」の存続も危うくなり、そればかりか周辺の市民への経済的影響も大きいことは想像に難くない。
国民民主党も、「連合」も、原発で働く市民と周辺住民の生活を人質に取って、原発廃止に反対しているが、今回の敦賀原発2号機が廃炉になることに関しては、同じ論理で反対することがないように国民は監視しなければならない。
日本に設置する原発の安全が担保できない以上、今ある原発も含め、原発を無くすしかないではないか。
そういう方針を立てた上で、現状の原発立地の周辺に暮らす市民の生活、原発関連で生活の糧を得ている人達に対して、激変緩和措置を含めた、新たな生活に向けての支援を政治的に進める。
そのことを考えるのが政治の王道であり、労働運動の王道ではないのか。
一時の混乱はあったとしても、原発の恐怖、避難に対する不安に苛まれることがない、新しい生活は、我らの子孫に誇れる素晴らしいものになると思うのだが・・・。
よもやと思うが、今の日本は、原発が無くとも、必要な総電力が確保されていることを忘れてはいまいか。
そんな中で、原発の存続を望むのは、原発利権に群がる輩と、その手先くらいではないか。
そんな輩とは、この際「徹底抗戦」するしかない。
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