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※紙面抜粋
※2024年7月23日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
「勇気ある撤退」大統領と「是が非でもしがみつく」首相(C)ロイター/EYEPRESS Images
全世界注目の米大統領選が「まさか」の展開だ。バイデン大統領(81)が21日、大統領選からの撤退を表明。個人のXアカウントに書簡を投稿し、自らの決断について「私が(大統領選から)降りることが、わが党にとって最善だと信じる」と記し、後継としてハリス副大統領(59)を支持・推薦した。バイデンは今週中にも国民に向けて、決断の詳細を説明するという。
相次ぐ言い間違えに高齢不安──。民主党の重鎮から撤退論が続出し、ついに出馬を断念した格好だ。再選を目指す現職大統領が選挙戦の途中で撤退するのは、1968年のジョンソン大統領以来、56年ぶりで、異例の事態である。
バイデン撤退は党候補を正式指名する党大会まで1カ月を切ったタイミング。民主党にとって新たな候補の擁立は急務だ。ハリスはバイデンからの支持を「光栄だ」とし、「党候補指名を勝ち取る」と意気込んだが、共和党の正式指名を受けたトランプ前大統領(78)への出遅れを巻き返せるのか。バイデンの撤退表明から数分後、トランプはCNNの電話取材に「ハリス氏の方がバイデン氏よりも倒しやすい」と話したという。もはや、世界は「確トラ」(確実にトランプ当選)のムードになってきている。
国際社会は米国との距離感に苦慮
バイデンは撤退表明に併せて、残りの任期の職務に尽力するとしたが、今後、最大の不安要素は、バイデン政権のレームダック化だ。任期満了は来年1月20日までだから、超大国アメリカの政治空白が半年も続くことになる。世界情勢にも影響必至だ。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「国際社会は、『トランプ大統領誕生』を前提に動かなければならず、極めて困難なかじ取りを迫られるでしょう。バイデン氏に寄り添い過ぎれば、トランプ氏が大統領に就任した場合、手痛いしっぺ返しを食らいかねませんから、距離の取り方が難しい。多くの国際問題で、各国は中途半端な対応を取らざるを得なくなると思います。とくに悩ましいのは、ロシアによるウクライナ侵攻への対応です。トランプ氏は、大統領になればウクライナ支援を打ち切るか、縮小する可能性があります。そうなった場合、これまでロシアへの非難一辺倒だった西側諸国は態度を変えざるを得なくなる恐れがある。西側諸国と足並みをそろえる日本も、その例に漏れません」
バイデン撤退への見解を問われた岸田首相は困惑の表情を浮かべ、「政治的に最善の判断をする思いだったと認識している」と絞り出すように語っていた。
国賓級待遇まで受け、自称「外交の岸田」の大きな後ろ盾となったバイデン撤退に内心、焦っているに違いない。
菅前首相と甘利前幹事長が水面下でバトル
醜い政争を展開(左から、菅前首相と甘利前幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
バイデンに続く「次の撤退」の焦点が当たるのは、日本のトップ・岸田だ。
毎日新聞が20、21日に実施した世論調査で、9月の自民党総裁選で岸田が再選され、首相を続けた方がいいと思うかを聞いたところ「交代した方がいい」が70%に上り、「続けた方がいい」の11%を大幅に上回った。ANNが13、14日に行った世論調査でも、岸田の総裁選出馬について「しない方がいい」が57%で、「する方がいい」の26%をダブルスコアで上回っていた。大半の国民が岸田の「撤退」を望んでいるわけだ。
自民党内からも公然と岸田退陣論が続々と噴出している。党内の誰もが「岸田では次の選挙は戦えない」と思っているのが実態だ。
党内外から「岸田NO」の声が上がっているのに、岸田は我関せず。本人はしがみつくどころか、「オレがやるしかない」と考えているフシすらある。今月12日(日本時間)には、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議で訪れた米ワシントンで、総裁選への対応を報道陣に問われ「結果を出すことに全力を挙げている。それ以外のことは考えていない」と強調した。党総裁としての任期満了まで2カ月余り。今なお「結果を出す」とか言っているのだから、まだまだ続ける気でいるに違いない。
「ポスト岸田」を模索する非主流派のトップ、菅前首相に近い自民党議員はこう言った。
「ある日の宴会で、菅さんに『岸田さんは防衛費増や原発回帰といった実績を残している。潔く身を引けば後々に評価されるはずだから、早く身を引いた方がいいのでは?』と投げかけると、表情一つ変えず『それだけはあり得ない』と冷たく即答していました。岸田さんが自ら辞める気はサラサラないと読み切っているようです。逆に言えば、この状況でも岸田さんは全く辞める気がないということ。最大の理由は『ポスト岸田』が不在なことでしょう」
岸田はこのまま9月の総裁選を乗り切って、秋以降に解散総選挙に打って出る──。この期に及んで、そんな“過信”シナリオを描いているそうだ。なぜか自信満々の岸田には呆れるしかないが、菅をはじめ“降ろす”側も醜悪な内ゲバを展開している。
総理の顔だけ代えても意味なし
永田町関係者をザワつかせたのが、政治ジャーナリストの田崎史郎氏の発言だ。20日の日本テレビ系「ウェークアップ」に出演した際、総裁選の展望について「40代の方が日本の総理大臣になる可能性が出てきている」と、具体的な議員名を伏せた上で話していた。
各社世論調査の「ポスト岸田」の常連の中で、40代は小泉進次郎元環境相(43)が該当する。もう一人は最近、新たな総裁候補としてメディアでたびたび名前が挙がる小林鷹之前経済安保相(49)だろう。実は目下の政界の話題が、この2人を軸に起きている「水面下のバトル」だ。
「進次郎さんの後ろ盾は菅さんで、党幹部との会食に同席させるなど目をかけている。一方、小林さんの背後にチラつくのが、甘利前幹事長です。小林さんとは長らく経済安保について議論を重ねてきた間柄。3年前に当時、3回生だった小林さんを、新設された経済安保相に押し込んだのが甘利さんでした。甘利さんは麻生派の所属で、前政権では間接的に『菅降ろし』に関わっていた。菅さんとしては甘利さんの存在は疎ましいはず。『甘利=小林』を潰すため“コバホーク包囲網”を敷くのでは、とみられています」(永田町関係者)
“口利きワイロ”疑惑がくすぶる甘利に、官僚恫喝自慢の菅と、もう目にするのも不快な面々による醜い争いが繰り広げられているのである。そんなおぞましい政争を見せつけられるなんて、もうコリゴリである。
「自民党議員の多くは、総裁選で岸田首相を降ろして看板を代えれば支持率が上がり、次期衆院選も議席を維持できると踏んでいるのでしょうが、甘すぎます。米国の民主党が大統領候補の顔を代えるに至ったのは、バイデンの個人的な資質が原因で、自民党とは全く事情が異なる。もちろん、増税メガネと呼ばれる岸田首相も個人的に嫌われているのは確かですが、国民は自民党そのものに嫌悪感を抱いているのです。米民主党のように『選挙の顔』を取り換えるだけで、再起を図れるようなレベルではない。何しろ、自民党は裏金にカスハラ、パワハラ、ハレンチ会合と考えられ得る不祥事の目白押し。腐りきった体質に国民はウンザリしているわけです。岸田首相の『撤退』と引き換えに国民が許すと思ったら大間違いです」(政治評論家・本澤二郎氏)
岸田自民にとって「最善の判断」があるとしたら、それは「解党」や「下野」しかない。
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<自民支持層では5割>岸田首相「交代した方がいい」70% 毎日新聞世論調査
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