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独立を回復できない日本
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2024年7月21日 植草一秀の『知られざる真実』
7月21日(日)、本日午後1時半より、東京湯島の全国家電会館において独立言論フォーラム(ISF)主催の公開シンポジウムが開催される。
テーマは「日米合同委員会の存在と対米従属からの脱却を問う」
https://x.gd/z5ZX9
参加申し込みが定員を超えたので、参加申し込み受け付けはすでに終了している。
登壇者は
鳩山友紀夫(元総理、ビデオメッセージ )
吉田敏浩(ジャーナリスト)
原口一博(衆議院議員)
エマニュエル・パストリッチ(アジアインスティチュート理事長)
甲斐まさやす(市民活動家)
川口智也(市民活動家)
植草一秀(政治経済学者)
の予定。
ISF(独立言論フォーラム)編集長の木村朗氏は、
「日米合同委員会の廃止などを求める集会がニュー山王ホテル前で今年の2月から5月かけて4回連続で行われている。
なぜいまあらためて日本の対米従属の象徴ともいえる日米合同委員会の存在がクローズアップしているのか。
今回の公開シンポジウムでは、この日米合同委員会の問題を取り上げ、その存在と役割を問うとともに、戦後日本の対米従属から脱却する道を考えてみたいと思います。」
と述べる。
敗戦後日本の最大テーマは「日本の独立」だ。
1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効して、日本は独立を回復したことになっている。
しかし、日本は真に独立を回復したと言えるのか。
結論を示せば、日本は敗戦から79年が経過するいまも、まだ独立を回復できていない。
米国に支配される日本。
米国にひれ伏す日本から脱却できていない。
こう断じてよいだろう。
その根源がどこにあるのか。
米国が支配する日本を形成した基本構造は52年4月のサンフランシスコ講和条約が「三層構造」になっていることに起因する。
表面上は講和条約によって日本は独立を回復した。
しかし、この講和条約に日本の独立をうわべだけのものにする構造が組み込まれていた。
講和条約第6条で講和条約発効後に駐留軍が日本から撤退することが定められた。
第3条 連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない。
しかし、この条文後半に但し書きが付された。
連合国と協定を締結した場合は、その限りにあらずとする規定だ。
講和条約調印と同時に、日本は日米安保条約に調印した。
日米安保なくして講和条約制定はなかった。
日米安保条約のための講和条約であったと言ってよい。
そして、日米安保が規定する米軍の日本駐留、そして米軍の権利等に関する細目は「日米行政協定」によって定められた。
「行政協定」とされた最大の理由は、「行政協定」が内閣の一般行政事務の範疇に含めることが可能なこと。
言い方を変えると、国会での審議を経ずに、内閣が独断で決定できる「行政協定」に新たな体制の核心部分が定められたのだ。
「全土基地方式」と呼ばれる米軍特権は日米行政協定の中に盛り込まれた。
この日米行政協定こそ「治外法権」を含む米軍特権の細目を決定する核心であった。
つまり、講和条約の根幹は講和条約そのものにではなく、日米安保条約、日米行政協定にあった。
そして、日米行政協定が定める米軍特権の内容は日本の「真の独立」とは程遠いものだった。
現代においてこの問題が重大であるのは、1952年の「偽装された日本独立」が、ほぼそのままのかたちで現在に引き継がれていることに理由がある。
敗戦から80年が経とうとするのに米軍の駐留が続いている。
そして、日本国が裁判権、出入国管理権、制空権等を喪失しているという「半植民地状態」が、何も変わらず現在も続いている。
安倍内閣は講和条約が発効した1952年4月28日を「主権回復の日」としたが講和条約の正体を捉えていない。
4月28日は「日本主権喪失の日」と呼ぶべきもの。
その核心が日米行政協定であり、行政協定のなかに最高意思決定機関として定められたのが「日米合同委員会」である。
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