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論理で構築されていないものは論理で否定できない 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357529
2024/07/12 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
逃げ続け、説明もない。3件の刑事告発を受けていても小池百合子都知事が当選(C)日刊ゲンダイ
本連載をまとめた書籍の第2弾「続 それでもバカとは戦え」が刊行された。改めて第1弾の「それでもバカとは戦え」を読み返したが、そこにはこう書いてあった。
〈バカと戦ったところで、バカがいなくなるわけではない。社会のダニを批判したところで、日本がよくなる保証もない。それでも目の前にあるゴミは片付けなければならない〉
〈たとえ手遅れであったとしても、事なかれ主義と「大人の態度」を投げ捨て、バカとは戦わなければならない。これは人間の尊厳に対する義務なのだ〉
最初から負けが確実な戦いもある。例えば大手メディアや巨大な宗教団体をバックに抱えている政治家を排除するのは難しい。そこで絶望したり、無力感に襲われる人もいるだろう。彼らに対し、「諦めるな」と言うのもどこか違うと思う。
7月7日の夜、私は寿司屋のカウンターで麦焼酎のソーダ割りを飲んでいた。寿司職人が私の横に座っていた女性に語りかけた。
「今日は都知事選の投票に行かれたんですか?」
「もちろんよ。小池百合子さんに入れたわ。私は71歳でしょ。小池さんと同じなの。だから、あと4年は頑張ってもらわなきゃ」
「だから」がどのようにつながるのかは不明だが、こういう人を説得するのは無駄である。見下したりバカにしているのではない。論理で構築されていないものは論理では否定できないのだ。そして、人間は論理では動いていない。なんでもかんでも相手を説得できると思うほうがよほど傲慢なのである。
畑のキャベツを食べるアオムシに、「これは農家の人が栽培しているのだから勝手に食べちゃだめだよ」と言っても無駄だ。これは注意の内容が正しいか間違ってるかという次元の話ではない。原理的に言葉が通じないのである。それと同じように、人間の精神世界は広大であり、「正しいこと」がいつでも通用するわけではない。
今回の都知事選では不正の限りを尽くし、3件の刑事告発を受けている小池が当選。これが2024年の東京の現実だ。もちろん、諦めないことがよい結果につながることもある。しかし、歴史を振り返れば、腐敗しきった国が正常に戻ることは少なく、結果、表舞台から消えていったのも厳然たる事実である。
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中。6月28日には第2弾「続 それでもバカとは戦え」が発売予定。
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