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※紙面抜粋
すべてが異様だった都知事選を総括・分析 悪夢のような結末は歴史の分岐点になる予感(中)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357278
2024/07/08 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
批判票がトリッキーな石丸に流れたのは政党政治の分岐点
深まる自己陶酔(石丸伸二氏)/(C)日刊ゲンダイ
事実上の与野党対決の構図だった都知事選に番狂わせが起きた。
広島県安芸高田市長を1期目途中で放り出した石丸がマサカの善戦。2位に躍り出た。市の公式ユーチューブチャンネルでニタニタしながら「理解のない上の世代は敵に回してもいいじゃないですか。ほとんど全員、自分より先に死にますから」と倫理観を疑われる発言をしたのは、ホンの3カ月前。若気の至りでは片づけられない。トリッキーな男の躍進は危険な兆候だ。
陣営を支えたのは、安倍元首相夫妻と親密なドトールコーヒー創業者の鳥羽博道名誉会長(86)を中心とする自民党に近いオールド世代。「SNSを活用したネット戦略が注目されていますが、電話作戦も大展開。固定電話をもつ年配層に猛チャージし、新旧織り交ぜた選挙戦術を駆使した。カネと人がモノをいった」(都政関係者)という。
資源はどこから湧いてきたのか。分刻みの街宣をしても政策の訴えはほぼ皆無。「自信を持って東京を動かしましょう」と言うのがせいぜいだったのに驚異の集票力だ。
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係も深い人物が支援することもあり、終盤に疑惑が噴出。石丸が公式X(旧ツイッター)に〈宗教団体と一切関係がありません。統一教会や創価学会と繋がっているなどというデマを流している人がいるので、注意して下さい〉と投稿するなど、火消しに追われたが、致命傷にならず走り切った。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘する。
「自民党の裏金事件は言うまでもなく、既存の政党政治に嫌気が差した有権者が一定数いる。『首長経験のあるフレッシュな若手』がその受け皿になってしまった。抽象的な公約を並べた石丸氏に無党派層が期待を投影し、うまい具合に食い込んだと言えます。裏を返せば、当選させたら何をやるか分からない。安芸高田市で議会と対立した経緯にしても『オレの権力を行使して何が悪い』という考えが根底にある。住民から権力を委任されたという民主主義の原則を理解していないのでしょう。小池氏よりもひどい独裁者になりかねなかった」
どうりで選対はグチャグチャだ。
「勝てると勘違いした石丸氏は周囲の助言に耳を傾けず、独善性全開。〈あれは単なるユーチューバー〉と陰口を叩かれていた」(陣営関係者)
開票後に国政進出について問われた石丸は「選択肢としては当然考えます。例えば衆院広島1区。岸田首相の選挙区です」と高揚感たっぷり。
「東京一極集中の是正」を掲げるのだから、まずは広島へハウス! 有言実行を見てみたい。
蓮舫ボロ負けで政権交代機運は遠のいたのか
立憲民主の戦略ミス(蓮舫氏)/(C)日刊ゲンダイ
予想外だったのは蓮舫の惨敗だ。小池VS蓮舫の戦いになるはずが、石丸にも追い抜かれ、結局、3位だった。メディアの出口調査によれば、東京の大票田である無党派層の投票先は、石丸4割、小池3割、蓮舫は2割しか取れず。小池NOの批判票も石丸に奪われた。
蓮舫は若者政策に重点を置き「影に光を当てる」と訴えるなど、自民党的な利権政治を都政に持ち込んでいる小池との違いを打ち出したが、小池が討論に出てこないこともあり、争点が有権者に響かなかった。
蓮舫は敗因について今後分析するとしつつ、「私の力不足。そこに尽きる」と言った。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は敗因をこう分析する。
「出馬会見で蓮舫氏は、『反自民政治、非小池都政』と宣言したのに、選挙戦では『自民党との戦い』という位置づけを貫かなかった。若者政策もいいが、現職と政策合戦をしても限界がある。『怖い』と言われることを意識してソフトイメージで戦ったが、むしろ『私がなぜ怒っているのか。おかしな政治が続いているからです』と真正面から訴えた方が無党派層に響いた」
最近の世論調査では「自公政権の継続」より「政権交代」を望む声が上回っている。立憲は蓮舫の勝利か、負けるとしても接戦に持ち込み、来たる衆院選への弾みにしたかったはずだ。しかし、頼みの蓮舫が惨敗し、野党は仕切り直し。蓮舫が共産から全面支援を受けたことで、早速、立憲内からは「共産色が出すぎた」などと、不満が噴き出しつつある。
「共産との共闘が問題なのではなく、『立憲共産党と萩生田百合子とどっちが正しいと思いますか』という戦いに持ち込めなかった立憲の戦略ミスですよ。もっと蓮舫氏を野党統一候補として打ち出すべきでした。これで政権交代の機運は後退するでしょう。しかし、自民党の『政治とカネ』問題を忘れちゃいけない。自民党が勢いづくなら、野党はますます厳しいチェックを怠ってはいけない」(角谷浩一氏=前出)
今後、責任問題や路線問題で立憲内はガタガタしそうだが、自公の思うツボ。政治不信がさらに深まり、岸田政権と石丸のようなヤカラを喜ばせるだけだ。
この都知事選の結果は自民も立憲も嫌だという刹那の民意
投票率は4年前を5・62ポイント上回る60・62%(C)日刊ゲンダイ
東京に限らず、首長選の立候補者は幅広い支持を集めるために政党色を薄め、無所属で出馬するのがお決まりだ。しかしながら、この首都決戦はバリバリの政党対決。小池の裏には国民的に嫌悪されている自民党、公明党、国民民主党都連、特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」、そして連合東京。対する蓮舫は立憲民主党、共産党、社民党の支援を受けた。事実上の一騎打ちだったはずが、東京ではほぼ無名の石丸が2位に食い込んだ。
想定外の展開になったのは、自民に近いオールド世代を抱き込んだ石丸のジジ殺し戦術やネット駆使だけでは説明がつかない。自民は無論イヤ、かといって政権交代を目指す野党第1党の立憲もイヤ。そうした刹那の民意が表れたと言っていい。
「蓮舫氏が小池氏に迫る構図とみられていたのに、それが崩れたのは立憲民主党をはじめとする野党の日和見な姿勢も影響したのではないか。国政では自民党と全面対決しても、地方選挙では平気で相乗りをする。東京は流動人口が多いですから、茶番だと鼻白む有権者が少なくないのでしょう。世界に目を転じても、中間政党は左右の間をウロウロするものですが、それにしたって立憲民主党は国民の信頼を勝ち取れていない」(金子勝氏=前出)
仏総選挙でルペン氏が事実上率いる極右政党「国民連合(RN)」が躍進。既成政党への不信を募らせた世論がドラスチックな変化を求める危うさは日本でも同じだろう。
のちのち、この知事選が歴史の転換点だったということになるのか。
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