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※紙面抜粋
※2024年7月5日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
嘘とゴマカシ変わり身の早さ、論点すり替え1400万人都民をけむに巻き続ける小池百合子都知事(C)日刊ゲンダイ
1400万人都市「東京」の首長を選ぶ知事選の投開票日(7日)まで残り2日。現職で3期目を目指す小池知事が先行し、蓮舫前参院議員ら他候補が追う展開だ。
小池を支援するのは特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会や、都議会で協調関係にある自民、公明両党など。
対する蓮舫は、立憲民主、共産、社民各党が支援し、連日、大規模な街頭演説会を開催。必死の追い上げを図っている。
応援に立つ立憲の幹部らは、裏金問題を抱える自民と協調する小池を厳しく批判。「裏金の後始末をしていない自民から応援を受ける(小池の)神経が分からない」(長妻政調会長)などとして、自民党国会議員出身であり、裏金事件の舞台となった「清和政策研究会」に長く所属していた小池は同党とほぼ一体として追及し、「反自民」票の掘り起こしを狙っている。
選挙戦序盤こそ「小池圧勝」などと言われていた知事選だが、ここにきて著名人、有名人らが次々と小池に「NO」を突きつけ始めている。
歌手の小泉今日子が代表取締役を務める「株式会社明後日」のアカウントは蓮舫が政策を語る約2分間の動画を引用して投稿。4日朝の時点でインプレッション(表示回数)は約169万回に上ったほか、アイドルグループ「アンジュルム」初代リーダーの和田彩花もX(旧ツイッター)で、〈仕事終わり、#期日前投票へ!蓮舫さんに投票したよ!〉と投稿。日本の芸能界はこれまで、政治的発言はタブー視されてきたが、蓮舫支持に同調する意見があちこちで拡散している。
小池都政を考える人ほど「NO」という結論
「一番の問題点というのが、結構、質問に対しての答弁拒否が多い」
医師の和田秀樹氏もユーチューブで都知事選に対する考えや、小池都政が抱える根深い問題を指摘しており、連日、多くの人に視聴されている。
本紙コラム「それでもバカとは戦え」で連載中の記事をXに投稿し、さらなる情報発信を続けているのが作家の適菜収氏だ。
<小池百合子の最大の問題はこれまで多くの嘘をついてきたことではない。今、現在も、毎日のように嘘、デマ、ゴマカシ、論点のすり替えを繰り返していることである>
<多くの有権者は単なる詐欺師が東京都庁を牛耳っていることを知らない。小池周辺メディアがテレビで嘘、デマを垂れ流しているからだ>
適菜氏が指摘する通り、嘘とゴマカシ、変わり身の早さで、都民をけむに巻いてきた小池だが、ひと皮めくれば、学歴詐称だけでなく、怪しい話がゴマンとある。
小池都政の2期8年を振り返り、真剣に考える人ほど小池だけは「NO」という結論に至るわけだ。小池都政を長く取材してきたジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「小池知事の街頭演説に行くと、学歴詐称のほか、公約達成ゼロといったプラカードを持つ聴衆の姿をよく見かけるようになりました。選挙終盤に入り、何となく小池都政を見ていた有権者も実相に気付き始めた。そして小池陣営も焦っている様子がみられます。当初は公務優先とか言っていたのに、ここにきて確実に街頭演説の回数が増えているからです。現職有利と言われていますが、地殻変動というのか、地滑り的に情勢が逆転する可能性はあると思います」
自民・甘利幹事長「落選」以上の展開になる
公約してきた政策は… これが小池都政の正体(C)日刊ゲンダイ
小池「落選運動」もヒートアップしてきた。
「ウソから始まり、ウソに塗り固められた政治権力が肥え太り、東京都知事という絶大な政治権力を手にし、その権力を私物化して超独裁者となった小池都政を継続させることは絶対に阻止しなければならない」
元検事の郷原信郎弁護士は知事選の告示日前後から、小池の学歴詐称疑惑や都政を巡る問題点を紹介するチラシを作成し、都内各地で配布。落選運動を展開している。
郷原氏には「落選運動」の“成功体験”がある。2021年10月の衆院選で、神奈川13区から出馬した自民党の甘利幹事長(当時)に対して今回と同様にチラシを作って落選運動を行い、甘利が立憲の新人に敗れるという前代未聞の状況に追い込んだのだ。
小池落選運動の手ごたえについて郷原氏があらためてこう言う。
「甘利氏の時よりも落選運動の手ごたえを感じています。ユーチューブの賛同コメントはすでに1000件以上に達し、『支持している』『応援している』といった声もたくさん届いています。活動資金のための寄付を募ったら300万円以上集まり、落選チラシは20万部以上刷りました。投開票日に向けて集中的に配布するつもりです」
横文字や言葉遊びで都民の目をゴマカしている
横田氏や郷原氏が言う通り、心ある有権者ほど「女帝・小池」の正体を知っている。
「東京大改革」をスローガンに掲げ、「開かれた都政」「しがらみのない都政」などと言いながら、ふたを開けてみれば、公開資料はほとんど黒塗り、異論は排除する。
最悪なのは前出の和田氏が指摘するように、都議会で都合の悪い質問は自分で答えず、はぐらかしていることだろう。すべて自分の「イエスマン」と化した幹部職員に答弁させる様子は、もはや議会としての体をなしていないと言っていい。
議員の質問に答えないということは、議員を支えている都民の声を聞かないことと変わらない。それでいて「都民ファースト」などとよくぞ言えたものではないか。
そもそも「東京大改革3.0」とは一体何なのか。8年間も都知事をやりながら「大改革」もヘッタクレもないだろう。
一事が万事、この調子。横文字や言葉遊びで都民の目をゴマカしているだけなのだ。小池の街頭演説中、「嘘つきタヌキー!」と叫んでいた男性は本紙記者にこう言った。
「世論調査で小池氏リードと報じられていたが冗談ではありません。彼女が一体、知事として都民のために何をしたのでしょうか。守ると言っていた築地市場の跡地は大手不動産会社にたたき売りされ、オンボロ校舎の都立高をほったらかしにしながら、数十億円もかけて都庁プロジェクションマッピング。公金を自分の利権のために使っている。その政治手法は裏金自民と変わりません」
最終盤で批判噴出。「百合子優勢」は大きく揺らいでいる。
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