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※紙面抜粋
※2024年6月27日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
現職知事が逃げ回り、政権与党はステルス支援。争点隠し、都民の関心逸らせする大変に異様な選挙(小池都知事、蓮舫氏=右)/(C)日刊ゲンダイ
「緑のたぬき」と「赤いきつね」──。事実上、現職の小池百合子知事(71)と蓮舫前参院議員(56)との一騎打ちになっている都知事選は、予想通りとはいえ、異様な選挙戦となっている。
蓮舫が連日、街頭に立って有権者に支持を訴えているのに対し、小池はなるべく人前に立たない“ステルス選挙”に徹している。6月20日の告示後、小池が街頭に立ったのは2日間だけだ。しかも、選んだ場所は聴衆が集まる繁華街ではなく八丈島と奥多摩である。
小池の側近だった小島敏郎弁護士が、告示前、「組織票に支えられるエスタブリッシュメントにとって、投票率が上がっては都合が悪い。今回の選挙戦では、小池さんはほとんど表に出てこないのではないかと予想しています(略)公開討論会などで選挙戦が盛り上がっては困るのです」と予告していた通りの展開である。
実際、自民、公明という巨大組織に支えられている小池陣営は、選挙戦は盛り上がらない方が有利だと計算しているに違いない。
小池陣営にとって最悪なのは、メディアと有権者の関心が高まり、小池都政の8年間が検証されることだという。だから、この先、公開討論会にも応じないつもりだ。「東京青年会議所」が主催した24日の討論会に出席した時、対立候補から痛いところを突かれ、懲りたらしい。
しかし、現職知事が有権者の前に姿を見せず、討論会から逃げ回るのは、どう考えても異様だ。都政関係者がこう言う。
「都知事選の本線には関係ないのに、ポスター問題に有権者の関心が移っていることに小池陣営はニンマリしています。候補者が多すぎて掲示板にポスターを貼る枠がないことや、同じ絵柄のポスターが掲示板をジャックしていることを大新聞もテレビも大々的に報じている。これは小池陣営にとっては願ってもない展開です。有権者の関心が逸れてくれたからです。絶対に避けたかったのは、有権者の関心が“小池VS蓮舫”の一騎打ちに集まることだった。ヘタに一騎打ちが盛り上がったら、万が一がありますからね。メディアによっては、蓮舫よりも石丸伸二候補(41)に関心が向かっている。小池陣営は、有権者の関心が拡散され、ホッとしているようです」
神宮外苑再開発に新たな疑惑
小池都知事の背景には自民党。全面のバックアップ(自民党の岸田首相=中央、麻生副総裁、茂木幹事長=左)/(C)日刊ゲンダイ
現在、選挙情勢はどうなっているのか。
情勢調査を行った朝日新聞(24日付)は「小池氏先行 蓮舫氏追う」と報じ、日経新聞(24日付)も「小池氏が序盤先行」と伝えている。
自民党が15〜16日に実施したとされる情勢調査によると「小池44%」「蓮舫32%」だったという。東京都の有権者は1150万人。投票率を前回並みの55%とすると、「小池260万票」「蓮舫190万票」という計算になる。
しかし“火事は最初の5分間”“選挙は最後の5分間”というのが政界の常識である。7.7の投開票日まであと10日。この都知事選、まだ、何が起こってもおかしくない。朝日新聞の調査によると、4割が投票態度を決めていないというからなおさらである。
都政に詳しい政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「永田町では『選挙の勝敗は告示日までに決まる』とも言われます。しかし、都知事選は例外です。無党派層が圧倒的に多いからです。選挙戦終盤に風が吹いたら、情勢は大きく変わってくる。小池知事の不安材料の一つは自民党でしょう。公明党が実施した情勢調査によると、自民党都連が小池支持を決めてニュースになった日、小池支持が一気に下がったといいます。小池知事にとって自民党は最大の組織票ですが、最大のネックになっている。やはり有権者の“自民党ノー”という意識は強いということです。小池陣営は“自民隠し”をしながら選挙戦を進めていくしかないでしょう。しかし、東京の自民党の基礎票は150万票とされますが、はたして“自民隠し”をしながら、どのくらい票が出るのか」
この先、風が吹くとしたら、どんなことがきっかけになるのか。いま、小池陣営が警戒しているのは、明治神宮外苑の再開発にからむスキャンダルだという。
「東京青年会議所」が主催した討論会で、蓮舫から「再開発事業者からパーティー券の購入を受けていませんよね?」と問われた小池は、「パーティー開催については、法律にのっとった形で公表している」と回答を拒否。
さらに、石丸から「イエスかノーかで答えて」と詰められても「さまざまな方にご協力いただいている」と、最後まで疑惑を否定できなかった。
100年守られてきた樹木をバッサ、バッサと切り倒す明治神宮外苑の再開発には批判の声が強い。もし、事業を認可した東京都の知事が、開発業者からパー券を買ってもらっていたことが確定したら、知事選の流れも大きく変わるに違いない。
カギを握る「自民嫌い」の有権者
人前に出ず、有権者の関心を逸らす──。ステルス選挙で逃げ切りをはかる小池戦略は、はたして通用するのだろうか。
「7.7首都決戦」が、過去の都知事選と違うのは、選挙結果が国政に直結するということだ。いくら小池が「自分は無所属だ」と強弁しても、自民党が全面的にバックアップしていることは、隠しようがない。
この都知事選が「自民VS立憲」の代理戦争となっているのは紛れもない事実だ。
もし、自民、公明が支える女帝が敗れ、蓮舫が当選するような事態になったら、日本の政治は劇的に変わっていくだろう。岸田政権は一気に瓦解していく可能性が高い。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「岸田自民党は、春の衆院3補選、静岡県知事選、小田原市長選などと、選挙で負けつづけています。もし、都知事選で自民党が支援する小池知事が敗北したら、トドメになっておかしくない。有権者が“山が動いた”“時代は変わる”と政治に目覚める可能性が高いからです。一気に政権交代のムードが高まっていくでしょう。立憲民主党も勢いづき、政権交代の可能性があるとなれば、野党の協力体制も急ピッチで進むでしょう。一方、小池知事が勝利したら、選挙の連敗をストップさせた自民党は徳俵に足が残り、一息つくことになる。その時、負け方によっては立憲民主党は勢いをそがれ、意気消沈する恐れがあります」
都知事選の結果がどうなるか。カギを握るのは、「反自民党」の有権者だ。朝日新聞の世論調査によると、岸田内閣を「支持しない」と答えた層のうち、知事選の投票先は小池が4割弱でトップだった。蓮舫が3割、石丸は3割弱だった。「自民党はノー」だけど、「小池に投票」という有権者が多いのだ。
「小池知事のイメージ戦略がうまくいっているということでしょう。逆に言うと、残り10日間、都知事選の争点は自民党政治への審判だ、という認識が広がれば、選挙情勢はガラリと変わるはずです」(金子勝氏=前出)
投開票日まで10日。女帝と自民党を高笑いさせていいのか。
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