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※紙面抜粋
※2024年6月26日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
ああ、何という勘違い、国民は自民に退場を迫っているのだ(岸田首相と菅前首相=左)/(C)日刊ゲンダイ
自民党総裁選が9月に迫る中、ここにきて党内から岸田文雄首相(総裁)への退陣要求が噴出し始めた。麻生派の斎藤元総務政務官が16日に「リーダーの責任も大いに議論されるべきだ」と口火を切り、22日には茂木派の東衆院議員が「岸田総理・総裁はゆめゆめ再選などと軽々しく口にすることではなくて、思いとどまって、むしろ自民党に新しい扉を開くその橋渡し役を私は担ってもらいたい」と主張。さらに「自由闊達な総裁選を9月に行使しないといけない」「開かれた党、国民の信頼回復には、新しい門出が求められると思う」と訴えた。
いずれも派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、地元で厳しい批判にさらされている若手だ。このままでは次期衆院選で自分のクビが危ういと、追い詰められた挙げ句、悲鳴、批判の声を上げたのだろう。
そうしたら、いよいよ、この男が岸田退陣論を公然と口にしたことが大々的に報じられている。党非主流派のキーパーソンと目される菅前首相のことだ。菅は23日夜の文芸春秋のオンライン番組で、裏金事件に触れつつ「首相が責任を取っていない。そのことに対する不信感は国民に結構多い」と岸田の政権運営を批判。「総裁選で新たなリーダーが出てくるべきか」と水を向けられると、「そう思う。国民に党刷新の考え方を理解してもらう最高の機会だ」と踏み込み、事実上の退陣論をぶち上げたのだ。
世論が怒り、呆れているのは「自民とカネ」
「(衆院選は)与党で過半数を割るような雰囲気がある」
総裁選で刷新感を出さなければ政権交代につながりかねない──との危機感もあらわにしていた菅。この発言を受け、党内では「いよいよ反旗か」「反岸田ののろしだ」との受け止めが広がった。
とはいえ、良識を持つ国民であれば菅の刷新発言に鼻白んでしまうだろう。なぜなら、菅は裏金事件を受けて自民が立ち上げた政治刷新本部の最高顧問なのだ。いわば“当事者”でもあり、「首相が責任を取っていない」などと他人事のように言うのではなく、少なくとも「ザル法」の政治資金規正法改正案が可決、成立する前に最高顧問として岸田に苦言を呈するべきだったのではないか。
菅は野党が「抜け穴だらけ」と批判していた規正法改正案に対しても表立って異論を唱えることもなくスルー。それでいて今さら「首相の責任」うんぬんもない。さらに言えば、無派閥の菅は、今回の裏金事件と自分は無関係だと考えているのかもしれないが、国民世論が怒り、呆れているのは裏金事件だけではなく、「自民とカネ」の問題全体に対してだ。
例えば官房機密費だ。石川県の馳知事は東京五輪招致をめぐり、開催都市決定の投票権を持つIOC(国際オリンピック委員会)の委員に対し、官房機密費で贈答品を渡したと発言していたが、この時、官房機密費を差配していたのは安倍政権で官房長官だった菅だ。
2019年7月の参院選広島選挙区をめぐる公選法違反(買収)事件で、検察が河井元法相の自宅から押収したメモには「すがっち(菅)500」と書いてあったことも報じられている。菅は国民の不信の原因は「首相にある」と言っているが、自身もこうした怪しいカネについて説明すべきなのは当然ではないか。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「菅前首相といえば、悪しきアベ政治を裏方として支えてきた人物。その人物が悪い自民党政治を何が何でも存続させようと動き回っているわけですが、国民から見ればバカにするにも程がある。とにかく政権の座に居座り続けることだけしか考えていない。相変わらず国民生活は二の次三の次の腐った体質がよく表れていると思います」
「次の首相」で最多は「この中にはいない」
「ポスト岸田」と持ち上げられても、一体、「自民」の何が変わるのか(左から石破、小泉、高市3氏)/(C)日刊ゲンダイ
菅は自身が再選を目指した2021年の総裁選前に岸田に先手を打たれ、不出馬に追い込まれた苦い経験があるから、その時の「恨み晴らさでおくべきか」とばかり、岸田に私憤を募らせているのかどうかは分からない。
菅は番組で「ポスト岸田」についても言及。石破元幹事長や小泉元環境相らについて「期待できる」と持ち上げていたのだが、何をかいわんや。
刷新とは「悪い点を取り除いて全く新しくすること」。つまり、まったく別物になることだ。ところが、菅が「ポスト岸田」で挙げた人物といえば、黒いカネにまみれ、反省もなく自浄能力も期待できない自民という“反社組織”に長くどっぷりつかった連中だ。
「ポスト岸田」と称される議員が裏金事件を受け、関与した議員らに積極的に情報公開を要求したり、全容解明に動いたりしたという話も聞かない。そろって見て見ぬふりをしてきた傍観者であり、そんな「同じ穴のムジナ」に何が期待できるのか。この顔ぶれで「刷新」とは大笑いだろう。
毎日新聞が22、23日に行った世論調査でも、自民党国会議員8人の中から「次の首相にふさわしい人」で、石破(20%)、高市経済安全保障担当相(9%)、上川外相(8%)の順となったが、圧倒的に多数を占めたのは「この中にはいない」(39%)だったから、これが国民の声。
菅がキングメーカーを気取っているのであれば恐るべき勘違いではないか。
「自民党というシステム全体」が諸悪の根源
ANNの世論調査では、「次の衆院選挙後に政権交代を期待する」人は5月調査で52%、6月調査でも49%と依然として高い水準にある。菅は「政権交代したら大変」などと国民を脅しているようだが、明らかに国民は自民に退場を迫っているのだ。繰り返すが、裏金事件で責任を取っていないのは岸田だけじゃない。これは党全体の問題なのだ。
「政治にはカネがかかる」などともっともらしく言いながら、長い間、組織的に常習的に違法、脱法行為の裏金づくりを行い、隠蔽し、バレた途端、政治資金規正法よりも「派閥の指示を優先した」という反社顔負けの説明で逃げ切りを図り、いまだに誰一人として説明責任を果たさず、納税もしない。
一連の経緯からハッキリと分かったのは、国民生活よりも与党国会議員という立場を利用して自分の懐にカネをためることばかりを考えている自民党の卑しい性根だ。
これまでは時の政権の内閣支持率が低下しても、自民党支持率が底堅さを保っていたが、裏金事件で底が割れた。世論は時の内閣に問題があるのではなく、「自民党というシステム全体」が諸悪の根源だったことに気付いたわけで、菅が考えるように「表紙を差し替えて化粧直しすれば、また国民をだませる」と思ったら大間違いなのだ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「かつてリクルート事件で当時の竹下首相が辞任し、後継者として名前が出た故・伊東正義さんは『表紙を変えても中身が変わらなければだめだ』と固辞しました。今の自民党はどうかといえば、中身は全く変わっていないでしょう。党を挙げて裏金事件の隠蔽に動き、反省する様子も全く見られない。単に選挙を乗り切るために顔を変えたいという身勝手な思惑であり、国民もどう思うかでしょう」
自民はやはり下野させるのが一番だ。
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