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沖縄県議選で野党系が敗北…「正義」だけでは飯を食っていけない現実 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/356650
2024/06/25 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
経済の潤いなくしては…(観光客でにぎわう沖縄・国際通り)/(C)共同通信社
沖縄県議選では国政野党系が改選前から4議席減の20議席、保守系が4議席増の28議席となり、16年ぶりに保守系が過半数を制した。大新聞は辺野古の新基地建設賛成派が反対派を上回ったと論評している。野党もその論理に乗ってしまっているが、そこに敗北の大きな原因がある。
誤解を招く表現かもしれないが、現実は「正義」だけでは飯を食っていけないということだ。野党が足をすくわれた原因は「基地反対」という正義ばかりを主張し、きちんとした経済対策を打ち出さなかったことではないか。自民は県議選で政党色を薄め「裏金隠し」をやりながら、ひたすら地域振興を重点的に訴えた。野党はコロナ以降痛んだ沖縄経済の厳しい現実を見ていなかった可能性がある。
2014年からの翁長雄志県政になぜ根強い人気があったのか。翁長氏は東アジア地域にトップセールスして海外事務所も設置して観光客を呼び込み、ハワイに負けない一種の観光ブームをつくったからだ。コロナ禍で落ち込んでしまったが、沖縄はどうやって食べていくか、改めて真剣に考えなければならないだろう。
自民党はこの沖縄県議選直後の18日、参院の政治改革特別委員会で抜け穴だらけの政治資金規正法改正案の採決を強行。彼らは国会さえ閉じてしまえば、どうせ国民は忘れると高をくくっているに違いない。今後は都知事選で「テレビの権力」を使って、小池知事の大手不動産会社との癒着もバックにいる自民党も隠して、沖縄県議選と同じ結果を導こうとしてくるだろう。それに成功したら政権交代は遠のき、結局、裏金事件は全てもみ消されてしまう。安倍派の会計責任者だった松本淳一郎被告が公判で、一度中止が決まったキックバックの再開について、ハッキリと「ある幹部から再開の要望があった」と証言していたが、それさえ追及できない事態になり、悪ははびこっていくのだ。
この国の最大の問題は何か。それは、国政野党が裏金や辺野古新基地建設という「不正義」を追及しながら、アベノミクスによって引き起こされているこの国の経済悪化を総括して、きちんとした対抗策を出せないことである。
足元でも、植田日銀総裁が「7月に利上げがある」と言った瞬間に、足元を見られて1ドル=158円に円安が進み、いまや160円に向かっている。実質賃金は25カ月連続でマイナス、5月の貿易赤字も拡大し、産業は衰退、人口が減り続ける──、こうした悪循環が続いている。このままでは日本経済は衰退の一途だ。食い止めるために、野党は健全な経済政策を打ち出すことが喫緊の課題だ。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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