<■2020行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <正論>「グリーンエネ」で日本は滅びる キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志 2024/5/30 8:00 https://www.sankei.com/article/20240530-ZTVU3EHV2FN5HP2OYPHCJ3IXOI/ 日本のエネルギー政策の方向性を定めるエネルギー基本計画の政府による改定作業が始まった。 年度内を目途として、2050年CO2ゼロを達成するためのグリーントランスフォーメーション(GX)産業政策を立案するという。 だがそもそもの現状の認識を大きく間違えている。 ■世界は脱炭素ではない 政府は 「世界はパリ気候協定のもと地球温暖化を1.5℃に抑制する」 「そのために日本も脱炭素を達成する責務がある」 「今脱炭素に向けて国際的な産業大競争が起きている」 としている。 だがこれは本当か。 確かに多くの国はCO2ゼロを宣言している。 だが実態を伴わず、本当に熱心に実施しているのは、日本と英独など幾つかの先進国だけだ。 米国はと言えば、バイデン政権は脱炭素に熱心だが、議会の半分を占める共和党は猛烈に反対してきた。 実際のところバイデン政権下ですら米産業は世界一の石油・ガス生産量を更に伸ばしてきた。 中国は表向きはいずれ脱炭素にすると言うが、実際は石炭火力発電に莫大な投資をしている。 グローバルサウスのCO2排出は増え続け、 「2050年脱炭素を宣言せよ」 というG7の呼び掛けを端から拒否している。 インドもベトナムも石炭火力発電に投資をしている。 つまり世界は脱炭素に向かってなどいない。 理由は簡単でエネルギー、就中安価な化石燃料は経済活動の基盤だからだ。 ■戦争の枢軸との新冷戦 そもそも気候変動が国際的な 「問題」 に格上げされたのは、リオデジャネイロで1992年に開催された 「地球サミット」 からである。 これが1991年のソ連崩壊の翌年であることは偶然ではない。 冷戦期は米ソ協力は不可能だった。 冷戦が共産主義の敗北に終わり、民主主義が勝利し、世界平和が実現したという高揚感の中、国際協力を深め地球規模の問題を解決しようという機運が生まれた。 当初から幻想に過ぎなかったが、2022年にロシアがウクライナに侵攻したことで完全に崩壊した。 今ロシアはイラン製のドローンを輸入し、北朝鮮から弾薬を購入している。 中国へは石油を輸出して戦費を調達し、あらゆる工業製品を輸入している。 ロシア、イラン、北朝鮮、中国からなる 「戦争の枢軸」 が形成され、ANATOやG7は対峙することになった。 ウクライナと中東では戦争が勃発し、台湾有事のリスクが高まっている。 この状況に及んで、自国経済の身銭を切って、高くつく脱炭素のために全ての国が協力することなど、あり得ない。 戦費の必要なロシアやテロを支援するイラン、その軍事費が米国に匹敵するようになった中国が、敵であるG7の要求に応じて、豊富に有する石炭、石油、ガスの使用を止めるなど、あり得ない。 ごく近い将来、気候変動はもはや国際的な 「問題」 ですらなくなるだろう。 ところが日本政府は未だ世界平和の幻想から覚めやらず、脱炭素に邁進している。 ■日本製造業が崩壊する 政府は日本のCO2排出はオントラックだと自慢している。 何の事かと言うと、2013年以降日本のCO2は減少を続けており、同じペースで直線的に減れば2050年にはゼロになる。 だがこの理由は何か。 8割方は産業空洞化で、省エネや再エネではない。 一体政府は何を自慢しているのか。 このままCO2が減りゼロになれば、産業も壊滅してゼロになる。 原子力を推進するならばよい。 だが政府は規制と補助金により、再エネと、その不安定を補うための送電線と蓄電池を大量に建設し、またCO2回収貯留やアンモニア発電、水素利用も進める。 これら高価な技術にGDPの3%も投じるというが、光熱費が高騰し経済は衰退する。 それでも政府はこのようなグリーン投資こそが世界の潮流だとして、欧州の例を盛んに引き合いに出す。 けれども欧州は、とても日本が真似をすべき対象ではない。 欧州では既に産業空洞化が進行している。 今世界の製造業の29%は中国が占める。 他は米国が16%、日本が7%だ。 欧州勢は、ドイツは5%だが、英仏伊は各2%に過ぎない。 ナンバー1と2である中国と米国は、どちらも化石燃料を大量に利用し、安い光熱費を享受している。 他方で日本以上に脱炭素に邁進しているドイツ等は極めて光熱費が高くなった。 今製造業は益々中国と米国に立地し、日本やドイツ等から逃げ出している。 次期米大統領は 「たぶんトランプ」 だと言われている。 すると脱炭素政策は180度変わる。 米共和党は、気候危機など存在せず、中国やロシアの方が遥かに重大な脅威だと正しく認識している。 バイデン政権が推進した脱炭素政策は悉く改廃される。 日本はどうするのか。 中国そして戦争の枢軸に負けるわけにはいかない。 愚かな脱炭素政策によってドイツ等と共に経済的に自滅するのを止めるべきだ。<主張>エネ計画の改定 原発の積極活用を目指せ 社説 2024/5/20 5:00 https://www.sankei.com/article/20240520-GQVVF5675ZMSVPAJIA2JGT6KRQ/ 国のエネルギー政策の指針である 「エネルギー基本計画」 の見直しに向けた議論が始まった。 令和22(2040)年度の電源構成などを検討し、令和6(2024)年度中に改定する。 ロシアによるウクライナ侵略でエネルギー情勢は一変し、エネルギー安全保障の重要性は一段と高まっている。 次期計画では脱炭素と共に、低廉で安定したエネルギー供給を両立する戦略を描く必要がある。 そのために必要になるのは原発の活用拡大である。 岸田文雄政権は令和4(2022)年12月にまとめた 「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」 で原発を最大限活用する方針に転換した。 生成AI(人工知能)の普及などによって今後、増大が見込まれる電力需要に対し、原発は大量の電気を安定的に供給できる。 現行計画では令和12(2030)年度の電源構成のうち原発は20〜22%としているが、令和4(2022)年度の実績は5.6%にとどまっている。 活用拡大には、新規制基準に合格した原発を着実に再稼働すると共に、原発の建て替えや新増設が欠かせない。 政府は次期計画でそうした方針を明確に示し、実現に向け率先して取り組んでもらいたい。 脱炭素を進めるため、再生可能エネルギーの導入拡大も論点となる。 だが、天候に左右される再エネを増やせば、電力供給は不安定化が避けられない。 立地を巡り地元住民とのトラブルも増えている。 蓄電池や送配電網の整備といった課題解決の手段も並行して議論しなければならない。 大量のCO2を排出する石炭火力発電の是非も重要なテーマだ。 先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合でCO2の排出削減対策を講じていない石炭火力を令和17(2035)年までに廃止することで合意したが、日本は令和4(2022)年度で30%超の電気を石炭火力で賄っている。 日本は燃やしてもCO2を排出しないアンモニアを石炭に混ぜて燃やす技術開発を進めている。 軌道に乗れば、石炭火力の割合が高いアジアの脱炭素にも貢献できるはずだ。 政府は和4(2022)年に向けた脱炭素化と産業政策の方向性を盛り込んだ新戦略を和6(2024)年内に策定する。 次期エネルギー計画に沿う形で企業の投資を支援し、国内産業の競争力強化に繋げたい。 第7次エネルギー基本計画、原発の位置づけ踏み込めるか エネルギー経済社会研究所・松尾豪代表 2024/5/15 14:29 https://www.sankei.com/article/20240515-OKZDSY37RRNBJHNW3N2RTZK624/ 現行のエネルギー基本計画は、2050(令和32)年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向け、政府が令和12年度に温室効果ガスを平成25年度比で46%減らすと打ち出した目標を念頭に決まった。 今回の見直しで、どれだけ深堀りされた内容になるかが注目される。 電源構成では原発をどう位置付けるかだ。 この10年で原発再稼働は限定的だった。 原発の高経年化が指摘される中、 「リプレース(建て替え)」 の必要性など踏み込んだ議論ができるかだろう。 再生可能エネルギーに関しては、海外で導入拡大の動きが衰えず、化石燃料の依存度も下げないといけない中で、計画で野心的な数字(比率)が出てくる可能性もある。 再エネでは洋上風力発電と次世代太陽電池 「ペロブスカイト太陽電池」 の期待が大きい。 ペロブスカイトは国産技術で、サプライチェーン(供給網)の構築もテーマだ。 化石燃料は難しい課題だ。 先進7カ国(G7)は温室効果ガスの排出削減対策を取っていない石炭火力発電に関し、2035(令和17)年までの段階的廃止で合意した。 だが原発や再エネがうまく拡大しないと化石燃料に頼らざるを得ない。 人工知能(AI)の普及などで電力需要が急増すると、火力発電も必要だとの声が高まるかもしれず、情勢は不確実だ。 「原発新増設、次期エネ基に」 林欣吾・電事連会長 再エネ、負担のあり方議論 2024/5/3 2:00 https://www.sankei.com/article/20240503-RR7PTDAKSFK2FAM2XN5ZFJDZ3Y/ 大手電力で作る電気事業連合会の会長に2025年4月1日付で就任した林欣吾氏(中部電力社長)が2024年5月2日、産経新聞のインタビューに応じた。 2024年度は政府が、国のエネルギー政策の指針となる 「エネルギー基本計画」 を見直す重要な年で、林氏は 「長期的に原発の役割は増していく」 との認識を示した上で、原発の建て替えや新増設が計画に盛り込まれるよう、働き掛ける意向を示した。 国内では人口減少が進む一方で、生成AI(人工知能)の普及に伴い電力消費の多いデータセンターの増設が見込まれることから、林氏は 「電力需要のボリュームは増えていく」 と指摘。 その上で脱炭素化を進める観点でも 「原発は最も現実的でコストの良い電源だ」 と述べた。 東京電力福島第1原発事故後、廃炉を決めた24基を除くと、原発36基のうち再稼働できたのは12基にとどまる。 林氏は 「遅れている再稼働を進めるだけでなく、新増設、リプレース(建て替え)、新型炉を含めた開発を総動員しないと、日本を支えるエネルギーを賄うボリュームを、達成できない」 と強調した。 今後エネルギー基本計画の策定を巡り、電事連として国への働き掛けを行う。 また再生可能エネルギーについても 「最大限の開発をしていかなくてはいけない」 とした。 ただ再エネは選択肢が増える一方で発電コストが高く、普及に向けて電気料金に上乗せされる賦課金などが家計を圧迫するとの不満は根強い。 林氏は 「公平に、国民の負担で(再エネを)増やしていくことが必要」 と話し、東日本大震災後に国が電力自由化などを決めた 「電力システム改革」 の検証作業の中で、発電コストの負担の在り方について議論を進めたい考えを示した。 太陽光パネルの放置防げ 10年後に大量廃棄時期到来 技術確立へ対策急ぐ 2024/5/3 16:56 https://www.sankei.com/article/20240503-7SROT5ML6ZJWHNFSYHA4XJW5OQ/ 急斜面に設置された太陽光パネル。国は大量廃棄時期を迎える前の技術確立を目指している=平成30年7月、静岡県伊東市 https://www.sankei.com/article/20240503-7SROT5ML6ZJWHNFSYHA4XJW5OQ/photo/A5Q3UVPMQFJT5IL5U3HU4746JA/ 全国に設置された太陽光パネルが2030年代(令和12〜21年)中盤に大量廃棄の時期を迎える見通しとなり、国が対策を急いでいる。 中国製の安価な輸入パネルはヒ素など有害物質が含まれる恐れがあり安全な処理が必要だが、費用がかさめば適切に廃棄されず放置や投棄が増えかねない。 太陽光パネルが全国で一斉に広がったのは平成24(2012)年からだ。 この年、政府が再生可能エネルギーの普及を目指し、発電した電気の全量を電力会社に買い取らせる固定価格買取制度(FIT)を導入したのを契機に、参入する事業者が続出した。 ただ、買い取り期間は10キロワット以上の設備で20年間。 令和14(2032)年には初期に参入した事業者の買い取りが終了し、売電価格が大幅に下落する見通し。 パネルの寿命は20〜30年で、およそ10年後には大量廃棄の時期を迎える。 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の試算ではパネル廃棄のピークは令和17(2035)〜令和19(2037)年頃になりそうで、年間17万〜28万トン程度の廃棄を見込む。 ■積立金不足の懸念 パネルの廃棄は事業者の責任だが、多くが対策を講じてこなかった。 このため、令和4(2022)年4月施行の改正再生可能エネルギー特別措置法で、太陽光発電設備の廃棄費用の積み立てが義務化された。 稼働から10年が経過した出力10キロワット以上の設備などが対象で、売電収入から廃棄に充てる積立金が自動的に引かれる仕組み。 問題になるのは廃棄コストが積立額を上回るケースだ。 パネルには一般的に鉛やセレンなど有害な物質が含まれる上、安価な中国製パネルには透明度を上げるため猛毒のヒ素などが含まれている場合があり、安全に廃棄するには費用が膨らむ。 また、パネルや土台などの設備が放置された場合は、火災や土砂崩れなど災害を誘発しかねない。 ■リサイクルを支援 リサイクルの技術的なハードルも高い。 ガラス技術研究所の織田健嗣所長によると、パネルに使うガラスには取り除くのが難しい化学物質が含まれているため、現状では断熱材に使うグラスウールなど取り除かなくても利用できる用途にリサイクルが限定されている。 環境省は産廃事業者の技術力向上に向け、高度な技術を活用するリサイクル事業を国が認定し、事業拡大を支援する法案を今国会に提出。 伊藤信太郎環境相は2024年4月の記者会見で 「(パネルの)安全な廃棄が重要だ」 「大量廃棄が起きる前に技術を確立したい」 と述べた。 くつざわ亮治氏「『河野一族は中国共産党の犬』などとブログに書いたら河野太郎大臣に訴えられました…」 2023/12/28 https://sn-jp.com/archives/149645 2024/4/13 【解説】「中共の犬国防の敵」河野太郎問題とズブズブの紀藤弁護士 https://aichinahn.hatenablog.com/entry/2024/04/13/001935 <中共の犬>よばわりしたら河野太郎に告訴された 河野太郎デジタル担当大臣と”徹底抗戦”します WiLL2024年6月号 日本改革党代表 元豊島区議会議員 くつざわ亮治 ■前代未聞のの訴訟 この度、河野太郎デジタル担当大臣に訴えられました! 現役の国務大臣が私人を名誉棄損で訴えたという事例は聞いたことがなく、被告となった私自身も驚いています。 事の発端は、自民党総裁選の最中である2021年9月20日、私がブログで 「河野太郎は一族ぐるみで中国共産党に飼われていました、はい試合終了」 と題し、河野太郎氏のファミリー企業 「日本端子」(本社・神奈川県平塚市) について書いたことです。 ブログの内容は次の通りです。 河野太郎は一族ぐるみ中国共産党に飼われてました、はい試合終了 20210920 2021/9/20 https://go2senkyo.com/seijika/165194/posts/303109 <河野一族は中共の犬でした!お疲れ様でした! 洋平が実質オーナーで太郎の実弟の二郎が社長を務める日本端子株式会社(年商120億円)の中国子会社、北京日端有限公司は日本端子60%、京東方科技集団股分有限公司40%出資の合資会社 京東の責任者の陳炎順は今年(2021年)6月に全国優秀党員に選ばれたエリート共産党員だった つまり中共4割と> 今から2年以上も前の事なので、書いた私自身もすっかり忘れていましたが、この内容について、突如、2023年11月2日に代理人弁護士を通じて 「通知書」 が届きました。 河野太郎氏側は 「ブログの削除」 と 「謝罪要求」 をしてきましたが、一般人ならばこの時点で怖がって要求を呑んでしまう。 ところが、私が代理人弁護士を通じて拒否したところ、訴訟に発展しました。 河野太郎氏側は加えて220万円の支払いを要求しています。 「今更なぜ?」 と首を傾げましたが、来る2024年9月の自民党総裁選を意識し、都合の悪い批判記事を削除しておきたい意向があるのではないか。 つまり、私への訴訟は 「批判に対しては容赦なく訴訟を起こしていく」 という。 一種の”見せしめ”なのでしょう。 ■”中共の犬”仲間 しかも、現役大臣が訴訟を起こすという稀な案件にもかかわらず、テレビや新聞は無視を決め込んでいます。 メディアも野党も追及しないのは、”中共の犬”仲間だからでしょう。 小西洋之参議院議員も一般人を名誉棄損で訴えましたが、権力のない野党議員なら話題にならないのも理解できます。 しかし、与党の、しかも総裁候補に名前が挙がる現職大臣が一般人を名誉棄損で訴えた事実を、なぜ、どこも取り上げないのか。 非常に不可解です。 テレビも新聞も支局を人質にされ、結局は中国に逆らえないのです。 大きな権力に配慮するのは裁判所も同じです。 当初、この訴訟は裁判官が1人で進める単独部に回されたのですが、途中から3人の裁判官が付く合議部に回されました。 私の代理人弁護士に聞いても、民事の名誉棄損の裁判で合議制は聞いたことがないとのこと。 恐らく裁判所は訴状を受け付けた段階で、 「原告 河野太郎」 を見た時に、まさか現役の大臣であるとは思わず、通常通り単独部の裁判に回した。 ところが、ある時点で大臣本人ということに気付き、慌てて合議部に回したのでしょう。 裁判所も原告が国務大臣の裁判を1人の裁判官に任せるのは、まずいと判断したのではないか。 裁判の状況ですが、今年(2024年)1月を皮切りに、口頭弁論(原告・被告双方の代理人が、互いに意見や主張を述べること)が2回行われました。 しかし、公開の法廷で原告・被告本人を呼んでの争いは行われていません。 公開の法廷を開くと、傍聴席は埋め尽くされ、”河野太郎糾弾集会”のようになってしまうことを裁判所が懸念しているからでしょう。 裁判所が訴えの取り下げを原告側(河野太郎氏)に遠回りに示唆している可能性もあります。 裁判所が大臣という権力者にここまで配慮するとは、果たして公正な裁判になるのでしょうか。 ちなみに、かつて 「ゴキブリ」 と誹謗中傷された政治家が訴訟を起こそうとしたところ、裁判所から 「政治家は批判されるのが仕事でしょう」 と門前払いされた例があります。 なぜ 「ゴキブリ」 は良くて、 「犬」 はダメなのでしょうか(笑)。 ■中共の犬である根拠 もちろん、私が書いた”河野一族は中共の犬”という内容に事実誤認があるとは到底思えません。 河野太郎氏の実父である洋平氏が官房長官として発表した 「河野談話」(1993年) の後、日本端子は北京で子会社を作ることが許されました(同年の1993年、河野太郎氏は日本端子の常務に就任。現在は辞めている)。 河野談話を読んだ中国から 「河野洋平は使いやすい」 と判断され、見込まれたのでしょう。 中国でビジネスをするには、中国共産党の資本を入れて合資会社にし、株の比率も五分五分にしなければならないという条件があります。 ところが日本端子の子会社は、自身の持ち株比率が多いという有利な条件で、北京、香港、蘇州に立て続けに設立しました。 聞くところによると、神奈川県平塚市にある本社ではなく、中国本土にある3つの会社が事業のメインになっているそうです。 世界最大級のEC(電子商取引)事業を手掛ける 「アリババグループ」 を創業したジャック・マー氏が中国共産党を批判し、習近平政権に目を付けられ、ここ数年で公の場から姿を消しましたが、あれほど巨大な会社ですら中国共産党に逆らうと粛清される。 言い換えれば、中国でこれだけ有利な条件で商売が出来ている日本端子が中国共産党の言いなり(犬)なのは間違いないでしょう。 ちなみに日本端子の株主は11人ですが、全員が河野一族です。 筆頭株主は洋平氏で30%を所持。 20%は弟の次郎氏(社長)が持っており、河野太郎氏自身も3%ほど所持しています。 最新の政治資金収支報告書によると、日本端子は400万円を河野太郎氏が代表を務める自民党神奈川県第15選挙区支部に献金として寄付しており、河野太郎氏は未だに親から”お小遣い”を貰っているのです。 普通の会社なら、400万円も支部に寄付することに関して株主から文句が出ますが、株主は全員河野一族なので、当然文句も出ません。 ■”徹底抗戦”します 河野太郎氏がお金に困っているとは到底思えませんので、支払い要求されている220万円という金額からも、原告が被告からお金を取ろうと考えている裁判でないことは明らかです。 河野太郎氏側は 「訴えた」 という事実を作りたかったのでしょう。 勝敗はさておき、私は全面的に戦う覚悟で”徹底抗戦”します。 ブログを削除したり、表現を変えるつもりは一切ありません。 裁判が長引けば長引くほど、 「河野一族は中共の犬と書いたら訴えられました」 と言い続けられるので、私としてはむしろ好都合です。 もちろん勝訴したら 「裁判所が河野太郎は中共の犬と認めた」 と騒ぎ立てます(笑)。 負けたら 「裁判所が大臣に配慮した」 と大騒ぎするので、いずれにしても、 「河野一族は中共の犬」 という事実が広まるわけですから、目的は達成できそうです。 仮に220万円の要求が22万円に変われば、こちらとしては勝ったも同然です。 今回の件で分かったことは、河野太郎氏の政治家としてのセンスの無さです。 安倍晋三元首相も山口二郎氏(北海道大学名誉教授・法政大学法学部教授)から 「安倍は人間じゃない」 「叩き斬ってやる」 と公然と侮辱されました。 しかし、安倍晋三元首相は眉一つ動かさず、訴えたりはしなかった。 それに比べて、河野太郎氏は何と器の小さいことか。 政治家、ましてや現役の大臣であるならば、政策や言論で勝負すべきです。 私は言論を持って、書いたブログ記事は事実であると確信していますので、河野太郎氏の理不尽な 「言論弾圧」 には屈せず、戦っていきます! ■エネルギー分野に中国の介入 河野太郎氏の問題はこれだけにとどまりません。 再生可能エネルギーに関する規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(以下、再エネTF)に、中国の国営電力会社 「国家電網公司(でんもうこうし)] のロゴマークが入った資料が提出されました。 この資料を提出した民間構成員(現在は辞任)の大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)は、何と河野太郎氏が推薦した人物です。 河野太郎氏は記者会見で大林ミカ氏の起用について 「特に問題があったということではない」 と述べましたが、国家の根幹に関わるエネルギー分野に中国の干渉(侵略)を許しているのですから、問題だらけでしょう。 仮に問題がないなら、なぜ大林ミカ氏は有識者メンバーを辞任したのでしょうか。 後ろめたいことがないなら、辞める必要はないはずです。 河野太郎氏はこの件について 「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」 と吐き捨てたそうですが、ネットを見下すポーズを取っておきながら、私の 「河野一族は中共の犬」 というブログはスルーできなかったようです(笑)。 自然エネルギー財団はソフトバンクの孫正義氏が設立し、会長に就任していますが、タスクフォースの民間委員4人のうち、2人が自然エネルギー財団の人間です。 4人全員が自然エネルギー財団の関係者という時もあったようで、まさに”ズブズブ”の関係であることが分かります。 ■”大儲け”の太陽光ビジネス しかも、再エネ賦課金制度を作ったのが河野太郎氏と孫正義氏です。 2024年4月から再エネ賦課金が年間6000円台から1万6000円台に値上がりしましたが、値上がりした賦課金のほとんどがメガソーラーを設置できる事業者に回されます。 日本端子の主要ビジネスが太陽光パネル事業なので、さぞかし儲かることでしょう。 日本端子は太陽光パネル周辺部品の特許をいくつか持っているので、他社が作った部品でも儲かる仕組みになっています。 つまり、河野太郎氏はこの制度を都合よく利用し、立派な”公金チューチュービジネス”をしているのです。 河野太郎氏があれほど 「脱原発」 を訴えていたのも納得でしょう。 しかも太陽光パネルの生産は中国が8割なので、実質中国にカネが流れます。 日本人の税金を中国企業に流す手引きをしているのですから、 「売国奴」 と言われてもやむを得ない。 おっと、こんなことを言ったら追加訴訟されてしまうかもしれません。 日本のソーラーパネルの敷設面積は世界で1位になってしまいましたが、山を切り開き、景観を壊して敷き詰められる太陽光パネルにはおぞましさを感じます。 日本の政治家ならば食い止めるべき自然破壊が行われているにもかかわらず、河野太郎氏は再エネ賦課金制度を廃止せずに、むしろ活用する。 このような人物を首相どころか、国会議員にしておくこと自体、危険です。 その危険さがどこまで国民の間に広がるかが重要です。 次の衆議院選挙でどのくらい票を減らすのか。 神奈川15区の有権者さん、国益のために良識ある御判断をお願いします! 中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料 https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/ 再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料 https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/ 活動家「大林ミカ」があぶり出した河野太郎の危険な政治手法 Hanada2024年6月号 経済学者 池田信夫 ■内閣府資料に中国企業ロゴ 2024年3月23日(土)の朝、X(旧ツイッター)にこんな呟きが出た。 <内閣府の「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」(再エネTF)の構成員提出資料に、なぜか中国の「国家電網公司」の透かしが入っていました> これを見付けたのは電力会社の社員だが、内閣府のホームページで公開された再エネTFのスライドには、右上に白地に白で 「国家電網公司」 という図のようなロゴマークがあった。 国家電網公司は中国の国営電力会社だが、このロゴは大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)の資料のほとんどの図に付いていた。 白地に白で描かれているのでパソコンでは見えないが、携帯のアプリでは見える場合がある。 なぜ、自然エネ財団の資料に中国の国営電力会社のロゴが付いているのか。 これは大林氏が中国の工作員だという暗号かーこれを私が紹介したところネット上で拡散され、数百万回表示された。 それを受けて同日2024年3月23日(土)14時30分に、内閣府はホームページから大林氏の提出した資料を削除した。 マスコミは(産経新聞を除いて)報道しなかったが、2024年3月25日に内閣府は説明資料を公開した。 ここに至って他の新聞も報じ、他の新聞も報じ、 「中国国家電網公司」 というロゴマークについて色々な推測が行われた。 当初は、無断複製を防ぐ 「電子透かし」 ではないかと言われたが、内閣府によれば、国家電網公司が2016年のシンポジウムの資料で使ったスライドの定型(テンプレート:「フォーマット」は「ビジネスでは文書を作成する上での形式や構成のこと」。「テンプレート」は「ビジネスでは元からあるレイアウトや定型部分に合わせて文章を入れていくひな形のこと」)に青地で白で入ったロゴだという。 それが何かの手違いでコピーされたと言うが、こんな現象はシンポジウムの資料のような印刷用ファイルをコピーしても起こらない。 テンプレートは、プレゼンテーションソフト(マッキントッシュのKeynote)に入っている機能で、同じ背景やロゴなどをコピーして使うものだ。 大林氏はシンポジウムの資料をコピーしたのではなく、国家電網公司の内部資料を入手して、そのテンプレートを使い回していたと思われる。 大林ミカ氏は自然エネルギー財団で 「アジアスーパーグリッド」【英語: Asian Super Grid、略称:ASGは日本、中華人民共和国、韓国、台湾、モンゴルおよびロシアなどを接続する電力網<スーパーグリッド(英語版)>の構想である】 という広域電力網の担当者だった。 その組織、GEIDCOの会長は、国家電網公司の劉振亜会長(中国共産党委員会書記)だった。 自然エネ財団は、中国の影響下にあるのではないか。 自然エネ財団は 「国家電網公司との間には人的・資金的関係はない」 と説明したが、これは嘘である。 自然エネ財団の孫正義会長はGEIDCOの副会長だった。 今回の騒ぎで自然エネ財団はGEIDCOから脱退したが、今後も関係は続けていくとしている。 ■大林ミカとは何者か 今回の事件で一躍有名になったのが大林ミカ氏だが、財団のホームページの経歴には 「大分県中津市生まれ、北九州市小倉出身」 としか書いていない。 職歴も原子力資料情報室など活動家の経歴ばかりで、学問的業績は何もない。 エネルギー産業の実務経験もない。 再エネTFは内閣府の有識者会議である。 そこにこんな怪しげな活動家が入ったのは何故か。 しかも、再エネTFのメンバー4人のうち2人(大林氏と高橋洋氏)は自然エネ財団のメンバーであり、河野太郎規制改革担当相と山田正人参事官は再エネ推進派だから、再エネTFは再エネ業界のロビー団体ではないかーこのような疑問がネット上で多く寄せられ、大林氏は2024年3月27日に再エネTFを辞任したが、今に至るも学歴については説明していない。 自然エネ財団がホームページに掲載した追加説明によれば、大林氏は 「語学学校を卒業後、子育て等を経て、1992年に原子力資料情報室に参加」 と書いてあるが、どこの語学学校かは書いていない。 本人も原子力資料情報室にアルバイトとして入った時、 「何の専門家でもない私ができる事は何なのか」 と自問している。 このように大林ミカ氏はエネルギー問題の素人だが、活動家としての経歴は華やかである。 原子力資料情報室は高木仁三郎(じんざぶろう:物理学者)の作った反原発団体で、三里塚(さんりづか)闘争で1坪地主になるなどの過激な活動で知られる。 大林氏は原子力資料情報室を辞めた後、飯田哲也氏(再エネ活動家)と共に 「環境エネルギー政策研究所」 を設立し、2011年の福島第1原発事故の後、孫正義氏の設立した自然エネ財団に移った。 社民党党首、福島みずほ氏の 「応援団」 と自称し、グリーンピース日本支部の理事でもある。 そんな活動家が、なぜ内閣府の有識者会議に入ったのか。 本人は記者会見で 「河野太郎大臣の推薦と聞いている」 と語ったが、内閣府は国会で 「事務方が人選して河野太郎大臣が了承した」 と答弁した。 この事務方とは山田正人参事官である。 山田正人参事官はかつて経済産業省の反原発派で、核燃料サイクルに反対して左遷された。 その時、河野太郎氏と接点があり、それ以来、ずっと河野太郎氏と一緒に霞が関の傍流を歩んで来た。 ■孫正義氏と自然エネ財団 そんな日陰者の反原発派が一挙に脚光を浴びたのが、2011年の福島第1原発事故だった。 飯田哲也氏と民主党政権に食い込み、ちょうどその時出来た再エネの固定価格買取制度(FIT)を最大限に利用した。 これは電力会社に再エネ電気の全量買い取りを義務付け、その価格を原価より高く設定して利潤を保証する欧州の制度だった。 この時、孫正義氏は 「太陽光発電は原発より安い」 と言う一方で、 「単価がキロワット時40円以上でないと採算が取れない」 という要望を政府に出した。 孫正義氏は国会などで次のような図を見せて、 「EU(欧州連合)の平均買い取り価格は58円だ」 と主張した。 しかしこれは、実は【2009年の買い取り価格】だった。 欧州では2000年代に再エネバブルが起こり、買取価格が上がったが、リーマン・ショックでバブルが崩壊して価格が大幅に下がったのだ。 これは孫正義氏も知っていたはずだが、菅直人首相に直訴し、2012年12月に菅直人首相がトップダウンで事業用40円、住宅用42円という買い取り価格を決めた。 調達価格等算定委員会の委員長だった植田和弘氏(京大教授)は、 「諸外国との比較を行い、【施行後3年間は例外的に利潤を高める】」 と説明したが、その調達価格等算定委員会の資料には、2012年の買い取り価格はドイツの事業用(平地設置)で18.76ユーロセント(約20円)と書かれていた。 「諸外国との比較」 では、日本の買い取り価格は当時、世界一だったのだ。 日本でもメガソーラーなら当時でも20円以下だったが、それが2倍以上の価格で20年間全量買い取り保障され、リスクゼロなのだから、外資が大量に参入して数兆円の投資が行われた。 この時、書類審査による事業認定だけで買い取り価格が決まったため、認定されたが稼働できない物件が大量に発生し、それが今も平均36円の価格で買い取られている。 この買い取り価格と火力の価格の差が【再エネ賦課金】である。 バカ高い買い取り価格が付けられた結果、2030年までに累計44兆円の再エネ賦課金(=再エネ業者の超過利潤)を電力利用者は払わなければならない。 更に重大な問題は、自然エネ財団の孫正義会長が社長を務めるソフトバンクグループ(SBエナジー)が、再エネに数兆円の投資をして数千億円の利益を上げたことだ。 公益財団法人の認定基準として、 「社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し【特別の利益を与えない】ものであること」 という規定がある(公益法人認定法第5条の2)。 自然エネ財団のロビー活動はこれに違反する利益相反であり、公益法人認定を取り消すべきだ。 ★利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態を言う。 このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。 利益相反は、そこから非倫理的もしくは不適切な行為が行われなくても存在する。 利益相反は、本人やその地位に対する信頼を損なう不適切な様相を引き起こすことがある。 一定の利益相反行為は違法なものとして扱われ、法令上、規制対象となる。 また、法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る。 ■「河野の威を借る狐」 自然エネルギー財団(大林ミカ他)は2023年10月11日に、私の3つのX投稿(ツイート)が名誉棄損だとして、東京地裁に損害賠償訴訟を起こした。 これは 「再エネ詐欺の総本山が、この自然エネルギー財団」 「大林ミカは、政府の再エネタスクフォースで、激しく利益誘導をやっている」 「ここにも特捜のガサが入るだろう」 などと書いたものだ。 2022年には、私は秋本真利(まさとし)衆議院議員からも名誉棄損で訴訟を起こされた。 これも 「検察が捜査してるんじゃないか」 というツイートだったが、秋本真利氏は私の予言通り、2023年9月に東京地検特捜部に収賄の容疑で逮捕された。 ここで私が問題にしたのは、自然エネルギー財団だけではなく再エネTFの利益誘導である。 これは2020年10月に、菅義偉首相が 「2050年カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出実質ゼロ) を宣言した後、内閣府の規制改革担当大臣だった河野太郎氏が集めた 「私兵」 である。 根拠法もなく、人選は山田正人参事官(河野太郎の腹心)が友人を集めたものだ。 もちろん資格審査もしていないから、大林ミカのような活動家も紛れ込んでしまう。 しかも、再エネTFの4人の構成員(大林ミカ・高橋洋・川本明・原英史)のうち2人(大林ミカ・高橋洋)は自然エネ財団のメンバーという利害関係者であり、これは有識者会議というより再エネ業界のロビー団体である。 これは、国家を巻き込んで再エネ業者に数十兆円の利益を与えた。 再エネTFは所管外の経産省の有識者会議などに殴り込み、支離滅裂な利益誘導を繰り返した。 特に、2021年の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会のエピソードは有名である。 再エネTFは、非化石証書について提言にこう書いた。 <現状では「非化石」価格にプラスの価格を付けて取引する一方で、化石燃料については、何らペナルティ(炭素排出等に対するマイナスの価値)が課せられていないため、【積極的に普及すべき再生可能エネルギーの利用が、逆に割高になってしまう】という弊害が生まれている> これには総合資源エネルギー調査会のメンバーが驚いた。 非化石価値というのは、再エネで発電した 「グリーン電力」 に通常より高いプレミアムを付けて売る制度である。 企業はこの証明書を買えば 「当社の電力は再エネ100%です」 などと宣伝でき、再エネ業者も利益を得る。 ところが、再エネTFはこれを逆に理解して 「再エネが割高になってしまう」 と言うのだ。 これには総合資源エネルギー調査会の委員が激怒し、 「このような最低限の知識もない委員で構成されたような組織(再エネTF)が内閣府に存在していること自体がどうかと思う」 「行政改革の対象じゃないか」 とコメントした。 こんな素人集団が、経産省だけでなく総務省や農水省などの有識者会議で暴れ回り、露骨な利益誘導を繰り返し、電力業界は彼ら(再エネTF)を 「虎の威を借る狐」 と呼んで恐れた。 虎とは、もちろん河野太郎大臣である。 ■停電寸前でも再稼働反対 2022年3月22日、東京電力の管内は大停電(ブッラクアウト)の一歩手前だった。 その最大の原因は、2022年3月17日の地震で東電と東北電力の火力発電所が停止し、出力が335万キロワット低下したことだが、もう1つの原因は2022年の【3月という時期】に地震が起こった起こったことだった。 冬の電力消費のピークの1月から2月には火力はフル稼働するが、3月は停止して補修点検する。 おまけに季節外れの大寒波で、130万キロワットの供給不足になる見通しだった。 このままでは大停電になるため 「電力逼迫情報」 が出され、揚水発電をフル稼働して連携線で電力を融通し、供給電圧の低め調整という危険な対策まで動員して電力需要を抑制し、大停電を免れた。 ところがこれについて、再エネTFは 「電力は足りているから原発再稼働は必要ない」 という提言を出して、電力関係者を驚かせた。 それによると、 「冬の最大需要は5380万キロワットだったので、3月の最大需要4840万キロワットを満たす供給力は存在していた」 から、原発再稼働や火力の増設は必要ないという。 これに対して、資源エネルギー庁が詳しく反論した。 2022年の3月は約1000万キロワットが定期補修に入っており、最大に稼働しても4500万キロワット程度が限度だった。 合計270万キロワットの柏崎刈羽6・7号機が動いていれば予備率は5%以上あり、大停電のリスクはなかった。 なぜ、再エネTFは原発再稼働に反対し、ギリギリの電力運用を求めるのか。 その最大の理由は、原発が動くと再エネが送電線に【タダ乗り】できなくなるからだ。 送電線は大手電力(旧一般電気事業者)が建設した私有財産だが、今は原発が動かせない大手電力の送電線を再エネ業者が借りて使っている。 しかし、原発が再稼働すると大手電力の送電が優先になるので、再エネ業者は自前の送電線を建設しないといけない。 だから原発再稼働に反対するのだ。 こういう再エネ業者のエゴイズムを提言と称して役所で発表し、マスコミに売り込んで 「電力は足りている」 などとデマを流す利益誘導が再エネTFの仕事である。 ■河野氏のヒトラー的手法 3・11(2011年3月11日の東日本大震災)以降、民主党政権が国際相場の2倍で買い取らせたFIT(固定価格買取制度)と、違法に止めた原発によって日本経済は数十兆円のダメージを受け、今尚立ち直れない。 その原因は、民主党政権のエネルギー政策を経済産業省が利用し、電力自由化の懸案だった【発送電分離】を強行したからだ。 発送電分離は、電力会社の発電部門と送電部門を分離して競争させる改革で、英米では1990年代に行われたが、日本では東電の政治力が強いため分離できなかった。 ところが、原発事故の処理で経営破綻した東電が原子力損害賠償支援機構の傘下に入って、実質的に国有化された。 これは 「親会社」 になった経産省にとって千載一遇のチャンスだった。 原発が全て止まり、再エネの価格が世界最高になった状況で、エネ庁は無知な民主党政権を利用して火事場泥棒的に電力自由化を強行したのだ。 これは反原発・再エネ派にとっても大勝利だった。 発送電分離の下では、発電会社は供給責任を負わない。 燃料費のかからない再エネ業者は安い限界費用で卸電力市場(JEPX)に卸し、固定費を負担しない新電力はそれを仕入れて高い小売値で売って大儲けした。 河野太郎氏は 「再エネは原発より安くなった」 と主張して、発送電分離を進めた。 その結果、何が起こったか。 1日の内、太陽光発電が使えるのは3時間程度である。 残りの21時間は火力や原子力でバックアップしないといけないが、原子力は出力を変えられないので、火力が 「負荷追従」 して再エネの不足を補う。 条件の良い昼間には再エネの電力を全量買い取るので、火力は止めないといけない。 これによって火力の稼働率が落ちるので採算が悪化し、古い石炭火力が廃止される。 その結果、毎年のように電力不足が繰り返さるようになったのだ。 このような電力不足を防ぐために経産省が導入したのが、【容量市場】である。 これは簡単に言うと、古い火力が採算に合わなくなっても、それを廃止しないで温存する制度である。 具体的には、電力広域的運営推進機関(広域機関)が4年後に必要な発電容量を公募し、オークションで発電会社から買い取る。 ところが、再エネTFはこの容量市場に反対し、総合資源エネルギー調査会で執拗に反対意見を繰り返した。 これをけしかけたのは河野太郎氏で、2021年の第6次エネルギー基本計画が決まる時、エネ庁の責任者を内閣府に呼び付けて 「容量市場を凍結しろ」 と怒鳴り上げた。 この音声データが『週刊文春』に取り上げられて話題を呼んだ。 これほど河野太郎氏が容量市場に拘るのは、新電力が競争で不利になるからだ。 容量市場は古い火力の発電容量を買う制度だから、大手電力は自社の発電所の容量を売り、広域機関からそれを買うので、ほとんど純負債が発生しない。 それに対して、発電設備を持っていない新電力は広域機関に拠出金を払うので、1〜2割コスト増になる。 このため、大手電力との競争に負けるというのだ。 これは身勝手な理屈である。 容量市場は再エネのバックアップなのだから、そのコスト負担が嫌なら自前で発電設備を持てばいいのだ。 政府の方針が気に入ら似ないと、再エネTFのような 「突撃隊」 を使い、所管外の役所に法を超えて介入する河野太郎氏の手法は、ヒトラーが私的な軍事組織でワイマール共和国を破壊したのと同じである。 ■中国の国益に奉仕する 私は、規制改革に反対しているのではない。 内閣府の規制改革推進会議にも協力したことがある。 しかし河野太郎氏と再エネTFがやっているのは、規制改革の私物化である。 例えば、2023年12月に規制改革推進会議の出した中間答申には、なぜか(参考)として再エネタスクフォース(TF)の実績が書かれている。 規制改革推進会議は内閣府が正式に設置した会議だが、再エネTFは法的根拠のない河野太郎氏の私兵である。 その報告が、なぜ規制改革推進会議の答申の中に紛れ込んでいるのか。 これについて国会で追及された内閣府は答えられなかった。 恐らく河野太郎が押し込んだのだろう。 中国との関係についても、自然エネ財団の説明は不自然である。 大林ミカ氏の資料に入っていたロゴは、大林ミカ氏が国家電網公司の内部文書を使って資料を書いたことを示している。 国家電網公司は自然エネ財団を使って情報操作すると同時に、内閣府の機密情報を入手していたのではないか。 特に、アジアスーパーグリッドは危険である。 ウクライナ戦争でロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプライン 「ノルドストリーム」 が遮断され、ドイツ経済が危機に陥った。 これは、ドイツのメルケル首相が 「ロシアとの相互依存で欧州の平和を守る」 という構想で実現したものだが、相互依存はリスクの原因ともなる。 もし中国と日本の電力網が一体化したら、台湾有事の際に中国が日本への送電を止め、大停電に追い込むこともできる。 不安定な再エネを増やし、火力や原子力を廃止すると、有事の際には電力供給ができなくなる。 そういう状況に日本を追い込もうとしている再エネTFの活動は、中国の国益に沿っている。 再エネTFが理想とするドイツは、パイプラインの遮断でエネルギー価格が暴騰し、経済が破綻して成長率がマイナスになった。 日本の太陽光パネルの70%以上は中国製であり、40兆円以上の再エネ賦課金は中国への資金援助のようなものだ。 新電力にも上海電力など多くの中国資本が入っており、有事の際には中国共産党が日本国内の中国系新電力に電力供給を止めるよう指令できる。 エネルギーは経済安全保障のコアである。 河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFは、再エネを全国に拡大して火力を廃止に追い込み、日本のエネルギーを脆弱化して中国の支配下に置くことに貢献している。 河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFが中国の工作員かどうかは分からないが、結果的に中国の国益に奉仕していることは間違いない。 この問題について内閣府は調査中だが、その調査を行うのが疑惑の張本人の河野太郎大臣では、調査結果は信用できない。 電取委(電力・ガス取引監視等委員会)などの第3者が、この4年間の再エネTFと自然エネ財団の活動家である大林ミカ氏の身辺調査については、公安警察などの協力も必要である。 ★負荷追従運転 需要家による電力消費量(発電システム側にとっての負荷)は常に変動しつつあるため、短時間での負荷変動に対応した出力調整運転を特定の発電所において行うことをいう。 1日の負荷変動を表す日負荷曲線は季節、曜日、気象条件等に応じて一定のパターンを持ち、どの負荷水準まではどの発電所で対応するか、また負荷の変化に対してどの発電所がどの程度対応するかは予め決められている。 我が国では原子力発電は負荷の変動に関係なく一定の出力で運転されており、負荷変動に追従するためには短時間での出力制御が容易な火力発電が用いられている。 ただし、原子力発電でも技術的に負荷追従運転は可能であり、原子力発電比率が発電全体の80%近くを占めるフランスでは、実際に多数の原子力発電所において日常的に負荷追従運転が行われている。 河野太郎 日本の電力が中国に握られる ”将来の総理候補”を取り巻く「再エネ推進ネットワーク」の闇を暴く WiLL2024年6月号 ジャーナリスト 櫻井よしこ 産業遺産情報センター・センター長 加藤康子 ■説明責任を果たせ ★櫻井 中国の浸透がここまで進んでいたのかと驚愕しました。 ”中国企業ロゴ問題”です。 再生可能エネルギーを巡る内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴマークが入った資料が提出されていました。 TFを主導したのは河野太郎デジタル担当相、資料を提出したのは 「自然エネルギー財団」 事務局長の大林ミカ氏です。 大林ミカ氏は河野太郎氏の推薦により、TFのメンバーになった。 国家の根幹に関わるエネルギー政策を議論する政府中枢にも、中国は影響を及ぼしていたわけです。 ★加藤 大林ミカ氏は会見を開き、 「パソコンの操作ミス」 と釈明。 TFメンバーを辞任しました。 ★櫻井 「パソコンの操作ミス」 で終わる問題でも、大林ミカ氏辞任という”トカゲの尻尾切り”で済む問題でもないと思います。 ★加藤 河野太郎氏は国会で、 「(ロゴは)現時点でウイルスであったり、何か有害な要素があったりするということではない」 と弁明した。 しかし、これは論点の掏(す)り替えです。 大林ミカ氏とは一体どんな人物なのか。 中国とはどんな関係なのか。 河野太郎氏はなぜ大林ミカ氏をTF入りさせたのか。 河野太郎大臣と自然エネルギー財団の目的は何なのか。 説明責任を果たしていません。 ★櫻井 自然エネルギー財団は2011年、孫正義氏によって創設されたと、財団のホームページなどに書かれています。 同財団が目指しているのが、 「アジアスーパーグリッド(ASG)」 に他ならない。 ASGとは何か。 中国、韓国、台湾、インド、モンゴル、東南アジア、ロシア・・・。 アジアのほぼ全域に、3万6000kmの送電網を張り巡らせ、各国間で太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)の相互運用を進めるというものです。 ■首根っこを押さえられる ★加藤 ASGを更に発展させた国際送電網の構築を目指しているのが、中国の非営利団体 「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」。 ”電力版一帯一路”と考えてもらって構わない。 2016年に設立された際、自然エネルギー財団は理事会に加わりました。 GEIDCOの会長には中国国家電網公司の劉振亜会長(当時)が、副会長には孫正義氏が就任している。 ★櫻井 ASGを主導しているのは、紛れもなく中国です。 そこに日本が参加すれば、エネルギー供給の安定を中国に依存することになる。 国家の首根っこを押さえられるに等しい。 ★加藤 生殺与奪の権を中国に握らせることになります。 電気や水などのインフラは絶対に自前で賄わなければならない。 ★櫻井 欧州でも、国境を越えて電気をシェアする動きが見られます。 しかし、その範囲は価値観を共有する国に限定しなければならない。 北方領土を不法に奪い取ったままのロシア、尖閣諸島を奪おうとしている中国などあり得ません。 ★加藤 脱原発と再エネ導入を進めたドイツは、 「ノルドストリーム」 から輸送されるロシアの天然ガスに依存していました。 そんな中、ロシアが天然ガス供給を止めると、ドイツの経済と国民生活はたちまち大混乱に陥りました。 ドイツは電力が足りない時はフランスから原子力を輸入していますが、ロシアのウクライナ侵攻以降、家庭用電気料金は日本の2倍にもなりました。 エネルギー政策の転換を迫られています。 ★櫻井 軍事の専門家たちは口を揃えて、台湾有事がいつ起こってもおかしくないと語っています。 ASGは 「再エネ版ノルドストリーム」 のようなものです。 台湾侵攻に踏み切ると同時に、中国が日本への電力供給を止めるー。 そんなシナリオも考えられます。 ■”所管外”に口を出す ★櫻井 問題となったTFは4人のメンバーから構成されています。 大林ミカ氏の他に、高橋洋氏も自然エネルギー財団の特任研究員という肩書を持っています。 ★加藤 河野太郎氏は外相時代の2018年、外務省に 「気候変動に関する有識者会議」 を設置しました。 9人いた有識者のうち、3人が自然エネルギー財団の関係者でした。 大林ミカ氏、高橋洋氏、同財団副理事長の末吉竹二郎氏です。 有識者会議では、化石燃料の中止や再エネの推進が議論されていました。 ★櫻井 人選が明らかに偏っています。 有識者会議が提出する報告書に法的拘束力はない。 しかし、著名な政治家が主宰する会議の結論は自ずと大きな影響力を有します。 河野太郎氏はなぜ自然エネルギー財団の関係者を重用するのか。 再エネをなぜ異様に推進しているのか。 化石燃料の否定は日本の国益にどう合致するのか。 様々な疑念が残ります。 ★加藤 GEIDCOの総会資料には、日本の役割として 「アジアのインフラ開発を促進するために、政府開発援助(ODA)による財政的・技術的支援を強化する」 という文言が記されている。 資料が作成されたのは2018年、当時の外相は河野太郎氏です。 総会には孫正義氏もビデオメッセージを送っている。 ★櫻井 ”電力版一帯一路”を実現するために、日本からODAを引き出そうと企んでいるのでしょうか。 ★加藤 外務省に確認したところ、モンゴルの風力発電にはODAが使われているそうです。 外務省としては、それが”電力版一帯一路”に組み込まれているかどうかは認識していない。 ★櫻井 外務省にそのつもりがなくても、結果的に中国の野望を助けることになる可能性があります。 ★加藤 北海道や九州には再エネ発電施設が多い。 日本政府は今、電力の生産地と東京などの消費地を結ぶ送電網を強化しようとしている。 北海道と東京を繋ぐルートには、1兆5000億円もの予算が充てられる予定です。 九州と中国地方を繋ぐ送電網も、4000億円ほどで増強される。 事業者の選定は入札により行われるので、外国企業が参入する恐れがあります。 日本国内にとどまらず、大陸にも送電網を伸ばすなどと言い出しかねない。 自然エネルギー財団のホームページによると、東京電力も中国国家電網と毎年、人的交流を行っているそうです。 ■神奈川グループの暗躍 ★櫻井 河野太郎氏は防衛相時代、自衛隊施設の電力を再エネで賄うという方針を決めました。 全国にある969施設のうち、50施設で再エネの調達が可能となっている。 電力調達の再エネ比率が100%の施設も36あります。 ★加藤 山口県の防府北基地はタイのエネルギー企業 「バンプーグループ」 の子会社と電力供給契約を結んでいる。 バンプーグループは中国とのビジネス契約が強い。 電力使用量を把握することで、自衛隊の動きも推測できます。 国防の要となる自衛隊基地の電力供給を不安定な再エネ、しかも外資に頼るのは安全保障上の問題がある。 ★櫻井 防衛相、外相、デジタル担当相・・・。 河野太郎氏はどのポジションに就いても、常に再エネ推進の立場から影響力を行使しようとする。 ”所管外”なのに口を出したがりますね。 ★加藤 河野太郎氏にとっては反原発と再エネ推進が1丁目1番地。 政治家としての絶対的な使命なのかもしれない。 ★櫻井 河野太郎氏の他に、菅義偉元総理、小泉進次郎氏らも再エネ推進に熱心です。 菅義偉元総理は神奈川県を地盤とする河野太郎氏、小泉進次郎氏を将来の首相候補に育てようとしているのでしょう。 ★加藤 菅義偉政権時代、河野太郎氏(規制改革担当相)と小泉進次郎氏(環境相)が再エネ推進の実働部隊となりました。 菅義偉総理は首相就任後の所信表明演説において、2050年までに 「カーボン・ニュートラル」、 つまりCO2排出ゼロを目指すと表明した(2020年10月)。 政府はその目標を達成するための 「グリーン成長戦略」 を公表(2020年12月)。 その後、小泉進次郎氏が 「おぼろげながら浮かんできた」 という”迷言”と共に、2030年までにCO2排出量を46%削減すると言い放った(2021年4月)。 間もなくして、菅義偉政権は 「規制改革実施計画」 を閣議決定(2021年6月)。 自然公園や砂防指定地にも再エネ発電施設の建設を認める方針などは、河野太郎氏が設置したTFの主張を丸呑みしたものです。 大林ミカ氏は当時もTFのメンバーでした。 ★櫻井 最終的に、第6次エネルギー基本計画(エネ基)が公表されました(2021年10月)。 第5次エネ基では、2030年の総発電量に占める再エネの割合は22〜24%でした。 第6次エネ基では、その数字が36〜38%と大幅に引き上げられました。 ■そもそも日本に向いていない ★櫻井 再エネには発電量のコントロールなど弱点があります。 それを補うために研究開発を続けるのは構いません。 しかし、原発を稼働させなければ日本の産業は衰退の一途を辿ること、国民生活に重い負担を掛けることも同時に認識すべきです。 「カーボンニュートラル」 を達成したいのであれば、CO2を排出しない原子力を活用しなければならない。 ★加藤 太陽光が災害に弱いことも指摘しておきたい。 能登半島地震では、19カ所の太陽光パネルが破損、崩壊していることが発覚しました。 太陽光パネルは壊れても尚、発電を続けるので危険です。 ここ最近でも、鹿児島県伊佐市のメガソーラーで火災が発生しました(2024年3月27日)。 その際は消防隊員4人が負傷、鎮火に20時間以上を要した。 宮城県仙台市青葉区でもメガソーラーが発火。 鎮火に35台の消防車が出動した(2024年4月15日)。 日本は現在、国土面積当たりの太陽光発電量で世界一ですが、自然災害の多い日本はそもそも再エネ導入に不向きなのです。 事業者の責任問題も曖昧になっています。 能登半島においても、事業者が被災したメガソーラーに責任を取らない事態が起こっている。 ソーラーパネルによっては鉛、ヒ素、カドミウム、セレンなどの有害物質が検出されています。 環境破壊に繋がるだけでなく、産業廃棄物となり、壊れても発電する上に、人体に悪影響を及ぼしかねない危険も孕んでいる。 ■元凶は菅直人と孫正義 ★櫻井 福島第1原発の事故後、民主党政権は原発停止に踏み切りました。 不足した電力供給を補うために、海外から天然ガスなどを輸入。 火力発電で穴埋めしましたが、燃料の調達コストは数十兆円にも上ります。 ウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰で、我が国の電気料金は更に上昇している。 ★加藤 再エネ賦課金も国民生活に重くのしかかっています。 元凶は民主党政権。 菅直人元総理が2011年、再エネの固定価格買取制度(FIT)を導入した。 ★櫻井 風力発電や太陽光発電の事業者がFITの認可を得られれば、生み出した電気を20年に渡り固定価格で買い取ってもらえます。 買い取るのは電力会社ですが、そのコストは各家庭の電気料金に上乗せされる。 国民がツケを支払わせられる一方、再エネ事業者は高収益が保証される仕組みです。 ★加藤 再エネ賦課金は今年2024年5月、1.4円から3.49円/キロワット時に引き上げられます。 1カ月の電力使用量が1世帯当たり月400キロワット時だとすれば、1年間で1万円から1万7000円の再エネ賦課金の値上げとなり、電気料金に加算されます。 これは今年2024年に限ったことではない。 毎年、再エネにどんどん認可が下りているので、国民の負担は今後更に増えていくでしょう。 国民がこの負担に耐えられるのかは疑問です。 ★櫻井 FITがスタートした2012年、再エネの売電単価は事業用が40円、住宅用が42円でした。 この数字は他国と比べても2倍、一時は3倍ほど高かった。 菅直人総理の決定を称賛していたのが孫正義氏です。 FITの枠組みを決める際、孫正義氏が暗躍していたとも言われている。 その後、孫正義氏は再エネビジネスでも大儲けしています。 利益誘導を疑われても仕方がありません。 ★加藤 経済産業省に置かれた 「調達価格等算定委員会」 が、FITの売電単価や再エネ賦課金の価格を議論しています。 2012年3月、経済学者の植田和弘氏(京都大学名誉教授)が委員長に就任。 植田和弘氏は2017年まで委員長を務めた。 注目すべきは、植田和弘氏が2013年8月に自然エネルギー財団の理事になっていること。 ★櫻井 冒頭の”中国企業ロゴ問題”に繋がりましたね。 ■絶対に総理にしてはならない ★加藤 植田和弘氏がいた京都大学では、 「再生可能エネルギー経済学」 という日本風力開発の子会社の寄附講座が設置されていた。 担当の特任教授は山家公雄氏。 山家公雄氏は日本風力開発の子会社役員でもあった。 ★櫻井 日本風力開発と言えば、衆院議員の秋本真利氏との”贈収賄”が思い出されます。 秋本真利氏は洋上風力を巡り、日本風力開発の創業者から賄賂を受け取っていた。 秋本真利氏は逮捕され、自民党を離党しています。 ★加藤 秋本真利氏が国会議員になったきっかけは河野太郎氏との出会いです。 秋本真利氏は地方議員時代、大学院に通っていた。 大学院に特別講師としてやってきたのが河野太郎氏。 その時、河野太郎氏から国会議員になるように勧められたと自ら語っています。 国政進出を果たした後、秋本真利氏は自民党内における反原発の急先鋒として名を馳せた。 河野太郎氏も 「自民党一番の脱原発男」 と称賛しています。 ★櫻井 再エネを巡る怪しい動きや人物について調べると、なぜか河野太郎氏に辿り着くことが多い。 ★加藤 真野秀太氏という人物がいます。 真野秀太氏は 「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」 なる組織の副代表を務めている。 真野秀太氏のプロフィールを調べると、 「自然エネルギー財団を経て、SBエナジー株式会社にて再生可能エネルギー発電事業に携わる」 とある。 SBエナジーは現在 「テラスエナジー」 に改称していますが、かつてはソフトバンクグループの完全子会社でした。 驚くべきは、真野秀太氏には 「河野太郎代議士秘書」 という肩書もあったことです。 一体全体、河野太郎氏の周辺では何が起きているのか。 ★櫻井 河野太郎氏についてはファミリー企業 「日本端子」 を巡る問題も燻っています。 ★加藤 日本端子の大株主は父・洋平氏で、太郎氏も株を所有している。 1995年の北京事務所開設を皮切りに、中国各地に事業所を展開しています。 ★櫻井 河野太郎氏の危うさをいち早く見抜いていた人物がいます。 安倍晋三元総理に他なりません。 2021年の自民党総裁選において、安倍晋三元総理は高市早苗氏を推しました。 その背景には”河野太郎だけは絶対に総理にしてはならない”という危機感があったはずです。 ★加藤 安倍晋三元総理は、党員に人気がある河野太郎氏を警戒していた。 反原発の急先鋒である河野太郎氏が総理に就任すると、偏ったエネルギー政策を推進する恐れがあります。 日本経済を危うくするのではないかと危惧されていました。 保守派の支持を高市早苗氏に集め、決選投票で高市早苗票と岸田文雄票を合算すれば、河野太郎氏に勝てるのではないかという戦略です。 その読みは見事に的中。 河野太郎氏は総理・総裁の座を逃した。 日本が救われた瞬間です。 ■自動車産業を追い出すのか ★加藤 小泉進次郎氏の言動にも注意が必要です。 小泉進次郎氏も河野太郎氏と同様、再エネに熱心な政治家の1人。 小泉進次郎氏は電気自動車(EV)推進の発言も目立ちますね。 ★櫻井 菅義偉政権の 「カーボンニュートラル宣言」 により、日本政府は2035年までにガソリン車の販売終了を目指しています。 ★加藤 今年2024年2月、 「ゼロエミッションフォーラム」 というイベントが開催されました。 小泉進次郎氏はそこで、 「全国1700の自治体にEVを配ろう」 などと提案していた。 ★櫻井 ウクライナ戦争などを契機に、欧米は再エネの限界に気付きました。 補助金を付けてもEVは消費者から敬遠されています。 各国が掲げたEV普及率の目標達成は程遠い。 欧米ではエネルギー政策、EV普及政策の見直しが進められています。 ★加藤 ドイツの国営放送DWが先日、 「EV時代の終焉」 という番組を流しました。 再エネEVを牽引してきたあのドイツでもEVは凋落傾向にある。 隔世の感(変化が激しく、まるで世代が変わってしまったような感じ)を禁じ得ません。 ★櫻井 ドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止しました。 中国はEVで最先端を走っていましたが、大手の非亜油(BYD)さえも方向転換。 ハイブリッド車などに注力しています。 そんな中、なぜか日本政府には補助金を止める気配さえありません。 ひたすらEV推進の道を突き進んでいる。 世界で起きていることを理解しているのかと疑います。 世界の潮流に取り残されようとしているのです。 ★加藤 EV開発に力を入れるのは構いません。 しかし、今の政策はやり過ぎです。 世界はEVの購入補助金を廃止する方向に動いている。 これだけ補助金を投じても、世界の自動車市場の9割が内燃機関(エンジン車)。 欧州におけるEVの普及率は15%ですが、日本がお得意とする北米では6%弱、日本では2%に及びません。 世界の新車販売台数は8600万台。 その約3割に当たる2600万台強が日本メーカーの車で、そのほとんどがエンジン車です。 エンジン車を後10年で廃止するとなれば、倒産を余儀なくされる企業が出てきます。 メーカー各社は製造ラインの設計やエンジン開発に10年単位の時間をかけている。 政治家の一言が、技術者のモノ作りに懸ける情熱を台無しにしてしまうのです。 ★櫻井 日本はモノ作りの国です。 製造業なくして日本経済の繁栄はあり得なかった。 自動車産業を潰した後、一体誰が経済を支えていくのか。 ★加藤 製造業はGDP(国内総生産)の2割に当たる。 製造業における設備投資の26%、研究開発費の30%は自動車産業が占めています。 日本の基幹産業であり、外貨の稼ぎ頭でもあるのです。 自動車産業なくして、日本経済は立ちゆきません。 その産業構造を破壊して国外に追いやるという発想が理解出来ない。 ”経済弱体化政策”に他ならない。 ★櫻井 雇用にも影響するでしょうね。 日本国内において、自動車産業に従事するのは約550万人、 労働人口の約10%を占めている。 そのうち、製造に関わるのは約90万人です。 ★加藤 その多くは大手メーカーではなく、協力会社の部品工場などで働き、地域経済を支えている人たちです。 日経平均株価がバブル期を超え、一部の投資家たちは浮かれています。 しかし、日本経済を支えているのは投資家ではない。 生産設備なのです。 エンジン車は3万点の部品を必要としますが、EVはエンジン車よりも構造が単純なので部品数も少ない。 EVの製造コストの4割を占めるのは電池ですが、電池は原材料と精製過程における圧倒的なシェアを中国が握っている。 EVが普及すれば、中国が自動車覇権を握る仕掛けになっているのです。 急速なEV化を進めれば、内燃機関やトランスミッションなどの日本が得意とする部品を供給する会社は経営が厳しくなる。 100万人が路頭に迷う可能性すらあります。 ■怪しい知事たち ★加藤 政治家は製造業を軽視する傾向があるのでしょうか。 静岡県知事の川勝平太氏による、新入職員入庁式での”職業差別”発言です(2024年4月1日)。 「県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです」 「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」 「ですから、それを磨く必要がありますね。」 食卓を支える農業、経済の根幹たる生産者を完全に見下しています。 しかし、川勝平太氏や県庁職員の給料は、農家や製造業従事者が納めた税金から払われている。 一体何様のつもりか。 ★櫻井 失言がメディアに報じられると、川勝平太氏は辞意を表明しました(2024年4月2日)。 川勝平太氏は辞任の理由について、 「一番大きかった理由はリニア」 と説明した。 JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したから、もう目的を達成したと言わんばかりです。 ★加藤 川勝平太氏は静岡工区の南アルプストンネル工事を頑なに認めなかった。 その結果、リニア開業は2034年以降に遅れるとも報じられています。 ★櫻井 川勝平太氏が国家的プロジェクトを止めたことによる損失は何十兆円、何百兆円にも達するでしょう。 日本は世界に先駆けてリニアを開通させる予定でした。 ところが、川勝平太氏が大井川の”命の水”云々と言って、理由にもならない理由で工事を許さなかった。 リニア開業が遅れることで利益を得るのは中国です。 中国が日本より先にリニアを開業させれば、中国がリニア技術を世界各国に売り込むことができます。 私は学者としての川勝平太氏を尊敬していました。 『文明の海洋史観』 も名著です。 しかし、静岡県知事になってからは国益を見失ってしまったように思います。 日本ではなく、中国共産党のために働いていたとしか考えられない。 日本国民への裏切りに他なりません。 ★加藤 ”国益を蔑ろにする知事”と言えば、東京都知事の小池百合子氏です。 小池百合子氏はカイロ大学卒業を巡り、かねて”学歴詐称”が疑われている。 『文藝春秋』(2024年5月号)では、小池百合子氏の元側近が新たな告発を行いました。 ★櫻井 4年前の2020年、石井妙子氏の『女帝小池百合子』が文藝春秋から刊行されました。 その時も小池百合子氏の”学歴詐称”疑惑が騒がれました。 当時は何とか切り抜けましたが、今回は疑惑を打ち消す工作をした人の告白です。 告白が真実なら、小池百合子氏は学歴を詐称しただけにとどまらず、偽文書を作ったことになります。 ★加藤 小池百合子氏も河野太郎氏と同様、再エネやEVを推進していますね。 小池百合子都政の下、新築戸建て住宅などに太陽光パネルの設置を義務付ける条例が制定された。 その背景にも自然エネルギー財団の影が見え隠れします。 東京都参与に、元東京都環境局の大野輝之氏という人物がいますが、大野輝之氏は自然エネルギー財団の常務理事でもある。 大野輝之氏は小池百合子都政が掲げる”ゼロエミッション東京”というメッセージを絶賛。 太陽光パネル義務化やディーゼル車規制のブレーンとも言われています。 ■”外圧”でしか変わらない ★櫻井 再エネを巡り、国際社会は大きな揺り戻しの只中にあります。 2050年までにCO2排出ゼロを達成することで、気温上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への姿勢が変化している。 その趨勢を決定付けるのが、2024年11月に控えるアメリカ大統領選挙です。 トランプ政権はかつてパリ協定から離脱しました。 トランプ氏が復活すれば、アメリカはバイデン政権の環境重視政策から脱却するのではないか。 ★加藤 トランプ氏が大統領に就任したら、最初に手を付けるだろうとされているのが、バイデン政権のEV振興策の廃止です。 環境エネルギー部門ではビベック・ラマスワミ氏の閣僚起用を検討している。 ラマスワミ氏はインド系の実業家で、共和党の大統領候補者指名争いにも参加していました。 ラマスワミ氏が環境・エネルギー政策を担当すれば、アメリカは劇的に変わるでしょう。 ラマスワミ氏は民主党が重視する 「WOKE資本主義」 からの離脱を主張しています。 WOKEとは、LGBTの権利保護、ジェンダー平等や昆虫食などの”意識高い系”を指す。 ラマスワミ氏はESG(「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮した企業経営や投資活動)、SDGs(持続可能な開発目標、『英語: Sustainable Development Goals、略称: SDGs(エスディージーズ)』)は、2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標)、EVの欺瞞も著書で鋭く批判している。 アメリカではロシアのウクライナ侵攻以降、数多くのESGファンドが破綻したことから、”反ESG”旋風が巻き起こっている。 それまでは環境や社会に配慮する企業への投資が推奨されていましたが、その流れが変わりつつあります。 気候変動の国際的枠組みにはウォール街の主要機関が参画、企業活動を監視していました。 23州の司法長官がそれを反トラスト法に違反していると判断したのです。 更に18の州では、ESG投資による年金運用が禁止となりました。 その結果、ウォール街の投資家たちはESG銘柄を売り払う方向に舵を切っています。 ★櫻井 日本は良くも悪くも”外圧”で変わる国です。 アメリカの政策転換は日本にも変化をもたらす可能性が高い。 ★加藤 アメリカ大統領選は激戦州の動向が鍵となります。 例えばミシガン州は前回、バイデン氏が勝利した。 しかし、メディアの支持率調査では、今のところトランプ氏が10ポイントほどリードしている。 ミシガン州は自動車部品メーカーが多い。 自動車部品メーカーの多くはこれまで民主党を支持してきましたが、今回はトランプ氏に票を入れるでしょうね。 エンジン車の産業構造を破壊するバイデン氏に嫌気が差しているのです。 ★櫻井 パリ協定は既に破綻しています。 世界の潮流を見誤り、国力を衰退させるような事態は絶対に避けなければなりません。 再エネへの巨額投資は産業界と国民に大きな負担をかけます。 ひいては主要産業の海外流出を招き、経済成長を止めてしまう。 ★加藤 エネルギー安全保障という国益のためにも、再エネ推進派の行き過ぎた政策に目を光らせておく必要があります。 再エネ議連は自民党内で大きな政治力がある。 特に河野太郎氏や小泉進次郎氏らはその中心にあり、後ろ盾となっているのが菅義偉元総理です。 ★櫻井 まずは”中国企業ロゴ問題”について、説明責任を果たしてもらいましょう。 ”再エネの闇”に切り込むための第一歩です。 岸田政権が”しれっと”進めるステルス増税の山 こっそり、分かりづらく国民を苦しめている WiLL2024年6月号 シンガーソングキャスター saya ■再エネ賦課金の闇 2024年4月使用分から 「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」 が1.40円/kWhから、3.49円/kWhに値上がりします。 月400キロワット使用する標準的な家庭で計算すると、これまで1家当たり年間6000円程度だったのが、一気に倍以上の1万6000円程度値上がりします。 5、6月は比較的過ごしやすい気候のため、エアコンを使うことは、ほぼありませんが、本格的な暑さが襲う7、8、9月の電気料金には注意が必要です。 そもそも、 「再エネ賦課金」 とは、再生可能エネルギー普及のため、電気代に上乗せして徴収されている課金のことであり、 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」 に基づいて誕生しました。 電力会社が、再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用を我々利用者に転嫁させる制度で、2012年に当時の菅直人政権で導入されました。 なぜ、こんな事になるのか。 分かり易く言えば、再生可能エネルギー(主に太陽光発電事業者)の利益、売上のために全国民が高い電気料金(再エネ賦課金)を負担させられているわけです。 再エネ賦課金は岸田政権で成立した制度ではないので、岸田総理のみを責めるのは酷ですが、再エネ賦課金の廃止や見直しを検討するならまだしも、更に引き上げたことは批判されて当然です。 これは税金ではありませんが、賦課金という形で国民から徴収されており、庶民からすれば税金と何ら変わりはありません。 加えて電気を使わない家庭など、ほぼありませんから、全国民が強制的に太陽光発電事業者の”養分”になっているのです。 太陽光発電事業者側に立てば、発電した電気を固定価格で100%買い取ってくれる制度なので、売り上げが100%保証される何ともオイシイ仕組みであり、その売り上げの負担を全国民が負うという悪魔じみたものです。 この制度がある限り、震災や原発事故を理由に綺麗事で参入してくる事業者が増えるでしょう。 また、太陽光パネルの製造業者は、ほとんどが中国であり、国内業者は淘汰され、中国企業が幅を利かせています。 例えば、トリナ・ソーラー(中国企業)は業務実績として、日本各地に設置した太陽光パネルの航空写真を堂々とホームページに掲げています。 再エネ賦課金制度とは、極端に言えば、中国に”貢ぐ”システムなのです。 また、太陽光発電用の多結晶シリコンの80%は中国製で、その半分以上が強制労働を強いられているウイグル人の住む新疆ウイグル自治区で生産されており、ジェノサイド(集団殺害)に加担することにもなります。 環境省が当初試算したデータによると再エネ賦課金の推移は2030年にようやく一番高値の2.95円/kWhになる想定であったにもかかわらず、2019年時点で既に2.95円/kWhとなり、2022年には3.45円/kWhにもなり、平気で嘘を付き、値上げラッシュ。 再エネ賦課金は今や、政府の試算データや報告書ですら嘘を付く何でもありの状態です。 少子化対策用の健康保険料の上乗せ分も月平均500円、ワンコインだっただと試算を出し、その僅か2週間後には年収によって倍以上の金額に。 しかも毎年増額されるなどと掌返しする政府です。 最初は国民負担が少額だから問題ないといった説明をしていても、あれよあれよと値上がりし、気が付けば恐ろしい金額になり、あっという間に重税国家になってしまうことは目に見えています。 河野太郎を「精密検査」する Hanada2024年6月号 福井県立大学名誉教授 島田洋一 ■「河野グレタ郎」でブロック 「政治家河野太郎」 の最大の問題点は、その頑なな脱炭素・反原発イデオロギーによって、日本のエネルギー基盤を破壊し、日本社会を滅亡に追い込みかねない所にある。 河野太郎氏が野党の議員なら実害は小さい。 ところが、LGBTイデオロギーの稲田朋美議員同様、政府与党の中にいて、政策を動かし得る立場にあるため、非常に危険な存在となっている。 ところで御多分に洩れず、私も河野太郎氏のX(旧ツイッター)からブロックされている。 エネルギー問題を中心に河野太郎氏の政治姿勢を批判しつつ、 「河野グレタ郎」 と呼んだのが理由らしい。 河野太郎氏自身、著書『日本を前に進める』(2021年)で、 「グレタ・トゥーンベリさんの登場等によって気候危機に多くの関心が集まっている」 と反炭素活動家グレタさんへの尊崇の念を記しているので、このニックネームを喜んでも不思議はないと思うのだが。 一般人ならともかく、大臣を歴任し、首相を狙おうかという政治家が、 「グレタ郎」 程度の揶揄に我慢できずブロックするとは狭量に過ぎるだろう。 私は少なからぬ政治家のXを批判的に引用リポストしているが、河野太郎氏ほど神経過敏な反応を示した例はない。 さて河野太郎氏は前記著書におて、外相時代に国際再生可能エネルギー機関(IRENA)総会で(2018年1月)行ったという演説を数ページに渡って紹介している。 官僚が用意した原稿を全面的に書き直させたという。 よほど胸を張りたい内容なのだろう。 河野太郎氏の認識、基本姿勢がよく分かる。 長いので部分的にカットしつつ、引いておく。 「今、私たちは新しい時代を迎えています」 「再生可能エネルギーの時代です」 「・・・皆さんは、再生可能エネルギーの導入では世界から大きく遅れている日本の外務大臣が何を言うか、とお思いかも知れません」 「私も、日本国内の再生可能エネルギーを巡る現在の状況は嘆かわしいと思います」 「再生可能エネルギーの劇的な価格下落や気候変動問題が脱炭素化を不可避にしている世界の趨勢から目を背け、変化を恐れて現状維持を優先した結果、日本の再生可能エネルギーの電源割合目標は2030年で22〜24%という大変低い数字にとどまっています」 「・・・これまでの日本の失敗は、世界の動きを正しく理解せず、短期的なその場しのぎの対応を続けてきた結果です」 「・・・かように現在の日本の現状は嘆かわしいものですが、しかし、私は今日、このIRENA総会の場で、今後、日本は新しい思考で再生可能エネルギー外交を展開し、世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った一貫した対応を取っていくことを宣言したいと思います」 脱炭素化運動を 「世界の趨勢」 と信じ込み、異論を一顧だにせず、 「バスに乗り遅れるな」 とのめり込む姿勢が顕著である。 この演説が行われた当時(2018年1月)、自由世界の中心をなすアメリカの有権者は、脱炭素原理主義を排する共和党トランプ政権を選んでいたが、それは 「趨勢」 に入らないらしい。 「人間活動による地球温暖化」 を所与とする前民主党オバマ政権の立場は非科学的で、米企業の競争力を不必要に弱めるとして退け、テクノロジー開発を通じたエネルギーの効率利用を無理なく進めるのが正解との立場を採っていた(ちなみに国際エネルギー機関によれば、トランプ時代のアメリカは炭素の排出削減量で世界1位。「トランプは炭素を撒き散らした」はファクトではない)。 河野演説が言う 「世界の趨勢」 は、当時も今も 「リベラル・インテリ世界の趨勢」 に過ぎない。 アメリカはじめ、現に展開されている複雑な動きを素直に見据えたものではなかった。 今やヨーロッパ諸国でも、脱炭素への行き過ぎた傾斜への反省が語られ、 「電気自動車(EV)への移行」 等にも急速にブレーキが掛かっている。 2025年以降、アメリカが再びトランプ政権となれば、一層はっきりとした 「趨勢」 となるだろう。 原子力発電が再評価され、アメリカは、ウイグル人の強制労働を用いていることを理由に、中国製太陽光パネルの全面禁止を決めた。 河野太郎理論は到底、 「世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った」 ものではない。 非常に視野の狭い独善と言えるだろう。 政府が河野路線を撮り続けるなら(河野太郎氏を「軍師」とした菅義偉政権以来そうなっている)、日本は潮が引く中、岸辺に取り残された魚のように、1人干上がることになろう。 ■一族会社と中国共産党 河野太郎氏は上記演説と並行して、外相の諮問機関 「気候変動に関する有識者会合」 を立ち上げている。 そのメンバーの1人が、脱炭素・反原発を掲げる自然エネルギー財団の大林ミカ氏だった。 その後、大林ミカ氏は、やはり河野太郎氏が行革担当相として主導する内閣府の 「再エネ規制総点検タスクフォース(特別部隊)」 の委員にも選ばれた。 中国の国家電網公司との余りに密接な関係が問題となり、2024年3月、辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。 ちなみに、同タスクフォースを事務方で仕切る内閣府規制改革推進室の山田正人参事官は、極端な脱炭素・反原発姿勢のため、経産省で厄介者扱いされていたという。 まさにそれが故に河野太郎氏の目に留まり、一本釣りされた。 この 「大林ミカ事件」 で、岸田首相がタスクフォースと中国の不透明な関係を調整するよう河野太郎氏に指示したのは論外という他ない。 「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」 と周囲に嘯くなど、河野太郎氏には何の反省も見られない。 まさに調査される側の中心に位置付けられるべき存在である。 河野太郎氏一族会社 「日本端子」 と中国共産党との関係など、太陽光利権を巡る疑惑も放置されてよい問題ではない。 「再エネ・反原発信仰」 に与しない関係者に対する河野太郎氏の、権力を笠に着た恫喝も見過ごせない。 私は最近、SNSで使う河野太郎氏の愛称を、やや可愛すぎる 「河野グレタ郎」 から 「サイコパス河野」 に変えたが、以下のやり取りを見れば、頷く人も多いだろう。 2021年8月24日に、河野太郎氏が資源エネルギー庁幹部を怒鳴りつける様子の録音記録である。 『週刊文春』が入手して公開した(説明語句を加えた文字起こしも同編集部)。 議論のテーマは、3年毎に見直される「エネルギー基本計画」。 <エネ庁:いや、(原案の再生可能エネルギー比率は政策的な裏付けを)積み上げて36〜38%程度> <河野:積み上げて36〜38になるんだったら、(「程度」を「以上」に変えても)以上は36〜38を含む(からいい)じゃないか。日本語分かる奴出せよ、じゃあ。それから何か知らねえけどさ、日本が再エネ入れるのに不利だ、みてえな記載が(基本計画原案に)いっぱいあっただろ。あれ全部落としたんだろな> <エネ庁:日本が置かれた自然状況につきましては(略)事実関係を書いたものでございますので・・・> <河野:じゃあ、北朝鮮のミサイル攻撃に無防備だと原子力(発電所)は。日本は核燃料、使用済み燃料を捨てる場所も狭くてありませんと、(事実を)全部書けよ。使用済み核燃料が危ねえのは、もう自明の理じゃねえか。おめえ、北朝鮮がミサイル撃ってきたらどうすんだい。テロリストの攻撃受けたらどうすんだい、今の原発> チンピラ顔負けだが、特に最後の部分など 「おめえ」 が言うかの典型である。 河野太郎氏は防衛相時代、北朝鮮ミサイルから国土(当然原発も含む)を守る地上配備型迎撃システム 「イージス・アショア」 の設置計画を突然破棄する決定をした。 その責任者が北朝鮮のミサイルの脅威を反原発の理由にするとは、控えめに言っても身勝手だろう。 ■普通なら即大臣解任 河野防衛相が 「アショア」 配備を中止したのは、迎撃ミサイル発射後の燃焼済みブースターの空タンク(長さ24メートル弱)が民家に落下する可能性がゼロとは言えないからとの理由だった。 しかし、その可能性は限りなくゼロに近い上、核弾頭が着弾した場合の破滅的被害とは全く比較にならない。 河野太郎氏は、 「アショア」 の代替は 「イージス艦でやってもらう」 と語った。 だが、そもそも 「アショア」 導入案は、イージス艦の常時洋上展開は隊員の疲労等に鑑みても困難で、また日本近海を離れた遠洋任務に就く場合もある等の事情から出てきたものである。 話をいきなり振り出しに戻す以上、より合理的かつ現実的な説明が必要だろう。 迎撃態勢の整備に真面目に取り組まなかったのみならず、河野太郎氏は、敵基地攻撃能力の保持にも一貫して反対してきた。 攻めと守りの両面において、無責任な議論に終始してきたと言える。 2020年春、東北や九州で中国の偵察バルーン(気球)が発見された際も、河野防衛相は 「(行方は)気球に聞いて下さい」 と、国民をコケにした応答をして批判を浴びた。 気球によって自衛隊が用いる電波情報を収集できれば、敵対国は妨害電波の精度を上げられる。 普通の国なら、この発言1つで防衛相解任だろう。 河野太郎氏を総理総裁にと動く自民党議員らはよく、 「河野さんは脱原発を封印した」 「安心していい」 と言う。 しかし 「封印した」 とは、権力の座に就いた暁には 「封を解く」 という意味だ。 しかも、河野太郎氏は何ら原発潰しを封印していない。 搦め手を用いているだけである。 「(プルトニウムを燃料に使う)高速増殖炉『もんじゅ』が廃炉になり、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す必要がなくなった」 「(青森県六ヶ所村の)再処理施設は要らなくなったから(運転開始を)やめる」 との主張がそれに当たる。 現在、使用済み核燃料は各地の原発内で保管されているが、再処理施設に移送できないとなれば、貯蔵プールはそのうち満杯になる。 燃料交換ができなくなれば、原発は運転停止の他ない。 再処理施設を潰せば原発全体を潰せる。 これが河野太郎氏のみならず反原発派の狙いである。 ■極めて危険な歴史認識 河野太郎氏の歴史認識も大いに疑問符が付く。 2019年1月14日、モスクワ。 日露外相会談後、内外の記者を集めた公式会見で、ロシアのラブロフ外相は 「重要な文書」 として国連憲章第107条を上げ、 「第2次大戦の結果を認めるよう書かれている」 「本日もう1度、詳細に日本側に伝えた」 「日本側から反論はなかった」 と述べた。 これに対し河野太郎外相は、日本人記者のみを集めた 「臨時会見」 を開いたものの、 「ラブロフ外相の発言にいちちコメントは致しません」 「内容については対外的に公表しないことにしております」 と無回答に近い発言に終始した。 前日(2019年1月13日)、ロシア外務省の報道官が 「共同記者会見を準備していたのに日本側が逃げた」 と揶揄したが、それが実態だったと思わざるを得ない。 国連憲章で 「敵国条項」 とされるのは第53条、77条、107条の3項である。 このうち、ラブロフ外相が言及した第107条は 「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない」 と規定する。 ソ連軍による樺太・千島列島奪取はこの枠内の行動で、日本も国連に加盟した時点で承認したというのがロシア側の主張である。 日本政府はこの解釈を受け入れていない。 例えば 「北方領土に関し敵国条項をソ連側は如何に解釈しているのか」 との中川昭一衆院議員の質問に、外務省欧亜局長が次のように答えている(1990年6月11日、衆院安保特別委)。 「ソ連側は、北方4島の占拠の根拠としてヤルタ協定を挙げ、同協定が、国連憲章第107条により、戦後秩序の一部として日本を拘束すると主張しております」 「これに対し私どもは、ヤルタ協定はこれに参加した首脳たちが共通の目的を述べた文書に過ぎず、領土移転の如何なる法的根拠も持ち得るものではない、その当然の帰結として、国連憲章第107条はソ連側の北方領土占拠に如何なる根拠を与えるものでもないし、全く関係のない規定である、そう反論しておる次第でございます」 この日本政府の立場を、河野太郎外相はラブロフに対し、即座にぶつけねばならなかった。 ラブロフは、明確に日本世論を揺さぶる意図で発言している。 一方、河野太郎氏には、世論戦を戦うとの気概が全く見られなかった。 尚、ロシア側は、(1945年)8月15日でなく(1945年)9月2日(日本の降伏文書調印の日)を 「大戦終結記念日」 と定め、北方領土を含む樺太・千島占領は大戦中の行為だと強弁している。 ここも、日ソ中立条約違反と並んで日本の外相が強く反論せねばならぬポイントだった。 ちなみに、ソ連軍による北海道北方地域侵攻は1945年8月16日にカムチャッカ方面から開始され、1945年8月18日に占守島上陸、1945年8月28日に択捉島上陸、1945年9月1日に国後島・色丹島上陸、1945年9月3日に歯舞島上陸と続き、1945年9月5日までに全域を占領した。 明らかに終戦後の侵略である。 話を戻せば、カメラの前で言いたい放題のラブロフに対し、河野太郎氏は借りてきた猫の風であった。 当日(2019年1月14日)のNHKニュースはラブロフの一方的発言のみを伝えたが、河野太郎外相が何も発言しなかった以上、必ずしも放送局の不見識とは言い切れない。 かつて、双方国連大使の立場でラブロフとやり合った経験を持つボルトン元大統領補佐官は、 「終始細かく条件闘争を仕掛けてくる男で予測困難」 「土壇場での大芝居(見方によってはヒステリー)に走りがち」 「ラブロフは国連大使を務めつつ、この特技を完成させていた」 と回顧している。 ラブロフの 「大芝居」 を捌くだけの技量と度量が河野太郎外相には欠けていた。 日本国内では木で鼻を括ったような 「次の質問どうぞ」 「所管外でございます」 で逃げ、 日本国外では難しい相手との共同記者会見に出ないのが 「特技」 では、話にならないだろう。 ■「カモネギ外交」の象徴 中東問題でも、河野太郎外相は日本の 「カモネギ外交」 を象徴する存在だった。 著書に次の1節がある。 「外交は国と国との交渉ではありますが、最後は外務大臣同士の人と人との関係がものを言うことも少なくありません」 「例えばアメリカが資金拠出を中止したUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を支援するための会合の共同議長を私に頼んできたのは、それまでに会議で顔を合わせていただけでなく、私邸にまで招かれたりしていたヨルダンのサファディ外相とEUのモゲリーニ外相の2人でした」 「外務大臣のフットワークが軽くないと国の外交は成り立たない、と言えるでしょう」 自慢げに書いているが、要するに、トランプ政権がUNRWAはテロ組織ハマスの物資調達部門に堕しているとの認識から資金拠出を停止したのを受け、 「日本にもっと出させよう」 という国際リベラル勢力に英語力や 「フットワーク(というより腰) の軽さをおだてられ、カモにされたに過ぎない。 原資は日本国民の税金である。 とても外交を任せられるような人材ではない。 慰安婦問題にも触れておこう。 強制連行・性奴隷化虚偽を今も世界に拡散する河野洋平官房長官談話(河野談話、1993年8月4日)について聞かれる度、洋平氏の長男・太郎氏は 「それは別の河野さんでしょ」 とはぐらかすのが常だった。 しかし、河野家のブランド力に助けられて政界入りした以上、 「自分は無関係」 では済まない。 2018年3月28日、衆議院外務委員会で杉田水脈議員(自民党)が、河野太郎外相に改めて河野談話に対する見解を尋ねた。 ところが、雄弁が自慢のはずの河野太郎氏は机上に目を落としたまま動かず、代わって立った外務省参事官の 「過去に安倍首相が、河野洋平官房が何を考えて発言したのか承知しないと答弁している」 云々の発言を無表情に聞くのみであった。 およそ責任ある態度とは言えないだろう。 関係者によると、河野太郎氏は1度河野洋平氏に 「修正談話」 を出すつもりはないのかとそれとなく対応を促したという。 しかしそのつもりはないと河野洋平氏に撥ねつけられ、それ以上何も言わずに引き下がったらしい。 本来なら、 「修正しないならここで刺し違える」 くらいの気合で迫るべきだったろう。 親が親なら子も子と言う他ない。 ■「性格」という最大の問題 リーダーには心の余裕とバランス感覚が欠かせない。 しかし河野太郎氏には、このいずれも見事なまでに欠いている。 性格こそが最大の問題と言ってもいい。 「英語はうまいし、それなりの存在は出来上がっているが、常識に欠ける」 という所属派閥の長、麻生太郎自民党副総裁の発言は適評だろう。 かつて、議員宿舎で河野太郎氏と隣同士だった平沼赳夫経産相(全拉致議連会長)から聞いた次のような話もある。 ある時、河野太郎氏が大声で誰かを怒鳴りつける声が聞こえてきた。 余りに言葉が荒く、執拗なので、平沼赳夫氏の息女がベランダから耳を澄ませたところ、河野太郎氏が義理の母親を激しく罵倒していたという。 平沼赳夫氏は話を誇張する人ではない。 真実だろう。 一方、河野太郎氏が緩んだ表情を見せる場面もある。 過去に2回、中国外務省の華春瑩報道局長(当時)に顔を寄せ、鼻の下を伸ばした自撮り写真をSNSに上げたのが好例である。 華春瑩報道官は色白、ふくよかな一見 「いい人」 風の中年女性で、日本の政界にも隠れファンが多い。 しかし人権蹂躙、軍事恐喝を続ける中国共産党の準幹部である事実に変わりはない。 アメリカの国務長官が同じ事をすれば、即刻辞任に追い込まれるだろう。 日本の政界で何ら問題にならなかったのは、国会全体の意識が低いからに他ならない。 相次ぐ再エネ設備のトラブル、賦課金値上げに「そこまでして進めないといけないのか」 2024/4/21 13:03 https://www.sankei.com/article/20240421-QLQ6GHIV7NJ6NLCTFELLL5YD5Q/ 再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みは各地で進むが、太陽光パネル設置などを巡ってはトラブルが相次ぐ。 ルール作りや規制に動く自治体もあり、賦課金の値上げには批判的な声も少なくない。 北海道釧路市の国立公園 「釧路湿原」 周辺では太陽光パネルが次々と設置され、特別天然記念物のタンチョウや絶滅危惧種のキタサンショウウオなどへの影響に懸念が広がっている。 北海道釧路市は2023年7月、事業者に届け出などを求めるガイドラインを施行。 2024年度中に条例に格上げする考えだ。 賦課金は、自然環境に影響を及ぼしかねない設備の設置を促すことになり、北海道内の60代の男性は値上げに対し、 「そこまでして太陽光を進めないといけないのか」 と疑問を投げかける。 メガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置が進んだ山梨県内では、景観や災害時の土砂崩れなどへの懸念から周辺住民とのトラブルが多発。 県は令和3年10月に太陽光発電施設を規制する条例を施行した。 それでも2023年、甲斐市菖蒲沢でのメガソーラー設置で大規模に樹木が伐採されていたことから、地域住民らが県に対し、周辺を土砂災害特別警戒区域に指定するよう要望する事態となった。 静岡県東伊豆町では、平成15年に町営の風力発電所を稼働させたが、老朽化で故障が相次ぎ、令和3年に閉鎖。 現在、民間企業への事業継承について検証しているが、静岡県内の臨海部では稼働している風力発電所も多く、県民からは 「(騒音や低周波音による)健康被害を訴える声もあるのに、施設の建設促進のために負担が増えるのは納得がいかない」 と不満も漏れる。 米韓より高い日本の電気料金 円安、中東情勢に再エネ賦課金も…上昇に警戒感 2024/4/21 12:04 https://www.sankei.com/article/20240421-N4VMAFDOBFNK5PV4VNZ3SQNDPU/ 令和6年度から、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の負担が標準家庭で年1万円程度増える。 電気料金の上昇は家計を圧迫し、企業活動にも影響を与えそうだ。 特に産業用の電力需要は、人工知能(AI)の普及本格化で拡大する可能性が指摘されている。 日本の電気料金は、先進国の中で中位とみられるが、資源を輸入に頼っているだけに足元の円安進行、中東情勢の緊迫化がエネルギー価格上昇に繋がる打撃となりやすく、警戒感が高まっている。 ■エネ価格「不透明さ増す」 電力中央研究所の調べによる国際比較では、2022年の日本の電気代は、英国やドイツよりは低かったが、米国や韓国、フランスよりは高かった。 産業用では、米国や韓国の2倍前後。 一方、再エネ普及が進んでいるデンマークの家庭用料金は日本の2倍近くだった。 資源のない日本にとって、エネルギー価格上昇のリスクは深刻だ。 電力大手で作る電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は 「今後のエネルギー価格の不透明性が、更に増しているのは事実」 と話す。 その上で 「2年前(2022年、ロシアによるウクライナ侵略開始)のような高騰があれば対応が大変だが、学んだこともある」 「調達先を工夫するなど、事業者は価格の乱高下を回避できる対策を講じていくと思う」 と述べた。 ■電気料金、価格転嫁進まず 国内では人口減少が進んでいるものの、今後はAIの普及を背景に、電力需要は高まるという見通しがある。 科学技術振興機構の推計では、AIなどの情報処理を行うデータセンターの電力消費量は、平成30年の140億キロワット時に対し、令和12年には6倍以上の900億キロワット時まで拡大。 現在の国内の総需要の1割近くまで伸びる計算だ。 東京商工リサーチが行ったインターネット調査(2857社回答)では、2024年1月時点で本業に係るコストが2023年より 「増加した」 と回答した企業は、73.6%と7割を超えた。 特に多かったのが 「原材料や燃料費、電気代の高騰」 の91.2%(1920社)だ。 このうち、高騰した分を商品の価格に上乗せする価格転嫁が全額できたのは、3.6%の63社にとどまる。 「受注減など取引への影響が懸念される」 「同業他社が転嫁していないため」 などが理由として挙げられた。 東京商工リサーチの担当者は 「価格転嫁はまだ十分ではない」 「再エネ賦課金の値上げは、ようやく出てきた良い流れをとどめてしまう可能性がある」 と指摘する。 政府は電源として再エネの比率を高める計画だが、その分賦課金の必要性も高まってくる。 「再エネ普及と国民負担抑制の両立」 が重い課題として残り続ける。 再エネ賦課金、年1万円負担増 「パネル」高シェアの中国利する? 見直し機運も 2024/4/21 11:19 https://www.sankei.com/article/20240421-5VRUAFM3KFKGLBSPJOAJDHXF2U/ 太陽光や風力発電など、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている 「再エネ賦課金」 が2024年4月から値上がりし、標準家庭(使用量400キロワット時)で電気料金が月額836円上昇した。 年間で1万円程度の負担増となる。 賦課金は平成24年に導入され、再エネの普及に伴い右肩上がりで増えてきた。 ただ、太陽光発電に用いるパネルは中国企業が大きなシェアを持っている。 日本国民の負担が増える一方、中国を利するとの指摘もあり、制度の見直しを訴える声が強まっている。 ■再エネ買い取り、国民負担に 政府は賦課金の単価を令和6年度は1キロワット時当たりで前年度比2.09円高い3.49円に引き上げた。 政府は2024年6月使用分から電気代を抑える補助金を終了し、家計の負担は2024年3月使用分に比べ2236円増えることになる。 政府は平成24(2012)年に再エネの固定価格買い取り制度(FIT)を導入し、再エネで発電した電気は電力会社が再エネ事業者から一定価格で高く買い取ることになった。 この費用を消費者が負担するのが賦課金の仕組みだ。 賦課金の単価は電力会社の買い取り総額から事業者の販売収入などを差し引き、販売電力量で割って算出。 利用者は単価と電力使用量に応じ賦課金を一律に徴収される。 再エネ普及に伴い買い取り総額は増加傾向で、賦課金も右肩上がりで上昇している。 賦課金の単価は平成24(2012)年度は0.22円だったが、令和4(2022)年度には3.45円に達した。 令和5(2023)年度はロシアによるウクライナ侵略に伴う資源価格高騰で電力の市場価格自体が高騰、販売収入増加で1.40円に初めて下がった。 令和6(2024)年度は資源価格一服で販売収入減が見込まれ、再び引き上げとなった。 国民が負担する賦課金総額は2.7兆円に上る。 ■玉木氏「間接的に富が中国に」 賦課金を巡っては 「2030(令和12)年頃までは上昇を続ける見通し」(政府関係者) という。 FITの導入当初に高い買い取り価格で認定した事業用太陽光の20年の買い取り期間が重しとなる。 その後は下落する可能性が指摘されるが、負担がすぐに大きく減るかは見通せない。 賦課金には反発も根強い。 国民民主党は2024年3月26日、賦課金の徴収を一時停止し電気代を引き下げる 「再エネ賦課金停止法案」 を国会に提出。 玉木雄一郎代表は賃上げの効果を打ち消すとして 「廃止を含め抜本見直しの時期に来ている」 と話す。 玉木氏は 「所得の低い人も含め、集めたお金をメガソーラー設置事業者に回す『所得の逆再分配』が起きている」 と指摘。 また太陽光発電は 「コストが下がっており、市場原理に任せるべき」 と見直しも訴える。 中国の存在も懸念事項だ。 「太陽光パネルはほとんど中国製で、賦課金で間接的に富が中国に行っている」(玉木氏)。 再エネを巡っては、内閣府のタスクフォースの元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国国営電力会社のロゴマークが入っていたことも問題視されている。 賦課金制度について玉木氏は、 「経済安全保障の観点からも検証が必要だ」 と強調した。 電気・ガス代補助5月で終了、家計に1903円の負担増 再エネ賦課金値上げも 2024/4/18 19:19 https://www.sankei.com/article/20240418-35EY4SBKHRJUHJVT3ED74WB6PM/ 政府はこれまで行ってきた家庭や企業の電気やガス代の負担を抑制するための補助金の支給を、2024年5月使用分を最後に終了する。 ロシアのウクライナ侵略などで高騰した燃料価格が安定したためだが、令和6年度からは再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の単価も引き上げられた。 物価上昇に苦しむ家計にとっては、補助がなくなることで新たな打撃となりそうだ。 ■冬が終わり価格も安定 政府は現在、電気は家庭向けで1キロワット時当たり3.5円、ガスは1立方メートル当たり15円を補助。 東京電力や関西電力によると標準家庭(260キロワット時)の月額の電気代の抑制効果は910円、東京ガスによるとガスは450円だ。 2024年5月使用分からはこの補助が半減し、2024年6月からはなくなる。 補助は令和5年1月使用分から始まったが、斎藤健経済産業相は 「液化天然ガス(LNG)や石炭の輸入価格が侵略前と同程度に低下した」 と役目を終えたと話す。 実際に財務省の貿易統計でも、1トン当たり16万円を超え過去最高水準に達したLNGの輸入価格は、令和6年2月には10万円弱に落ち着いている。 「電力需要が多い冬が終わったことも要因」(政府関係者) だという。 ■2024年4月からは賦課金も引き上げ 一方で足元の円相場は1ドル=155円を窺う 「超円安」 の状況が続く。 中東情勢の緊迫化などで価格が高騰する原油のように、不安定な国際情勢により、LNG価格が再び上昇するリスクは常にある。 補助がなくなるだけでなく、政府は2024年4月から再エネ賦課金の単価を1キロワット時当たり2.09円引き上げて3.49円とした。 賦課金の引き上げなどで、4月使用分の電気代は東電の標準家庭で8137円、関電で6754円と、いずれも前月より500円超上がる。 関電の電気代が東電よりも安いのは、発電コストが安い原発が稼働している影響が大きい。 賦課金の引き上げと補助金の消滅により、標準家庭で2024年3月と比較すると家計には計1903円程度の負担増となり、消費意欲が落ち込み、好調な賃上げの効果を打ち消しかねないとの指摘もある。 ■新電力への乗り換えも… こうした中、新電力に期待する向きもある。 エネルギー価格高騰で電力調達コストがかさみ、一時は撤退や新規申し込みの停止が相次ぐなど苦境に立たされたが、調達価格が落ち着くことで経営の安定化が見込まれるためだ。 帝国データバンクによると、令和6年3月時点で撤退や倒産・廃業が判明した新電力は前年同月比43.4%増の119社に上った。 しかし新規契約停止は38.4%減の69社、契約受付再開は51.6%増の47社と、巻き返しの動きも出てきている。 帝国データの担当者は 「値下げに動く新電力も僅かに見られる」 と明かす。 ただ電力不足を防ぐため、発電所設備の維持費を小売り事業者が負う 「容量市場」 制度の拠出金支払いも2024年度から始まる。 新電力にとっては経営上の負担となり、今後、電気料金に転嫁することも想定される。 電力自由化で参入した新電力も料金攻勢は力強さに欠けるのが実情だ。 「国破れてパネルあり」再エネ賦課金廃止も検討を…国民民主・玉木雄一郎代表が警鐘 2024/4/10 20:19 https://www.sankei.com/article/20240410-OTDEOGLDDVLGHF5JUWEFEKVH3U/ 国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年4月10日、産経新聞の取材に応じ、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている賦課金について 「廃止を含め、抜本見直しの時期に来ている」 と述べた。 再エネ賦課金は電力会社の販売収入が減ると、逆に上がる算定方式。 2024年度は、ロシアのウクライナ侵攻で高騰した資源価格が一服して販売収入の減少が見込まれるため、値上げとなった。 標準的な家庭(月の使用量400キロワット時)で換算すると、賦課金は令和5年度比836円増の月額1396円。 令和4年度(1380円)の水準に戻る。 ■賃上げの流れも帳消しに 玉木氏は賦課金値上げについて 「せっかくの賃上げの良い流れを、帳消しにする」 「賃金が増え、消費が増えるという好循環が断ち切られてしまう」 と指摘した。 国民民主は2024年3月、賦課金の徴収を一時停止し、電気代を引き下げる 「再エネ賦課金停止法案」 を国会に提出している。 賦課金の制度については 「所得の低い人も含めて集めたお金を、メガソーラーを設置できる事業者に回す『所得の逆再分配』が行われている」 として、構造的な問題があると指摘。 特に太陽光発電については 「(発電)コストが下がっており、市場原理に任せるべきではないか」 と述べ、賦課金が支える固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを訴えた。 再エネについては今後、洋上風力などメニューが増加し、賦課金を含めた補助的な制度の必要性が高まる可能性もある。 玉木氏は 「電気代、社会保険料、税金をこれ以上上げないことが最優先」 「『国破れてパネルあり』ではいけない」 「優先順位を国益、国民の生活から考えるべきだ」 と述べた。 ■中国が生産能力8割 太陽光発電業界は中国勢が台頭しており、国際エネルギー機関(IEA)の2022年の報告によると、太陽光発電に必要な主要要素の世界の生産能力の8割超を中国が占める。 ただ、パネル素材の多結晶シリコンの多くは、新疆ウイグル自治区での 【強制労働】 による製造が疑われている。 これに関連し、玉木氏は 「人権を無視した形で安く製造されたものについては、輸入しない、使わない」 「供給網(サプライチェーン)から排除することを義務付けるための法制化も必要だ」 と主張した。 また玉木氏は、内閣府のタスクフォース(TF)元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴマークが入っていた問題にも言及。 「組織や外国からの不当な影響がなかったのかどうか、政府は徹底検証すべき」 と強調した。 東京都の太陽光パネル設置義務化 住宅高騰や人権侵害助長する 杉山大志氏 2024/4/21 9:00 https://www.sankei.com/article/20240421-S3PWT4IHZBJQJEWHJ5UPTDWWHQ/ 東京都が都心の温室効果ガスを令和12(2030)年までに50%削減することを目指し、2025年4月から新築住宅などを対象に太陽光パネル設置の義務化に踏み切る。 家庭の電気代削減や停電時の防災力効果も図れるとし、新築時などに補助も行うとする。 ただ、多額の税金を投入するだけの効果が得られるのか疑問視する声もある。 エネルギー政策と環境問題を研究するキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏に話を聞いた。 温室効果ガス削減といった取り組みは、地球全体の問題であり、東京都だけで規制することで得られる効果は少ないと言える。 また、都が行う太陽光パネル設置義務化は、日当たりが良く屋根が大きい住宅に住む人にとっては補助金などで儲かる制度になっているが、東京は人口密度が高く、一軒家でも屋根が北向きなど太陽光発電に不向きな家も多い。 更に、集合住宅などに住む人にとっても経済的恩恵を得られないにもかかわらず、莫大な税金が投入される。 条例で設置義務を負うのは住宅供給事業者で、未達成の場合は、その企業名が公表される。 このため、公表を恐れて、必要ない住宅にも設置することが考えられる。 加えて都民は新築の住宅を購入する際に太陽光パネルの費用も負担することになるため、住宅価格が高騰して都内で購入しづらくなる可能性もある。 太陽光パネルは光が当たれば発電し続けるため、災害時にも問題が生じる。 東京都の江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)と言われる海抜0メートル地帯では、台風や高潮で水害が発生した場合、太陽光パネルが水没することで感電など2次災害が発生する恐れがある。 パネルが損傷して火災が起きることもあり、消火活動も水を直接かけると水を伝って感電するため、鎮火に時間を要する場合もある。 そもそも太陽光発電は日光によって発電されるため、1年の内で、17%程度の時間しか発電できない。 住宅の上にパネルを設置しても発電量が予測しづらく、既存の火力発電設備などをなくすことはできず、2重投資の状態でコストが嵩む。 世界の太陽光パネルの約9割が中国で生産されていて、太陽光発電導入には、中国製の太陽光パネルに頼らざるを得ない現実もある。 中国製の太陽光パネルが台頭している背景には、新疆ウイグル自治区での 【強制労働】 で価格を安く抑えている点が指摘されており、米国などでは中国製の輸入禁止措置が取られている。 東京都の太陽光パネル設置の義務化は、こうした人権侵害を助長することに繋がる。 安定的なエネルギー供給と二酸化炭素(CO2)の削減の両立を目指すのであれば、太陽光発電に頼るよりも、原子力や天然ガスを利用することの方が現実的だと言える。 再生可能エネへの投資は無駄遣い 莫大な国民負担も…見返りはほとんどなし 気まぐれに発電するに過ぎない太陽光パネル 2024.4/11 11:00 https://www.zakzak.co.jp/article/20240411-RGOKT76P4VNNTMASJZO7KYOMZY/ 日本政府は 「グリーントランスフォーメーション(GX)」、 つまり脱炭素のために、政策によって10年で150兆円の官民投資を引き起こすという。 投資というと聞こえはいいが、原資を負担するのは我々国民だ。 1人当たり120万円、世帯当たり360万円も負担するのだが、見返りはほとんどありそうにない。 なぜなら、最大の投資先が再生可能エネルギーだからだ。 太陽光発電は本質的に2重投資である。 なぜなら、家庭に太陽光パネルを付けても、火力発電所をなくすわけにはいかないからだ。 夜でも曇りの時でも電気は必要だからである。 バックアップのために火力発電所が必要だという言い方をする人もいるが、これでも太陽光パネルを贔屓し過ぎている。 なぜなら、太陽光パネルは年間17%しか稼働しない。 年間83%は火力発電所に頼ることになるわけで、8割以上も発電するのにバックアップという言い方は的外れである。 要は、電力供給のためには火力発電所が必要なのであって、太陽光パネルは気まぐれに発電するに過ぎない。 これは風力発電も同じことである。 日本では洋上のもっとも風況の良い所でも、風力発電の稼働率は35%しかない。 既に太陽光発電は導入し過ぎであり、余った時には電気を捨てている状態である。 政府はこの対策として他地域への送電線を建設するとか、蓄えるためにバッテリーを導入するが、これは3重投資、4重投資になる。 再エネは今や最も安いなどと言う人がいるが、それはコストの一部しか見ない都合の良い話をしているに過ぎない。 現実には再エネを大量導入したドイツやデンマークは電気代が最も高い。 CO2(二酸化炭素)を排出しない火力発電として、CO2を地中に埋めるCCS、それにアンモニア発電や水素発電などにも政府は巨費を投じるとしている。 だが、これも万事予定通り進んだとしても、発電コストはこれまでの火力発電所の2倍、3倍、あるいはそれ以上になると試算されている。 こんな高価な技術を日本でいくらか導入したところで、世界で売れるはずもない。 これに何千億円、何兆円と費やすというのは、まるきり無駄遣いである。 既存の火力発電と競合できるコスト水準になる技術を目指して、研究所で基礎的な技術開発をするにとどめるべきだ。 全てが予定通りに進んでも、確実なのは、莫大な国民負担だけである。 喜ぶのは利権に預かる一部の政治家、行政官、企業ばかりである。 こんな愚かな政策で 「グリーン経済成長する」 とのたまう経産省は、経済も産業も全く分からないようだ。 ■杉山大志(すぎやま・たいし) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。 1969年、北海道生まれ。 東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員などのメンバーを務める。 産経新聞「正論」欄執筆メンバー。 著書・共著に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『亡国のエコ』(ワニブックス)、『SDGsの不都合な真実』(宝島社新書)など。 <正論>中国を利するエネ政策を止めよ キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志 2024/4/10 8:00 https://www.sankei.com/article/20240410-UFXUMJX2DFLD3PKZRPR22GS6LM/ 再生可能エネルギー導入に向け規制見直しを検討する内閣府タスクフォース(特別作業班)の会合に、委員の自然エネルギー財団事業局長、大林ミカ氏(2024年3月27日に委員辞任)が提出した資料に、中国国営企業である国家電網公司の透かしロゴが入っていたことが問題になっている。 日本のエネルギー政策が中国の影響を受け決定されているのではないかとの懸念が出た。 対策としてセキュリティ・クリアランス強化が言われているが、それだけでは到底足りない。 ■脱炭素は中国の「超限戦」 というのは、中国は日本に対して直接的な工作をする必要すらないからだ。 日本には 「使える愚か者(useful idiots)」 がいる。 これはレーニンの言葉であり、資本主義国には、本人には特段の自覚すらないままに共産主義国のために働く愚か者がいる、ということである。 中国は世界を共産党独裁対民主主義の体制間の限りない闘争、即ち 「超限戦」 と捉えている。 そこでは脱炭素はまさに天佑である。 日本をはじめ先進国が勝手に経済的自滅をし、中国には莫大な利益をもたらすからだ。 大林ミカ氏も、 「再エネ最優先」 を掲げる河野太郎規制改革担当相も、中国企業の太陽光発電事業や風力発電事業を儲けさせる一方で、日本のエネルギー供給を不安定化し高コスト化している。 これは中国の望む通りだ。 だがここに中国が命令を逐一下す必要はない。 せいぜい、当たり障りのない情報提供をして親中的な気分を盛り上げる程度で足りる。 そうすれば勝手に運動してくれる。 「再エネ最優先」 を強く支持するのは日本の左翼リベラル勢力であるが、彼らは中国に融和的でもある。 中国の太陽光パネルの半分は新疆ウイグル自治区で生産されており、 【強制労働】 の関与の疑いが濃厚で、米国では輸入禁止措置まであるが、日本ではこれは全く不問にされている。 これも中国の望む事そのままである。 ■日本を破壊する日本政府 今、日本政府は脱炭素、再エネ最優先を推進することで、日本経済を破壊している。 太陽光発電と風力発電を大量導入しているが、北海道では風力発電が多過ぎて余るので1兆5000億円を投じて新潟までの海底送電線を建設するという。 これだけでも仰け反るが、これは氷山の一角に過ぎない。 政府は脱炭素のために今後10年間で150兆円のグリーントランスフォーメーション(GX)投資を官民で実現するとしている。 投資と言えば聞こえは良いがその原資は国民が負担する。 GDPの3%であり、3人世帯で360万円もの負担になる。 これでは日本経済はガタガタになる。 目玉となる再エネ事業のお金の多くは中国企業に流れる。 一方で脱炭素は日本の防災には全く役立たない。 国連のモデルを信じたとしても、日本が2050年にCO2をゼロにした時の地球の気温の低下はせいぜい0.006度しかない。 日本の安全保障も危険に晒されている。 河野氏が防衛相を務めた時、自衛隊の施設は100%再エネを目指すこととされ、今では多くの施設が再エネ電力を購入するようになった。 電気事業者の中には近年に設立された企業もあり、中国系の企業がどのぐらいあるのかも分からない。 これら企業は電力消費量を監視することで、自衛隊の活動状態を把握できてしまう。 のみならず有事には、本国の命令があれば電力供給網を遮断・攪乱するかもしれない。 いつから日本政府はこのような、日本を滅ぼすような事ばかりするようになったのか。 2021年に策定された第6次エネルギー基本計画で2050年CO2ゼロが目標とされた。 河野氏は 「再エネ最優先」 を掲げ、2030年の発電に占める再エネの数値目標を36%から38% 「以上」 にするよう、経産省の官僚を怒鳴り上げた音声がリークされている。 日本の官僚は、時の政治権力には滅法弱くなった。 昇進するか左遷されるか、彼らにとっての生殺与奪の権を握られているからだ。 かつては脱炭素という経済自滅的な政策には抵抗していた経産省が、すっかり宗旨変えしてしまった。 ■「愚か者」を排除せよ 今では経産省こそが巨大な予算と権限を持った最も強力な脱炭素利権と化し、日本経済を破壊している。 彼らは最早内から自らを変える能力はない。 政治が変わるしかない。 左翼リベラル化した自民党こそが脱炭素推進の本丸である。 日本の国益を損なう 「使える愚か者」 を退場させ、それに代えて、日本の安全保障と国民経済を第1に考える人々にエネルギー政策を任せるべきである。 政治が変われば、経産省の幹部人事も刷新できる。 経産省が脱炭素利権にまみれてしまったのはここ数年のことに過ぎない。 まだ以前のことをよく覚えており、現状に違和感を覚えている優秀な官僚はたくさんいる。 愚か者を排除し、政治的な路線転換さえすれば、彼らは日本国民の安全と経済のために良い仕事をしてくれるはずだ。 <主張>再エネ資料にロゴ 中国の影響力工作を疑え 河野担当相の責任は重大だ 社説 2024/4/1 5:00 https://www.sankei.com/article/20240401-OK3BL3MXVFNBDKYMXUGDBPMHLQ/ 政府のエネルギー関連の会議に提出された資料に、中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴマークの透かしが入っていたことが発覚した。 再生可能エネルギー導入に向けて規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(TF、特別作業班)に対し、委員を務めていた大林ミカ・自然エネルギー財団事業局長が提出した資料の件である。 大林氏が経済産業省や金融庁の有識者会議などのヒアリングに呼ばれた際や、国連、欧州連合(EU)の関連機関の会議への出席時に提出した資料にも同様のロゴがあった。 ■全省庁で実態を調べよ 中国は共産党支配の全体主義国家で、日本から尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪おうと狙っている。 台湾問題では軍事力行使を辞さない姿勢を崩さず軍備を増強中で、日本にとって安全保障上の脅威だ。 中国国営企業は共産党政権と一体である。 大林氏は 「誤解を受け、不安にさせた」 として委員を辞任した。 財団主催の会合に中国国家電網公司が提出した資料を自身が改編した際にロゴが残ったと説明した。 財団は 「資料の内容は中国国家電網とは一切関係のないもの」 と釈明した。 鵜吞みにはできず、辞任で幕引きにはできない。 政策形成への中国の影響力工作はなかったのか。 中国共産党政権の意向が浸透して日本の政策が歪むことは決してあってはならない。 調査すべきは再エネTFに限らない。 岸田文雄政権はこれを機に、政策決定へ影響力工作が及んでいないか全省庁で点検に乗り出してもらいたい。 今回の問題で再エネTFは信頼できなくなった。 解散または活動停止が必要で、従来の提言は棚上げしたらどうか。 所管閣僚である河野太郎規制改革担当相は問題が発覚した当初、X(旧ツイッター)に 「チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していきます」 と投稿した。 ロゴ入りの点だけを問題視していたのか。 内閣府規制改革推進室の山田正人参事官も 「事務ミスかもしれない」 と述べていた。 国政担当者として視野が狭すぎる。 中国による影響力工作をなぜ一番に懸念しなかったのか。 高市早苗経済安全保障担当相は当初から 「エネルギー安全保障は、国民の生活や経済活動にも大きな影響を及ぼす安全保障の中核的な課題の1つだ」 「他国から干渉されるようなことがあってはならない」 と指摘していた。 斎藤健経済産業相も 「当該団体(同財団)が特定企業の強い影響を受けているとの懸念が払拭されるまで、ヒアリングを控える」 と語った。 河野氏が会見で 「自然エネルギー財団と中国の特定の企業の間にどんな繋がりがあったのか調査を始めている」 「事実関係を調べた上で対処方針を決めたい」 と表明したのは、問題への批判が高まってからだ。 河野氏は閣僚として高市氏や斎藤氏を見習うべきである。 ■ASG構想ありえない 大林氏のTF委員起用について林芳正官房長官は 「内閣府の事務方が提案した案を河野氏が了承した」 と語った。 人選に関わった河野氏と内閣府の責任は重い。 河野氏が外相当時の 「気候変動に関する有識者会合」 では委員9人のうち3人が自然エネルギー財団のメンバーだった。 河野氏は同財団との関係についても説明すべきだ。 同財団は太陽光、風力、水力などの自然エネルギー資源を相互に活用するため日本と中国、ロシア、インド、タイなどの送電網を連結するアジアスーパーグリッド(ASG)構想の実現を唱えている。 中国国家電網公司の呼び掛けで設立された国際的な送電網構築を目指す非営利団体にも参加していた。 ASG構想も国際的な送電網も専制国家の中露両国などに日本の電力供給を左右される余地を与えかねない。 国家安全保障、エネルギー安保の両面から到底受け入れられない構想だ。 日本国民の安全と国益を損なう構想を掲げるような財団のメンバーを政府の会議体の委員にすることは極めて危うい。 国民民主党の玉木雄一郎代表は、政府の審議会などの委員選定にも、経済安保上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る 「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」 が必要との見解を示した。 その通りである。 再エネ人選 河野氏に疑念 美しき勁き国へ 櫻井よしこ 2024/4/1 8:00 https://www.sankei.com/article/20240401-4K7S5A2ICRLVNI2KSIZNGCO4YE/ 河野太郎デジタル相が内閣府で主導した再生可能エネルギーに関するタスクフォース(TF)の会議で事件が起きた。 河野氏の推薦でTFに加わった 「自然エネルギー財団」 事業局長の大林ミカ氏が中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴ入り資料を正式に提出していた。 我が国のエネルギー政策を議論する政府中枢で中国の資料が使われていた。 ここまで浸透されていたかと驚愕したのは私だけではないだろう。 河野氏肝煎りのTFは構成員4人のうち、大林氏と高橋洋氏の2人が自然エネルギー財団関係者で大林氏がすぐに辞任した。 が、トカゲの尻尾切りのような終わり方で済む問題なのか。 2011年に孫正義氏が創設した同財団は中国を中心に広くアジア諸国にまたがるエネルギー供給網 「アジアスーパーグリッド(ASG)」 の実現を目指す。 ASGに組み込まれる国は民生、産業、国防、全分野でエネルギー供給の安定を必然的に中国に頼ることになる。 国家の首根っこを中国に押さえられるに等しいASGを孫氏らが目指すのは自由だ。 しかしなぜ、河野氏はそうした人々を重用するのだろうか。 気になることを国民民主党幹事長の榛葉賀津也(しんば かづや)参院議員が指摘した。 「河野氏が外相当時、気候変動の有識者会合を設置しました」 「その異常な人選と内容を我が党議員が国会で質した」 「有識者各氏は意見書で化石燃料由来の発電は中止、石炭火力発電の段階的廃止計画を明示せよなどと再生可能エネルギーを強く推していました」 2018年3月23日、参院経済産業委員会で同党の浜野喜史議員が質した。 「今年(2018年)2月、外務省は気候変動に関する有識者会合で、エネルギーに関する提言を取りまとめています」 「これは外務省の見解を示したものですか」 外務省側は 「あくまでも有識者の現状に対する危機感の表明」 で、それが 「外相(河野氏)に対して提出された(だけ)」 と答えた。 外務省見解ではないということだ。 浜野氏は更に、有識者9人の内3人が孫氏の財団の執行メンバーだと指摘した。 前述のように今回のTFでは4人中2人が財団関係者だった。 この人選の偏りは何を示すのか。 著明な政治家が主催する会議の結論は自ずと大きな影響力を発揮する。 河野氏が再エネ推進で影響を及ぼそうとしているのは明らかだ。 動機は何か。 河野氏の自然再生エネルギーへの肩入れ、化石燃料の否定は我が国の国益にどう合致するのか。 この疑念に関して河野氏はきちんと説明すべきだ。 政府は、温暖化対策の国際枠組み 「パリ協定」 に基づく温室効果ガスの削減目標の達成に向け、脱炭素化に10年で150兆円超の投資が必要だと想定し、うち20兆円を支援する方針だ。 専門家らは我が国のエネルギーを再エネで賄おうとすると、この額はやがて何倍にも膨らんでいき、日本経済を押し潰すと危惧する。 今、甚大な資金を風力発電などに注入することが正しいとは思えないのだ。 それが我が国の産業を下支えし、国民生活を豊かにするとも思えないのである。 加えて風力発電に関しては設備のほとんどが中国からの輸入だ。 利益は中国に吸い取られる。 更なる再エネ賦課金で、ただでさえ国際的に高額な我が国の電気料金はより高騰する。 国民負担も国内産業への負担も尋常ではない。 河野太郎氏や自民党の小泉進次郎衆院議員は再エネに莫大な資金を投入し電気自動車(EV)を増やすという。 しかし、日米欧のどこでも政府が補助金を出してもEVは消費者から敬遠され始めた。 EVに熱心だったドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止した。 中国はEVで最先端を走っていたが、今や中国のEV大手、比亜油(BYD)さえも方向転換してハイブリッド車などに傾いている。 にもかかわらず、我が国はまだEVへの補助金をやめない。 再生エネルギー全体に関して国際社会は大きな揺り戻しの中にある。 2050年までに二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指し、気温の上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への各国政府の姿勢が変化しているのである。 パリ協定の目標数値に縛られているのは主に先進国であり、ロシアやグローバルサウスの国々には有利な条件が与えられている。 先進国が年間5兆ドル(約750兆円)を温暖化対策費用として途上国に払う時、初めて彼らも先進国同様のCO2削減の努力をするという条件だ。 中国がインドと共に途上国に分類されているのは周知の通りだ。 そうした中で日本がCO2ゼロに向けて、巨額を支出するのは愚策である。 ドイツは2030年までに石炭から脱却する方針を延期する可能性が出てきた。 英国はCO2ゼロの実現よりもエネルギー安全保障の方が重要だとして、化石燃料の段階的廃止に距離を置いた。 キャノングローバル研究所の杉山大志研究主幹が紹介する 「脱炭素からの撤退が始まった」(ロス・クラーク著) には、パリ協定崩壊を示す事例が満載だ。 例えば2023年12月にドバイで開催した国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では、議長を務めたアブダビ国営石油公社の会長が3年で石油生産量を約50%増やすと発表した。 ブラジルとカナダが石油生産量の拡大を決定した。 インドは2030年までに化石燃料を60%拡大する。 そして中国だ。 2021年までの2年間に新規石炭発電所127基の建設を承認し、その後の2年で承認数は182基まで増えた。 繰り返す。 パリ協定は破綻した。 再エネへの巨額の支援、投資はやめるのが国益だ。 広く世界を見つめて、日本だけが世界の潮流に取り残され、国力を衰退させる事態は防がなければならない。 エネルギー分野で我が国が中国の影響下に置かれることも回避しなければならない。 一般常識から見れば奇々怪々の動きを見せてきた河野氏だからこそ、その行動の意味と意図を国民に説明する責任がある。 フィリピンの先例警戒、中国が電力支配 40%株式保有、送電止める危険 米軍基地抱える日本も脅威″トエネに中国の影・第5弾 2024.3/30 10:00 https://www.zakzak.co.jp/article/20240330-FTIF36STYBK5PFZIIJYHBZMBKY/ ■峯村健司氏緊急リポート 再生可能エネルギーに関する規制見直しを検討する内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴマークが入った資料が提出された問題が収まらない。 エネルギー戦略は国家の存立に直結する最重要政策であり、 「他国の干渉があってはならない」(高市早苗経済安保相) からだ。 林芳正官房長官は2024年3月28日の記者会見で 「河野太郎規制改革担当相の下、内閣府において中国政府から不当な影響を受けていなかったかなどの調査を行う」 と語ったが、議会や第3者機関も調査すべきではないのか。 キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、峯村健司氏は、国家電網公司がフィリピンの送電企業の40%の株式を保有し、同国議会が 「安全保障上のリスク」 を懸念した前例に迫った。 再エネ導入に向けた規制の見直しを検討する内閣府のTFの資料の一部に、中国の 「国家電網公司」 のロゴマークの透かしが入っていたことが明らかになった。 資料は、民間構成員である財団法人 「自然エネルギー財団」 事業局長、大林ミカ氏が提出したものだった。 大林氏は2024年3月27日の記者会見で民間構成員を辞任したと発表した。 大林氏がTFに入った経緯について、林長官は2024年3月28日の記者会見で 「内閣府事務方が提案した案を、河野規制改革担当相が了承した」 と説明した(=大林氏は2024年3月27日の記者会見で、河野氏の推薦だったと説明)。 ■「パワーポイント」による事務ミス…内閣府の説明に疑問と矛盾 問題発覚後の2024年3月25日に記者会見した内閣府規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016〜2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇した。 その際の資料を大林氏が提供され、別の機会に編集ソフト 「パワーポイント」 を用いて引用した際、文書のテンプレートにロゴが残ったという。 山田氏は 「内容に問題はなく、事務ミスかもしれない」 と説明した。 この説明には早速、いくつかの矛盾や疑問が浮上している。 同財団が翌2024年3月26日、ホームページ上で発表した経緯説明では、大林氏は編集では 「パワーポイント」 ではなく、 「キーノート(Keynote)」 を使っていた。 金融庁の有識者会議や経産省の小委員会に大林氏が提出した資料にも同じロゴが確認されている。 内閣府の調査は不十分と言わざるを得ない。 そして、筆者が最も注目しているのが、中国政府における 「国家電網公司」 の役割である。 2002年に設立された中国最大の電力配送会社で、オーストラリアやブラジル、チリなどの発電・送電会社に積極的に出資をしている。 ■40%株式保有、送電止める危険 その中で 「国家電網公司」 が積極的に進出をしてきたのが、フィリピンだ。 親中政策をとったアロヨ政権時代、フィリピン国家送電会社(NGCP)に40%出資し、2009年から全国の発電所から配電施設までの送電を受託した。 ところが、2019年11月、議員向けの内部報告書で、 「フィリピンの電力網が現在、中国政府の『完全な支配下』に置かれており、我が国の電力網に混乱を引き起こす能力を持っている」 と警告されていることが発覚した。 NGCPを監督する送電公社の責任者が議会の証言で、フィリピン人技術者が施設への立ち入りを制限されており、中国によって送電を止めることができる可能性があることを認めた。 中国が 「国家の悲願」 と位置付ける台湾併合に乗り出した場合、米国の同盟国でありバシー海峡を挟んで位置するフィリピンの存在は極めて重要だ。 その際、中国がフィリピンの関与を阻止するために、全土を停電にする可能性はあるだろう。 同じく、米国の同盟国であり米軍基地を抱える日本に対して、中国がフィリピンに対して実施したようなアプローチをするリスクを考慮するのは当然のことと言える。 今回の問題を 「事務的ミス」 で片付けるべきではない、と筆者は考える。 電力事業は2022年5月に成立した経済安全保障推進法で 「特定社会基盤事業」 と指定されている。 その所管官庁である内閣府は、地政学リスクも含めた徹底した原因究明をすべきだろう。 再エネ政策は中国の影響下? 阿比留瑠比の極言御免 2024/3/28 1:00 https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/ 中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料 https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/photo/BL5EXY7Y2FJVBNWPL7F6BG6P7I/ 国のエネルギー関連の有識者会議などで利用された資料に、中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴマークの透かしが入っていた問題は、我が国の再生エネルギー戦略は中国製の資料を基にし、中国の意図に沿って進められてきたのではないかとの深刻な疑念を生んでいる。 高市早苗経済安全保障担当相は2024年3月26日の記者会見で、ロゴ入り資料を提出した再エネ導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースの民間構成員を務めていた大林ミカ氏についてこう指摘した。 「該当構成員が所属する自然エネルギー財団は中国国家電網の会長が、会長を務めている団体に理事会メンバーとして参加している」 「エネルギー安全保障の関連政策の検討に当たっては、他国から干渉されることがあってはならない」 ■中露と送電網目指す 自然エネルギー財団はソフトバンクグループ(SBG)の会長兼社長の孫正義氏が、自然エネルギーを基盤とした社会構築を目的に設立した。 一方、国家電網公司の会長が会長を務める団体とは、中国、ロシア、韓国などの国際送電網の構築を目指す非営利団体 「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」 のことである。 大林氏が事業局長を務める自然エネルギー財団は2024年3月26日、 「無用な誤解を避けるため」 としてGEIDCOからの脱退を表明したが、財団もそのアジア版とも言える 「アジアスーパーグリッド(ASG)構想」 を掲げてきた。 国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年3月26日の記者会見で、これに対する懸念を次のように表明した。 「この財団が言っていることは、出来るだけ日本は原子力発電をやめろ、火力発電もやめろと」 「仮に電力不足になった時に、中国やロシアから電力を送電網を使って輸入していくことになると、エネルギーの中露依存が高まっていく」 「生殺与奪の権を握られてしまうということになる」 この安全保障上の観点を巡っては、自民党の小林鷹之前経済安保担当相も2021年2月、衆院予算委員会でこう指摘していた。 「(ASG構想で)日本は安全保障上、大陸と繋ぐわけにはいかない」 「日本はエネルギーミックスを、日本1国だけで実現していかなくてはいけない」 ■ロゴの問題ではない 自然エネルギー財団の大林氏をタスクフォース構成員に選んだのは河野太郎規制改革担当相である。 河野氏に関しては、外相時代の2018年3月の参院経済産業委員会でも、国民民主党の浜野喜史氏が外務省の気候変動に関する有識者会合の在り方を巡りこんな疑問を呈していた。 「メンバーを見ると非常に偏った構成だ」 「9人中3人が孫正義氏が会長を務める自然エネルギー財団の執行メンバーだ」 規制改革担当相としてタスクフォースを作った河野氏は2024年3月25日の衆院予算委では、政府資料に中国企業のロゴが入っていたことについてこう述べていた。 「ロゴにはウイルスのような有害な要素はないと判明した」 「ロゴのないものに差し替えることを考えている」 誰がコンピューターウイルスの心配をしているというのか。 余りに国民をバカにした答弁ではないか。 玉木氏が2024年3月26日の記者会見で 「ロゴが入っているかどうかの問題ではない」 「我が国の大切なエネルギー政策を決める際に、外国企業や外国政府の影響が及んでいるのではないか」 と語った通り、中国との関係こそが問われている。 中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料 2024/3/25 13:58 https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/ 再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料 https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/ 再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースで提出された資料に中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題で、内閣府規制改革推進室は2024年3月25日、緊急の記者会見を行った。 資料自体には中国企業に由来する内容はなく、内容に問題はないと説明した上で、更に経緯を調査するとした。 問題の資料はタスクフォース民間構成員の財団法人 「自然エネルギー財団」 事業局長、大林ミカ氏が作成し、2023年末などの会合向けに提出した。 一部のページに、中国の国営電力会社 「国家電網公司」 のロゴが入っていた。 記者会見した規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016〜2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇。 大林氏がその資料の提供を受け、別の機会に編集ソフト 「パワーポイント」 を用いて引用したところ、文書のテンプレート(ひな型)にロゴが残り、提出資料を作成した際にも反映された結果という。 ブラウザーの環境によっては表示されないため、同室も気付かなかったとした。 山田氏は大林氏の提出資料について 「内容には問題がない」 として、ロゴを抹消した上で再度、公開する方針を示した。 再発防止のため、事実関係を更に究明するとした上で 「何か不当な影響力の行使を受けたということであれば問題だが、単なる事務ミスかもしれない」 とも語った。 同財団と中国企業の関係については 「人的・資本的関係はないと聞いている」 と説明。 大林氏の身分に関しては 「まずは事実関係を調べてからだ」 と述べるにとどめた。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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