<■464行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> ■飯山あかりさん大健闘 ★百田 衆議院東京15区補欠選挙で、日本保守党は飯山あかりさんを擁立して12日間の選挙戦を闘い抜きました。 結果は4位でしたが、飯山さんはよく頑張ってくれました。 ★有本 大健闘して下さったと思います。 後ほどお話しする異常事態もあって、心身が傷付いておられるので、とにかくゆっくり休んで頂きたいです。 ★百田 飯山さんに投票して下さった2万4264人の皆さん、そして我々を応援、支援して下さった大勢の皆様に、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。 皆様のご期待に応えることが出来なかったことを深くお詫び申し上げます。 ただ、このような言い方をすると支援して下さった方に怒られてしまうかもしれませんが、選挙戦は総じて楽しかったです。 もちろん戦っている最中は、辛く苦しいことが多々あったのですが、得るものも多々ありました。 知己(ちき:自分のことをよく理解してくれる人、知り合い、知人)をはじめ、 「我々はこれぐらい闘えるのか」 ということも少しは見えました。 ★有本 日本保守党という団体からして設立から半年、まさにゼロからのスタートで、江東区に落下傘で来て2カ月足らずの選挙戦でした。 しかも、小選挙区を戦うには不利な 「諸派」 ですからね。 街宣車からポスター、ビラの数まで、国政政党に比べたら大幅に少ない数しか許されず。 ですから最初は泡沫候補と言われ馬鹿にされていましたが、関わった全員の頑張りで2万4264票を頂くことが出来ました。 最初の大きなステップになったと思っています。▲衆院補選 東京15区 定員 1立候補者数 9有権者数 430,285投票率 40.70%開票終了 https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/local/shutoken/20507/skh54852.html 飯山陽 諸派 新 48歳 イスラム思想研究者大学客員教授 24,264(14.2%) ★百田 得票率14.2%という数字は大きいですね。 月刊『Hanada』の読者はご存じかと思いますが、国政政党と認められるための条件が2つあります。 1つは、国会議員を5人以上擁すること。 もう1つは、衆参どちらかの国政選挙で得票率2%以上を取ることです。 今回は東京15区という限定された選挙区でしたから、通常の国政選挙とは単純に比較は出来ませんが、実際に全国を通して2%取れば国政政党として認められることを考えると、14.2%という数字の大きさがお分かり頂けると思います。 もちろん、通常の国政選挙となればこの数字通りにはなかなかいかないことは十分承知の上です。 しかし、今後我が党はかなり闘えるのではないかという手応えは感じています。 ★有本 衆議院選挙が2024年6月末にあるとも囁かれていますが、こればかりは実際にどうなるかは分かりません。 今回の選挙結果を詳細に分析し、常在戦場の思いで我々も戦略を練っていきます。 2024年7月7日には東京都知事選挙と東京都議会の補欠選挙が、2025年7月には参議院選挙が行われますから、その辺りも含めて早急に執行部で議論を尽くしたいと思います。 いずれにしても、百田さんがおっしゃるように14.2%という得票率には私も一定の手応えを感じました。 得票率10%を超えることが1つの目標でもあり、供託金が戻って来ることは周知の通りです。 ★百田 今回の東京15区の補選では9人が立候補しましたが、そのうち4人が供託金を没収されています。 小池百合子都知事が推した乙武洋匡さんは5位に沈み、得票率は11.5%と危なかった。 ★有本 これは後で知って驚いたのですが、乙武さんを猛烈に応援した小池さん、何と12日間の選挙戦中、9日間も応援に入っていたんですね。 俗に 「金魚鉢」 と呼ばれるガラス張り選挙カーに乗車して、自らウグイス嬢を買って出る力の入れようでした。 私も1度、小池さんのウグイスぶりを見たのですが、流石に選挙慣れしていて上手かったですよ。 ★百田 得意のアラビア語でやっていましたか(笑)。 ★有本 それはやっていません(笑)。 飯山さんの15区支部長就任会見で記者から小池さんについて問われた百田さんが、 「我が党の飯山さんとアラビア語で議論をしてもらいたい」 と言ったことが、ちょっとしたニュースになりましたね。 この報道が、小池さんの補選不出馬に大きく影響したと分析する人もいます。 あの会見の翌日、小池さんは物凄く不機嫌だったという情報もあります。 ここで初めて明かしますが、飯山さん擁立の話を執行部で会議した際、私が冗談半分で 「飯山さんのような本物のアラビストが出て来たら、小池知事は(自分のボロが出るのを恐れて)出られなくなりますよ」 と言ったら、百田さんがすかさず 「それ、ええなあ(笑)」 と仰った。 しかし、それをあの記者会見の場で咄嗟に持ち出して、ニュースにしてしまったのは流石と思います(笑)。 ★百田 私の咄嗟の一言が小池さんの出馬に待ったをかけた可能性があったとすると、我ながら良い事を言いましたかね(笑)。 しかし、都知事の公務をやりながら9日間も応援に入るほど力を入れたのに、乙武さんが敗れたら一切知らん顔。 あそこまで応援したのだから、普通なら一言ぐらい敗戦の弁を言うのが人としての筋です。 流石に薄情過ぎませんか。 ★有本 小池さんらしいと言えばらしいです。 これまでも、利用価値がなくなった人には一顧だにしない人と言われてきましたから。 ■虚構の「小池神話」 ★百田 今回の補選で、小池さんは東京都知事選へ弾みを付けるどころか、逆に自らに求心力がないということを示してしまった。 ★有本 「小池盤石」と言われた都知事3戦にさえも黄色信号が灯ったかと言われています。 ★百田 都知事選に出れば、学歴詐称疑惑で元側近が刑事告訴すると言っていることも影響するでしょう。 ★有本 いや、そもそも 「小池神話」 なんて本当にあったのでしょうか。 「小池さんが応援に入れば勝てる」 とまことしやかに言われてきましたが、それは虚構というか偶然だったのではないかと思います。 2024年1月に行われた八王子の市長選挙でも 「自民党は小池さんの応援があったから勝てた」 と言われていますが、それを証明する確たるデータなどは示されていません。 元々接戦で、最後は自民公明の底力で勝ち切ったという見方も成り立つわけです。 ★百田 しかし、乙武さんが出馬するとなった時、ほぼ全ての政治評論家やコメンテーターは 「小池氏が応援する乙武で決まりだ」 と断言していました。 そうした評論家連中は 「いや、自公が乗らなかったから」 と言い訳するのでしょうか。 彼らの 「分析」 が如何に当てにならないか。 現に、我が党の飯山さんについては全員が泡沫候補扱いして笑っていましたからね。 ★有本 表立ってはいませんが、自民公明の一定程度の人たちが乙武さんを支援したことは間違いありません。 特に、公明党が号令を掛けたことは確かです。 小池さんの顔を潰さないようにと動員は掛けていました。 自民党の一部も、自分たちの次の選挙を睨んで小池寄りになっていた。 ★百田 最後の最後で乙武さんにかなりの公明党票が入ったことは、私も聞いています。 ★有本 これまでも、期日前投票が始まる頃に公明党に頼むことは自民党の選挙手法として用いられてきました。 2023年4月に行われた千葉5区の補選でも、自民党の新人がその差、5000票の薄氷を踏む勝利となったですが、この時、公明党が期日前投票に相当の動員をかけて情勢調査を好転させています。 ところが、今回は小池さんの思ったようにはならなかった。 ■小池はアメリカ大統領か! ★百田 創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。 しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。 とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒! 3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、 「アメリカ大統領か!」 というぐらいの警備でした。 我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も 「選挙妨害」 を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。 そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。 小池さんが警視総監に 「何とかして」 と頼んだとか。 ★有本 今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの 「妨害」 ですね。 選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。 警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。 しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。 この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。 「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」 まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。 自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。 ■安倍総理の地元でも被害に ★百田 今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。 このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。 特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。 しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。 言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。 ★有本 今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。 公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。 ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。 それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。 前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。 選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。 ★百田 あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように 「モリカケ報道」 で安倍政権叩きを行っていました。 その結果、安倍政権の支持率は下落していた。 結果的に、小池さんの 「排除宣言」 によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。 ★有本 まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。 もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。 その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で 「アベの友達を優遇する政治は許せん!」 などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。 あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。 ★百田 7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。 ■山本太郎と繋がっていた ★有本 そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。 産経新聞が当時のことをこう報じています。 首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区 2017/10/13 11:40 https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/ <安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている> <安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している> <「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」> <公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ> <黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた> <安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した> <その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた> <黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した> <安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという> <この様子を山本氏は、ネット中継した> <集まった報道陣も黒川氏らに群がった> <安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った> ★百田 2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。 そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。 少し見えてきましたね。 選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。 ★有本 無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。 ■15年前の悪夢 ★百田 今回の選挙で非常に驚いたことは、自民党の支持者の約10%が立憲民主党に投票したことです。 言うまでもなく、立憲民主党はあの 「悪夢の民主党政権」 の残党、しかも旧民主党の最も醜悪な議員によって結成されている党です。 今から15年前の2009年に、 「自民党にお灸を据えて、1回民主党にやらせてみよう」 と考えた大勢の国民が民主党に投票しました。 メディアも朝から晩まで狂ったように 「政権交代や!」 の大合唱。 その結果、民主党は193人増えて、改選480議席のうち308議席を占め大勝、対する自民党は181人減って119議席と大惨敗。 ところが、政権を取った民主党は 「マニフェスト」 詐欺はやるわ、経済・外交安全保障など全てにおいてド素人、国内外で無茶苦茶な政権運営をし、日本を破壊しまくった。 繰り返しますが、その時の民主党の一番酷い議員を凝縮させているのが、現在の立憲民主党です。 しかし、メディアはこうした 「立憲民主党の正体」 を報道しないので、多くの人にとってはもう記憶の彼方になってしまっているのかもしれません。 12年前の2012年に、国民は民主党政権に懲りたはずなんです。 ところが、今回の選挙でも 「自民党があかんから、立憲に入れとこ」 と15年前(2009年)と同じようなことが起きてしまっている。 しかも、今回は共産党と組んだ 「立憲共産党」 に自民党の支持者まで投票している。 こんな政党が政権を取ったら、どえらい事になります。 ただし、では今の自民党に勝たせて良いのかという大きな問題でもあるんです。 ★有本 はい。 それが12年前(2012年)と大きく異なる所ですね。 12年前(2012年)は安倍晋三さんがおられて、百田さんはじめ、慧眼の方々が応援した結果、奇跡的に自民党総裁に返り咲き、総理にも返り咲きました。 ★百田 そうです。 確かに、立憲民主党あるいは立憲共産党なんかに政権を渡したら絶対にダメです。 ただ、今の岸田政権を見ていると、自民党を勝たせ続け増長させるのもダメ。 政権を渡さない程度に自民の票を奪うことは必要だと痛感します。 その受け皿に日本保守党がなるという思いです。 ■なんちゃってリベラル政党 ★有本 よく、 「自民党の議席が減ったら益々憲法改正が遠のくではないか」 と言う人がいます。 そうした人たちに言いたい。 「自民党は長年、400議席も持っていながら何もしてこなかったじゃないですか」 と。 ★百田 私は生前、安倍さんに直接何度も申し上げました。 「安倍さん、私はこれまで憲法改正をやってくれるから自民党に投票してきました」 「与党で過半数持っているのに、全然やってくれないではないですか」 「これでは、憲法改正やるやる詐欺ですよ」 と。 月刊『Hanada』(2022年2月号)で行った対談が安倍さんとの最期になってしまいましたが、あの時、安倍さんはこう仰った。 「百田さんは激しい人ですから、言葉がグサッグサッと心に刺さりました」 まさか、その後しばらくして、あのような形でお亡くなりになるとは・・・。 第3次安倍内閣があれば、憲法改正を実現してくれたと思っています。 それだけに、安倍さんの死は無念でなりません。 ★有本 そうでしたね。 安倍総理が在職日数歴代最長の記録となった日の夕食会で、百田さんがこう仰ったのを覚えています。 「安倍総理の前で言うのも何ですが、自民党の議員にもかなりクズみたいなのが混じっています」 「しかし、安倍さんが総理だから大丈夫と僕は思っているんです」 「そのクズも引き連れて、何とか憲法改正を成し遂げて頂きたい」 あれからもう5年経つんですね。 ここへきて、岸田首相も 「自民党総裁任期中に実現したいという思いは、いささかも変わりはない」(2024年5月5日記者会見) と言っていますが、総裁任期まであと4カ月です。 公明党と連立を組んでいる限り、憲法改正は難しいでしょう。 だから、 「自民党に任せておけばいいんだ」 という人は単なる事なかれ主義か、自民党から媚薬でもかがされているか、日本保守党嫌いか、の何れかです(苦笑)。 憲法改正を成し遂げるためにも、憲法改正を掲げる真正保守の新たな選択肢が必要です。 ★百田 だから日本保守党を作ったんですよ。 ★有本 しかし、我々が国政に影響を及ぼす存在になるには時間がかかります。 すぐには難しいのが現実です。 でも、かといって何もしなくていいというわけではありません。 とにかく今行動し、最短距離を走る努力をしなければこの国は滅んでしまう。 それぐらいの危機感を抱いています。 今の国会を見たら、”なんちゃってリベラル政党”だらけですものね。 そしてどの政党も、口を開けば改革、改革と言っていますが、何を改革するのかはっきりしない。 日本を壊す「改悪」ばかり。 ■「保守を割るな」批判の真意 ★百田 日本保守党を立ち上げたことで、保守派や保守論客と言われる人たちも含め、実に様々な人から散々批判されました。 「保守を割るのか」 「保守を分裂させるのか」 と。 はっきり言います。 自民党は保守ではない! 今回、自民党から立憲に票が流れたことも、自民党が最早保守ではない1つの証左だと思っています。 ★有本 もう1つ、今回の選挙戦を通じて分かったことは、自民党、維新、立憲の政策に大きな違いがないということです。 エネルギー政策などは、その最も顕著な例です。 自民と立憲が大同小異だと思ってみると、自民党の国会議員らが何故あれほどまでに我々に対して 「保守を割るな」 と強く言っていたかが分かります。 それは、 「自民党こそが保守なんだから俺たちのやっている事を邪魔するな」 という意味ではなく、自分たちに投票してきたいわゆる保守層の 「票田を割るな。奪うな」 というのが彼らの本音なんです。 「俺たちが保守の顔をして得てきた票田をお前たちに食われてたまるか」 と。 ★百田 理念や信念ではなく、単に 「自分の選挙が危なくなるやないか」 「余計な事すんなよ」 ということですね。 そうやって、自民党は保守層を騙し続けてきたわけか。 ★有本 実際、 「もうこんな自民党は支持できない」 と言って、自民党員を辞めて日本保守党の党員になって下さった方も大勢います。 一方、これまで政治に強い興味を抱いてこなかったけれど、初めて党員になったという方々もおられる。 つまり、我々は今、新たな保守層を掘り起こす活動を行っているんです。 政治的な思想を意識してこなかった人に対して、 「自分の考えは保守の考えなんだな」 と気付きを持ってもらう。 日本の庶民は知的水準が高いですからね。 理念や政策をきちんと訴えれば、新たな支持者となって下さる方が大勢いるはずです。 日本の社会を守りたいと思っている人、日本がもっと豊かに強くなってほしいと願っている人、こういう方々は皆さん、うちの支持者になり得ると思っています。 朝日新聞の記者が事務所に来て、 「日本を豊かに、強く。」 というキャッチフレーズが書かれた日本保守党のポスターを見て、 「これいいですよね」 と言いました。 私は 「これ(キャッチフレーズ)に異論ないでしょ」 と聞くと、 「ありません」 と。 若い記者ですが、当然の答え、感覚だと思うのです。 日本人であれば、自国である日本が豊かに強くなることに対して異論がある人はまずいないはずです。 「であれば、我々と一緒に政治を変えていきませんか」 と同志を募っている最中です。 そのような同志を増やしていくことで、議席は自ずと付いて来るだろうと考えています。 ★百田 日本が貧しく弱くなったら、日々の生活も仕事も出来なくなってしまうわけですからね。 ところが、今の政治はまさに日本を貧しく弱くする政策ばかり行っています。 ★有本 坂道を転がり落ちている状態で、今止めなければ取り返し付かなくなってしまいます。 その不安は国民の多くが漠然と感じている。 その思いを受け止め、解決策を訴えていく新たな選択肢が政治に必要であり、新たな保守を掘り起こせる政党が日本には不可欠です。 ■最もショックを受けたこと ★百田 物事はそう簡単ではないことは百も承知の上です。 現に今回の選挙を見ても、無党派層の多くが立憲民主党に流れています。 これは、東京15区以外の島根1区と長崎3区でも同様でした。 補選全勝を受けて、立憲の泉代表は 「地殻変動が起きた」 と嬉々としてします。 ★有本 「今選挙をやったら勝てる」 と思っているのでしょう。 ★百田 残念ながら、それは事実かもしれません。 いつ衆議院選挙があるか分かりませんが、今、行ったら自民党は惨敗するでしょう。 今回の選挙戦を戦って実感したことは、有権者の幅広さです。 全ての有権者の心に突き刺さる政策や思想、言葉はありません。 各候補者の政策をしっかり吟味する人もいれば、握手をしたから、何か感じが良かったから、テレビで見たことあるから、といった理由で1票を投じる人もいる。 後者の方が多いかもしれません。 それと、私が今回最もショックを受けたことは、投票率の低さです。 東京15区の投票率は40.7%、有権者のおよそ6割が選挙に行っていないのです。 これは物凄く深刻です。 民主主義の崩壊に近いのではないかとすら思います。 6割が 「国家の運営を左右する代議士を選ぶ選挙に行かない」 「選挙なんてどうでもええわ」 と思っているんです。 我々は、この 「選挙なんてどうでもええわ」 と思っている6割にどれだけ言葉を届けられるか。 これは非常に難しい課題です。 今回の選挙戦を通じて、そのことを痛感しました。 ★有本 投票率が下がるほど、組織票を持つ政党が有利になりますから、政治が全く変わりません。 今回の補選に限らず、全国的な課題です。 ★百田 私は選挙戦の終盤で、必ずこう訴えました。 「皆さん、白票を投じたり、棄権しないで下さい」 「その1票が本当に大きな1票なんです」 「日本の民主主義を支える1票なんです」 「1票をどうか無駄にしないで下さい」 と。 もう何百回言ったか分からないほど言いました。 でも、その声は残念ながら届かなかった・・・。 ■これが現実なんだと痛感 ★有本 私もメディアの記者の取材を受ける際には、必ず 「多くの選挙で投票率が5割を切っている」 「これは我が国の民主主義の危機ですよ」 と強調してきました。 ところが、メディアもそれを深堀りしないんですよね。 我々も東京15区の選挙結果を今後詳細に分析していき戦略を練りますが、長崎3区では投票率35.45%と更に低かった。 ★百田 7割近くが選挙に行っていない・・・6割、7割と言えば有権者の大半です。 それほど多くの国民が 「立憲になろうが、自民党になろうが、共産党になろうが関係ない」 「勝手にやっといて」 と思っている。 もちろん、補選は全国ニュースでごく僅かしか扱わないこともあって投票率が下がることは知られています。 そして、未だにテレビからしか情報を得ていない人が国民の多くにいます。 実際、東京15区の住民の方からも 「え、選挙があるんですか? 何の選挙ですか?」 と度々訊かれました。 これが現実なんだと痛感しました。 日本はまだまだ 「テレビの国」 なんだと。 ★有本 候補者のことなど、ましてや諸派扱いの日本保守党は、ほとんどテレビで取り上げられませんからね。 ただ、9人の候補者の中で、例えば先程申し上げた通り、エネルギー政策において再エネ推進なんですよね。 つまり、政策面で与野党に対立軸があるようで、実はない。 そういったことにメディア報道がもっと食い込んでくれたら、と思うと同時に、我々ももっと有権者に気付いて頂ける努力を重ねるべきでした。 ★百田 最早政策以前に、政治そのものに関心がないのかもしれません・・・。 悪夢の民主党政権を経験して、 「やっぱり自民党じゃなきゃダメだ」 となった大勢の人たちが、これまでの、特に最近の岸田政権の酷い政治を目の当たりにして、 「もうどの政党を選んだらいいか分からない」 といった状態に陥ってしまっているのかもしれません。 ★有本 政治を諦めてしまっている。 そうした人たちにこそどうしたら私たちの声を届け、投票に結び付けていくことが出来るか。 まさに今後の課題ですね。 ★百田 険しい道のりです。 ですが、必ず乗り越えて日本を豊かに、強くしていきたいと思っています。 初の選挙戦を戦い抜いた今、その思いを新たにしています。 日本保守党初陣の舞台裏を明かす Hanada2024年7月号 日本保守党代表 百田尚樹 日本保守党事務総長 有本香 反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶 Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ また、立憲民主党の蓮舫議員は、2024年東京15区の補選についてXで次のように述べています。 ★蓮舫氏 私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。 警察の対応が遅くて怖かったです。 でも、負けない。 ■演説妨害者を正当化 2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が 「安倍やめろ」 「帰れ」 と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。 安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。 ★安倍晋三 皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。 私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。 憎悪からは何も生まれない。 相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。 こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。 都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。 この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から 「こんな人たちに負けるわけにはいかない」 という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。 この演説会において、大群衆が大合唱した表現である 「安倍やめろ」 「帰れ」 というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。 論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく 「安倍やめろ」 「帰れ」 と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。 ■「こんな人たち」の真意 【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、 「安倍やめろ」 「帰れ」 は、上述の理由から、「非言論」の要素です。 つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。 これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。 一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。 安倍氏の言う 「こんな人たち」 は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として 「負けるわけにはいかない」 と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。 一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の 「選挙妨害」 に 「憤りを感じている」 と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、 「つばさの党の党員も都民じゃないか」 「この剥き出しの敵意、何なのか」 「演説を邪魔する行為と激高した」 「少なくとも敵と思っている人も都民だ」 などと非難しなければ、公平ではありません。 警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。 むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。 一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。 ■蓮舫のダブスタ発言 野党政治家も、マスメディアに同調しました。 当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。 ★民進党・蓮舫代表 国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。 それを総理大臣がやるということは 『1億総活躍』 『皆が活躍できるチャンス』 と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。 自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。 私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。 でも、私は双方向で政治をしたい。 色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」 (2017年7月6日) 安倍氏は、蓮舫氏のように 「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」 などと宣言していません。 安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に 「負けるわけにはいかない」 と宣言しただけです。 党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する 【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】 https://hamwrite.com/strawman-argument に他なりません。 尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も 「色々な意見を持っている人」 であるはずです。 蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を 「選挙妨害」 と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、 「警察の対応が遅くて怖かった」 と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には 「でも、負けない」 とつばさの党を敵認定しました。 蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。 いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。 この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。 このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。 これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない 「ステルス遊説」 と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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