<■715行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 【速報中】中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権への圧力 2024年5月23日 14時20分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240523/k10014457961000.html 中国軍は2024年5月23日午前、台湾や台湾の離島の周辺で軍事演習を開始したと発表しました。 台湾の頼清徳総統は2024年5月20日の就任演説で 「台湾は中国の一部だ」 とする中国の主張を否定していて、中国軍は 「『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めだ」 として、頼政権への圧力を強めています。 目次 中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化 中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表 【詳しくはこちら】1からわかる!台湾と中国の関係は? ■中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化 中国軍で台湾を含む東シナ海などを管轄する東部戦区は日本時間の2024年5月23日午前8時45分から台湾の北部と南部、それに東部の台湾をほぼ取り囲む海域などや、台湾の離島の金門島などの周辺で軍事演習を開始したと発表しました。 東部戦区によりますと、軍事演習は2024年5月23日と2024年5月24日の2日間行われ、陸海空軍とロケット軍などがパトロールを行う他、合同で作戦の実行能力を検証するとしています。 東部戦区の報道官は 「これは『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めであり、外部勢力による干渉への厳重な警告だ」 としています。 これに加えて、中国海警局は2024年5月23日、台湾の対岸にある福建省に近い台湾の2つの離島周辺海域で総合的な訓練を行い、パトロールや緊急対応能力を検証すると発表しました。 中国軍は2022年8月、当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した後、台湾を取り囲むように軍事演習を行いました。 また、2023年4月に台湾の蔡英文前総統がアメリカに滞在した際や、2023年8月に今の頼清徳総統が副総統として南米訪問でアメリカに立ち寄った際などにも繰り返し台湾周辺での演習を発表してきました。 ■台湾 頼清徳 総統 2024年5月20日の就任演説で、頼総統は 「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」 などと述べ 「台湾は中国の一部だ」 とする中国の主張を否定していて、中国はこれに反発すると共に、頼政権への軍事的な圧力を強めています。 ■中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表 中国軍はSNSで軍事演習を行う範囲だとする地図を発表しました。 地図には台湾本島を取り囲むように赤い太い線で囲んだ区域が5つ示されています。 また、中国大陸に近接した台湾の離島の金門島や馬祖島などの周辺は、矢印の付いた赤い点線で囲まれています。 ■台湾国防部「理性がない挑発」遺憾の意を表明 中国側の発表について、台湾国防部は 「理性がない挑発、地域の平和と安定を破壊する行動だ」 として 「遺憾」 の意を示しました。 更に 「口実を設けて軍事演習を行うことは、台湾海峡の平和と安定に役立たない上、横暴な本質をはっきりと浮かび上がらせている」 と中国軍を非難しました。 ■台湾 総統府「一方的な軍事挑発は遺憾」 台湾の総統府の報道官もコメントを発表しました。 「中国が一方的に軍事挑発を行い、台湾の民主主義と自由、及び地域の平和で安定した現状を脅かすのを目にするのは遺憾だ」 「地域の平和と安定の維持は台湾海峡両岸の共通の責任と目標であるというのが総統府の一貫した立場だ」 としています。 また、台湾の市民に対しては 「国家安全チームと軍は、演習の状況を全面的に把握している」 「安心してほしい」 と呼び掛けました。 ■台北市民「攻めてくることはない」 中国軍の演習発表があったのは、ちょうど台湾の朝の通勤時間帯でしたが、台北市内のオフィス街は人も車もいつも通り通行していて、普段の平日と変わった様子はありませんでした。 中国軍の発表について、44歳の女性は 「演習をしたければすればいいですよ」 「本当に攻めてくることはないでしょう」 と話していました。 26歳の男性は 「一種のデモンストレーションだと思います」 「私たち一般人はいつも通り出勤するだけで、全体的には大きな影響はないでしょう」 と話していました。 《日本の反応》 ■林官房長官「推移注視し外交努力続ける」 林官房長官は午前の記者会見で 「台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要であり、引き続き中国側に直接しっかり伝えると共に、アメリカをはじめとする同盟国や同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信していく」 「両岸関係の推移をしっかり注視し、外交努力を続けていく」 と述べました。 ■沖縄県 玉城知事「情報収集し状況を注視していきたい」 沖縄県の玉城知事は2024年5月23日午前11時頃、県庁でNHKの取材に応じ 「台湾の頼総統の就任式に合わせて中国が演習に出たのではないかと思うが、情報収集に当たり、状況を注視していきたい」 と述べました。 《中国軍 台湾周辺での過去の演習》 ■米ペロシ下院議長が台湾訪問(2022年8月) 【2022年8月】 当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことへの対抗措置として、中国軍は、台湾を取り囲むようにあわせて6か所の海域と空域で軍事演習を行いました。 この演習は当初の日程から延長され、7日間に渡って続きました。 この演習では、中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下し、日本政府が中国に抗議しました。 また、ペロシ氏の台湾訪問の後、中国軍機が台湾海峡の 「中間線」 を越えて台湾側の空域に入る飛行を常態化させるなど、中国は台湾に対する軍事的な圧力を強めました。 ■台湾 蔡英文総統が米下院議長と会談(2023年4月) 【2023年4月】 いずれも当時の台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談した対抗措置として、中国軍は台湾周辺で3日間に渡って、パトロールと軍事演習を行いました。 この演習には、中国軍では2隻目で、国産としては初めての空母「山東」も参加して空母から艦載機が飛び立つとする映像などが公開されました。 ■台湾 頼清徳 副総統が米訪問(2023年8月) 【2023年8月】 今の頼清徳総統が副総統として南米のパラグアイを訪問した際、アメリカを経由したのにあわせて台湾周辺でパトロールと軍事演習を行いました。 中国軍は、この時の演習の日程については当日、1日だけ発表しています。 この他、中国は、アメリカの議員団の台湾訪問への対抗措置だとして台湾周辺で軍事演習を行うなど、台湾への軍事的圧力を強めています。 【動画】台北支局 逵健雄支局長に聞く 状況は?台湾の国防部「非理性的な挑発」と反発 中国の軍事演習開始で談話 2024/5/23 13:33 https://www.sankei.com/article/20240523-3XNOMCSI4RJTLABP2Z3WXYY2YQ/ 台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月23日、中国軍の東部戦区が台湾周辺などで軍事演習を始めたことを受けて談話を発表し、 「非理性的な挑発であり、地域の平和と安定を破壊する行動だ」 と反発した。 国防部は、陸海空軍によって対処するとし 「実際の行動で自由と民主主義、主権を守る」 と表明した。 国防部は、中国軍が 「近年、軍用機や軍艦を継続的に派遣させて攪乱させている」 と指摘し、 「世界の平和と安定を実質的に侵害している」 と批判した。 中国軍が台湾取り囲み軍事演習を開始 頼清徳氏の総統就任を受け軍事圧力、24日まで 2024/5/23 10:05 https://www.sankei.com/article/20240523-YVZRA5NVZVJUBDYZ4J5Z6BJUGI/ 中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月23日、台湾を取り囲んで軍事演習を同日開始したと発表した。 演習は2024年5月24日まで続ける。 中国が 「台湾独立」 派と見做す台湾の民主進歩党の頼清徳氏が2024年5月20日に総統に就任したことを受けて軍事的圧力を強めた。 東部戦区の発表によると、演習は2024年5月23日午前7時45分(日本時間8時45分)に開始した。 台湾本島の北部や南部、東部の他、台湾海峡、中国大陸近くに位置する台湾の離島である金門島や馬祖島の周辺などを演習地域としている。 東部戦区の報道官は、演習について 「『台湾独立』の分裂勢力による独立を画策する行為への力強い懲戒であり、外部勢力の干渉や挑発に対する重大な警告だ」 と表明した。 中国は、頼政権への非難や圧力を増している。 王毅共産党政治局員兼外相は2024年5月21日、 「頼清徳の類いの民族と祖先に背く恥ずべき行為は誰も相手にしない」 と頼氏を名指しで非難した。 台湾を支援する米国にも反発している。 中国外務省は2024年5月22日、台湾への武器売却などを理由に米国の防衛関連企業12社と幹部ら10人に制裁を科すと発表。 中国政府は3日連続で対米制裁を打ち出している。 中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した際、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施。 2023年4月にも、台湾の蔡英文総統(当時)が訪米してマッカーシー米下院議長(当時)と会談したことに対する報復措置として軍事演習を行った。 中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性 阿比留瑠比の極言御免 2024/5/23 1:00 https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/ 民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。 中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担した場合についてこう警告した。 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。 当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。 「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」 これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。 日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると 「表明」 する中国の 「立場」 について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。 鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に 「台湾は中国の不可分の一部」 だと明言してしまっている。 ■「領有問題」の前科 また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。 現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、 「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」 との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。 「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」 日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の 「領有権問題の存在を認めろ」 という要求に擦り寄っている。 その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から 「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」 との確認を取っていた。 その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。 「こんなバカを言う首相がいるのか」 「バカな会合だ」 「ナンセンス!」 懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。 「日本列島は日本人だけの所有物ではない」 「国というものが何だかよく分からない」 こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。 ■怒るべき時に怒れ ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の 「民衆が火の中」 発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。 これについて筆者がX(旧ツイッター)に 「政府答弁が楽しみ」 と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。 「実質的に 『日本人を殺す』 とまで言われておきながら、 『答弁』 だけで誤魔化せては駄目です」 「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」 「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」 「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」 怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。 呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨 2024/5/22 17:16 https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/ 中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った 「火の中」 発言の要旨は以下の通り。 ◇ 我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。 台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。 長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。 中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。 答えははっきりしている。 日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。 中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言 2024/5/22 17:15 https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/ 林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 と発言したことについて 「極めて不適切だ」 「直ちに厳重な抗議を行った」 と述べた。 呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。 発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。 呉氏は 「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」 と主張し、 「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」 「答えははっきりしている」 と暗に米国を批判。 その上で 「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と日本が米国に追随しないよう牽制した。 呉氏は同時に 「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」 と述べ、反発を予想していることも窺わせた。 座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。 だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に 「基本的に同意する」 と述べた。 呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも 「台湾有事は日本有事」 との見方は 「荒唐無稽で極めて有害だ」 とし、 「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した。 この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で 「極めて不適切」 として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。 同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。 松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。 「脅迫発言」 を 「2度も繰り返すのは極めて不見識」 「日本政府に対し敬意を欠く」 と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき 「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」 と求めた。 「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難 2024/5/22 12:31 https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/ 林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 と発言したことについて 「極めて不適切だ」 「直ちに厳重な抗議を行った」 と非難した。 また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を 「民族と祖先に背く恥ずべき行為」 をしていると名指しで非難したことに関し 「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」 と指摘。 その上で 「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」 と強調した。 中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」 2024/5/21 20:16 https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/ 中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて 「極めて不適切だ」 と厳重に抗議したことが分かった。 政府筋が2024年5月21日、明らかにした。 呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を 「台湾独立勢力を公然と後押しした」 「断固反対する」 と非難した上で 「火の中に」 と強く牽制。 2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。 中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」 2024/5/21 16:54 https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/ 中国の呉江浩駐日大使が、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、 「基本的に同意する」 と述べていたことが分かった。 招待を受けた鳩山氏は 「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」 と持論を展開。 「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」 と言い切った。 一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。 呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。 座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。 呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。 「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書 2024/5/21 14:00 https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/ 松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。 呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する 「座談会」 で、この発言を行った。 松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が 「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」 と国会で答弁したことを紹介。 「脅迫発言」 を 「2度も繰り返すのは極めて不見識」 「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」 と指摘した。 その上で 「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」 として政府の見解を求めた。 政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。 中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告 2024/5/20 19:12 https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/ 中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、 「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」 と批判した。 東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する 「座談会」 で語った。 呉氏は 「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」 「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」 と頼清徳政権を牽制した。 更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは 「台湾独立を抑制する切り札だ」 と強調。 日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と警告した。 座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。 鳩山氏は 「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」 と呉氏の主張に同調した。 自由がなければ生きていても意味がない。 自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。 <正論>台湾のレジスタンスを支える鍵 東京国際大学特命教授・村井友秀 2024/2/21 8:00 https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/ 台湾有事は隣接する沖縄の有事である。 日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。 ■台湾は中国か 中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。 沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。 しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な 「蛮族」 が住む 「化外の地」 である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。 その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い 「台湾」 と表記されるようになった。 これが中国が主張する 「歴史的権利」 の背景である。 今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。 ■台湾は独立国か 2024年1月の台湾総統選挙で、かつて 「台湾独立の仕事人」 と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。 頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する 「1つの中国」 を否定した。 頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。 国際法によれば、独立国家の成立要件は、 @国民 A領土 B統治能力を持つ政府の存在 と定義されている。 また、スターリンは独立国家の条件として、 @100万人以上の人口 A外国と国境を接している B国名を冠する民族が過半数を占める の3条件を主張していた。 台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。 台湾は独立国たる条件を備えている。 しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。 他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。 また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。 ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。 ロシアのウクライナ侵略と同じである。 その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。 ■台湾の抵抗力 中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。 世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が 「台湾を守るために戦う」 と回答した。 なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。 戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。 小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。 小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。 米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。 ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。 大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。 中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。 いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。 中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。 台湾人が 「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」 と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。 台湾人が 「死ぬくらいなら中国の一部になる」 と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。 今、中共は 「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」 と言っている。 順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。 米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは 「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」 と言った。 死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。 普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。 もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。 即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。 中共が 「順我者昌、逆我者亡」 と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。 台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。 <主張>頼総統の就任 抑止力強化で台湾を守れ 社説 2024/5/21 5:00 https://www.sankei.com/article/20240521-WBOUJ4CYDROKZPZ6XIENICAALY/ 2024年1月の台湾総統選挙で当選した民主進歩党の頼清徳主席が総統に就任した。 頼氏は就任演説で、 「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」 との原則を表明し、中国の圧力に対して民主主義陣営と連携して防衛力を強化する姿勢を示した。 日本は頼政権を後押しし、台湾海峡の平和と安定を保っていくべきだ。 外交安全保障政策について、頼氏が蔡英文前総統の路線を踏襲するのは妥当だ。 頼政権の中核メンバーには蔡前政権の要人が多く登用された。 蔡前政権は中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、一部の台湾農産物の輸入を禁止するなど圧力を掛ける中、米国との連携を推進し、欧州諸国との関係も強めた。台湾の安保強化に努めた功績は大きい。 頼氏は行政院長(首相に相当)時代に 「私は台湾独立のための堅実な仕事人」 と述べたことがある。 だが、総統としては 「台湾独立」 を唱えず、現状維持を図ることで台湾の自由と民主主義、繁栄を守る姿勢だ。 国際社会には 「台湾海峡の平和と安定の重要性」 へのコンセンサスがある。 頼氏は自信を持ち、同時に細心の注意を払って対中政策を進めるべきだ。 台湾併吞を狙う中国の習近平政権は先月、対中融和を掲げる台湾の最大野党、国民党の馬英九元総統を中国に招き厚遇した。 国民党への影響力を強め、内政に介入したいのだろう。 台湾周辺で中国軍は多数の艦船を航行させたり、軍用機を飛行させたりして威嚇している。 だが、力による一方的な現状変更は許されないし、成功しない。 台湾人は自由と民主を享受している。 香港の自由の圧殺を目の当たりにもした。 共産党統治を歓迎するはずがない。 頼氏は総統就任前、日台関係について 「私たちは同生共死(=共に生き共に死ぬ)だ」 「台湾有事は日本有事であり、日本有事は台湾有事である」 と語った。 対中抑止へ日本の協力を期待した発言だ。 中国の侵攻による台湾有事が日本有事と連動するのは、西側の安全保障関係者にとって常識である。 日台が対中抑止力を向上させれば互いの安全が高まる。 岸田文雄政権は防衛力の抜本的強化を進め、日台、日米台の安保対話に乗り出すべきだ。 「台湾の民意」踏まえた頼新総統の演説、中国に強い警戒感 小笠原欣幸・東京外大名誉教授 2024/5/21 0:13 https://www.sankei.com/article/20240521-EZL5FCEO3VIJHJNSXBHWBG6FYQ/ 頼清徳新総統の就任演説は、蔡英文政権の路線を継承し、対中政策の 「現状維持」 を明言した一方、台湾を守る強い意思を感じさせた。 蔡氏の就任時は 「両岸(中台)」 や 「対岸」 などの表現を使ったが、頼氏は 「中国」 で通した。 中台が 「1つの中国」 原則を確認したと中国が主張する 「1992年合意」 にも全く言及せず、中国への警戒感が強く滲んだ。 台湾では蔡政権の8年間で 「台湾アイデンティティー」 が定着した。 2024年4月の世論調査で 「両岸は2つの異なる国家」 だとする人が76.1%に上った。 頼氏は演説で、 「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」 とした。 8年前の蔡氏就任時には無かった言葉だ。 台湾の民意、対中認識を踏まえた演説だった。 一方で頼氏は新憲法制定など 「台湾独立」 には触れておらず、中国に不必要な刺激を与えることも避けた。 その上で強調した 「現状維持」 とは、 「民主の中華民国、台湾」 を守ることだろう。 蔡路線と同様に中国の圧力に屈しないとはっきり打ち出した。 中国はどのみち頼氏を批判するが、現状維持の台湾の民意を直視すべきだ。 総統選では若者票の多くが他党候補に流れ、立法院(国会に相当)で民進党は第1党を野党、中国国民党に奪われた。 演説で言及した経済の強化などの内政課題では、民進党が完勝した蔡氏の就任時に比べると抽象的な言い方にも聞こえた。 民進党の政権運営の苦しさが見えるような内容でもあったと感じる。 頼氏の就任直前、立法院で国民、民進両党委員の乱闘騒ぎがあった。 中国はこの対立を 「使える」 状況だと見ている。 野党多数の状況を通じ、中国に不利な法律の改正など、立法分野から頼政権を揺さぶる見通しを立てているだろう。 次の総統選に向け、中国は民進党政権への不信感を増長させる動きを見せるはずだが、 「台湾は中国ではない」 との民意が多数を占める以上、国民党も中国に過度な接近は難しい。 中台問題に関心が高くない若者への浸透工作などに頼政権がどう対処するのか、注目していく必要がある。 演説で日本には触れなかったものの、親日家の頼氏はこれまで自民党議員らと太いパイプもあった。 日本が出来る事と出来ない事を理解している。 頼政権の誕生は、民間交流などの拡大を通じ、相互の信頼関係を太くしていくという点で日本にとってプラスとなる。 米、台湾との「非公式関係」深め中国を抑止 トランプ前政権閣僚は「戦略的曖昧さ」を批判 2024/5/20 22:22 https://www.sankei.com/article/20240520-NOEW7ERLIRJMNEFM4AWUUK45SM/ 台湾の頼清徳・新総統が2024年5月20日に就任したことを受け、ブリンケン米国務長官は米東部時間2024年5月19日、就任に祝意を伝えると共に 「長年の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持していく」 とする声明を発表した。 バイデン政権は中国による台湾の武力統一を視野に、引き続き軍事支援の強化を通じて抑止力を高めていく構えだ。 ■就任式に超党派代表団を派遣 ブリンケン氏は声明で、頼氏の就任に関し、 「台湾の人々が民主主義体制の強靭さを改めて示したことに祝意を表する」 とした。 その上で 「民主主義の価値に根差した米国人と台湾人のパートナーシップ」 を貿易、経済、文化などの各分野で拡大させると強調。 更に、蔡英文前総統が8年間に渡り米台関係を強化してきたと称えた。 米政府は就任式にアーミテージ元国務副長官ら超党派代表団を派遣。 中国の軍事的威圧が続く台湾を支える姿勢を強調する。 クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2024年4月30日、上院公聴会で 「中国は台湾の武力統一の選択肢を放棄せず、外交・情報・軍事・経済上の圧力を強めている」 と指摘。 「脅威に対処するため政権は広範囲な手段を使い中台間の抑止力強化に注力している」 と訴えた。 バイデン政権は 「台湾海峡の現状維持」 のため武器供与・売却の増強に加え日米同盟を軸にインド太平洋の同盟諸国との連携を駆使した抑止力向上を強調。 台湾、ウクライナ、イスラエル支援のための緊急予算も先月成立した。 ■米国防予算は実質減 しかし、台湾侵攻に備える中国への抑止力低下の懸念が野党・共和党を中心とした超党派で高まっている。 中国の艦船建造や中距離ミサイル配備の加速で米中軍事バランスが急激に変化しているからだ。 米シンクタンク「ハドソン研究所」のウォルター・ラッセル・ミード氏は、中国など現状変更勢力への抑止力の衰退は 「米外交政策最大の問題」 と警告する。 専門家が懸念するのは、政権が2024年3月に要求した2025会計年度の国防予算だ。 前年度比約1%増で物価上昇分を差し引けば実質減。 米メディアによると、戦闘機やミサイルの購入や空母、潜水艦の発注に影響が出る。 2024年4月、議員辞職した共和党のギャラガー前下院中国特別委員会委員長は米外交誌への共同寄稿で 「政権は直ちに方針を変更すべきだ」 と訴えた。 また、ウクライナ支援の長期化に伴い米防衛産業の供給力が限界に達し、武器供与の速度や米軍の戦力維持の足枷になっている。 ■軍事介入発言は火消し バイデン大統領は過去4回、中国が台湾を攻撃する際に軍事介入すると公言したが、その度に高官は火消しに回り、米国の軍事的関与を曖昧にした。 バイデン政権は米中の緊張回避を目先の目標に据え、台湾関係法に基づく台湾支援と 「1つの中国」 政策の整合性を巡り、中国側の 「誤解の除去」(高官) に神経を砕く。 習近平国家主席との対話路線を維持させたいバイデン大統領の意向が背景にあるのは明白だ。 一方、ポンペオ前国務長官ら共和党のトランプ前大統領に近い元高官や専門家は最近、バイデン政権の一貫性に欠く態度は抑止減退の一因と批判し、 「戦略的曖昧さ」 をやめて台湾への防衛意思を明確化するよう訴えている。 台湾の正副新総統が日本議員団と昼食会「関係強化は必然」 就任式などに各国から500人 2024/5/20 19:37 https://www.sankei.com/article/20240520-Y67ONDSKS5NLLLR3RPSKTSNQ5I/ 台湾の外交部(外務省に相当)によると、頼清徳総統の就任式と関連行事には、台湾と外交関係を持つ12カ国の他、日米や英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など海外から51団体の500人超が参加した。 日本からは、超党派の議員連盟 「日華議員懇談会」(古屋圭司会長) の国会議員31人が訪台し、総統就任式への出席としては過去最大規模となった。 日本の訪問団だけを対象にした頼清徳総統、蕭美琴副総統との昼食会も開催された。 台北市内で記者会見した古屋氏は 「古き友人が総統と副総統になって頂いたので、これから更に日台関係の絆を強めていけると実感した」 と述べた。 昼食会では頼氏から 「日台関係の更なる強化は必然だ」 との趣旨の発言があった。 また、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入に向けた支援を要請されたという。 政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視 2024/5/20 17:22 https://www.sankei.com/article/20240520-LKB6PHHWFRKRDJG5IGWMZS4RHY/ 政府は2024年5月20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。 外交関係がない日台の枠組みは 「非政府間の実務関係」 だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。 林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で 「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」 と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。 日台に外交関係がないことから2024年5月20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟 「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党) から過去最大規模となる31人が参加した。 古屋氏は就任式に先立ち、 「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」 と語った。 台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。 政府内には 「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部) との認識がある。 こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。 岸田文雄首相は2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。 ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。 2024年5月22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。 中国との対話探るも「前提」認めず 国民党の対中接近に警戒 台湾・頼清徳政権の行方(上) 2024/5/20 16:54 https://www.sankei.com/article/20240520-MWINWGWGC5JVLDRUIAWCGERGOM/ 2024年5月20日に総統の就任式が行われ、4年間の台湾の舵取りを託された頼清徳政権の行方を占う。 ■人事にも柔軟姿勢 「相互尊重の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しない」 総統の就任式を約1週間後に控えた台湾の頼清徳氏は2024年5月14日、デンマークで開かれた 「コペンハーゲン民主主義サミット」 にビデオメッセージを寄せ、 「中国との対話の可能性」 について改めて強調した。 若い頃から台湾独立運動に参加し、対中強硬派と言われる頼氏だが、2024年1月の総統選で当選した後は中国との対話に繰り返し意欲を示し、柔軟な姿勢を見せている。 それは新政権人事にも見られた。 台湾の対中交渉窓口機関である 「海峡交流基金会」 の新しいトップに、有力政治家の鄭文燦(てい・ぶんさん)前行政院副院長(副首相に相当)が任命された。 サプライズ人事とされた。 同基金会は李登輝総統時代の1990年に発足した半官半民の団体で、初代理事長は李氏の側近で大物財界人の辜振甫(こ・しんぽ)氏が務めた。 しかし、蔡英文前政権下では官民いずれのルートでも対中対話が途絶え、基金会の存在価値が薄れた。 トップの理事長職には近年、学者や元官僚ら政治への影響力が小さい人物を充てることが大半だった。 将来の総統候補と言われる実力者の鄭氏を、閑職とされてきた基金会の理事長に起用した。 中国との当局間対話が難しい中で、基金会を通じて民間交流を活発化させ、鄭氏の突破力で中国との関係を改善したい−。 こんな頼氏の意図が見え隠れする。 「鄭氏と中国側の交渉を通じ、中台のトップ会談を実現させたい」 と、頼氏の意図を証言する与党・民主進歩党の関係者もいる。 ■民進党も対立望まず 頼氏が中国との関係改善を急ぐのには理由がある。 中国の習近平政権は最近、台湾の最大野党・中国国民党と急接近している。 中国は2024年4月上旬に国民党の馬英九元総統の訪中を受け入れ、習国家主席との会談も行われた。 2024年4月下旬には、立法院(国会)の国民党トップである傅崐萁(ふ・こんき)氏が率いる17人の同党議員団の訪中を受け入れた。 その際、中国側は2024年4月初めに発生した台湾東部沖地震での物資支援や、中国人観光客の台湾訪問について一部規制の緩和を発表し、国民党に花を持たせた。 中国の官製メディアと国民党は最近、 「台湾海峡に平和をもたらすのは国民党だ」 という宣伝を揃って始めている。 このイメージが定着すれば頼政権の求心力に大きな影響を与えかねない。 頼氏が 「中国との対話を始めたい」 と繰り返し強調するのは、 「民進党も中国との対立を望んでいない」 と内外にアピールする狙いからだ。 一方で頼氏は中台対話について、必ず 「前提条件なし」 とも強調している。 中国は、1992年に中台窓口機関の担当者が 「(中台は一体だとする)1つの中国」 原則を確認したとされる 「92年コンセンサス(合意)」 の受け入れを民進党との対話の前提条件にし、蔡前政権との対話を拒否してきた。 頼氏は蔡氏と同様 「92年合意」 の存在そのものを認めていない。 頼氏は総統選の期間中、 「92年合意の道を歩めば台湾は香港になってしまう」 と述べ、同合意を受け入れる国民党を批判したことがある。 頼氏に近い民進党幹部は 「台湾海峡が今後どうなるかについては、あらゆる可能性がある」 「戦争に備えつつも、対話の可能性を懸命に探っていくことが私たちの基本的な立場だ」 と話している。 台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」 2024/5/20 13:35 https://www.sankei.com/article/20240520-Z4FHPITLSNIURJHQVZWWCOUNFU/ 2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)は2024年5月20日、台北市内で行った就任演説で、ウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザでの戦闘などが全世界に衝撃を与え続けていると言及した上で 「中国の軍事行動や(武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態を利用した脅迫もまた、世界の平和と安定に対する最大の戦略的な挑戦とみなされている」 と指摘した。 中国の習近平政権が台湾に対して強めている統一圧力を牽制した形だ。 頼氏は演説で 「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」 としつつ、 「平和こそが唯一の選択肢だ」 と強調。 中台関係を巡り、新政権は 「高慢にも卑屈にもならず、現状を維持する」 と表明した。 更に中国に対しては 「台湾に対する武力の威嚇や言論での攻撃」 を停止し、 「台湾と共に世界的な責任を引き受け、台湾海峡と地域における平和と安定の維持に力を尽くす」 よう呼び掛けた。 「台湾海峡の平和」 や 「共存共栄」 が中台の共同目標になるべきだとの考えも示した。 「対等と尊厳の原則の下、(中台の)対話が対抗に取って代わるべきだ」 と述べ、 「一つの中国」 原則を認めない民主進歩党政権との対話を拒否してきた中国の習政権に対し、対話を求めた。 一方、頼氏は 「我々は平和の理想を追求するが、幻想を抱くことはできない」 と指摘。 「中国が台湾への武力侵攻を放棄していない状況」 において、 「たとえ中国側の主張を全面的に受け入れ、(台湾の)主権を放棄しても、中国が台湾を併呑する企ては消失しない」 と強調した。 その上で頼氏は 「中国からの様々な威嚇や浸透工作」 に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、 「世界の民主主義国家」 との連携を進める考えを示した。 林官房長官、台湾の頼新総統就任に「日台の友情の深まりに期待」 2024/5/20 13:02 https://www.sankei.com/article/20240520-6LV2ENJ2ARJO7MLZI24WYDTJ6I/ 林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、台湾の民主進歩党の頼清徳(らい・せいとく)主席が新総統に就任したことについて 「祝意を表したい」 「頼氏の下で日台の友情の更なる深まりに期待する」 と述べた。 林氏は 「台湾は我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」 と指摘。 2024年1月の能登半島地震での台湾からの支援などを踏まえ、 「温かいご支援に改めて感謝の意を表すると共に、2024年4月の台湾東部沖地震からの1日も早い復興を願っている」 と強調した。 上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ 2024/5/20 12:48 https://www.sankei.com/article/20240520-WEJ2HA3VNJJPHPKU5O5PKULRDU/ 上川陽子外相は2024年5月22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。 グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。 上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。 マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、2024年5月22日に来日する。 中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても 「国家と国民の利益に適う正しい決断を出来るだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官) と、中国を国交を樹立するよう促している。 グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は 「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部) との見方がある。 台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。 岸田文雄首相が2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。 台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ 2024/5/20 10:39 https://www.sankei.com/article/20240520-TZTK67TOFVP2JN7BJ453DU6PJY/ 2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が2024年5月20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。 中国の習近平政権は頼氏を 「台湾独立派」 と見做して警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。 頼氏は就任演説で、対中関係を巡り 「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」 との立場を表明し、中国と共に 「平和と共栄」 を追求する姿勢を強調する。 頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、 「国父」 とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。 続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。 中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。 頼政権は 「現状維持」 に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。 頼氏は演説で、蔡氏が主張した 「台湾と中国は互いに隷属しない」 とする立場の継承を表明。 台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。
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