<■361行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>参院憲法審 条文起草へ衆院と協力を 社説 2024/5/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20240510-A2OGJGLOR5N4LA36LDSV3YJHWM/ 参院憲法審査会で、ようやく実質的な審議が始まった。 国会が2024年1月に召集されたことを考えれば、始動が遅すぎる。 会期末まで約1カ月半しかない。 議論を加速させなければならない。 岸田文雄首相は2024年9月末までの自民党総裁任期中の憲法改正を目指している。 そのためには、改憲原案を完成させることが求められる。 衆院憲法審で自民は、条文化に向け起草委員会の設置を求めている。 緊急事態の際の国会議員の任期延長や自衛隊明記を想定したものだ。 参院では衆院に比べて議論が進んでいないのは明らかである。 怠けていた側に歩調を合わせるわけにはいかない。 衆院の議論に追いつき、協力して起草に動くべきである。 解せないのは、緊急事態条項の創設をめぐり、参院側で慎重論が唱えられていることだ。 衆院憲法審では、自民や公明、日本維新の会などが議員任期延長の必要性を共有している。 だが、例えば参院公明には憲法第54条で定める 「参院の緊急集会」 で対応することが可能との声もある。 第54条は、衆院解散から40日以内の総選挙を経て、投票日から30日以内の国会召集までに限り、内閣が緊急集会の開催を求められる規定だ。 任期満了に伴う衆院選には対応できない。 そもそも緊急集会は、大災害や有事が長期化し解散から70日を超えると存在すらしなくなる。 参院憲法審では立憲民主党の辻元清美氏が自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に触れ、 「(憲法論議は)選挙で選び直された議員で行うべきだというのが国民の多くの思いではないか」 と述べた。 このおかしな理屈を認めれば国会は重要な事柄を議論できなくなる。 辻元氏はまた、首相が条文化を促したことを 「越権行為」 と批判した。 だが、首相は衆院で単独過半数を制する最大政党の総裁だ。 内閣には、憲法第72条に基づき改憲原案を国会へ提出する権限もある。 この批判も言い掛かりに過ぎない。 衆院憲法審の与党筆頭幹事の中谷元氏は2024年5月9日、起草委に関し 「(立民から)設置できるという返事があれば設置したい」 と語った。 いつまで悠長に構えるつもりか。 改憲を妨げるばかりの一部野党の動きに引きずられてはならない。「堂々巡り」で早期改憲に暗雲 自民が起草委設置要求も立民折れず 2024/5/9 20:02 https://www.sankei.com/article/20240509-KVT77VYFINIUPOJN4GI53FSXYA/ 与野党は2024年5月9日の衆院憲法審査会で、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲などについて議論した。 自民党は重ねて改憲原案を協議する起草委員会の設置を呼び掛けたが、党内や支持層に護憲派を抱える立憲民主党を説得するには至らず、 「堂々巡り」 の印象を残した。 護憲勢力が比較的多い参院憲法審では衆院以上に議論が停滞しており、岸田文雄首相や自民が目指す早期の改憲には暗雲が漂ったままだ。 自民や公明党、日本維新の会、国民民主党は緊急事態下で国会機能を維持する観点から議員任期延長が必要との立場だ。 しかし、2024年4月末の衆院3補欠選挙を制して勢いに乗る野党第一党の壁は尚高い。 野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は 「災害に強い選挙の在り方を十分に検討する必要がある」 「安易に議員任期の延長を行うのは順序が逆だ」 と主張。 本庄知史氏(同)も 「『もしかしてあるかもしれない極めて小さな可能性』に殊更に焦点を当てている」 と議員任期延長論を批判した。 「大型連休後に事態は動く」(自民関係者) との期待も虚しく、起草委設置も見通せていない。 「多くの会派から早急に条文起草作業に入るべきだとの意見がある」 「反対の立場の方も議論に加わって意見を述べていただきたい」 与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)は憲法審の冒頭、立民に起草委設置に応じるよう訴えた。 他の改憲政党も賛同。 玉木雄一郎氏(国民民主)は 「来週からは全会派を入れた起草委を設置し、条文案作りに着手することを求めたい」 と念を押した。 憲法審終了後、中谷氏は記者団に 「(立民から)返事があったら設置する」 と説明した。 しかし、逢坂氏は記者団に起草委設置については正式に提案されていないとの認識を示した。 参院憲法審が足踏みを続ける中、自民重鎮は 「衆院が改憲の流れを作るしかない」 「そのためには起草委を早く立ち上げる必要がある」 と語るが、時間だけが徒に過ぎているのが現状だ。 「緊急時の国会機能維持を」 自民、衆院憲法審で条文案作成訴え 2024/5/9 13:53 https://www.sankei.com/article/20240509-H3DIJ5CMX5PLBGRUZODJ2U3MOQ/ 衆院憲法審査会が2024年5月9日開かれ、各党が憲法改正を巡り自由討議を行った。 自民党の中谷元氏は 「緊急時に国会機能を維持するため、各党間で起草作業を行い、論点を深く議論すべきだとの意見がある」 「機は熟した」 と述べ、条文案の作成を重ねて訴えた。 立憲民主党の逢坂誠二氏は国会議員の任期延長に反対し、災害時の選挙の在り方を工夫すべきだと主張した。 自由討議は今国会で4回目。 中谷氏は条文案作成に関し 「大事なことは幅広い会派が意見を述べ、賛否を含め国民に論点を明らかにすることだ」 と呼び掛けた。 逢坂氏は災害時の選挙に関し、選挙人名簿の管理や自治体間の選挙事務の応援体制を考える必要があると指摘。 「このような検討なく、安易に議員任期を延長するのは順序が逆だ」 と批判した。 「普通の国の普通の国軍」再生を急げ 中国の異形の大国振り、厳しい現実を肝に銘じ 美しき勁き国へ 櫻井よしこ 2024/5/6 8:00 https://www.sankei.com/article/20240506-EYVCHX4EPJM3VIYAQZJDRJKFC4/ 2024年4月26日、中国の王毅外相(共産党政治局員)は、ブリンケン米国務長官に 「レッドラインを踏み越えてはならない」 と言い渡した。 しかし踏み越えているのは中国だ。 ブリンケン氏は訪中を締めくくる会見で、中国がロシアのウクライナ侵略戦争に加担していると、強い不満を表明した。 1年以上前の2022年10月、ロシアはウクライナでの劣勢挽回のために核兵器を使いかねない状況にあった。 ロシアが思いとどまったのには中国も重要な役割を果たしたとブリンケ氏は述べたが、今は状況は全く異なると強調した。 武器ではないがその構成部品、工作機械、電子部品、軍民共用物資の援助がロシアに継戦能力を与え、ウクライナと欧州諸国を深刻な危機に晒している。中国が戦局に根本的影響を及ぼしていると非難した。 トランプ政権で大統領補佐官を務めたポッティンジャー氏は2022年3月16日のテレビ電話会談でバイデン米大統領がロシアの戦争を物質的に助ける可能性について習近平中国国家主席を厳しく戒めたと指摘した。 恐らくその結果、中国は2022年10月、前述のようにロシアを牽制した。 では今なぜ、米国の警告を無視するのか。 ロシアに大量の無人機を供給したイランに米国が制裁らしい制裁をしなかったことが原因だとの指摘には説得力がある。 中国は米国は対中制裁には踏み切れないと踏んだのだ。 習近平氏が現在の世界情勢の混乱を100年に1度の好機と捉え、米大統領選挙の混乱を見て、 「時間は中国に味方する」 と考えているのは明らかだ。 習近平氏は 「中国の夢」 で世界の諸民族の中にそびえ立つ中華民族の姿を賛美している。 ポッティンジャー氏は長年に渡る中国研究に基づき、 「中国首脳陣が好んで語るのは、リベラルな価値観を促進する大国と長く共存する気はないということだ」 と『フォーリン・アフェアーズ』誌に書いた。 従って、バイデン政権は米中競合の 「管理ではなく、勝利を目指せ」 と説く。 これこそ多くの国々、民族のみならず、果ては中国共産党の圧政下にある漢民族の人々の希望であろう。 他の大国と共存するのでなく、独りそびえ立ちたい習近平氏の最大、最後の拠り所は軍事力だ。 ポッティンジャー氏は米国は中国と対峙するために、現在、GDP(国内総生産)比3%の軍事費を4〜5%に引き上げ、台湾防衛に日本・台湾周辺で軍事的に圧倒的優位を確立せよと主張する。 「日本はアメリカと共にある」 と公約した岸田文雄首相も同じ方向を目指すべきだろう。 岩田清文元陸上幕僚長は2024年5月3日の言論テレビで、中国が類例のない規模で増やし続ける核戦力を解説した。 「地球規模では米国の軍事力は中国を圧倒しますが、軍事力の中核をなす核戦力で、中国は近い将来、米国と対等に渡り合える大国になります」 中国の飽くなき軍事力増強を日本は鋭く意識すべきだ。 日本も台湾も中国が最も重視する標的だからだ。 中国がどこまで日台への侵略を準備しているか、衛星画像から相当の事が読み取れる。 「国家基本問題研究所」 では、公開情報を基に、まず台湾侵攻を窺う中国人民解放軍(PLA)の水陸両用部隊の動きを分析した。 2021年9月、PLAは香港の北方、深圳市の奥から東に150kmの地点に新駐屯地の建設を始め、2024年2月までに司令部庁舎、軍人用隊舎、倉庫群も完成した。 近くの港には着上陸訓練場があり、水陸両用戦車群が訓練を重ねてきた。 戦車が変態を組んで海上を泳ぎ回る映像も見て取れる。 岩田氏の解説だ。 「台湾正面に新駐屯地を建設し、着上陸訓練を見せつける」 「これを前方展開と言います」 「前方展開の怖さは、PLAが訓練に見せかけてそのまま台湾に攻め込む戦術が可能になることです」 「平時だと思っていたら、極めて短時間で本物の侵略が始まりかねないのです」 PLAの水陸両用戦車は、陸上自衛隊の74式戦車と同じ口径105ミリの戦車砲を積んでおり、海を渡りながら撃つ。 「砲兵部隊も同様です」 「台湾正面、僅か180km地点に新駐屯地を建てました」 「衛星画像では2022年8月に更地だったのが2024年1月、新駐屯地が完成し、本庁舎以下建物が並んでいます」 「隣接地は長距離多連装ロケット砲の演習場です」 多連装ロケット砲システムでは口径の異なるロケットを撃てる。 最大で750ミリ。 台湾、与那国、石垣島まで届く。 PLAはこれを200門以上保有しており、これらを沿岸に並べて、台湾を睨む。 我が国も台湾同様の脅威に晒されている。 中国は極超音速滑空体(HGV)を搭載するミサイルDF-17用の基地を中朝国境から余り遠くない吉林省金厰鎮に設置した。 岩田氏がDF-17は日本が標的だと指摘した。 「マッハ5以上で60km以下の低い高度で飛びます」 「これを迎え撃てる地対空ミサイルはまだどの国にもありません」 2022年11月段階の衛星画像にはトレーラーに積まれた2基のDF-17が写っている。 それから1年弱、同基地には完成した高層施設が写っている。 DF-17の数も当然、増えたはずだ。 極超音速ミサイルを迎撃するミサイルは防衛省主導で開発中だが、開発に成功しても、50発も100発も同時に撃たれれば日本を守れない。 我が国を狙ってミサイルを発射する国の基地を叩く能力、反撃力が文字通り死活的に重要だ。 悪びれることもなくロシアを支える中国。 米国に挑戦し、戦後の世界秩序反転を狙う中国。 日台双方への軍事的脅威を高めてやまない中国。 中国のこの異形の大国振りと厳しい現実を私たちは肝に銘じよう。 自衛隊、海上保安庁の予算を大幅に増やし、必ず憲法を改正しよう。 自衛隊を普通の国の国軍に生まれ変わらせることが日本と台湾を守る第一歩だ。 <主張>石垣市の尖閣調査 中国の妨害は容認できぬ 社説 2024/5/6 5:00 https://www.sankei.com/article/20240506-BYCBIN2FRFNO5DHF2LRFVJD4FY/ 日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県石垣市)で、自然破壊が深刻化している。 石垣市の調査船が魚釣島周辺の海上からドローンを飛ばして調べたところ、ヤギの食害が原因と見られる土壌崩落などが確認された。 尖閣諸島では、センカクモグラなど固有種の絶滅も懸念されている。 このままでは貴重な生態系が失われかねない。 上陸して詳しく調査し、早急に対策を講じるべきだ。 石垣市による調査は2024年4月25〜27日に行われた。 赤外線カメラを搭載したドローンで上空から魚釣島を撮影した結果、自然環境が悪化していることが分かった。 海岸に大量の漂着ゴミが堆積していた他、斜面の山肌などが崩れ、広範囲に渡り土が剥き出しになっていた。 魚釣島では昭和53年に政治団体が持ち込んだヤギが繁殖し、草木を食べ尽くすなどの被害が指摘されていた。 このため石垣市が上陸調査を求めてきたが、政府は認めていない。 今回、調査に同行した中山義隆市長は 「ドローンだけでは限界がある」 とし、上陸調査の必要性を改めて訴えた。 当然の要求であり、政府は実施を容認すべきである。 許し難いのは中国の妨害活動である。 中国海警局の船が尖閣周辺の日本の領海に侵入し、調査船に接近した。 海上保安庁の巡視船が調査船を守ったが、安全のため調査活動が一部中止された。 尖閣は日本の島であり、周辺は日本の海である。海警局船に侵入、徘徊する権利はなく、直ちに立ち去るべきだ。 中国外務省の報道官が会見で、調査について 「(中国の)主権を侵害する挑発行為だ」 と述べたのも容認できない。 中国が尖閣の 「主権」 を主張しはじめたのは、周辺に石油資源埋蔵の可能性が指摘されるようになった後の1970年代からだ。 1969年に刊行された中国政府機関作成の地図には中国名の釣魚島ではなく、日本名の 「尖閣群島(諸島)」 「魚釣島」 と明記されている。 中国が日本領と認めていた証拠だ。 沖縄県の玉城デニー知事が中国に対し、尖閣の問題で抗議しないのも問題である。 尖閣は沖縄の行政区域だ。 中国の挑発に抗議すると共に、石垣市と連携し、上陸調査の実現に協力してほしい。 <主張>憲法施行77年 国会は条文案の起草急げ 内閣に改憲専門機関が必要だ 社説 2024/5/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20240503-JJ4Y7OVXAZIB3B46FKMZA7SJ7A/ 日本国憲法は施行77年を迎えた。 厳しい安全保障環境を踏まえれば、日本の国と国民を守るために憲法改正が今ほど必要な時はない。 にもかかわらず、国会の取り組みが遅々としているのは極めて残念だ。 国会は改正原案の起草委員会を急ぎ設置し、改憲へ進んでもらいたい。 同時に、内閣も憲法改正に関する専門機関を設けるべきである。 憲法改正の 「1丁目1番地」 は、憲法第9条のもたらす弊害を取り除くことだ。 世界の他の民主主義国と同様に、日本も国家国民を守り、国際秩序を擁護する 「軍」 を整えることが改正のゴールの1つと言える。 その前段階として、国防を担う自衛隊の憲法明記も意義がある。 ■自衛隊明記は意義ある 戦後の平和を9条が守ってきたと見做すのは間違いだ。 自衛隊と米国との同盟が侵略を抑止し繁栄の土台となってきた。 それが分からない左派勢力は9条を金科玉条として、日本と国民を守る防衛力の充実に反対してきた。 日本を侵略しようとする国を喜ばせる条項は百害あって一利なしである。 改正が急務なのは9条にとどまらない。 平成、令和に入って震災などの大災害が相次いでいる。 平時の統治機構が麻痺する緊急事態に直面しても、政府や国会が国家国民を守り抜く行動をとれるかが問われている。 憲法への緊急事態条項の創設は欠かせない。 憲法を改めるかどうかは国民投票で決まる。 だが、憲法が施行されて77年経っても国民はこの大切な権利を1度も行使できていない。 憲法を改めていけば、国民を守る日本へ生まれ変われるのに国会での論議は足踏みしている。 国会議員は恥ずかしくないのだろうか。 衆院憲法審査会では条文化を巡る各党・会派の姿勢が明らかになった。 自民党は2024年4月11日の憲法審で、改憲原案の条文化に向けて起草委員会の設置を提案した。 緊急事態の際の国会議員の任期延長や自衛隊明記を想定している。 緊急政令と緊急財政処分の導入も必要である。 公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会は起草委設置に賛同している。 一方、立憲民主党、共産党は設置に反対の立場だ。 立民は、派閥の資金パーティー事件を起こした自民には改憲を論じる資格がないとして起草委設置に抵抗している。 立民は今国会の前半で、衆院憲法審の開催にもなかなか応じようとしなかった。 維新の馬場伸幸代表が 「国家の根幹たる憲法を議論する場に関係ない自民派閥の裏金問題を持ち出し、(衆院憲法審)開催にブレーキをかけ続けてきたのは不見識の極み」 と批判したのはもっともだ。 自民など憲法改正に前向きな各党・会派は既に誠意を尽くした。 立民のような抵抗勢力の機嫌をとり続けてはいつまで経っても起草委設置と条文案合意には至るまい。 岸田文雄首相は自民総裁として、連休明けの憲法審で起草委設置を決めるよう指導力を発揮すべきである。 ■議員だけに任せられぬ 衆院以上に責務を果たしていないのが参院だ。 参院憲法審査会は衆院以上に議論が進んでいない。 衆参は対等な院だというプライドがあるなら、条文化へ動いてもらいたい。 衆参の憲法審は平成19年8月に設置されたが旧民主党が委員選任に応じず、4年間も休眠した。 平成23年11月にようやく始動したが、それから12年半経った今もこの体たらくである。 最早国会議員だけに憲法改正を任せることは現実的ではない。 内閣も憲法改正問題への取り組みを始めるときだ。 憲法第72条に基づき、内閣には憲法改正原案を国会へ提出する権限がある。 これが内閣の一貫した憲法解釈である。 これに基づき、昭和31年から昭和40年まで内閣には憲法調査会が設けられていた。 世の中の出来事と諸法令の接点に位置し、現憲法の限界、問題点に直面してきたのは内閣だ。 内閣は衆参両院の事務局よりも遥かに多くの実務者、法律の専門家を抱えてもいる。 新たな国造りに繋がる憲法改正に内閣の能力を活用しない手はない。 改憲に関する専門機関を設け、衆参の憲法審からの問いに答える他、場合によっては内閣も改正原案を作ればいい。 憲法に改正条項がある以上、専門機関の設置は憲法擁護の義務に反しない。 岸田首相には設置の決断を求める。 日本国憲法 第七十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。 改憲派集会で櫻井よしこ氏「小石河連合ではやり遂げられぬ」 維新や国民も具体的議論主張 2024/5/3 21:14 https://www.sankei.com/article/20240503-ZF26YEMRXNI4NDKGGHV2FHRZ7E/ 日本国憲法は2024年5月3日、施行から77年を迎えた。 改憲論議を推進する与野党幹部らは 「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(民間憲法臨調) などが開いた集会に出席し、国民投票実施の前提となる改憲原案起草に意欲を示した。 岸田文雄首相が掲げる2024年9月の自民党総裁任期満了までの改憲実現が日程的に厳しさを増す中、同会代表でジャーナリストの櫻井よしこ氏は 「自民党が頑張る時」 と叱咤激励した。 「政治の信頼回復のためにも、政治改革の議論と併せて、憲法改正という重要課題について、党派を超えて連携しながら、真摯に議論を行う姿を国民にお見せしていきたい」 首相は集会に寄せたビデオメッセージで、自民派閥の政治資金問題について陳謝した上で、改憲を自民の最重要課題と位置付けた。 改憲原案の起草を担う国会の憲法審査会では、大規模自然災害や有事に対応するための緊急事態条項の新設に関する議論が進む。 衆院憲法審では大型連休明けに、緊急時における国会議員の任期延長に関する具体的な条文案の作成に向けて動き出せるかが焦点となる。 櫻井氏は集会で、首相の発言について 「政治家です」 「一国の宰相です」 「この言葉を信じないで、どうやって政治を動かしていくのか、支持していくのか」 と迫った。 また、首相の退任後を仮定して、次期首相として世論の人気がある石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、小泉進次郎元環境相ら 「小石河連合」 を引き合いに出し、 「憲法改正をやり遂げるとは思えない」 と指摘。 「岸田さんの背中を押して、国民の力で否応なく政治家が憲法改正に走っていかなければならないような世論を作って参りましょう」 と訴えた。 この日、集会には改憲論議を推進する自民や公明党、日本維新の会、国民民主党の国会議員が出席し、改めて改憲の意欲を示した。 自民憲法改正実現本部の古屋圭司本部長は 「(改憲草案を)取りまとめるべき時期」 に来ているとし、国民投票を早期に実施すべきと言及。 条文化作業に後ろ向きな立憲民主党を念頭に、憲法審で改憲草案の起草作業が進まない現状を 「発議権を有する立法府の不作為」 と述べた。 公明党の大口善徳氏も、緊急時の国会議員の任期延長のための改憲は 「(議論は)煮詰まっている」 「国会機能維持のための憲法改正は待ったなし」 と後押しした。 一方で、野党の日本維新の会と国民民主党からは、国民投票実施に向けた具体的な日程を詰めるべきとの意見が上がった。 維新の小野泰輔氏は 「時間を区切って、ちゃんと結論を出していくっていうのが当たり前だ」 と指摘。 この日、首相がビデオメッセージで憲法改正を 「先送りの出来ない課題」 と発言したことに対して、 「ここまでおっしゃったのだから是非やって頂きたい」 と求めた。 国民民主党の玉木雄一郎代表も 「具体的なお尻を切ってやらないと結果は出ない」 「しっかりと緊急事態条項については前に進める必要がある」 と述べ、自民に対して、改憲実現に向けた現実的な進め方を議論すべきと強調した。 選択肢示すのが「責任」 岸田首相が改憲派集会で訴え 櫻井よしこ氏「岸田氏しかいない」 2024/5/3 18:41 https://www.sankei.com/article/20240503-GCU7L7FZSBIGVN7EEXHTD6IYGM/ 岸田文雄首相は憲法記念日の2024年5月3日、東京都内で開かれた改憲派の集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、憲法への自衛隊明記や緊急事態条項の新設に意欲を示した。 国民が国民投票で改憲の賛否を決められるよう、国会による発議が重要だと指摘。 「いたずらに議論を引き伸ばし、選択肢の提示すら行わないということになれば責任の放棄と言われてもやむを得ない」 と述べた。 公明党の大口善徳憲法調査会副会長は、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲に関し 「議論は出尽くした」 「賛同する会派と共に改正案の叩き台を出す」 と強調した。 主催団体代表の櫻井よしこ氏は、 「憲法改正の第一歩を踏み出す」 「このミッションをやり遂げることが出来るのは岸田氏しかいない」 「他の人ではなかなか出来ないだろう」 との認識を示した。 一方、自民憲法改正実現本部の加藤勝信事務総長は2024年5月3日のNHK番組で、 「大型連休明けに具体的な改憲原案の作成に入り、ベースにして議論を深めたい」 と提唱。 国会機能維持が中心テーマになると説明した。 識者らが憲法改正の国会発議を求め声明 櫻井よしこ氏「今の憲法では国民を守り通せない」 2024/4/2 20:25 https://www.sankei.com/article/20240402-HCXHDULGM5PCZOR4BLODFEC4RQ/ ジャーナリストの櫻井よしこ氏や百地章・日本大学名誉教授ら学識経験者らで作る 「憲法改正の国会発議を求める!言論人・有識者の会」 は2024年4月2日、東京都内で記者会見し、 「国会には主権者国民の声に応えて、速やかに憲法改正案をまとめ、国民投票に付す責務がある」 として、自衛隊の明記を柱とする憲法改正条文案の早期取りまとめを求める声明を発表した。 櫻井氏はロシアによるウクライナ侵略や中国、北朝鮮の動向を念頭に 「国際情勢を見ても、今のままの憲法で、日本国と日本国民を守り通すことが出来るとおよそ誰も思っていない」 と指摘。 「国民投票の機会を私たちに与えるのが国会の責任だ」 とし、憲法改正の早期の国会発議を訴えた。 呼びかけ人の1人である元陸上幕僚長の岩田清文氏は、自衛官が憲法の順守と同時に 「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」 と宣誓することを紹介。 「(違憲論があり)立場が曖昧な憲法を順守させつつ、いざという時は命を懸けろ、というのが国の自衛隊員に対する要請だ」 「後輩たちをこのような矛盾と苦悩の中に引き続き置きたくない」 と述べ、第1歩として自衛隊の憲法明記を主張した。
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