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水俣病の患者団体を怒らせた伊藤信太郎環境大臣の憲法観 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339840
2024/05/07 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
環境相との懇談会では、水俣病患者側の発言中、音声を切る(伊藤信太郎環境相=右前列)/(C)共同通信社
今月1日のこと。水俣病の患者らでつくる8団体と伊藤信太郎環境相(71)との懇談で、患者側の発言を環境省職員がたびたび制止。所定の3分を超えただけでマイクを取り上げるなどして、紛糾する事態となった。
「妻は痛いよ痛いよと言いながら死んでいった。最後まで患者と認定されず本当に悔しい」と訴えていた松崎重光・水俣病患者連合副会長の声も、途中で音量を消された。「意図的か」とただす患者側に、職員らは「不手際だった」。伊藤氏は「マイクを切ったとは認識していない」と語った(熊本日日新聞、共同通信など)。
この国の政府はどこまで人でなしなのか。天を仰いだ瞬間、ハッと思い出したことがある。
この伊藤なる政治家に、私は20年前に会っている。彼は私の取材に、次のように語った。日本と西洋とでは国の概念自体が違うのだとして、「常に天皇が超然として存在し、国にとって何らかの機能を果たしている日本で、統治機構と国民と領土とをスパッと縦割りに分けることができるのか。条文化された憲法というもので権力を制限し、絶対王政に戻らなくするということは、日本の伝統にそぐわない」。
これはこれで一つの考え方だろう。だが暴走しがちな権力の制限規範としての憲法、という近代立憲主義を全否定する発想が、現実政治に持ち込まれてはたまらないと思った。というのも、彼はこの少し前、自民党の「憲法改正プロジェクトチーム」の会合で、こんな発言をしていたから。
「多くの国民は自由を求めているようでいながら、実は自由から逃れたいと密かに思っている。こういうふうにものを考えれば幸せになれるんですよということを大まかな国の中で規定してほしいというのは、潜在的にマジョリティーの国民が持っている願望ではないか」
バカも休み休み言えって話だ。私は背筋に冷たいものが走るのを感じ、一般論ではなく現在の改憲論議における発言の意図をと幾度も尋ねたが、質問とは関係のない理屈が重ねられるばかり。要は市民革命を経験していない日本には絶対権力による統治こそが望ましいということですかと食い下がると、取材は一方的に打ち切られた(拙著「ルポ 改憲潮流」岩波新書、2006年参照)。
あの後ややあって、伊藤氏は衆院選で落選し、パソナグループの特別顧問になったと聞いた。それがいつの間にか復活し、入閣までしていたとは。
あまり極端な人は要職に就けないでもらいたい。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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