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※補足 2024年4月29日 朝日新聞1面トップ 紙面クリック拡大
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岸田首相と小池知事に不信任
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2024年4月28日 植草一秀の『知られざる真実』
2024年の政局に最大の影響を与える衆院3補選が4月28日に投開票日を迎えた。
結果は自民の3戦全敗、立憲民主党の3戦全勝に終わった。
小池百合子東京都知事が影響力を持つ都民ファースト系の候補者である乙武洋匡氏は落選した。
都民ファースト系の候補者は4月21日投開票の目黒区長選でも敗北した。
政治の大きな潮流転換が始動した。
三つの重要点を抽出できる。
第一は岸田自民が国民から不信任を突き付けられたこと。
第二は小池百合子東京都知事が国民から不信任を突きつけられたこと。
第三は立憲民主党が共産党との共闘によって三戦全勝を果たしたこと。
極めて意味の深い衆院補選になった。
岸田文雄首相は選挙戦最終日の4月28日に現地入りした。
陣営の要請ではなく、党本部の意向で現地入りを強行したと伝えられている。
岸田氏は自分が現地入りすれば勝利できると予測したのだと見られる。
つまり、民意をまったく読めていないことが鮮明になった。
自民の3戦全敗の責任を負うのは岸田文雄氏自身である。
「政治とカネ」の巨大犯罪が明るみに出たのに、岸田首相は何もしなかった。
自民党の犯罪議員に対して厳正な対応が必要だったが、派閥抗争だけを演じて、ゆるゆるの対応を示し続けた。
「政治とカネ」問題を刷新するために政治資金規正法抜本改正が必要だが、岸田自民は法改正に全面的に背を向けた。
何もしなくても自民党は安泰だと判断したと見られる。
問題の深刻さを何も理解していない。
問題を解決するために力を注ぐ考えなど毛頭ない。
このことが明らかになった。
衆院補選の投票率は低かった。
東京15区が40.70%、
島根1区が54.62%、
長崎3区が35.45%
だった。
低投票率は組織票に依存する自公に有利に働く。
しかし、すべての選挙区で自民系の議員は敗北した。
長崎では立憲民主と維新の一騎打ちになったが、維新は自民別動隊。
維新が接戦に持ち込んでおかしくない情勢だったが、大差で敗北した。
岸田首相と同時に凋落が鮮明になったのが小池百合子都知事だ。
7月7日東京都知事選での3選に赤信号がともったと言える。
立憲民主党は今夏の補選3戦全勝が共産党との共闘によって実現した事実を直視する必要がある。
立憲民主党が共産党との共闘路線から反共産に転向したのが2021年10月総選挙。
枝野幸男氏が共産党との共闘を明確に否定した。
この瞬間から立憲民主党の凋落が始動した。
引責辞任した枝野幸男氏の後継代表に就任したのが泉健太氏。
この泉健太氏が反共産路線を強化した。
その結果、2022年参院選で立憲民主党は21年衆院選以上の大敗北を喫した。
泉健太氏は直ちに引責辞任するべきだったが代表ポストに居座った。
しかし、立憲民主党の凋落傾向に歯止めをかけることはできなかった。
その立憲民主党が今回の衆院補選で3戦全勝の勝利を得た。
その要因は共産党との共闘にある。
3つの補選すべてで共産党が立憲民主党候補の当選に尽力した。
その結果として3戦全勝の戦果を得たのである。
立憲民主党の共産党との共闘を激しく攻撃し続けてきたのが「連合」だ。
「連合」は「勝共の連合」と表現できる、統一協会系の国際勝共連合と深い歴史的関りを有する反共勢力である。
「連合」とたもとを分かち、共産党を含む野党共闘路線を明確に確立することが立憲民主党再建、政権交代実現への道になる。
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