<■502行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 『トランスジェンダーになりたい少女たち』はヘイト本ではない! Hanada2024年6月号 元参議院議員 松浦大悟 ■LGBT活動家の戦略 『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(産経新聞出版)を一気に読んだ。 当初、版元だったKADOKAWAが抗議の圧力に屈し、産経新聞出版がそれを引き取る形で刊行した話題の書だ。 内容は実に面白かった。 これは決してヘイト本ではなく、むしろ大学のゼミで教材にすべき書籍だと感じた。 それと同時に、なぜLGBT活動家がこの本を世に出したくないのかもよく分かった。 この本には 「トランスジェンダーの不都合な真実」 が書かれているからだ。 一言で要約するなら、 「トランスジェンダーの多くは本物のトランスジェンダーではなく、その正体は鬱病ゆえに自分の事をトランスジェンダーだと思い込んでいる思春期の少女たちである」 ということだ。 こうした事実が衆目に晒されることをLGBT活動家は恐れている。 日本最大のLGBTの祭典 『東京レインボ−ブライド』 は、2024年4月19日から21日までの3日間開催されたが、ホームページのどこにも出版妨害事件があったことの記述はない。 これは 「ノーディベート」 と呼ばれる彼らの戦略である。 「トランスジェンダーについて議論すること自体が差別だ」 「差別者との対話に意味はない」 「力尽くで排除せよ」 との思想は、今やLGBT運動の既定路線であり、アライ(LGBTへの理解・支援者)を標榜するマスコミ業界に広がっている。 KADOKAWAに出版妨害工作を仕掛けたのは、大手の書店員たちだった。 また、2024年4月11日放送の『ABEMA Prime』(アベプラ)でこの本が批判的に取り上げられた時も、7人の出演者のうち読んでいたのは1人だけだった。 ページをめくる行為そのものが差別だ、と彼らは認識しているのだろう。 新聞・テレビが伝えないので、この本のどこが争点になっているのか国民にはさっぱり分からない。 そこで今回は、ゲイである私が問題の所在について案内していきたい。 ■争点@社会的伝染について この本は、著者のアビゲイル・シュライアー氏が行ったトランスジェンダーになりたがる娘を持つ200人の親へのインタビューが下地となっている。 「少女の頃は性的違和感を訴えていなかったのに、なぜ急に娘は変わってしまったのか」 という母親の不安が次々と語られるのだ。 この10年でジェンダー医療を望む少女は米国で1000%、英国で4400%増えた。 明らかに不自然だ。 シュライアー氏はその原因を、InstagramやTikTok、YouTubeなどのSNSに見出す。 SNSには尊師のようなトランス男性(生物学的女性)のインフルエンサーがいて、その動画を見た彼女たちは 「彼のようになりたい」 と乳房の切除に至るのだと。 2024年1月にKADOKAWAが販売中止を決めた際のタイトルは 『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』 だった。 ★原題は『修復不可能な傷(Irreversible Damage)』 これに対して、自身もトランスジェンダーである群馬大学准教授の高井ゆと里氏はTBSラジオ『荻上(おぎうえ)チキ・Session』に電話出演し、この本を差別だとする理由について、次のように述べた。 「書籍の宣伝の仕方が悪質だった」 「トランスジェンダーが伝染するとか、性転換という、これ自体もう使われない攻撃的な言葉を使って、近年高まりつつあるトランスジェンダーの人たちへの嫌悪、憎悪を商売に利用した」 つまり高井氏は、トランスジェンダーを伝染病のように扱うのはおかしい、トランスジェンダーは伝染などしないというのだ。 ここが、争点の1つ目。 果たして、トランスジェンダーはSNSで伝染するのか否か。 確かに、本当の性別違和は伝染したりはしないだろう。 しかし、LGBT活動家の強力な働き掛けによって 『医療モデルから人権モデルへ』 と国際的なトランス医療のルールは変わり、トランスジェンダーは 「自称」 でなれるものとなってしまった。 「自分の性別は自分で決める」 「科学的根拠は必要ない」 という考え方だ。 よって、自分が何者か探りあぐねているティーンエイジャーもトランスジェンダーの中に含まれるようになったのだ。 ■SNSを通した社会的伝染 精神が不安定なその少女たちに、SNSを媒介とした社会的伝染が起こっているのである。 LGBT活動家は、彼女たちを前にして 「自称の貴方はトランスジェンダーではない」 と否定することはできない。 なぜならそれは、彼らにとって自己矛盾となるからだ。 トランスジェンダーがSNSを通して伝染するとは、こういう意味なのだ。 思春期特有のシンクロニシティ(共時性::意味のある偶然の一致)は、日頃から女子生徒と接する機会のある人にとっては心当たりがあるのではないだろうか。 例えば、以前大ブームになったAC『(アダルトトルドレン:機能不全家族の下で育ったことが原因で(大人になっても)深いトラウマ(心的外傷)を持つという考え方、現象、または人(大人)のこと)』。 「あなたが生きづらいのは、子供の頃の家庭内トラウマ(心的外傷)に原因がある」 とするACは、その疾患名が世間に知られるようになると、実の父親にレイプされたと訴える女性が爆増した。 だが、そのほとんどは記憶の捏造だった。 あの熱に浮かされた騒ぎは何だったのだろうか。 現在では、全くメディアで取り上げられることはない。 私にも苦い経験がある。 韓国の男性アイドルグループBTSのファンだった私は、ARMY(ファンを指す言葉)として 「推し活」 に勤しんでいた。 ファンクラブに入り、映画やコンサートに赴き、新大久保にグッズを買いに行った。 SNSでは 「同担(どうたん:応援対象が自分と同じ人)」 の子と仲良くなり、情報交換をしたりした。 「元議員にBTSのファンがいるのは心強い」 とARMYの間ではちょっとした人気者になり、 「オッパ」(お兄さん) と呼ばれてX(旧ツイッター)のフォロワーが一気に5万人以上増えた。 だが、そんな私を快く思わない人がいた。 左翼の高齢女性ファンたちである。 文在寅(ムンジェイン)大統領を批判した私の過去のポストを見つけ出した彼女たちは 「松浦に騙されるな」 「奴は嫌韓だ」 と若い女性たちに吹聴していったのだ。 すると、それまで慕ってくれていた子たちが、何かに感染したかのように一斉にフォローを外し始めたのだった。 一夜にして5万人のフォロワーがいなくなった。 その後しばらくして、ある女性からDMが届き、 「ごめんなさいね」 「思春期の女って難しくてね」 「連れ添ってトイレに行ったりするのもそうだけど、1人がそうなるとそれが皆んなに感染(うつ)っちゃうのよ」 と同情されるようになった。 高井准教授たちLGBT活動家は、思想的に右派のライターであるシュライアー氏が、トランスジェンダーを貶めるためにわざと 「伝染」 という言葉を使っているのではないかと疑うが、そうではない。 ■母親との関係が悪く孤独 この本を読んで分かるように、これは進化心理学者ジョナサン・ハイト氏の主張を紹介する中で出てきた概念だ。 そして日本でも、有名な左派の論客、香山リカ氏が、同じようなスキームで本を出版している。 2002年に評判となった 『ぷちナショナリズム症候群』 である。 サッカーW杯日韓大会で、日本がチュニジアに勝って決勝トーナメントに進出し、斎藤孝氏の 『声に出して読みたい日本語』 がミリオンセラーになり、産休から復帰した工藤静香氏がサッカーキリンカップで 「君が代」 を歌ったゼロ年代初頭。 抵抗なく日の丸を振る若者を目にしたお年寄りは 「これは右傾化だ」 「軍靴(ぐんか)の音が聞こえる」 と嘆いたが、香山氏は 「そうではない」 と説いた。 戦争や天皇とは全く関係のない無邪気なナショナリズムが、社会的伝染として広がっている光景。 それがシンドローム(症候群)なのだと (その後、本格的なナショナリズムに支えられた安倍政権が誕生すると、香山氏も「あれは『ぷち』だから」と余裕をかましてはいられなくなり、高齢世代のデモに参加するようになっていったわけだが)。 このように、社会的伝染はここそこで発生している。 しかし私は、その原因がSNSそのものにあるとする見方には、もう少し解像度を高くして分析した方が良いと思う。 マスコミ研究の雄、ジョセフ・クラッパー氏は、膨大な実証調査の結果、 「暴力的なメディアを見たら暴力的になり、性的なメディアを見たら性的になる」 という強力効果論を否定しているからだ。 それより、どんな意見の人と、どんな環境で見ているのかの方が、人間に与える影響は大きい。 これを受容文脈論という。 シュライアー氏の本を読むと、SNSに嵌ってしまった娘たちは、母親との関係が極めて悪い。 トランスジェンダー・ブームに沸く友人コミュニティや学校の先生や医者は、彼女の意見を肯定するばかりで腹を割って話してはくれない。 孤独の中でSNSというメディアに接しているのだ。 信頼できる大人と意見を交わしながらSNSと付き合っていたら、状況は違っていたかもしれない。 日本においては、こども家庭庁や孤独・孤立対策担当室が取り組まなければならない課題だが、この本に書かれている視点からの動きは皆無だ。 官僚の皆さんにも、是非読んでもらいたい。 ■争点Aジェンダー肯定医療 争点の2つ目は、ジェンダー肯定医療についてだ。 ジェンダー肯定医療とは、トランスジェンダーの子供たちに対して否定的なことは言ってはいけないという医療方針のことだ。 彼女たちは自殺率が高く、自分が受け入れられていないと感じたら命を絶つ可能性があるという。 性別違和を持つ少女たちがセラピストの元を訪れたとしよう。 まずセラピストは、彼女たちの自己診断を肯定するところから始める。 「あなたはどうしたいの?」 と優しく微笑みかけ、診察では彼女が呼んで欲しい男性の名前で呼ぶようにし、胸を目立たなくしたいと言えば胸を圧迫するブレストバインダーを与え、第2次性徴を止める思春期ブロッカーを処方する。 次は声を低くするためのテストステロン補充療法、その次は性別適合手術で両胸を除去し、陰茎形成術を施す。 2010年に成立したオバマケアによってこれらが保険適用となり、更に拍車をかけていった。 しかし著者のシュライアー氏は、ジェンダー肯定医療がもたらす 「不可逆的な損傷」 に警鐘を鳴らしている。 自分のアイデンティティが分かっていない10代のうちに医療処置を行い、後悔している人が続出しているのだ。 ■著者の予感は的中した 2024年3月、まさにシュライアー氏の予感は的中した。 世界トランスジェンダー・ヘルス専門家教会(WPATH)から170ページもの内部資料の流出があり、それによると、子供や社会的弱者に対する医療過誤が蔓延しているとのこと。 「WPATHファイル」 は現在、誰でも閲覧できるようにネットで拡散されており、米国のテレビは最悪の医療スキャンダルとして報道している。 ファイルには 「WPATHは、ホルモン療法がもたらすものを子供たちが理解していないことを知っている」 「2次性徴抑制のエビデンスは脆弱」 「脱トランス者の被害体験談を過小評価している」 など、専門家による生々しい本音が収録されている。 そして、WPATHのオンライン会議を撮影した動画では、統合失調症のホームレスに対し、 「精神疾患があったとしても性器手術を妨げるべきではない」 との会話がなされて、インフォームド・コンセントがほとんど行われていない実態が浮き彫りになった。 また、10代の女性への妊孕性(にんようせい)温存(妊娠するための力を保つこと)の説明も不十分だった。 小児内分泌専門医は 「インフォームド・コンセントはやっていますよ」 「でもそれは、真っ白な壁に向かって喋っているようなものだ」 と語り、何度説明しても、思春期の子供たちは自分が生涯に渡って不妊になることを理解できなかったと打ち明けた。 米国の医療機関はWPATHの基準を参考にしているわけで、それがこれだけ非科学的で非論理的だったことに、多くの人はショックを受けている。 更に時を同じくして、イギリスでは2024年4月にCass Review最終報告書が出た。 これはイギリスの国民保健サービスが、2022年に閉鎖されたタビストック小児ジェンダークリニックの調査を小児科医ヒラリー・キャス氏に依頼したもの。 思春期ブロッカーやホルモン療法が、科学的証拠に基づいて処方されていない実態が明らかになった。 ビクトリア・アトキンス保険大臣は、タビストック小児ジェンダークリニックでトランスジェンダーの医療を受けた子供の患者9000人が大人になってどうなったか、開示命令を出した。 ■争点B手術で回復はしない 最後に、シュライアー氏の 「少女たちは手術やホルモン療法で回復しない」 「むしろ健康に害を及ぼす」 という論点を見ていこう。 患者は性別違和の症状を見せながら、実は他の精神的な問題が関わっている場合がある。 それは思春期の心理的揺れかもしれないし、白人というマジョリティとしての罪悪感かもしれない。 発達障害や過去のトラウマかもしれない。 だから性別適合手術をしてもすっきりせず、デトランジション(性別移行の中断や再移行)する人がいるのだ。 だが、トランスジェンダーの問題が余りにも政治化し過ぎているので、医師は患者を前に頷くことしかできない。 こうした状況はオピオイド危機に似ている、とシュライアー氏は言う。 オピオイドとは鎮痛剤の1つだ。 アメリカでは、オピオイド中毒で毎日100人以上が死んでいる。 「痛みますか?」 「バーコセット(オピオイド系薬剤の1つ)を処方しましょう」 と、医師は患者に求められるまま薬を出していた。 すると患者は、痛み止めとして飲んでいた薬によっていつの間にか中毒になり、薬をやめられなくなってしまった。 一時的には痛みを取ることはできても、根本的解決にはならないというメタファ(たとえ話・比喩)である。 では、どうするか。 シュライアー氏の処方箋は以下の通りだ。 <トランスジェンダーだといきなり主張し始めた娘を引き返させることに成功したと言える親たちの話には共通項がある> <学校、同年代の仲間たち、本人を追い詰める選択を執拗に勧めるオンラインのコミュニティから、あらゆる手で娘を引き離したことだ> そして、母親と一緒にインターネットが接続できない馬牧場で暮らしたり、母親が仕事を辞めて娘と国中を旅したり、住まいを引き払って一家で移民のコミュニティに引っ越したりするのだという。 シュライアー氏の母としての愛情はよく分かる。 ただ自分に置き換えた時どうだろうと考えたら、愛という真綿で首を絞められている感じがして息苦しくなる。 思春期の少女たちが母親の繭から逃げるようにトランスジェンダーとして 「出家」 するのは、こうした親子の関係性も理由の1つなのかもしれない。「報道しない自由」にもほどがある トランスジェンダー本脅迫事件を無視する同業他社 2024/4/7 10:00 https://www.sankei.com/article/20240407-MEXKIOLSIBBMVC3FBX6XNNCFUM/ このコラムで筆者は大抵、大手マスコミの報道姿勢を取り上げて皮肉を述べてきましたが、彼らの 「報道しない自由」 が、まさかこれほどとは思っていませんでした。 2024年4月3日に産経新聞出版から発売された翻訳本 「トランスジェンダーになりたい少女たち」(アビゲイル・シュライアー著) を巡る脅迫事件についてです。 簡単に振り返りますと、発売を前にした2024年3月30日、この本を扱う書店への放火を予告する脅迫メールが産経新聞出版や複数の書店に送られていたことが発覚しました。 産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を出しましたが、一部大手書店などでは 「お客様と従業員の生命や身体に危害を加えられるリスクがある」 として販売を見送りました。 このニュース、地上波テレビなどではほとんど報道されていません。 全国紙でも全く触れていない新聞があります。 日頃から 「言論の自由」 などと声高に叫んでいるマスコミ業界ですが、知らぬ存ぜぬを平気で決め込んでいるというわけです。 産経新聞の関連会社が被害者だから強く言っているのではありません。 仮に自分の主義主張とは真逆の内容だったり、世に出すのは如何なものかと思われる書籍であったりしたとしても、まるで中世の焚書のように1つの言論を封殺しようとする行為に、私は強く怒りを覚えますし、産経新聞としてもその経緯を必ず記事にするでしょう。 その上、この卑劣な犯人は、不特定多数の人々が集まる書店に 「火を放つ」 と脅迫しているのです。 「騒ぎ過ぎは犯人を喜ばせるだけ」 という意見もあるかもしれませんが、もしも万が一、そのような重大事件が実際に起きて被害に巻き込まれる人がいたとしたら、今度は 「なぜ報道しなかったのか」 「注意喚起すべきだったのではないか」 という批判が、報じなかったメディアには必ず出ると思います。 では、なぜ彼らは報道しなかったのか。 ここからは想像ですが、彼らはどんな形であれ、この本の存在を知らせたくなかったのではないでしょうか。 実際、大手出版社のKADOKAWAが激しい抗議の末、出版を断念した際もメディアはそれほど大きく取り上げませんでした。 いや、ちょっと買い被り過ぎかもしれません。 「知らせたくない」 というより、 「面倒くさい事に巻き込まれたくない」 というのが本音のような気もします。 中でも地上波テレビが全くと言っていいほど報じなかったのは、そちらの理由のほうが大きいかと思います。 「報じることで、こんどはウチが活動家の抗議を受けたらまずい」 「産経の件は、実際に何かあったら報道すればよい」…。 そんな所でしょうか。 本書は 「性別は自認で決まる」 というイデオロギーに煽られ性別変更したものの、手術などで回復不可能なダメージを受けて後悔する少女ら200人を丁寧に取材しています。 2020年に米国で発売されたのに続き、フランス語、ドイツ語、スペイン語など9つの言語に翻訳されて出版され、高い評価を受けています。 海外のベストセラーが日本では発売できないというのは異常事態であり、我が国の言論の最大級の危機であることに日本のマスコミは余りにも鈍感です。 「脅せば本を売らなくなる」 「脅せば報道しなくなる」。 そんな前例を絶対に作ってはなりません。 幸いにも本書は大手通販のアマゾンで総合1位になるなど、多くの人に読まれ、電子書籍版も売れています。 インターネット上では 「脅迫されたと聞いて逆に興味が出て買いました」 という犯人の狙いが裏目に出たような投稿や、 「言論の自由を守ってほしい」 「産経頑張れ!」 といった有難い投稿も頂いています。 各々が自由に意見を述べられるネット社会にあって 「焚書」 など出来るはずがないのです。 産経新聞出版編集長が語る 『トランスジェンダーになりたい少女たち』 2024/4/5 18:51 https://www.sankei.com/article/20240405-5LIA54CU3RCPPOK4WTNHMK7OKE/?outputType=theme_monthly-seiron 『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(アビゲイル・シュライアー著、定価2530円) が2024年4月3日、産経新聞出版から発売された。 日本語版については、昨年末に大手出版社のKADOKAWAから発行予定だったが、一部の強い批判などを受けて発行中止となった経緯がある。 産経新聞出版の瀬尾友子編集長が出版に至る経緯を語る。 聞き手は月刊「正論」発行人有元隆志。 ◇ 同書はネット書店で、電子書籍を含む注文が可能です。産経iD(登録が必要、送料無料)からも申し込むこともできます。 「批判する人は中身読んでいない」脅迫されたトランスジェンダー本監訳者「学術価値高い」 2024/4/4 11:00 https://www.sankei.com/article/20240404-3VJANQVSIZMGTAGVEKYJNPZAXY/ 心と体の性が一致しないトランスジェンダーの実態を取材した米国書籍の翻訳本 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」(産経新聞出版) が2024年4月3日、全国の書店で発売された。 同書は昨年末、大手出版社のKADOKAWAが批判を受けて発行を中止。 今回も発売前に書店の放火を予告する脅迫メールが届いた。 監訳者で解説も担当した精神科医で昭和大の岩波明特任教授は、産経新聞のインタビューに応じ 「本書は非常に丁寧に書かれた学術的にも価値のある本だ」 「批判する人も、まずは本書を読んでからしてほしい」 などと語った。 「余りにも簡単に発行中止を決め、驚いた」。 岩波教授はKADOKAWAの判断をこう振り返る。 同社は、 「差別を助長する」 という批判や本社前での抗議集会の予告などを受けて発行中止を発表、 「結果的に当事者の方を傷付けることとなり、誠に申し訳ございません」 と謝罪した。 岩波教授は 「海外9カ国で普通に出版されている本の出版を巡り、なぜ謝罪までしなければならないのか」 「出版社の姿勢そのものに根本的な問題がある」。 同書は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。 ブームに煽られ性別変更したものの、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。 岩波教授は 「本書は、これまでの研究成果を紹介し、関係者にインタビューを重ね、様々な側面からトランスジェンダーの問題を取り上げている」 「ジャーナリストの作品だが、学術的にも非常に価値がある本だと思う」。 本書によると、米国では、トランスジェンダーの急増という状況を引き起こした要因として、教育現場とカウンセリングの問題が挙げられている。 米国の多くの高校や大学では、性別違和を訴える少女を擁護し、親に知らせることなく男性名の使用を認めたり、積極的にホルモン療法や手術に誘導したりすることもあるという。 こうした本が攻撃の対象となる風潮については 「昨今は本当に『炎上社会』で、ある意味、手法として確立されてしまっている」 と指摘。 「ただ、問題は、批判する人たちは中身を読んでいないこと」 「批判のための批判をしている印象がある」 と述べた。 また、 「現在のトランスジェンダーの問題は、差別と少数者の権利擁護の側面ばかりがクローズアップされているが、本来は医療の問題だ」 「そうした観点から書かれた本はこれまで日本にはなかった」 と説明し、こう続けた。 「医療の問題を人権とくっ付けてしまうために、おかしな状況が生まれている」 「人権の問題はきっちりと扱えばよいし、医療については、本書のような問題提起にしっかり向き合う必要がある」 ■(いわなみ・あきら) 昭和34年、神奈川県生まれ。 東京大医学部卒。 昭和大特任教授。 専門は精神医学。 著書に『発達障害』(文春新書)など多数。 <産経抄>脅しに屈さず、『トランスジェンダーになりたい少女たち』発売 2024/4/4 5:00 https://www.sankei.com/article/20240404-YJHCVJWU4FI2JFJOHMVI7UDZZM/ 火、水、虫、埃。 書物の天敵を計10種に分類したのは英国の書誌学者、ウィリアム・ブレイズ(1824〜90年)である。 中でも人間は、書物の作り手にして厄介な相手らしい。 著書『書物の敵』(八坂書房)から例を引く。 ▼大英博物館には、エリザベス朝期(16〜17世紀)に上演された3つの劇の手書き台本が残っている。 紙の余白には約60本分の題名が書かれていたものの、大半は失われ、収集家の一筆が添えられていた。 「私の不注意および召使の無知のため」 ▼炊事の種火やパイ皮の下敷きとして、家の召使がその価値も知らずに台本の紙を使ったという。 人の無知もまた、本の仇だろう。 ブレイズが現代にありせば、新たな敵の分類が必要かもしれない。 製本までされた書物が不当な圧力を受け、世に出ることなく葬られる危険である。 ▼アビゲイル・シュライアーさんの著書『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』が発売された。 出版を巡っては、取り扱う書店や産経新聞出版に 「発売日に大型書店に放火する」 と予告する脅迫があった。 ▼海外で評価を得た同書の発行を見送れば、それこそ書物の敵≠ノなる。 むろん当社も産経新聞出版も表現の自由への脅しには屈しない。 欧米諸国で見られる性別変更の一端を知り、我が国で議論を深めてもらうためである。 差別を助長するためではないと、重ねて言っておく。 ▼昨日、職場に近い都内の大手書店を覗いてみた。 同書は見当たらず、店員に聞くと 「お取り扱いをしておりません」 という。 それも書店の自由である。 メディアに携わる身としては譲れぬ一線を死守したことに安堵を覚えつつ、背筋の伸びる思いもする。 脅迫のトランスジェンダー本「安全確保できぬ」書店で販売自粛広がる アマゾンは総合1位 2024/4/3 19:02 https://www.sankei.com/article/20240403-PWMBKRSOP5IGFCG3HUIC26UJLY/ 2024年4月3日に発売された翻訳本 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」(アビゲイル・シュライアー著)。 発行元の産経新聞出版や書店に対する脅迫が相次ぎ、安全の確保を理由として複数の書店に販売自粛の動きが広がった。 予定通り店頭に並べた書店では、手に取る客の姿が目立った。 「お客様と従業員の生命や身体に危害を加えられるリスクがある」。 全国展開する書店の担当者は販売見合わせの理由をこう説明した。 今後も販売するかどうかは未定で、こうした事態は 「知る限りない」 と語った。 一方、販売を開始した関西地区の大型店は 「たくさん仕入れたが、全ては店頭に出さず、少しずつ置きます」。 中には 「本部から自粛の要請があったが、納得がいかない」 「積極的に売りたい」 と話すチェーン店もあった。 一部の書店系通販サイトでも注文できない状態が続いたが、通販大手の「アマゾン」では本の売れ筋ランキングで総合1位となるなど関心の高さが窺われた。 東京都内の大型書店では奥まった場所に設けられたノンフィクション売り場に数冊が平積みされ、男性客らが手に取って内容に目を通していた。 同書を巡っては、出版中止を求め放火を予告する脅迫メールが、複数の書店や発行元の産経新聞出版などに送付された。 産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を提出している。 産経新聞出版では 「脅迫に応じることは、出版文化と表現の自由を脅かす前例を作ることになり得る」 として、予定通り刊行。 著者のシュライアーさんはX(旧ツイッター)で 「悪質な圧力に屈することなく、書籍は発行する」 とした産経新聞出版の姿勢に、 「This is the way!(これがその方法だ!)」 と書き込んだ。 「トランスジェンダーになりたい少女たち」発売開始 「表現の自由脅かす前例作らない」 2024/4/3 7:00 https://www.sankei.com/article/20240403-HO3H654KNNFGHBQ6U5W5MMV5FA/ 産経新聞社は下記の社告を2024年4月3日付一面に掲載した。 書籍発売を巡り、発行元の産経新聞出版や書店に脅迫メールが送り付けけられたが、予定通り刊行に踏み切った。 ◇ 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」(アビゲイル・シュライアー著、定価2530円) が2024年4月3日、産経新聞出版から発売されます。 近年、欧米諸国で、自分は心と体の性が一致しないトランスジェンダーだと訴える少女が急増しています。 著者は約200人、50家族に取材し、その社会的流行の理由や、容易に性別変更できてしまう米国の実態を明らかにしています。 エコノミスト誌やタイムズ紙の年間ベストブックに選ばれ、世界9カ国で翻訳。 日本語版緊急出版。 本書の発売を巡っては、産経新聞出版や複数の書店に対して 「出版中止」 の要求と 「放火」 を予告する脅迫がありました。 脅迫に応じることは、出版文化と表現の自由を脅かす前例を作ることになり得ると考え、予定通り刊行します。 販売の一時見送りの対応を取る書店も出ることが予想されます。 その場合は、ネット書店で、電子書籍を含む注文が可能となっています。 産経iD(登録が必要、送料無料)からもお申込みできます。 ■産経新聞出版の見解 多くの人に読んでもらいたい内容であることはもちろん、米国のベストセラーが日本で発行できない状態であることに疑問を感じました。 不当な圧力に屈せず、発行を決めました。 多数の人が集まる書店を脅すなど許されない行為です。 産経新聞出版では、脅迫に応じることは、出版文化と表現の自由を脅かす前例を作ることになり得ると考え、予定通り刊行します。 被害届を出した他、人的・物的な被害が発生しないよう、関係各方面と真摯に協議、連携をしていきます。 <主張>翻訳本発売に脅迫 言論封じの暴挙許されぬ 社説 2024/4/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20240403-UUEWIZDP5FIVBFRQC4OQS4X46M/ 民主主義の根幹をなす表現の自由への不当な侵害は決して許されない。 2024年4月3日発売の翻訳本 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」 を巡り、取り扱う書店や発行元の産経新聞出版に脅迫メールが送り付けられた。 「発売日に抗議活動として大型書店に放火する」 などと予告する内容である。 産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を出した。 一部の書店は店頭での発売開始を延期する対応を迫られた。 憲法第21条は 「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」 と明記している。 書店や出版社に対して暴力をちらつかせて言論を封じようとする脅迫は、趣旨の方向性にかかわらず、国民が享受する自由、民主主義に挑戦する暴挙だ。 産経新聞社と産経新聞出版はこのような脅迫に屈しない。 最大限の言葉で非難する。 原著は米国のジャーナリストによるノンフィクションで2020年に出版された。 ブームに煽られて性別を変更し、回復不能なダメージを受けて後悔する多くの少女らに取材しており、独仏など各国で翻訳されて話題となった。 日本では出版大手のKADOKAWAが 「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」 の邦題で発行を予定していた。 だが、 「トランスジェンダーへの差別だ」 とする抗議や批判があり、2023年12月に発行中止を決めた経緯がある。 その後、産経新聞出版が発行を決めた。 米国でベストセラーになるなど外国で評価を得た書籍が日本で出版できなくなることに危機感を覚えたからだ。 LGBTなど性的少数者への差別があってはならないのは当然だが、そもそも翻訳本は差別を助長するものではない。 それでも同出版には発行中止を迫るメールが届くようになった。 性の多様化が進む米国の子供たちや家族が今、どのような状況にあるのか。 その一端を示すのが翻訳本だ。 読者にトランスジェンダーについて考える材料を提供するのが狙いである。 翻訳本の内容に批判があるなら、それはあくまで言論でなされるべきである。 暴力や脅迫は断じて認められない。 「トランスジェンダーになりたい少女たち」 発行元や複数の書店に放火の脅迫、被害届提出 2024/3/30 15:15 https://www.sankei.com/article/20240330-MHOJKNM325BGFBGT4JVPMTOOQI/ 2024年4月3日に発行予定の翻訳本 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」 を巡り、同書を扱う書店への放火を予告する脅迫メールが、発行元の産経新聞出版宛てに届けられていることが2024年3月30日、分かった。 複数の書店にも同様のメールが送られており、産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を提出した。 メールはドイツのドメインが使われており、産経新聞社のアドレスに送られてきた。 「原著の内容はトランスジェンダー当事者に対する差別を扇動する」 として、 「出版の中止」 などを求めた上で、発売した場合には抗議活動として同書を扱った書店に火を放つとしている。 翻訳本は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。 ブームに煽られ性別変更したが、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。 既にアマゾンなどネット書店では予約が始まっている。 同書は2020年に米国で発売されたのに続き、フランス語、ドイツ語、スペイン語など9つの言語に翻訳されて出版され、多くの人に読まれている。 日本語版については、2023年末に大手出版社のKADOKAWAから発行予定だったが、一部の強い批判や同社本社前での抗議集会の予告などを受けて発行中止となった経緯がある。 産経新聞出版では 「多数の人が集まる書店を脅すなど許されない行為」 「悪質な圧力に屈することなく、書籍は発行します」 「被害届を出した他、書店にも状況を説明していきます」 としている。 邦題は「トランスジェンダーになりたい少女たち」 4月3日発売決定 出版社には賛否の声 2024/3/19 8:00 https://www.sankei.com/article/20240319-KGJ7UGHRHFAMHBYVHZBMOYBU5Q/ 大手出版社KADOKAWAが発行を中止した米書 「IRREVERSIBLE DAMAGE」 が、 「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」 の邦題で、2024年4月3日に発売される。 発行準備を進めていた産経新聞出版が2024年3月19日、公表した。 定価(税込み)は2530円。 既に通販のアマゾンなどで予約開始されており、注目を集めている。 同書は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。 ブームに煽られ性別変更したものの、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。 日本語版に当たっては、精神科医の岩波明氏が監訳・解説を担当した。 2023年末にKADOKAWAが 「あの子もトランスジェンダーになった」 の邦題で発行予定だったが、 「差別を助長する」 という一部の強い批判や同社本社前での抗議集会の予告などを受け、発行中止となった経緯がある。 産経新聞出版にも 「トランスジェンダーの人を差別するような本は出版されるべきではない」 と出版中止を求めるメールや手紙が届いている一方、 「脅迫や圧力に屈してはいけない」 「ぜひ読んでみたい」 という激励の声も寄せられている。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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