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岸田首相が「社会問題」と位置付けた“花粉症撲滅”政策の見当外れ 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339362
2024/04/24 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
花粉症に関する関係閣僚会議であいさつする岸田首相(左から2人目)/(C)共同通信社
通称「ハクション議連」、正式名「花粉症対策議員連盟」には与野党150人もの議員が参加し、岸田文雄首相も昨年の国会答弁で「もはや我が国の社会問題」と位置付けたこの問題の対策に取り組んでいる。具体的には、23年度補正予算に60億円を計上して「花粉発生源となるスギ林の伐採規模を拡大し、10年後に面積を2割減らすと同時に、花粉の少ない品種に植え替える政策」(20日付毎日新聞)である。
しかしこの政策は、私見では、まるっきり見当が狂っていて、こんなことに何十億、何百億と注いでも、国民の4割以上がかかっているというこの国民的疾病はなくならないだろう。第1に、人工交配で最近作られるようになった無花粉ないし少花粉のスギそれ自体がかなり怪しいというか、検証不足も甚だしいもので、実際にこれに植え替えたのに大量の花粉を飛散させて何の効果もなかったケースもある。
第2に、林野庁=森林組合の今の林業思想では、何十年も何百年もかけて山全体をひとつの生命体として循環的に育てていくという発想がなく、これまで生えていた木を皆伐して新しい苗を植えるという乱暴なやり方になるので、大規模な土砂崩れが起きやすくなり、山はますます荒れ放題になる。
第3に、そうでないとしても、現在のペースでは、東京都内の人工的なスギ林3万ヘクタールを全部切り終えるには400年かかる。第4に、それらが全てうまくいったとしても、花粉症を起こすのはスギ(が多いのは確かだが)だけでなくヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、ブナなども花粉を飛ばす風媒花の樹木だし、ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウなども厄介だ。それらも予算で刈るのかどうか。第5に、以上の全てが、400年といわず数十年で迅速に完遂されたとしても、花粉症はなくならない。なぜなら、スギなどの花粉は「原因」ではなく、戦後に急速に普及して特に日本ではむやみやたらに乱用された抗生物質によって体内の免疫機能が破壊されたことによるさまざまの新しいアレルギー症状のひとつにすぎず、それがその人の場合はたまたま花粉ごときに反応する形で発現した「結果」だからである。
詳しくは小柳津広志「花粉症は1日で治る!」(自由国民社)、それを私なりに解釈・紹介した「高野孟のTHE JOURNAL」4月15日号を参照のこと。議連の皆さんも、役所に振り回されずに自分の頭で考えないと恥をかきますよ。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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