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※紙面抜粋
※2024年4月26日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
何でもアリのオンパレード党(岸田首相、右は、“パパ活&デリハル常習”と報じられ辞職した宮沢博行・前防衛相)/(C)日刊ゲンダイ
前代未聞の辞職である。「週刊文春」に、<パパ活&デリヘル常習!>と報じられた宮沢博行・前防衛副大臣(49)の辞職が、25日衆院本会議で認められた。23日に「辞職願」を提出していた。
宮沢前議員は静岡県出身。東大卒。磐田市議(3期)を経て、2012年の衆院選で初当選している。国会議員を4期つとめた典型的な安倍チルドレンだ。
安倍派の裏金議員にも名を連ね、「私の不記載は140万円。派閥から、収支報告書に記載しなくていいという指示があった」と、裏金づくりは派閥ぐるみだったと暴露して名をあげていた。
週刊文春によると、宮沢前議員の“女性活動”は、20代女性との「パパ活同棲」にはじまり、出会い系サイトを使った買春疑惑、さらに連日にわたるデリヘル利用と、かなり熱が入ったもの。“政治活動”をする時間は、ほとんどなかったのではないか。
出会い系サイトには、<♂ひろゆき 49歳 東京都 自営業><エッチ度 積極的で好奇心旺盛><(処女)卒業のお手伝いもします>と、プロフィルを記していたそうだ。宮沢前議員は妻、長男、長女、次女の5人家族だという。
もはや、言葉を失う醜聞だが、唖然とするのは、週刊文春に直撃された時の対応だ。
「東京で仕事をすると、寂しいんだよ。つい、つい、やってしまった」「寂しさと、欲望です。相当、性欲が強かったものですから。色んな遊びもやった」と、悪びれることなく自らの下半身事情を語っているのだ。さらに、普段、紐パンを穿いていることについて問われると、なぜかうれしそうに「理由があります。ステテコを直穿きしてるんですよ。フフッ、これ記録してよ、金玉がすご〜く垂れちゃってぇ〜。股ズレするんですよぉ〜。何とかならないかなと、金玉のパンツを探して探して。今、見せます?」と笑顔で語っている。
こんな人物に防衛行政を任せていたとは、日本の守りは大丈夫なのか。
「いまさら国会議員に知性や威厳を求める有権者は少ないでしょうが、さすがに『金玉が垂れちゃってぇ〜』などと話す宮沢前議員には呆れたでしょう。驚いたのは、週刊文春の取材を受けると、あっさり議員辞職を決めたことです。議員バッジにしがみつくことがいいとは思いませんが、政治に対する未練や、有権者への責任、議員バッジの重みがまったく感じられなかった。まるでアルバイトを辞めるような軽さだった。宮沢議員にとって、国会議員とはなんだったのでしょうか」(政治評論家・有馬晴海氏)
5年間で8人が逮捕・起訴の異常な集団
安倍派は裏金総汚染(C)日刊ゲンダイ
自民党にはまともな議員はいないのか。毎月のように、不祥事を起こしているのだから異常だ。
つい先月は、自民党青年局が和歌山で開いた懇親会に、露出の多い女性ダンサーを招いていたことが発覚し問題になったばかりである。
宮沢前議員の地元・静岡では、吉川赳衆院議員(静岡5区)も、18歳の女子学生に飲酒させたうえ、4万円を渡した“パパ活疑惑”を報じられ、自民党を離党している。
男性議員だけではない。広瀬めぐみ参院議員は、不倫相手のカナダ人音楽家と、歌舞伎町のラブホテルに赤いベンツで入る場面を「週刊新潮」に撮られた。夫は許してくれたそうだが、ラブホに1泊し、そこから国会に出勤していたというのだから堂々としたものだ。
「政治とカネ」の問題も尽きない。この5年間だけでも、8人が逮捕・起訴されているのだからまともじゃない。毎年、誰か一人は逮捕されている計算である。普通の組織では考えられないことだ。
かと思えば、杉田水脈議員は、いくら批判されてもヘイトを繰り返し、長谷川岳参院議員は、自治体職員や客室乗務員に威圧的な態度を取っていたことが発覚。
いまや自民党は、破廉恥人間の動物園、奇人の見本市といったありさまである。
「パパ活&デリヘル」に血道をあげていた宮沢前議員といい、自民党議員はなんのために国会議員をやっているのか。
「本来、政治家は世のため、人のために働きたいと考えてなるものです。ところが自民党議員の多くは、名誉欲や権力欲、収入といった自らの欲望を満たすために国政に進んだのが実態でしょう。だから、国会議員の特権を振りかざし、自治体職員や客室乗務員に対して威圧的な態度をとるのだと思う。国会議員になると、先生、先生と呼ばれ、どこへ行ってもVIP扱いされるから、自尊心も満たされるのでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
実際、自民党議員は、ボロい商売だ。議員歳費は年間2100万円。領収書のいらない「調査研究広報滞在費」も月額100万円入る。さらに「立法事務費」として月額65万円も支給される。そのうえ、野党議員と違って大企業から政治献金が転がり込み、裏金もつくり放題ときている。
自民党議員にとって国会議員は“職業”としては悪くない、ということなのだろう。
議員の質が低下し組閣も困難に
ここまで議員の質が低下すると、もう自民党の再生は不可能なのではないか。実際、議員の劣化が進み、組閣さえ難しくなっている。
スキャンダルが多すぎて、国民も忘れているだろうが、昨年11月には、子どもたちの教育を担う文科政務官に「買春疑惑」が発覚して辞任、法務副大臣は「公選法違反事件」に関与していたことがわかり辞任、税を徴収する財務副大臣は「税金滞納」が発覚して辞任……と、辞任ドミノが起こっている。一昨年には4閣僚が辞任している。末期的なのは、ここまで内閣と党の支持率が低迷しているのに、多くの自民党議員が危機感を持っていないことだ。
「かつての自民党は、時の首相が民意を失えば、後継候補が名乗りを上げ、自民党から国民の支持が離れれば、危機感を強めた若手が声をあげたものです。ところが、誰も“岸田降ろし”に動かず、政治資金規正法の改正についても活発な議論が起こらない。あまりにも危機感が薄い。そもそも、ひと昔前の自民党だったら、ベテラン議員が差別発言をつづける杉田水脈議員を諫め、威圧的な態度をとる長谷川参院議員を注意していたはずです。党内から良識というか、常識さえ消えているのでしょう」(本澤二郎氏=前出)
もともと、自民党は問題議員が多かったが、安倍政権の誕生後、拍車がかかったのは間違いない。
なにをやっても国政選挙で連勝し、政権を維持してきたから、完全に勘違いしてしまっている。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「ある意味、自民党は平均的な日本人の集まりだと思う。良質な者もいれば、悪質な者もいる。多くの日本人と同様、ほとんどの自民党議員は、厳しい状況に置かれれば身を律し、堕落した環境に置かれれば身を持ち崩す、ということだと思う。不祥事が止まらないのは、自分たちは野党に転落することはない、と高をくくっているからでしょう。自民党をまともな政党にする早道は、一度、下野させることです。選挙で大敗しない限り、自民党議員は目を覚まさないですよ」
銭ゲバ議員に、色魔議員、差別主義者にパワハラ男──。このまま自民党に任せていても、国民のための政治が行われることはない。
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